GM Recordings

作曲家ガンサー・シュラー Gunther Schuller が主催するレコードレーベルです。シュラーは現代アメリカを代表する作曲家のひとり。アイスランドの作曲家レイヴル・ソウラリンソン Leifur Þórarinsson (1934-1998) が1950年代に渡米したときに師事し、その後、親友になったことが知られています。

ガンサー・シュラーの作品と彼の指揮 −− ニューイングランド音楽院のアンサンブルとのストラヴィンスキーの〈春の祭典〉など−− そしてアメリカの演奏家を起用した、幅広い時代の音楽の録音をリリースしています。

ここには、レイヴル・ソウラリンソンのディスクだけを掲載しました。その他のディスクについては、GM Recordings の公式サイトを訪問してみてください。面白いものがみつかるはずです。

Official website: http://www.gmrecordings.com/


GM2065CD レイヴル・ソウラリンソン (1934-1998) 室内楽作品集
 ピアノ三重奏曲 (1960)
 モザイク (Mosaik) (ヴァイオリンとピアノのための) (1961)
 フルート、チェロとピアノのための三重奏曲 (1974)
 ペンテ X (Pente X)
  (フルート、ハープシコード、チェロと2人の打楽器奏者のための) (1994)
 前奏曲、間奏曲と終曲 (Preludio - Intermezzo - Finale) (ピアノのための) (1995)
 海辺のセレーナ (Serena by the Sea) (ヴァイオリンとハープのための) (1995)
  CAPUT アンサンブル

◇初期の無調の作品から〈海辺のセレーナ (Serena by the Sea)〉のように清冽な美しさを誇る晩年の作品まで。20世紀のアイスランドを代表する作曲家レイヴル・ソウラリンソン Leifur Þrarinsson の室内楽作品集。ピアノ三重奏曲は、レイヴルが初めて音列技法で書いた、ピエール・ブーレーズとガンサー・シュラー Gunther Schuller − ニューヨーク時代のレイヴルの師 − の影響の強い作品。レイヴルが20世紀最高の音楽家のひとりとみなしていたチャーリー・パーカーの音楽も反映されているという。同じニューヨーク時代に書かれた〈モザイク (Mosaik)〉と同様、寡黙な音楽。

 1974年の三重奏曲は、1970年以降レイヴルの音楽が新しい広がりを獲得したことが実感される。ガンサー・シュラーの50歳の誕生プレゼントとしてコペンハーゲンで作曲され、“のんきなデンマークからの挨拶” とレイヴルは言う。フルートとチェロのはっとするような旋律、そしてピアノの透明な音色が作者の心のぬくもりを伝える。

 〈ペンテ X (Pente X)〉は (未完と思われる) 10の小品からなる作品の第5曲にあたる。ユーモラスとすら言えそうな、打楽器と3つの楽器が交差する音楽が情緒に触れる。ピアノのための〈前奏曲、間奏曲と終曲〉は、事故のためにキプロスで死んだ友人をしのんで作曲された。コンサートでブラームスとシューマンの作品と一緒に演奏する曲として、CAPUTアンサンブルのピアニスト、スノルリ・シグフース・ビルギソン Snorri Sigfüs Birgisson (b.1954) に委嘱された。《間奏曲》の透明な響きの歌が特に印象的。《終曲》では、激しい動きの中に時折、人懐こい旋律が現れる。“内面の困難な出来事”を静めるために作曲された〈海辺のセレーナ (Serena by the Sea)〉とともに、63歳で急逝したことが悔やまれる素晴らしい音楽。曲の終わり近くでヴァイオリンが奏する美しい旋律が心にしみ、余韻を残す。プロデュースしたガンサー・シュラー − GM Recordings の創始者でもある − は、このディスクをレイヴル・ソウラリンソンの思い出に捧げている。

 CAPUTアンサンブルは、アイスランドの若いアーティストたちにより1987年に結成されたグループ。室内アンサンブルのための作品から独奏曲まで、さまざまな楽器編成の曲を演奏する。彼らの活動が作品を書くきっかけになったアイスランドの作曲家は多く、ITMBISCDによりそれらの作品を聴くことができる。アイスランド以外でも、ノルウェーのオラヴ・アントン・トメセン Olav Anton Thommessen (b.1946)、デンマークのベント・セーアンセン Bent Sørensen (b.1958) やラース・グラウゴー Lars Graugaard (b.1957)、フィンランドのユッカ・コスキネン Jukka Koskinen (b.1965) らが、CAPUT のために作品を書いている。同じアイスランドのイーミル・アンサンブル Ýmil Ensemble とともに、感性豊かな今日の音楽を聞かせるグループとして国際的にも知名度が高い。かならずしも録音にめぐまれているとはいえないレイヴル・ソウラリンソンの音楽を楽しむ上で欠かせないディスク。


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CD artwork © GM Recordings (USA)