In Brief

 

広島交響楽団定期演奏会、テレビ放送 (15.5.2010) NEW

 514日に行われた広島交響楽団第299回定期演奏会がテレビ放送されます。

 530日日曜日、NHK教育テレビ、午後9時から10時。日本各地のプロオーケストラを紹介する「オーケストラの森」です。

 定期演奏会のプログラムは、

 カール・ニルセン (1865-1931)
  ラプソディック序曲《フェロー諸島への幻想の旅 (En Fantasirejse till Færøerne)FS123
 ヴァウン・ホルムボー (1909-1996)
  フルート協奏曲第2番 作品147/M307
 ジャン・シベリウス (1865-1957) 交響曲第2番 ニ長調 作品43

 ホルムボーのフルート協奏曲は、広響の団員、中村めぐみがソロ。指揮は音楽監督の秋山和慶です。中村めぐみ氏は、王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団のフルート奏者ヤン・ベンクトソンの弟子でもあり、このコンサートに際して、あらためてレッスンを受けました。コンサート終演後、会場で行われたオーケストラ団員と聴衆の交流会でも話題の中心になった中村めぐみ氏と広響の音楽をあらためて楽しむ、いい機会になりそうです。

 

オスモ・ヴァンスカの契約延長 (10.11.2009)

 ミネソタ交響楽団とオスモ・ヴァンスカ Osmo Vänskä の契約が更新されました。200911月号の Gramophone 誌によると、新たな契約期間は4年です。新たな契約によりヴァンスカは2014年-2015年のシーズンまで音楽監督を務めることになります。表面的な活動に終わったといわれる前任者の後、ヴァンスカは、オーケストラのあるべき姿を求めて努力を重ね、ミネソタ交響楽団の新たな黄金時代を築きました。ヴァンスカの仕事と貢献に対しミネソタ交響楽団の理事長マイケル・ヘンソンは、"outstanding partnership" (群を抜いた協力関係)、"significant artistic success" (重大な芸術面の成功) と謝意を表しました。ヴァンスカは、各シーズン13のコンサートを指揮する予定です。

 

"The Copenhagen Ring" (27.10.2009)

 イギリスの雑誌 Gramophone が主宰するグラモフォン・アウォード2009年度受賞作が発表され、Decca がリリースした王立デンマーク・オペラの《ニーベルングの指輪》 (074 3264DH7)DVD 部門のアウォードに選ばれました。マッケラス指揮のブリテンの《ビリー・バッド》 (Decca)、パッパーノ指揮のバートウィッスルの《The Minotaur (ミノタウロス)》 (Opus Arte) をおさえての受賞です。

 この DVD セットに使われたのは、カスパー・ベク・ホルテン Kasper Beck Holten が演出、ミケール・シェーンヴァント Michael Schønwandt が指揮した2006年初夏のプロダクションをコペンハーゲンの王立オペラハウスで収録した映像です。《ラインの黄金》のヴォータンを歌うヨハン・ロイター Johan Reuter、ジークムントとジークフリートのスティウ・アナセン Stig Andersen、ジークリンデのイッタ=マリア・シェーベリ Gitta-Maria Sjöberg、ブリュンヒルデのイレーネ・テオリン Irène Theorin 以下、スカンディナヴィアを中心とする歌手でキャストが組まれています。ランゴーの《反キリスト》 (dacapo 2.110402) とカール・ニルセンの《仮面舞踏会》 (2.110407) の歌と演技が印象に残るステン・ビリエル Sten Byriel とスサネ・レスマーク Susanne Resmark が、アルベリヒ、エルダという重要な役を演じ、《神々のたそがれ》ではエリサベト・マイヤー=トプセー Elisabeth Meyer-Topsøe がラインの娘のひとり、ヴェルグンデを歌っています。

 かつてステレオ録音の初期にジョン・カルショーの制作、ゲオルク・ショルティの指揮で《ニーベルングの指輪》の序夜《ラインの黄金》を初めて全曲録音し、その優秀な録音により一躍レーベルの存在を誇示することになった Decca にとって《指輪》は、特別な意味のある作品でしょう。その Decca がやっとリリースした《指輪》、"The Copenhagen Ring"。「パトリス・シェローより後のどのプロダクションよりも、ワーグナーのドラマから胸の張り裂けるような感情を取り出してみせた」 (マイク・アシュマン Gramophone 20094月号)。グラモフォン・アウォードを受賞により、デンマーク・オペラの高い水準があらためて国際的に知られることになるような気がします。

Artwork © Decca (UK)

 

グリーグのピアノ協奏曲イ短調、ポケットスコア (16.12.2008)

 エドヴァルド・グリーグのピアノ協奏曲イ短調 (Klaverkonsert a-moll Op.16) のポケットスコア新版が、日本楽譜出版社から出版されました。

 新版で注目されるのは、大束省三氏執筆の解説です。全24ページ。2部に分かれ、第1部が、節目となる重要な作品とともにグリーグの生涯の語られる「内なる声としてのグリーグ − その生涯」。イ短調協奏曲の概説とスコア解説が第2部です。アイナル・ステーン=ノクレベルクの『グリーグ全ピアノ作品演奏解釈』 を初めとする最新の文献と資料に基づく解説は、読み物として楽しく、日本語によるまとまった文献としても貴重です。

『グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調』 (大束省三 解説) (日本楽譜出版社) (日譜 25)
 定価 (本体 1,200円+税)

 

 

『歌の国 スウェーデン −− クラシック音楽ガイド』 (12.9.2008)

 北欧関連の書籍を多く出版する新評論から、『歌の国 スウェーデン −− クラシック音楽ガイド』が出版されました。著者は戸羽晟氏。元、財団法人スウェーデン交流センター事務局長。「スウェーデン民謡のもつ物寂しい旋律は誰にでも受け入れやすいものだし、それらを歌うスウェーデン人の声の素晴らしさは『世界一』と言っても過言ではない」。レコードを聴き、さまざまなコンサートを聴いた経験から募る、"こよなく愛する国スウェーデンの美しい音楽" への思いが音楽愛好家の立場から語られています。

 スウェーデンの作曲家とその時代背景を述べた第1部と、それぞれの作曲家の特徴を主観的に延べ、作品を聴いた印象とCD番号を記載した第2部という構成。

 書店と、書籍も扱う楽器店にすでに並んでいます。手にとってご覧になってください。

 余談ですが、アイスランド、ノルウェー、デンマーク、フィンランド。他の北欧諸国の歌手もスウェーデン人に負けず、"世界一"。こちらも、どうぞよろしくお願いします。

『歌の国 スウェーデン −− クラシック音楽ガイド』 (戸羽晟 著) (新評論)
 定価 (本体 3,800円+税)

 

『北欧の音の詩人 グリーグを愛す』 (12.10.2007)

 5月下旬、国際フェスティヴァルのために訪れたノルウェーのベルゲンでひとりの女性に紹介されました。音楽ライターの伊熊よし子さん。聞くと、没後100年に合わせてグリーグに関する本を書くための取材旅行の途中だとか。ベルゲン図書館のグリーグ・アーカイヴ、グリーグ博物館となっているトロールハウゲン、ガムレ・ベルゲン。伊熊さんは、グリーグゆかりのさまざまな場所で活発な情報収集と写真撮影を行っていました。

 その取材から生まれたのが、出版社ショパンの『北欧の音の詩人 グリーグを愛す』。CDよりちょっと大きめの、かわいらしい本です。

 コンセプトは "《ペール・ギュント組曲》とピアノ協奏曲イ短調のグリーグしか知らない人たちのためのガイドブック"。「エッセイ」「グリーグの生涯」「おもな作品紹介と名盤ガイド」の4部と、「演奏家が語るグリーグの魅力」と「グリーグの見た風景」から構成されています。

 "グリーグを知らない人" を念頭に置いているため、主にヘルマン・プライ、スヴャトスラフ・リヒテル、エミール・ギレリス、オギュスタン・デュメイ、マリア・ジョアン・ピレス、クリスチャン・ツィンマーマンといった、"グリーグは知らなくても彼らの名前は知っている" というミュージシャンの "グリーグ" が語られ、ガイドブックとしての心配りがなされています。

 ノルウェーのアーティストでは、グリーグホールの "グリーグ・ギャラ" コンサートに出演したトルルス・モルクとライフ・ウーヴェ・アンスネスへのインタビューが含まれています (個人的には、《バラード》を弾き、なんだかよくなかったアンスネスではなく、ホーヴァル・ギムセの語る "グリーグ" を聞きたかったところです。ギムセは、モルクと共演したチェロソナタで "涙のこぼれる" 音楽を聴かせ、聴衆から心のこもった拍手を贈られました)。

 "研究書ではない" と言いながら、"グリーグを知っている人" の興味をひきそうな切り口の話と写真もあちらこちらにあります。トロールハウゲンでの "ガイド" 役、ピアニストのアイナル・ロッティンゲンがグリーグのピアノで 《アリエッタ》を弾いている姿を撮った写真は、その一例です。

 付録のCDには、ブーディル・アルネセンの歌う《君を愛す》、アイナル・ステーン=ノクレベルグの《抒情小曲集》 (7曲)、ヘンニング・クラッゲルードのヴァイオリンソナタ第3番 (第2楽章) などノルウェーのアーティストによる録音を含む Naxos 音源による曲が18のトラックに収められています。

 伊熊さんのベルゲン行きは、どうやら取材旅行というよりグリーグへの想いを確かめるための旅だった。この本を読みながら、ふとそんな気がしました。

『北欧の音の詩人 グリーグを愛す』 (伊熊よし子 著) (ショパン)
 定価 (本体 2,000円+税)

 

『グリーグ全ピアノ作品演奏解釈』 (9.2.2007)

 音楽之友社が出版した『グリーグ全ピアノ作品演奏解釈』 は、アイナル・ステーン=ノクレベルグ Einar Steen-Nøkleberg"Med Grieg på podiet - Til spillende fra en spillende" (Solum Forlag, Oslo) (1992) の全訳です。

 ノルウェーのピアニスト、アイナル・ステーン=ノクレベルグ (1944-) はデビュー以来、バロック音楽から現代音楽まで幅広いレパートリーをもつソロイスト、室内楽奏者としてコンサート活動を行ってきました。グリーグのピアノ作品全曲録音 (Naxos) をはじめ、ノルウェー・ロマンティシズムの作曲家、ハルフダン・シェルルフのピアノ作品全集 (Simax PSC1228) やベートーヴェンのピアノソナタ集 (Simax PSC1218) などの録音でも知られます。

 『グリーグ全ピアノ作品演奏解釈』は、ステーン=ノクレベルグが演奏家、ハノーファー音楽大学とオスロの国立音楽アカデミーの教授として積み重ねた経験から生まれた著作。総ページ数514 (邦訳書)。作品番号をもつ独奏のためのピアノ作品すべてとイ短調のピアノ協奏曲、そして《6つのノルウェーの山のメロディ》 (EG108) が全27章にまとめられています。

 グリーグ演奏の伝統を受け継ぐ「ひとりの弾き手から弾き手へ」の助言は、それぞれの曲につけられた譜例とともに、実際のピアノのレッスンや演奏解釈の討論に近いスタイルで与えられます。「この作品は行進曲風の4/4拍子と記譜されているが……スウィングのしなやかさを生み出すには、1小節に4拍と考えるよりも2拍と考えたほうがよい」 (《スロッテル》第3曲〈テレマルクの婚礼行列〉) (p.443)。あるいは、「赤と黒のヴァイキングの船が、フィヨルドの水面を滑るように進む。これは最後の旅なのか、それとも《バラード調で》に反映されている、国民全体の荘重な気持ちなのか」 (《抒情小品集第8集》第5曲〈バラード調で〉) (p.373)

 グリーグの曲についてステーン=ノクレベルグ氏がひとつひとつ、真摯に誠実に、ウィットと愛情をもって語る言葉。氏の助言は、グリーグの作品を学ぶ学生やピアニストにとって、“啓示”となる可能性をもっています。

 この大著の翻訳者は大束省三氏。エドヴァルド・グリーグの音楽への愛と献身から生まれた、音楽を語るにふさわしい日本語。読み進むにつれ読み手は、著者と訳者の姿が重なることに気づくでしょう。

 ステーン=ノクレベルグ氏は、はしがきに、「ピアニストでない人にとっては退屈な読み物となるだろう」 (p.2) と書いています。どうして、どうして。ひとつの作品について読むと、その次の曲に進みたくなる。こんな楽しい読み物が退屈なんて……。いやステーン=ノクレベルグ氏には、ピアニストだけでなく、もっと幅広く、もっと多くの人に語りかけたい、とは言いにくいのかもしれません。著者に代わって、言います。この本を、音楽を愛するすべての人に。

『グリーグ全ピアノ作品演奏解釈』 (アイナル・ステーン=ノクレベルグ 著・大束省三 訳) (音楽之友社)
 定価 (本体 7,200円+税)

 

オスロ弦楽四重奏団の最新録音 (17.11.2006)

 オスロ弦楽四重奏団 Oslo Strykekvartett1991年の発足以来、スカンディナヴィアを代表する室内楽アンサンブルとして国際的な活動を続けています。メンバーは、ゲイル・インゲ・ロツベルグ Geir INge Lotsberg (1969-) (第1ヴァイオリン)、ペール・クリスチャン・スカルスタード Per Kristian Skalstad (1972-) (第2ヴァイオリン)、アーレ・サンバッケン Are Sandbakken (1967-) (ヴィオラ)、オイスタイン・ソンスタード Øystein Sonstad (1970-) (チェロ)。いずれもノルウェーのトップオーケストラ (ベルゲン・フィルハーモニック、 ノルウェー国立オペラ、オスロ・フィルハーモニック、トロンハイム・ソロイスツ) の首席あるいは副首席奏者を務める若い音楽家たちです。

 デビューから間もなく、コンサートとともに録音も定期的に行うようになりました。代表的なアルバムは、ニューステット Kunt Nystedt (1915-) (Simax PSC1114)、グリーグとヨハンセン David Monrad Johansen (1888-1974) (Naxos 8.550879)、カール・ニルセン (Naxos 8.553907, 8.553908)、シベリウスとベルクとヴォルフ (cpo 999 977-2)、スヴェンセン (cpo 999 858-2)。いずれも高い評価を受け、人気を集めてきたディスクです。

 このオスロ弦楽四重奏団の最新録音になるのが、ヴィルヘルム・ステーンハンマル Wilhelm Stenhammar (1871-1927) の弦楽四重奏曲。全6曲の録音は2005年に終わっており、現在、リリースの準備が進行中。ロツベルグらメンバーは、2007年のなるべく早い時期のリリースを希望しています。全曲アルバムとしてリリースされるのか、順次リリースされるのかは、未定とのことです。LPCD化した Caprice の録音 (CAP213337, CAP21338, CAP21339, 全曲セット: CAP21536) 以来の全曲録音。久しぶりのまとまったステーンハンマル作品の録音というだけでなく、どんな音楽を聴くことができるのか、来年が待ち遠しくなります。

 

マッツ・ヘルベリ氏訃報 (21.9.2006)

 インディペンデント・レーベル、Acoustica のオーナー、マッツ・ヘルベリ Mats Hellberg 氏が917日、急逝したとの知らせがスウェデンから届きました。プロデューサー、録音技師、ドラム奏者として活躍。録音の知識と技術、音楽への感覚など、優れた録音に必要な資質をすべて備えたエンジニアとして、スウェーデンでも屈指の存在でした。友人の藤本=ベリエル・里子さんもヘルベリ氏に信頼を寄せ、彼女が主宰する Musica Rediviva のディスクの録音の多くを氏が担当していました。みずからの Acoustica からはカールステットの弦楽四重奏曲第2集 (ACCD1015)、Musica Rediviva からは『マリア − 中世の歌とスウェーデン伝承の音楽』 (MRCD015) (近日、リリース情報掲載予定) がリリースされたばかり。突然の知らせということもあり、ヘルベリ氏を知る人たちの胸の内が想像されます。素晴らしい音楽を聴く歓びを与えてくれたマッツ・ヘルベリ氏に心からの感謝を捧げます。

 

マグヌス・リンドベリ、2006BBCミュージック・マガジン・アウォード受賞 (22.3.2006)

 Ondine がリリースしたマグヌス・リンドベリ Magnus Lindberg のディスク (ODE1038-2) が、2006BBCミュージック・マガジン・アウォード (BBC Music Magazine Award 2006) を受賞しました。この賞は一般読者の投票による6つの部門賞と、審査員の選ぶ4つのスペシャル・アウォードに分かれ、Ondine のディスクは、"初録音部門 (Premiere Recording)" の最優秀ディスクに選ばれています。

 カリ・クリークとサカリ・オラモ指揮フィンランド放送交響楽団による《クラリネット協奏曲》、管弦楽だけの《グラン・デュオ (Gran Duo)》と《コラール (Chorale)》は、いずれも初録音。2005年夏のリリース以来、このディスクは、New York Times (年間最優秀ディスク)、Financial Times (年間最優秀ディスク)、Le Monde de la Musique (年間優秀ディスク20選)、The Gramophone (200510月号 エディターズ・チョイス)、The Guardian (20059月 週間最優秀クラシカルディスク)、ClassicsToday.com (200511月 月間最優秀ディスク) など、(日本をのぞく) 各国メディアの注目を集めてきました。今日の音楽がこのように正当に評価されるのは、嬉しいことです。

Artwork © Ondine (Finland)

 

ヤンネ・メルタネン、第6回ショパン・ディスク・グランプリ、特別賞受賞 (23.10.2005)

 2005年フレデリク・ショパン国際ピアノコンペティションの開催に合わせ、第6回ディスク・グランプリの選考が行われました。歴史的録音も含め、2000年から2005年にリリースされたディスクが選考の対象です。グランプリに選ばれたのは、ポーランドのピアニスト、W・シュヴィタワが《ロンド》や《協奏曲のアレグロ》を演奏したアルバム。そして特別賞を、フィンランドのピアニスト、ヤンネ・メルタネン Janne Mertanen の《夜想曲集》 (Alba ABCD160, ABCD190) が受賞しました。

 ヤルヴェンパーに戻ったヤンネから知らせが届き、ツィマーマン、ペライア、アラウといった芸術家が受けた賞に選ばれたことを喜ぶとともに、「"コンペティションの歴史" に自分の名前が加わることを思うと、なんとなく妙な感じがする」と書いています。1017日にワルシャワ行われた表彰式では、ヤンネのミニ・リサイタルも開催されました。かつて作曲家ヨーナス・コッコネンも賞賛した、ヤンネの弾くショパン。ショパンの音楽を愛するヤンネにとって今回の栄誉は、新たな勲章となったことでしょう。

 ヤンネによると、ショパンの2曲のピアノ協奏曲を録音する計画が進行中だとか。あとは費用の問題なので、それをクリアできて、なんとか早く実現することを願います。予定どおりに進めば、2006年中に録音セッションが行われるという話です。

Artwork © Alba (Finland)

 

Altara Music のリリース予定 (22.9.2005)

 スウェーデンのピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキ Peter Jablonski (1971-) が、弟パトリック Patrik Jabloski (1974-)、友人のハリー・ミルズ Harry Mills と創設したレーベル、Altara (アルタラ) は、キングインターナショナルがディストリビューターになることが決まりました。ヤブロンスキ兄弟共演によるストラヴィンスキーの《春の祭典》 (2台のピアノのための版) (ALT1001) などを手始めに、リリースずみのアルバムが順次紹介されることになっています。

 Altara から近々、新譜としてリリースされるのはマッツ・ロンディンが演奏するブラームスのチェロソナタ集。20062月には、ペーテル・ヤブロンスキの来日公演に合わせて、リスト・リサイタルがリリースされます。北欧の作品では、ステーンハンマルのピアノ曲シリーズ (スタファン・シェーヤ)、グスタフ・シェークヴィスト室内合唱団によるスカンディナヴィア合唱作品集 (3枚)、ステーンハンマルのピアノ三重奏曲を含む室内楽アルバム。

 今後の制作リストに載っているディスクは、ペーテルとパトリックによるモーツァルトの4手のソナタ集、アンドレ・プレヴィン自身がピアノを担当するソング・ブックという楽しそうなディスク。その他に、ピンカス・ズッカーマン室内プレーヤーズのアルバムが5枚、バーバラ・ヘンドリクスの歌曲集が企画されています。

Artwork © Altara Music (UK)

 

サッリネンのオペラ《王はフランスに行く》、映画化 (17.7.2005)

 氷河期から逃れるためイギリス国王は首相や軍隊を率い、氷結したイギリス海峡をフランスに渡る。《来るべき新氷河期の物語 (A chronicle of the coming of new Ice Age)》の副題をもち、作曲者のサッリネン自身が“大人の童話” と呼ぶオペラ、《王はフランスに行く (Kuningas lähtee Ranskaan)》 が映画化されることになりました。

 このオペラはサヴォンリンナ・オペラフェスティヴァル (フィンランド)、コヴェントガーデン王立オペラ劇場、BBCが共同で委嘱。19847月にサヴォンリンナで初演されましたが、アウリス・サッリネン Aulis Sallinen (1935-) のオペラの中で唯一、録音が行われていませんでした。その作品が録音ばかりか映画化まで実現することになったのは、オペラ録音プロジェクトの支援のおかげです。

 このプロジェクトは、費用のかかるオペラ録音を制作するため、いくつかの私的基金が資金を拠出するというもの。2002年から2006年にかけて15から20の作品の制作が計画されています。これまでに実現したのはラウタヴァーラの《朝日の家》、《アレクシス・キヴィ》、《ラスプーチン》 (DVD)、カリ・ティッカの《ルター》 (DVD) 、アルマス・ラウニス《アスラク・ヘッタ》、タウノ・ピュルッカネンの《マレと息子》、パーシウスの《ローレライ》と《キプロスの女王》、リンコラの《希望のかなう国 (旅)》など。OndineBISAlba レーベルがCDまたはDVDでリリースしました。サーリアホの《彼方からの愛 (はるかな愛) (L'Amour de loin)》 (DG) のスポンサーもこのプロジェクトです。

 《王はフランスに行く》には、オペラ録音プロジェクトの他にフィンランド放送、フィンランド映画基金、EU (ヨーロッパ連合) が資金を提供。色彩豊かな音楽は映画向きということから、舞台の録画ではなく映画スタジオで制作されます。作曲者の子息、トゥオマス・サッリネン Tuomas Sallinen が監督。2007年の劇場公開をめざしています。

 サウンドトラックのための録音に参加するのは、トンミ・ハカラ、ユルキ・コルホネン、リーカ・ランタネン、リッリ・パーシキヴィらの歌手。ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団をオッコ・カムが指揮します。カムは初演の指揮者です。サウンドトラック録音だけは、映画より先に2005年秋、Ondine からのリリースが予定されています。映画がDVDとしてリリースされるかどうかは未定です。(FMQ 2005/1, 2から)

 

大いなる神秘 (Magnum Mysterium) (4.2.2005)

 カール・ホグセットとグレクス・ヴォーカリスのクリスマスアルバム『大いなる神秘 (Magnum Mysterium)(2L26) は予想外のヒットとなりました。“楽観的な枚数”としてプレスした5000枚は2週間で在庫がなくなり、シーズンまっただ中とあって、急きょ追加プレスが行われました。最終の販売枚数は3週間で10000枚。このアルバムはローカルリリースのためノルウェーだけでこの数字ですから、人気の程がわかります (注:ノルディックサウンドへの出荷も含まれますが、微々たるものです)。インディペンデントレーベルの 2L にとって、これは短期間での発売枚数の新記録でもあります。

 初回、デジパックでリリースされたこのアルバムは、2回目以降はジュエルケース仕様 (通常のプラスティックケース) に変更になりました。8月にはSACDハイブリッドディスクによる国際リリースも予定され、こちらはデジパックが使われることになっています。

 2L からはもうひとつ、制作のニュースが届きました。ヴォルフガング・プラッゲの《恩寵の道 (Líknarbraut) (2L9) を録音したアンサンブル96 (Ensemble96) による、ニューステット Knut Nystedt (1915-) のアカペラ合唱作品集。4月のリリース予定です。

Artwork © Lindberg Lyd (Norway)

 

J-WAVE "VIVA ACCESS" クリスマス音楽のコーナー (2.12.2004)

 東京のFMラジオ局、J-WAVE の番組 "VIVA ACCESS" (月曜〜木曜、11:30-14:00) で北欧のクリスマスソングが紹介されることになりました。期間は126日から9日。10分のコーナーでフィンランドからアイスランドにかけてのクリスマスの歌が取り上げられます。コーナーのタイトルは "Christmas Songs for Holy Town""VIVA ACCESS" のホームページは、

 http://www.j-wave.co.jp/original/viva_access/

 番組にあわせて六本木ヒルズの展望台でCDアルバムもディスプレイされますので、近くにいらっしゃるかたはぜひ、足を運んでみてください。

 広島のローカル局、ひろしまPステーション (76.7 FM) でも同じ期間、放送されますが、曜日によって東京の放送と異なることがあります。

 

ヘンニング・クラッゲルードのシンディング協奏曲録音について (2.12.2004)

 Naxos からリリースされた、ヘンニング・クラッゲルードのシベリウスのヴァイオリン協奏曲 (8.557266) が好評です。カップリングは、これが初録音になるクリスチャン・シンディングの第1番の協奏曲でした。シンディングは、あと2曲、ヴァイオリン協奏曲を書いており、第1番の演奏が素晴らしかっただけに今後の録音が気になるところですが、クラッゲルードからの返事では、現在のところ予定はないということでした。新しいディスクが歓迎されただけに、来日コンサートが実現することのほうに興味があるようです。

 

デンマークのピアノ協奏曲シリーズ (5.11.2004)

 第3(DACOCD597) (オトー・マリング、ルーズヴィ・シュッテ、シグフリズ・サロモン) がリリースされて間もない Danacord のシリーズ、次の録音曲が決まりました。ヴィクトー・ベンディクス Victor Bendix (1851-1926) とルドルフ・シモンセン Rudolf Simonsen (1889-1947) のピアノ協奏曲です。ベンディクスはカール・ニルセンの師、シモンセンはニルセンの生徒というつながりがあります。オレク・マルシェフ Oleg Marshev のピアノと、マッティアス・エッシュバッヒャー指揮オルボー交響楽団の共演。20051月に録音セッションが予定されています。CDリリースは1年くらい先になりそうです。

 

ヴァルド・ルメセンのコンサート (11.10..2004)

 1025日、ヴァルド・ルメセン Vardo Rumessen (b.1942) のコンサートの日が近づいてきました。エドゥアルド・トゥビン Eduarud Tubin (1905-1982) の親友、そして最大の理解者のひとり。現代エストニアを代表するピアニストです。トゥビンとエストニアのピアノ作品を日本でも、もっと知ってほしい、というルメセンと広島の有志の願いが一致。はじめての来日が実現しました。国際エドゥアルド・トゥビン協会の運営をはじめ多忙な氏のスケジュールとホールの関係もあって急遽、計画がまとまったため、残念ですが、コンサートは広島だけでの開催になります。

 演奏されるのは、トゥビンと、彼が作曲を学んだヘイノ・エッレル Heino Eller (1887-1970) の作品です。エッレルの5つの前奏曲集のうちの2つ、第1巻と第2巻からそれぞれ5曲ずつと、《鐘》と《蝶々》の小品2曲が前半のプログラム。後半は、トゥビンの《3つの前奏曲》 (ETW33)、《ソナタ=アレグロ ホ長調》 (ETW31-1)、トゥビンの代表作のひとつ、ピアノソナタ第2番《北極光のソナタ》 (ETW44) が演奏されます。ソナタ=アレグロは第1番のソナタの第1楽章。トゥビンの学生時代のこの曲は、作曲の経緯と音楽の性格から、独立した作品として演奏することをトゥビン自身も考えていました。

 後期ロマンティシズムの色彩が濃い第1巻の前奏曲集。表現主義的、印象主義的な詩の世界をもつ第2巻。劇的な《鐘》。トゥビンがはじめてエストニアの民謡を前奏曲の素材に使ったハ長調の曲を含む《3つの前奏曲》、激しい感情の起伏をみせるソナタ=アレグロ、冒頭の“北極光のテーマ”が印象的な《北極光のソナタ》。先日、このプログラムの曲の録音を、演奏される順序で聴いてみました。すると、脈絡もなく並んでいるようなひとつひとつの曲が、それぞれの存在を強くアピールし、作品を知りつくしたアーティストが考えたプログラムだということがわかります。

 広島交響楽団がトゥビンの交響曲第3番を日本初演してからのつながり。今回のコンサートが、さらに新しい結びつきのきっかけになることが期待できます。

(追記) トゥビンの前奏曲が、予定された《3つの前奏曲》 (ETW33)3曲ではなく、《2つの前奏曲》 (ETW30)2曲と ETW33-13曲が演奏されました。ルメセンさんが、「忘れてた。ごめん!」と言っていましたので、許してあげてください。リハーサルでは、ちゃんと弾いていたのですが。ただ、ETW30-1 を聴きたかったという方もいらして……。(4/11/2004)

 アンコール曲も含め、あらためて当日のプログラムを紹介します。

ヘイノ・エッレル Heino Eller (1887-1970)
 前奏曲集 第1(1914-16) から
  第1曲 ロ短調  第2曲 嬰ヘ短調  第3曲 変ロ短調  第4曲 嬰ハ短調  第5曲 嬰ハ短調
 前奏曲集 第2(1920) から
  第1曲 イ短調  第2曲 嬰ヘ長調  第5曲 ロ長調  第6曲 変ニ長調  第7曲 ト短調
 鐘 (1929) 蝶々 (1935)

エドゥアルド・トゥビン Eduard Tubin (1905-1982)
 2つの前奏曲 ETW30 (1927-28)
  変ロ短調 ETW30-1 ヘ短調 ETW30-2
 3つの前奏曲 ETW33 − ヘ短調 ETW33-1 (1934)
 ソナタ=アレグロ ホ長調 ETW31-1 (1928) (ピアノソナタ第1番 第1楽章)
 ピアノソナタ第2ETW44 《北極光のソナタ》 (1950)

アンコール
マルト・サール Mart Saar (1882-1963) 前奏曲第7番 ヘ長調
アレクサンドル・スクリャービン Alexander Scriabin (1872-1915)
 夜想曲 変ニ長調 作品9-2 (左手のための2つの小品 から)
マルト・サール (1882-1963) 前奏曲第28番 変ホ長調

 

Intim Musik の録音予定 (28.6.2004)

 ヨーテボリを本拠とするレーベル、Intim Musik で、エルランド・フォン・コック Erland von Koch (b.1911) の《モノローグ (Monolog)》 全曲が録音されることになりました。

 管楽器独奏 (フルート、オーボエ、クラリネット、サクソフォーン、バスーン、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバ) のために作曲された9曲は、北欧にかぎらず、多くのミュージシャンのレパートリーになっており、CDでも、ヤン・ベンクトソン (フルート)、シェル・ファゲーウス (クラリネット)、ミケール・リン (テューバ) らのリサイタルアルバムでおなじみでしょう。

 全曲がひとつのアルバムにまとめられるのは、今回が初めて。ヨーテボリ交響楽団のメンバーが録音に参加するというのも、アルバムの価値を高めそうです (Intim Musik のオーナー、ヤン・ユーハンソンは、このオーケストラのダブルベース奏者)。現在の計画では、オーケストラの夏休みを利用して、この8月から録音を始めることになっています。アルバムは2枚組になる予定です。

 Intim Musik からは、ヨーテボリ交響楽団のベテラン・フルート奏者、ジェラール・シャウブ Gérard Schaub のアルバムと、 ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンティックな作品を集めた“ノルディック・ロマンス (Nordic Romances)” (仮題) もリリースされる予定です。このアルバムは、ヴァイオリンがセシリア・シリアクス Cecilia Zilliacus、共演がヴェステロス・シンフォニエッタという顔ぶれ。シリアクスは、リリースされたばかりの弦楽三重奏によるバッハの《ゴルトベルク変奏曲》が早くも人気を呼んでいるので、新録音も期待できそうです。

 

クリスチャン・リンドベリの活動 (21.6.2004)

 最新号の Gramophone (20047月) によると、スウェーデンのトロンボーン奏者、クリスチャン・リンドベリ (リンドバーグ) Christian Lindberg の活動がつづいています。ソロイストとして出演したデンマーク王立管弦楽団のコンサートでは、ヤン・サンドストレムの人気曲、《モーターバイク協奏曲》と、自作の《Arabenne》の演奏が、“保守的な” (リンドベリ) コペンハーゲンの聴衆が足を踏みならすほどの好評を博し、さらに、念願の“古典主義のトロンボーン協奏曲”のCD (BIS CD1248) もリリースされました。このアルバムに収録されたレオポルト・モーツァルトの協奏曲は、《モーターバイク協奏曲》とともに、リヨンでも演奏されています。

 指揮者としてアイスランド交響楽団の4月のコンサートに登場。ヤン・サンドストレムの《Ocean Child》、自作の《Helikon Wasp》のほか、シベリウスの交響曲第1番を指揮しています。指揮活動では、スンドスヴァル室内管弦楽団 Sundsvalls Kammar Orkester (2005年から2006年のシーズン) とスウェーデン・ウィンドアンサンブルの首席指揮者に就任することが決まりました。作曲家としての最新作はトランペットとトロンボーンのための二重協奏曲。完成したばかりのこの曲は、アントンセン Ole Edvard Antonsen との共演により年内の初演が予定されています。

 

2004年 グリーグ賞 (19.6.2004)

 エドヴァルド・グリーグ博物館 (Edvard Grieg Museum) は、グリーグ協会、グリーグ・フォーラムと協賛で毎年、グリーグの作品の紹介に功績のあったノルウェーのミュージシャンやグループに対してグリーグ賞 (Griegprisen) を贈っています。受賞者のリストには、ブラトリ Jens Harald Bratlie (1972年)、テレフセン Arve Tellefsen (1973年) 以下、北欧音楽ファンになじみの名前がつづきます。最近では、1998年のクラッゲルード Henning Kraggerud とヒェクスフース Helge Kjekshus1999年のアルネセン Bodil ArnesenER・エーリクセン Erling Ragnar Eriksen が、CD録音によっても名前が知られています。2003年の受賞者、ピアニストのアウストボー Haakon Austbø は、《抒情小曲集》 全曲録音 (Brilliant Classics 99748) の現代的センスの際だった演奏が好評です。

 そのグリーグ賞、2004年は、“2004年ペール・ギュント大会 (Per Gynt-stemnet 2004)”の『ペール・ギュント』公演に対して贈られることになりました。1994年冬季オリンピックが開催されたリレハンメルの近く、グブランスダール (グブランスダーレン) のヴィンストラで毎年開催されるこの大会は、実在のペール・ギュントが住んでいた環境でイプセンの劇が上演されることから、フェスティヴァルのような集まりとして人気があります。今年の公演は、俳優スヴァイン・ストゥルラ・フングネス Svein Sturla Hungnes の演出で、グリーグの音楽をエルダル・ニルセン Eldar Nilsen が指揮して行われました。フングネスは、1995年からヴィンストラの公演を演出し、みずからペール・ギュント役を演じています。

 オーレ・クリスチャン・ルード指揮ベルゲン・フィルハーモニックにより、グリーグの管弦楽作品すべてを録音する BIS のシリーズは、交響曲とピアノ協奏曲 (SACD1191)、ノルウェー舞曲 (SACD1291)、劇音楽《十字軍兵士シーグル》、《故郷への帰還》、《ベルグリョート》 (SACD1391) がリリースずみ。録音が待たれる《ペール・ギュント》は、組曲ではなく劇音楽版による録音になるはずですが、セリフつきか、音楽だけなのかは未定のようです。

 

ヘンニング・クラッゲルードのシベリウスとシンディング (5.6.2004)

 ノルウェーのヴァイオリニスト、ヘンニング・クラッゲルード Henning Kraggerud (b.1973) の新録音、シベリウスとシンディングのアルバムがリリースされました (Naxos Norway 8.557266N)。曲目は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調と《セレナード ト短調》 (作品69b)、クリスチャン・シンディングのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 (作品45) と《ロマンス ニ長調》 (作品100)。ビャッテ・エンゲセット指揮ボーンマス交響楽団の共演です。このディスクは6月1日にノルウェーで発売。9月のインターナショナルリリースが予定されています。クラッゲルードは10月にアジアツアーを行いますが、日本でのコンサートについては未定とのことです。

 

cpo 北欧シリーズのリリース予定 (22.5.2004)

 ドイツのレーベル cpo の北欧シリーズの次のリリースはアウリス・サッリネンの2枚目のディスクです。第2番と第4番の交響曲のカップリングで、今年秋のリリースが予定されています。

 ペッテション=ベリエルの交響曲5は、録音は終わったものの編集に時間がかかり、のびのびになってしまいました。今のところ、2005年はじめのリリース予定とのこと。フィルアップはヴァイオリン協奏曲 (ウルフ・ヴァリーン独奏) です。

 その後、このシリーズでは、デンマークのヨーハン・エルンスト・ハートマン Johan Ernst Hartmann (1726-1793) (JPE の祖父) の4つの交響曲が録音計画にあがっています。初めてのCD録音。あるいは、商用録音が紹介されるのははじめてかもしれません。演奏はラース・ウルリク・モーテンセン Lars Ulrik Mortensen 指揮コンチェルト・コペンハーゲン (Coco)。ヴァイセの交響曲第1番と第7(Classico CLASSCD399) の素敵な演奏が人気のグループです。


ラハティの Hero-Me-Too (19.10.2003)

 フィンランド、ラハティ市のポリテク音楽学部に留学し、テューバ演奏の研究をつづけている小林宏光 (Hero-Me-Too) 君は、Newsletter の “光通信” のレポーターとしておなじみでしょう。その彼が、シベリウスタロ (ホール) でのラハティ交響楽団の定期演奏会に、ポリテク音楽学部の学生数人といっしょにエクストラとして出演することが決まりました。コンサートマスターのヤーコ・クーシストとそれぞれの楽器の首席によるオーディションで選ばれただけに、嬉しい知らせです。

 コンサートが行われるのは2004318日。プログラムはストラヴィンスキーの《サーカスポルカ》 、モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 (スティーヴン・オズボーン独奏)、ベルリオーズの幻想交響曲。学生たちが参加するのはベルリオーズです。第2テューバの出番は第4楽章と終楽章。緊張するでしょうね。

 指揮はラハティ交響楽団の首席第2ヴァイオリン奏者エサ・ヘイッキラ Esa Heikkilä。ヘイッキラはオスモ・ヴァンスカに指揮法を習った後、副指揮者を務めるなど、指揮者としての活動も行っています。ラハティ・ポリテク音楽学部では学生を指導し、ポリテクの学生らを中心とするオーケストラ、ポテンティア・シンフォニカ Potentia Sinfonica を指揮して、サン=サーンスの交響曲第3番とプーランクのオルガン協奏曲を録音しています (MILS 0287) (このCD、一度聴いてみてください)。

 Hero-Me-Too1999年ラハティ交響楽団の徳山市 (現、周南市) 公演に接したことがラハティ留学につながっただけに、ラハティ交響楽団のテューバ奏者ハッリ・リドスレと同じステージで演奏することになるとは。夢に一歩近づきました。

 

2004年 ラハティ交響楽団 シベリウス・フェスティヴァル (20.9.2003)

 フィンランドのラハティ市で開催されるシベリウス・フェスティヴァル、2004年のプログラムが発表されました。“Master of Contrasts (対比の達人)” がテーマ。《春の歌》 をはじめ、いくつかの作品の初稿 (または改訂稿) と最終稿の演奏が中心となります。

 92日 (木曜) 《恋するもの》、《春の歌》 (1895年初稿)、《春の歌》 (最終稿)、ヴァイオリンと管弦楽のためのユモレスク (全部6曲)、《夜の騎行と日の出》。93日 (金曜) 《森の精 (ドリュアス》、《ある情景への音楽》、《オーケアニス (大洋の女神)》 (イェール稿)、ヴァイオリン (または、チェロ) と管弦楽のための2つの小品、《ポホヨラの娘》、《ある伝説》 (1892年初稿)、《オーケアニス》 (最終稿)。94日 (土曜) 《序曲 イ短調》、ヴァイオリンと管弦楽のためのセレナード (2曲)、《ある伝説》 (最終稿)、ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための組曲、《タピオラ》、《フィンランディア》。ヴァイオリンのクリスチャン・テツラフとチェロのマルコ・ユロネンがゲスト。ラハティ交響楽団をオスモ・ヴァンスカが指揮します。

 94日と5日 (午前11時から) には、恒例となった室内楽コンサートが開催される予定です。

 詳しい情報はラハティ交響楽団のホームーページ http://www.lahti.fi/symphony で。

 

エドゥアルド・トゥビン作品のカタログ出版 (18.7.2003)

 エストニアのタリンにある国際エドゥアルド・トゥビン協会 International Eduard Tubin Society とスウェーデンの楽譜出版社 Gehrmans Musikförlag の共同製作により、エドゥアルド・トゥビン Eduard Tubin (1905-1982) の作品カタログが出版されることになりました。タイトルは "The works of Eduard Tubin - Thematic and Bibliographic Catalogue of Wroks"。編著者はエストニアのピアニスト、ヴァルド・ルメセン Vardo Rumessen。トゥビンの親友、トゥビン作品研究を中心とする音楽学者でもあります。文章は英語 (曲名は英語、エストニア語、スウェーデン語を併記)。トゥビンの子息、エイノ・トゥビン Eino Tubin も訳者のひとりです。

 Introduction (序文)、Biography (伝記)、List of works according to ETW (ETW番号 (トゥビン作品整理番号) による作品リスト)、Location of original manuscripts (原手稿譜所有者)、Abbreviations (譜例)、List of works in chronological order (年代順作品リスト)、List of published works (出版作品リスト)、List of recordings (ディスコグラフィ)、Bibliography about the life and works (生涯と作品に関する著書目録)、Index (索引) にわかれ、作品リストには、未完の作品やトゥビンによる他の作曲者の作品の編曲も含まれます。

 約560ページ、190センチ×260センチのクロス装。2003121日に予約を締め切り、20041月出版の予定です。予約の場合には特価が適用されます。ご質問などありましたら、お問い合わせください。

 

トゥビン、バレエ《クラット》全曲録音 (21.6.2003)

 エストニア民話を題材にした、エドゥアルド・トゥビンのバレエ《クラット (Kratt)》 は、これまで組曲版の録音しかありませんでした −− ネーメ・ヤルヴィ指揮バンベルク交響楽団 (BIS CD306)。中国放送 (RCC) の番組 “ひろしまシンフォニー” で一部が紹介され、バレエ版の全曲録音が待たれていましたが、やっと実現します。交響曲の全曲を録音したばかりのアルヴォ・ヴォルメル指揮エストニア国立交響楽団の演奏。レーベルは Alba。録音は終わっており、2004年にリリースされる予定です。

 

ラウタヴァーラのクラリネット協奏曲録音 (10.4.2003)

 エイノユハニ・ラウタヴァーラ Einojuhani Rautavaara (b.1928) のクラリネット協奏曲が録音されることになりました。作品を献呈されるリチャード・ストルツマン Richard Stolzman の独奏。レイフ・セーゲルスタム指揮ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団の共演です。612日にフィンランド初演され (世界初演は 200211月)、翌13日、フィンランディアホールで Ondine Records による録音セッションが行われる予定です。

 

サルメンハーラの交響曲、録音計画 (9.9.2002)

 今年の3月19日、フィンランドの作曲家、エルッキ・サルメンハーラ Erkki Salmenhaara (1941-2002) が亡くなってから半年近くが経ちました。音楽学者としても高名で、フィンランドの音楽界からは、大きな損失と考えられています。

 作曲者としてのサルメンハーラは、録音について言えば、あまり恵まれていませんでした。1990年のヘルシンキ大学創立350周年を記念して委嘱された交響曲第5番 《至福の島 (Lintukoto)》 (1989) も、私的にリリースされた録音でしか聴くことができません。独唱者と合唱をともなう、“シベリウスと同じ国” の作曲家にしか書けない、美しく壮大な音楽です。

 しかし、嬉しいことに、交響曲を含む、サルメンハーラの管弦楽作品の録音計画が進行中。コンサートで上演されることが録音のための条件となるため、Ondine と、タンペレ・フィルハーモニック、オウル交響楽団の間で曲目などが検討されています。第5番が録音されるのか? 可能性は高そうです。具体的な情報が入りましたら、あらためてお知らせします。

 

オレク・マルシェフのプロコフィエフ、リリースが遅れます(28.7.2002)

 オレク・マルシェフ Oleg Marshev と、ニクラス・ヴィレーン Niklas Willén 指揮デンマーク・フィルハーモニック管弦楽団 (南ユラン交響楽団) によるプロコフィエフのピアノと管弦楽のための作品集 (Danacord DACOCD584-585) は、リリースがおくれます。当初、7月リリースを目標に制作が進み、Gramophone(August 2002) にも広告が掲載されました。しかし、ラフマニノフ作品集の制作が予想外に手間取ってしまい、その余波で、9月までずれてしまいそうだということです。

 マルシェフによる、ピアノと管弦楽のためのその他の作品集も、番号が決まりました。ラインアップは、デンマーク・ロマンティック・ピアノ協奏曲第3集 −− ヴィクトー・ベンディクス Victor Bendix (1851-1926)、ルーズヴィー・シュッテ Ludvig Schytte (1848-1909) −− (DACOCD597) (マッティアス・エッシュバッヒャー指揮オルボー交響楽団)、チャイコフスキー (DACOCD586-587) (オーウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮オルボー交響楽団)、ショスタコーヴィチ (DACOCD601) (ハンヌ・リントゥ指揮ヘルシングボリ交響楽団)。

 やっとリリースされたラフマニノフの作品集は、レンナート・デーン Lennart Dehn (制作)、トゥルビョン・サミュエルソン Torbjörn Samuelson (録音エンジニア) を起用。エールリング指揮王立スウェーデン・オペラによる“オペラ合唱曲集” (Caprice CAP21520) などの制作に携わったスウェーデン・チームだけに、これまでの Danacord とは違った音質の録音になっている点も興味をひくはずです。

 

Danacord とオレク・マルシェフの協奏曲録音 (8.5.2002)

 ロシア出身のピアニスト、オレク・マルシェフのデンマークのレーベル、Danacord への新しい録音計画が決まりました。エミール・フォン・ザウアーのピアノ協奏曲第2番。ジェイムズ・ロッホラン指揮オーフス交響楽団とのコンサートが好評だったことを受けて録音が実現し、今年の9月にセッションに入ります。

 マルシェフの協奏曲録音は、そのほかにプロコフィエフの全集とラヴェルの2曲とドビュッシーの幻想曲の組み合わせ (いずれもニクラス・ヴィッレーン指揮デンマーク・フィルハーモニック管弦楽団 (南ユラン交響楽団) と共演)、チャイコフスキーのピアノと管弦楽のための作品集。

 めずらしいところでは、ヴィクトー・ベンディクスとルーズヴィー・シュッテの協奏曲も録音されます。これは、欧米各誌で高く評価された、ヴィニングとハートマンの曲を収録したデンマーク・ピアノ協奏曲第2集 (DACOCD581) につづく、シリーズ第3集となります。共演はマッティアス・エッシュバッヒャー指揮のオルボー交響楽団です。


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