Newsletter No.101   15 May 2007

 

リリース情報 − Classical & Contemporary

Acoustica ACCD1019
Swedish Colours (スウェーデンの色彩) − ヴァイオリンとピアノのためのスウェーデン音楽
ブー・リンデ (1933-1970) ヴァイオリンとピアノのためのソナティナ 作品15-2
ヒルディング・ルーセンベリ (1892-1985)
 組曲 ニ長調 作品13 (ヴァイオリンとピアノのための)
アッラン・ペッテション (1911-1980)
 2つのエレジー (2 Elegierna) (1934) ロマンス (Romanza) (1942)
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル (1867-1942)
 組曲 作品15 (ヴァイオリンとピアノのための) − まどろみの歌 (Slummersång)
エミール・シェーグレン (1853-1918) ヴァイオリンソナタ第1番 ト短調 作品19
リレ・ブルール・セーデルルンド (1912-1957)
 カンツォネッタ (Canzonetta) (1949) (ヴァイオリンとピアノのための)
  カール=ウーヴェ・マンベリ (ヴァイオリン) ベンクト・フォシュベリ (ピアノ)
  [録音 200516日-9日、1115日-17日、200656
       クリスティーネホール (ファールン、スウェーデン)]
  [制作 マッツ・アルンベリ、マッツ・ヘルベリ  録音 マッツ・ヘルベリ]
 試聴盤

◇カール=ウーヴェ・マンベリとベンクト・フォシュベリ、スウェーデンを代表する音楽家が共演するヴァイオリンとピアノのための作品集。ブー・リンデ Bo Linde、ヒルディング・ルーセンベリ Hilding Rosenberg、アッラン・ペッテション Allan Pettersson、ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル Wilhelm Peterson-Berger、エミール・シェーグレン Emil Sjögren、リレ・ブルール・セーデルルンド Lille Bror Söderlundh19世紀から20世紀にかけてスウェーデン音楽をさまざまに彩った作曲家たちの曲が演奏されています。

 ベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg (1952-) は、アンネ・ソフィ・フォン・オッターとの共演で名をあげたスウェーデンのピアニスト。グリーグの歌曲集 (DG 437 521-2) をはじめとする多くの録音は国際的に高く評価されています。

 フォシュベリが長年にわたり共演してきた仲間のひとりがマンベリ。カール=ウーヴェ・マンベリ Karl-Ove Mannberg (1934-) はヤムトランドのストゥールシェー湖畔の町、フーヴェルベリの生まれ。スヴェン・カルペ、チャールズ・バーケル、ヨーセフ・グリュンファーブ、ティボール・ヴァルガに学び、スウェーデン放送交響楽団のヴァイオリン奏者としてキャリアをスタートさせました。イェヴレボリ交響楽団、ヨーテボリ交響楽団、シアトル交響楽団、スウェーデン放送交響楽団 (客演)、オスロ・フィルハーモニック (客演)、ストックホルム・フィルハーモニックのコンサートマスターを歴任。ソロのレパートリーにはラーション、ルーザス、ブルッフの協奏曲が含まれます。

 ストックホルムの王立音楽アカデミーを退官した2001年、マンベリは故郷のフーヴェルベリにベリ夏期アカデミーを創設。毎年7月に開催される講習会は、世界各国の若い弦楽器奏者の教育の場となっています。アカデミーのアンサンブルはCDアルバムにもなり (Bluebell ABCD3008)、その録音にはフォシュベリも参加しました。

 19世紀と20世紀スウェーデンのピアノ作品を集めたフォシュベリの "Solitaire" (ACCD1014)"Solitaire 2" (ACCD1016) にならったアルバム。2006917日に亡くなった、Acoustica のオーナー、録音エンジニアのマッツ・ヘルベリ Mats Hellberg 氏の遺作のひとつです。

Alba ABCD233 SACD (Multichannel/stereo hybrid)
JS・バッハ (1685-1750) オルガンのための編曲集
ヴィルヘルム・ミッデルシュルテ (1863-1943) (編曲) シャコンヌ
オスカル・メリカント (1868-1924) (編曲) 前奏曲とフーガ 変ロ短調
 前奏曲 イ短調 前奏曲 ト短調
マックス・レーガー (1873-1916) (編曲) 半音階幻想曲とフーガ
シャルル=マリー・ヴィドール (1844-1937) バッハの思い出 (Bach's Memento)
  ヤン・レヘトラ (オルガン)
  [クーサンコスキ教会のマッティン・ヴェゲリウス製作オルガン (1933年製)]
  [録音 20066月]

◇フィンランドの歴史的楽器を紹介するシリーズ。クーサンコスキの教会にあるオルガンを設計したマッティン・ヴェゲリウス Martin Wegelius (1846-1906) は、シベリウスの師。ヘルシンキ音楽院 (現、シベリウス・アカデミー) を創設し、フィンランド音楽に新しい時代をもたらした人として名を残しています。

BIS SACD1339 SACD (Multichannel/stereo hybrid)
ウルヤス・プルッキス (1975-) 管弦楽作品集
 Enchanted Garden (魔法をかけられた園) (2000)
 
(独奏ヴァイオリンと管弦楽のための8章の音楽物語)
 フルート協奏曲 (2001)
 Symphonic Dalí (交響的ダリ) (2002) (管弦楽のための3つの絵画)
  ヤーコ・クーシスト (ヴァイオリン) シャロン・ベザリー (フルート)
  スタヴァンゲル交響楽団 スサンナ・マルッキ (指揮)
  [録音 20056月、8月 スタヴァンゲル・コンサートホール (ノルウェー)]
  [制作 マッティン・ナゴルニ  録音 ファビアン・フランク] 試聴盤

◇ウルヤス・プルッキス Uljas Pulkkis (1975-)1997年、フィンランド作曲家協会第1回ウーサヴェル・コンペティションで《八重奏曲 (Octet)(1997) が第2位。1999年、エリザベト女王コンペティション (ブリュッセル) でピアノと管弦楽のための《Tears of Ludovico (ルドヴィーコの涙)》 (1998) が第1位。同年、グスタフ・マーラー・コンペティション (クラーゲンフルト) でアルトと室内管弦楽のための《Duett für eine(1999) が第3位。このフィンランドの若い作曲家は、いくつかの作曲コンペティションの受賞をきっかけとして国際的に認められることになりました。

 プルッキスが管弦楽のために書いた作品集。独奏ヴァイオリンと管弦楽のための8章の音楽物語《Enchanted Garden (魔法をかけられた園)》 −− Sunset (日没)、Awakening (めざめ)、Enchantment (魔法)、Secret (秘密)、Gathering (集会)、Dance (踊り)、Feast (祭り)、Sunset (日の出) −− は、「スペクトラル・ハーモニー (spectral harmonies) の煌めきを巧みに使った色彩的な語法が支配する」 (キンモ・コルホネン Kimmo Korhonen: Inventing Finnish Music (第2版) (FIMIC) p.236) 初期作品群のひとつ。フィンランド放送の委嘱により作曲され、International Rostrum of Composers (2001) のコンペティションで第1位を受けました。

 フルート協奏曲 (2001) はシャロン・ベザリーのためにスウェーデンの BIS Records が委嘱。プルッキスがスペクトル・ハーモニーを使うことをやめた後に書いた作品です。サルバドール・ダリの絵 −− 「The Colossus of Rhodes (ロードス島の要塞)」「Shades of night descending (夜のとばりの闇)」「Dawn (暁)」 −− からインスピレーションを受けた《Symphonic Dalí (交響的ダリ)》。標題的要素の強い作品の多いプルッキスの代表作のひとつと言われます。

BIS CD1466 ジャン・シベリウス (1865-1957) 弦楽四重奏曲全集 第3
 アダージョ ニ短調 JS12 (1890) (弦楽四重奏のための) 弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品4
 弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56 《内なる声 (Voces intimae)》 (予備の終結部付)
 アンダンテ・フェスティーヴォ (Andante Festivo) JS34a (弦楽四重奏のための)
  テンペラ四重奏団
  [録音 200410月、200510月 レンナ教会 (スウェーデン)]
  [制作・録音 ハンス・キプファー] 試聴盤

BIS CD1555 アッティリオ・アリオスティ (1666-c.1729) ストックホルム・ソナタ集 第2
 ソナタ第8番 ニ短調 ソナタ第9番 ト短調 ソナタ第10番 ヘ長調 ソナタ第11番 イ短調
 ソナタ第12番 ホ短調 ソナタ第13番 ハ長調 ソナタ第14番 変ホ長調
  トマス・ゲオルギ (ヴィオラダモーレ) ルーカス・ハリス (アーチリュート、バロックギター)
  ミーメ・ヤマヒロ・ブリンクマン (チェロ) 
  [録音 20061月 レンナ教会 (スウェーデン)] [制作・録音 マリオン・シュヴェーベル] 試聴盤

◇ユーハン・ヘルミック・ルーマン Johan Helmich Roman (1694-1758) が、教わったイタリアの作曲家アッティリオ・アリオスティ Attilio Ariosti (1666-c.1729) の作品を筆写、スウェーデンに持ち帰った楽譜により演奏。第1集は CD1535

BIS SACD1572 SACD (Multichannel/stereo hybrid)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン (1770-1827) ピアノ作品全集 第5
 ピアノソナタ第16番 ト長調 作品31-1 ピアノソナタ第17番 ニ短調 作品31-2《テンペスト (Tempest)
 ピアノソナタ第18番 変ホ長調 作品31-3
  ロナルド・ブラウティハム (フォルテピアノ)

BIS CD1629 エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) アコーディオンのためのトランスクリプション
 劇付随音楽《ペール・ギュント (Peer Gynt)》 作品23
  − アニトラの踊り (Anitras dans) オーセの死 (Åses død)
 25のノルウェーの民謡と踊り (25 norske folkeviser og danser) 作品17
  − スプリングダンス (Springdans) 婚礼の調べ (Brurelat)
 抒情小曲集 (Lyriske stykker) − ノルウェーの旋律 (Norsk) ワルツ (Vals)
 
 夜警の歌 (Vektersang) 妖精の踊り (Alfedans) アルバムの綴り (Albumblad)
  祖国の歌 (Fedrelandssang) 民謡 (Folkevise) ワルツ (Vals)
  蝶々 (Sommerfugl) 孤独なさすらい人 (Ensom vandrer) 故郷にて (I hjemmet)
  小鳥 (Småfugl) ハリング (Halling) トロルの行進 (Trolltog) (小人の行進)
  幻影 (Illusion) 秘密 (Hemmelighet) 郷愁 (Hjemve) 感謝 (Tak)
  農民の歌 (Bondens sang) バラード調で (I balladetone)
  おばあさんのメヌエット (Bestemors menuett) 子守歌 (Bådnlåt) (ゆりかごの歌)
  昔むかし (Det var engang) 小さなトロル (Småtrold) (小妖精)
  御喜美江 (アコーディオン) [日本語解説付]

dacapo 6.220521 SACD hybrid (5.1 surround/stereo)
カール・ニルセン (1865-1931) 弦楽四重奏曲集 第1
 弦楽四重奏曲第1番 ト短調 FS4 (作品13) 弦楽四重奏曲第4番 ヘ長調 FS36 (作品44)
 弦楽五重奏曲 ト長調 FS5
  デンマーク青年弦楽四重奏団 ティム・フレゼリクセン (ヴィオラ)

◇デンマークの音楽を20世紀に導いたカール・ニルセン Carl Nielsen (1865-1931)。木管五重奏曲をはじめとする彼の室内楽のための作品は、すでに国際的なレパートリーになりました。弦楽四重奏曲は、初期の2曲 (ニ短調、ヘ長調) をのぞき4曲。第1番は1887年から翌年にかけて作曲、10年後に改訂された作品。ニルセンの出世作のひとつです。アレグロ・エネルジーコ、アンダンテ・アモローゾ、スケルツォ (アレグロ・モルト)、終曲 (アレグロ) の4楽章。交響曲第1番の初演を指揮したヨハン・スヴェンセンに献呈されています。弦楽四重奏曲第4番の原曲は、弦楽四重奏のために作曲された1906年の《ピアチェヴォレッツァ (Piacevolezza)(FS36 作品19)。“愉快な” を意味するイタリア語のタイトルをもつこの曲は、ニルセンが息抜きのためにたびたび訪れたユラン (ユトランド) 半島南部のフールサング Fuglsang で初演。1919年に改訂が行われ、曲名も弦楽四重奏曲第4(FS36 作品44) に改められました。 透明なテクスチュアが特徴的な音楽。1888年に作曲された弦楽五重奏曲は、ニルセンがこの編成のために作曲した唯一の作品です。

 デンマーク青年弦楽四重奏団は2001年、“アンダー18” の4人が結成したグループ。ホルムボーの室内協奏曲第11(dacapo 8.224087) を録音したティム・フレゼリクセン Tim Frederiksen が五重奏曲に参加しています。

Danacord DACOCD655 アントン・ブルックナー (1824-1896) 交響曲第7番 ホ長調 WAB107 (ハース版)
  オーフス交響楽団 ジェイムズ・ロッホラン (指揮)
  [録音 2005428日 オーフス大聖堂 (オーフス、デンマーク) (ライヴ)]
  [制作 ヤコブ・マーストラン  録音 クレメンス・ヨハンセン] [デンマーク放送 (DR) 共同制作] 試聴盤

◇オーフス Århus は人口約29万。デンマーク第2の都市です。ユラン半島のバルト海側に位置し、ヴァイキングの時代にまでさかのぼる古い歴史をもっています。芸術家が多く住むことでも知られ、オーフス大学とオーフス王立音楽アカデミーを中心に幅広いジャンルに渡る音楽活動が行われています。オーフス交響楽団が創設されたのは1935年。オーフス・コンサートホールを本拠に、年間30回の定期演奏会のほか、50のオペラ公演に参加。学校を巡回するコンサート、室内楽コンサート、サマーコンサート、高齢者のためのコンサートを行い、オーフス市の音楽活動の中心的存在になっています。

 CD録音も多く、代表的録音のホルムボー交響曲全集 (BIS CD843/846) (オーウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮)、シューベルト交響曲全集 (Kontrapunkt 32318/22) (ハンス・グラーフ指揮)、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集 (Danacord DACOCD582/583) (ロッホラン指揮、オレク・マルシェフ) のほか、ボー・ホルテンと録音したディーリアス作品集 (Danacord DACOCD536, DACOCD592) も人気を集めたアルバムです。

 2005428日、オーフス交響楽団は市の大聖堂でコンサートを行いました。オーフス市の中心、やや海よりのところにあるオーフス大聖堂 Århus Domkirke1201年の建造。15世紀の祭壇と16世紀に描かれた壁画でも知られる後期ゴシック様式の建物は、オーフス市のシンボルです。この大聖堂では、クリスマスと復活祭の他、オーフス交響楽団のコンサートが定期的に開催されています。ブルックナーの音楽を教会で演奏することが一般的なヨーロッパ。オーフス大聖堂のコンサートでもブルックナー交響曲の演奏はシリーズになりましtあ。428日のコンサートで演奏されたのは第7番。1996年から2003年にかけて首席指揮者を務めたジェイムズ・ロッホラン James Loughran (1931-) が指揮。大聖堂には信徒席を埋めつくす数の聴衆が集まりました。

 「誰もが忘れることのできない夕べ……座り心地の悪さも忘れ大聖堂の席で聴いたジェイムズ・ロッホランとオーフス交響楽団の美しく、心に訴える音楽」 (オーフス交響楽団ジェネラルマネージャー、ライフ・VS・バルサセン Leif V.S. Balthzersen)

 このライヴ録音は、デンマーク放送 (DR)Danacord Records の共同制作により実現しました。大聖堂の広い空間という音響上の不利な条件を克服し、オーフスのオーケストラの透明で瑞々しい響きがうまく捉えられています。

 ヨーロッパの "一地方オーケストラ" とスコットランド生まれの指揮者が演奏したブルックナー。過度の思い入れも力みもなく、「ブルックナーのどの交響曲よりも澄みわたり、交響的バランスのとれた作品」 (ボー・マーシュナー Bo Marschner) が、自然な抑揚の音楽として響きます。はじめての体験かもしれません。

dB Productions dBCD111 the eclectric guitar experience
クリストファー・アンシン (1973-) プレイマスター (Playmaster) (2002)
クリストファー・アンシン (1973-)/エーリク・ベリクヴィス 瞬間 (Minuten) (2004)
モッテン・ファルク (1973-) フィンスターリング (Finsterling) (2000)
イーダ・ルンデーン (1971-)/エーリク・ベリクヴィスト entrvatrefyrfem (2004)
フレードリク・ファールマン (1969-) ("Nullo") (2004)
クリストフェル・エルグ (1969-) Inside (2004)
マッティン・Q・ラーション (1968-)/エーリク・ベリクヴィスト Alaton (2004)
ユルヴァ・スクーグ (1963-) Till konstfullt uttänkt list (2003) 不安よさらば (Låt oron fly) (2003)
マティアス・ペッテション (1972-) Sustained and loose (2005)
アントニオ・カルヴァッロ Duao (2002)
トニー・ブルムダール (1972-) REMAKEUP (2005)
  モッテン・ファルク (ギター) イングリド・ファルク (ソプラノ) エーリク・ベリクヴィスト (朗読)

◇モッテン・ファルク Mårten Falk (1973-) (モータン・ファルク) は、もっともユニークでおもしろい音楽を聴かせるスウェーデンの若手ギタリストのひとり。先日、来日して、東京と名古屋につづき46日、山口県周南市 (旧徳山市) で特別コンサートが催されました。

 ルイス・デ・ナルバエス (fl. 1530-1550) の《皇帝の歌》と《「私の牛の見張りをしておくれ」による7つのディフェレンシア》、アロンソ・ムダーラ (c.1510-1580) の《ガイヤルド》と《ファンタジア第5番》、タレガ (1852-1909) の《アラビア風カプリッチョ》と《アランブラ宮殿の思い出》、ソル (1778-1839) の《モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲》、ファリャ (1876-1946) の《クロード・ドビュッシーに捧げる》、アルベニス (1860-1909) の《アストゥリアス (伝説)》、小櫻秀樹の《モファ》、鈴木純明の《ジャンピング・ミュージック》、自作の《フィンスターリング (Finsterling)》。古典、近代、現代の新作 (委嘱作品) で構成されたプログラムです。このコンサートは、中嶋康雄氏主宰のマーク・アート・フォーラムと徳山海陸ファンデーションが共同で主催。会場となった徳山海陸ハーバープラザホールに収容人員いっぱいの120名の聴衆が集まったことを地元の新聞「日刊新周南」が伝えています。

 “ギター演奏”ではなく、ギターを弾くことにより“音楽”を伝えたい、と語ったファルク。周南の聴衆はファルクの音楽を愛で、ファルクは、その心を受けとめる。ひとつのコンサートから新しい交流が生まれました。

 メルツ、タレガ、セゴビアの曲を演奏した「Anecdotes (逸話)」 (dBCD105) につづくセカンドアルバムには、イングリド・ファルク Ingrid Falk とエーリク・ベリクヴィスト Erik Bergqvist も参加。周南コンサートでも演奏された《フィンスターリング》の他、1963年から1973年生まれのスウェーデン作曲家の曲が録音されました。アルバムタイトルも凝っています。"eclectric" = eclectic (取捨選択した、折衷的な、広い趣味の) + electric (電気の、電気的に音と増幅した、電撃的な、刺激的な)。さて、どんな体験をすることになるのでしょう。

LadyBird 795 56801 北欧の光 (Nordic Light)Finest songs in Nordic folk tradition
ユーハン・グランストレム (編曲)
伝承曲 風もないのにどうやって舟を (Vem kan segla)
 カレリアの丘 (Karjalan kunnailla) Kings Selma
 フロストヴィーケンの歌 (Visa från Frostviken)
伝承曲 (グンナル・ハーン、ユーハン・グランストレム 編曲)
 ヤムト=ルーフにならうワルツ (Vals efter Jamt-Lof)
エヴェルト・トーブ (1890-1976) 夜想曲 (Nocturne)
 フリチョフとカルメンチータ (Fritjof och Carmencita)
イェオリ・マルムステーン (1902-1981)
 新サッキウヤルヴィ湖ポルカ (Nya Säkkijärvipolkan)
エルナ・タウノ 秋の歌 (Höstvisa)
ニルス=エーリク・フォウグステット (1910-1961) ロマンス (Romanssi)
カール・ミカエル・ベルマン (1740-1795) 輝くニンフ (Glimmade Nymf)
ラッセ・モッテンソン (1934-)  『嵐の岩礁のマヤ』のテーマ (Stormskärs Maja/Myrskyluodon Maija)
ベニー・アンデション/ビョーン・ウルヴェウス
 デューヴェモーラのクリスティーナ (Kristina från Duvemåla)
オスカル・リンドベリ (1887-1955) (採譜)
 夏の牧舎の古い賛美歌 (Gammal fäbodpsalm från Dalarna)
  リンダ・ランペニウス (ヴァイオリン) ヤン・オッテセン (ギター)
  パトリク・スヴェードベリ (ピアノ、アコーディオン、キーボード、アルトフルート)
  ユーハン・グランストレム (ベース、エレクトリックベース)
  ヨリエン・ステーンベリ (パーカッション) アンデシュ・エークボリ (ヴォーカル)
  ベンガン・ヤンソン (アコーディオン)
  [録音 コルネット・スタジオ (ストックホルム)]
  [制作 ユーハン・グランストレム  録音 ユーハン・グランストレム、パトリク・スヴェードベリ]

◇スウェーデン系フィンランドのヴァイオリニスト、リンダ・ランペニウス Linda Lampenius (1970-)。チャバ・シルヴァイとゲーザ・シルヴァイのヘルシンキ・ジュニア・ストリングズからスタート。シベリウス・アカデミーで学んだ後、フィンランド国立オペラ管弦楽団で演奏しながら、ソロヴァイオリストとしての活動も始めました。1996年にオペラを退団。ソロ活動に専念するようになった1997年には、アンドリュー・ロイドー・ウェッバーの招待により、ソロイストとしてシドモントン・フェスティヴァルのメタル・フィルハーモニックに参加しています。活動は音楽にとどまらず、アメリカとフィンランドのTVに俳優として出演。モデルにも起用されました。クラシカルとポップスのソロアルバムにつづく録音では、北欧の伝承曲と、北欧の作曲家による民謡風の曲を演奏。ランペニウスは1780年製のFP・ガリーアノを弾いています。

Northern Flowers NF/PMA9946 ボリス・チャイコフスキー (1925-1996)
 ヴァイオリン協奏曲 (1969)
  ヴィクトル・ピカイゼン (ヴァイオリン) オーゼンセ交響楽団 エドゥアルト・セロフ (指揮)

Ondine ODE1100-5 SACD (5.0 surround/stereo hybrid)
カリタ・マッティラ、ヘルシンキ・リサイタル (Helsinki Recital)
アンリ・デュパルク (1848-1933) 旅への誘い (L'invitation au voyage)
 ミニョンのロマンス (Romance de Mignon)
 戦のある国へ (Au pays où se fait la guerre) 悲しき歌 (Chanson triste)
 フィディレ (Phidylé)
カイヤ・サーリアホ (1952-)
 歌曲集《4つの瞬間 (Quatre Instants)(2002) (アミン・マアルーフの詩による)
  憧れ (Attenté) 苦悩 (Douleur) 瞬間の香り (Parfun de l'instant) 余韻 (Résonances)
セルゲイ・ラフマニノフ (1873-1943)
 美しい人よ、私のために歌わないで 作品4-4 夕暮れ 作品21-3
 ミュッセからの断片 作品21-6 ムーサ (ミューズ) 作品34-1
 何という幸せ 作品34-12
アントニーン・ドヴォルジャーク (1841-1904) 歌曲集《ジプシーの歌》 作品55 B104
  カリタ・マッティラ (ソプラノ) マーティン・カッツ (ピアノ)
  [録音 200610月 フィンランド国立オペラ (ヘルシンキ) (ライヴ)]
  [制作 セッポ・シーララ  録音 エンノ・マエメツ] 試聴盤

◇フィンランドが誇るスターのひとり、リリック・ドラマティック・ソプラノのカリタ・マッティラ Karita Mattila (1960-)。オペラ舞台に立つことの多い彼女が200610月、めずらしくリサイタルを行いました。場所はヘルシンキのフィンランド国立オペラ。チケットが売り切れるほどの人気を呼び、「ヘルシンキ・サノマット」紙 (2006103日) は、「すばらしい夕べ、なんと素敵な!」と報じました。当夜のメイン・プログラムは、フィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホ Kaija Saariaho (1952-) の歌曲集《4つの瞬間》。フランスの作家、アミン・マアルーフ Amin Maalouf の詩をテクストとするオペラ的モノローグは、エロティックで過激。ヤナーチェクの《イェヌーファ》のタイトルロールもレパートリーに収めるマッティラが表現意欲を強くそそられる領域です。マーティン・カッツ Martin Katz はアメリカのピアニスト。キリ・テ・カナワ、ホセ・カレーラス、レナータ・テバルディらと共演し、1998年には「ミュージカル・アメリカ (Musical America)」 の最優秀伴奏者に選ばれています。

Ondine ODE1104-5 SACD (Multichannel/stereo hybrid)
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893)
 交響曲第4番 ヘ短調 作品36
 四季 (12の性格的描写) 作品37b (ピアノのための)
  − 草刈り人の歌 収穫 狩 秋の歌 トロイカで クリスマス
  フィラデルフィア管弦楽団 クリストフ・エッシェンバッハ (指揮、ピアノ)
  [録音 20063月 (交響曲)、11月 ヴェリゾン・ホール (フィラデルフィア) (ライヴ)]
  [制作 マーサ・デ・フランシスコ  録音 チャールズ・ギャグノン、ジャン=マリー・ジャイサン]

Pro Musica PPC9053 ノルウェー変奏曲 (Norwegian Variations)
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907)
 ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード (Ballade i form av rariasjoner over en norsk folketone) ト短調 作品24
ゲイル・トヴェイト (1908-1981) ピアノソナタ第29番 作品129 《永遠のソナタ (Sonata Étere)
ファッテイン・ヴァーレン (1887-1952) ピアノソナタ第2番 作品38 (1940-41)
  アイナル・ロッティンゲン (ピアノ) 試聴盤

◇セーヴェルーのピアノ作品全集 (PSC1116) を録音したアイナル・ロッティンゲン Einar Røttingen (1963-) が、ノルウェーのピアノ作品中もっとも大胆で重要な3作に挑んだアルバム。グリーグが両親を亡くした1875年に作曲に着手した《ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード》。ピアニストのゲイル・ブートネンが、“望遠鏡で宇宙をのぞくような” と語ったトヴェイト Geirr Tveitt (1908-1981) の 《永遠のソナタ》。ファッテイン・ヴァーレン Fartein Valen (1887-1952) が不協和音ポリフォニーの語法を追求した時期のソナタ第2番。トヴェイトのソナタは作曲者自身 (1955年) (PSC1805) とブートネン (PSC1121) の録音があり、ヴァーレンはロベルト・リフリング (BIS CD173/174) とグレン・グールド (Sony SMK52677) も録音しています。

Pro Musica PPC9054 アリエッタ (Arietta) − フルートとピアノのための作品集
ワルター・ギーゼキング (1895-1956) エドヴァルド・グリーグの主題による変奏曲 (1939) (フルートとピアノのための)
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) (ペール・オイエン 編曲)
 ヴァイオリンソナタ第2番 ト長調 作品13 (フルートとピアノのための)
フレゼリク・クーラウ (1786-1832) アイルランドの歌「庭の千草」による変奏曲 作品105
 デュオ・ブリラント ホ長調 作品102-2
 大三重奏曲 ト長調 作品119 (2つのフルートとピアノのための)
  ペール・オイエン (フルート) ゲイル・ヘンニング・ブローテン (ピアノ)
  ロバート・エイトケン (フルート)

◇ペール・オイエン Per Øien は、45年以上にわたりソロイスト、室内楽奏者として活動した後、1985年からノルウェー国立音楽アカデミーの教授を務めています。このアルバムは、作曲家でもあったピアニストのギーゼキングが、グリーグの《抒情小曲集》 第1巻の第1曲《アリエッタ (Arietta)》 を主題として書いた作品がメイン。グリーグのソナタ第2番はオイエン自身による編曲。劇音楽やフルートための曲を多く書いたデンマークのクーラウ Frederik Kuhlau (1786-1832)2つのフルートのための作品はロバート・エイトケン共演です。

 

リリース情報 − Blues, Folk, Pop & World Music

LadyBird 795 56808 ビョーン・ユーハンソン − 悲しみと喜び (Sorgen & Glädjen)
 夏の賛美歌「谷と野原はやさしい緑におおわれ」
  (Sommarpsalm "En vänlig grönskas rika dräkt")
 Jag skulle vilja våga tro 暗闇をこわがらないで (Var inte rädd)
 明るい日の鳥のように (Som fageln vid ljusan dag)
 一日だけ (Blott en dag) Du som gick före oss
 なんじの大きな翼をひろげ (Bred dina vida vingar)
 悲しみと喜び (Sorgen och glädjen)
 天国へつづく道がある (Det finns en väg till himmelen)
 目を上げ天を仰ぐ (Jag lyfter ögat mot himmeln)
 Guds kärlek är som stranden och som gräset
 Det ringer till villa och veckan går ut Giv mig ej glans
 祝福された日 (Den signade dag)
 さあ、騒ぎがおさまり (Nu sjunker bullret) コラール (Koral)
  ビョーン・ユーハンソン (ヴォーカル) グスタフ・シェークヴィスト室内合唱団
  ベンクト・リンドクヴィスト (キーボード) アンナ・ニューグレン (ピアノ)
  ヨーテ・ヴィルヘルムソン (アコーディオン) マグヌス・ベンクトソン (ギター)
  トミー・ヨンソン (ベース) アルム・ニルス・エーション (ヴァイオリン)
  マグヌス・リンドグレン (サクソフォーン) アルネ・ドムネールス (クラリネット)
  ゲオルグ・リーデル (ベース) クリステル・カールベリ (ギター)
  [録音 2006年 OALスタジオ、聖エーリク教会 (ストックホルム)]
  [制作 ビョーン・ユーハンソン、レンナット・ストロム  録音 レンナット・ストロム]

◇ビョーン・ユーハンソン Björn Johansson のヴォーカルによるスウェーデン賛美歌集。グスタフ・シェークヴィスト室内合唱団 Gustaf Sjökvist Kammarkör のほか、アルネ・ドムネールス、マグヌス・リンドグレン、ゲオルグ・リーデルら、スウェーデンを代表するジャズミュージシャンが共演しています。


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© Nordic Sound Hiroshima

CD Artwork © Acoustica Grammofon, BIS, dB Productions, LadyBird Productions (Sweden), Alba, Ondine (Finland), dacapo records, Danacord (Denmark), Pro Musica/Grappa (Norway)