Newsletter No.145   15 January 2011

 

リリース情報 − Classical & Contemporary

2L 2L072SACD SACD hybrid (5.1 surround/stereo) ニーダロス (Nidaros)
アンドリュー・スミス (1970-) Lux illuxit laetabunda (ひと筋の美しい光が輝いた)
伝承曲 (ヘンニング・ソンメッロ (1952-) 編曲) イエスとともに私は旅立つ (Med Jesus vil eg fara)
トルビョルン・デュールード (1974-) オルガン即興 I
ヴォルフガング・プラッゲ (1960-) オラトリオ《悲しみの太陽 (Harmsól)》 作品127 − 第7曲 太陽の王 (Solarkonge)
オッド・ユーハン・ウーヴェロイ (1961-) 主をたたえよ (Praise be to the Lord)
トルビョルン・デュールード (1974-) オルガン即興 II

ストーレ・クライベルグ (1958-)
 ナチ迫害の犠牲者のためのレクイエム (Requiem for the Victims of Nazi Persecution) − キリエ * アニュス・デイ *
トルビョルン・デュールード (1974-) オルガン即興 III
トルビョルン・デュールード (1974-) 鋭い剣を持った者よ (Du, med det skarpe sverd)
ヘンニング・ソンメッロ (1952-) ヨハネ (Ioánnes)
伝承曲 (ルードヴィーグ・ニルセン (1906-2001) 編曲) 天にある砦を知っている (Eg veit i himmerik ei borg)
トルビョルン・デュールード (1974-) オルガン即興 IV
ヴォルフガング・プラッゲ (1960-)

 オラトリオ《悲しみの太陽 (Harmsól)》 作品127 − 第12曲 さらに語ろう (Enno vil eg nemna)
トルビョルン・デュールード (1974-) オルガン即興 V
ペール・フリチョフ・ボンサクセン (1946-) 主よ、御もとに身を寄せます (Herre, til deg far jeg min tilflukt)
  ニーダロス大聖堂合唱団 ヴィヴィアンネ・シュードネス (指揮) トロインハイム・ソロイスツの弦楽四重奏 *
  トルビョルン・デュールード (オルガン)
 [録音 200936日-10日、58日-10日、917日-20日 ニーダロス大聖堂 (トロンハイム、ノルウェー)]
 [制作 モッテン・リンドベルグ  録音 モッテン・リンドベルグ、ハンス・ペーテル・ロランジュ] 試聴盤

◇中世ノルウェーの旧都トロンハイム。997年、聖オラヴ・トリグヴァソンにより基礎が作られ、以来、ノルウェーの政治、経済、文化の中心として栄えました。トロンハイムは今なおノルウェーの人々の霊的生活の中心でもあり、その象徴が、トロンハイムの旧名を冠したニーダロス大聖堂 Nidarosdomen です。1946年、この大聖堂に専属の合唱団が作られました。40人編成のアンサンブル、ニーダロス大聖堂合唱団 Nidaros domkor は、ミサや祭事、国家行事のほか、定期的にコンサートを行い、トロンハイムの音楽活動を支えてきました。アルバム『ニーダロス (Nidaros)』は、合唱団の委嘱作を中心とするプログラムにより、大聖堂の素晴らしい響きとともにこの合唱団の音楽を紹介するため企画されました。

 最初に歌われるのは《Lux illuxit laetabunda (ひと筋の美しい光が輝いた)》。リヴァプール生まれ、1984年からノルウェーに住むアンドリュー・スミス Andrew Smith (1970-) がニーダロス大聖堂大司教アイスタイン・エルレンソン Eystein Erlendsson (1161-1188) のセクエンツァをテクストに作曲しました。作曲家、ピアニストのヴォルフガング・プラッゲ Wolfgang Plagge (1960-) が、中世アイスランドの吟唱詩人ガムリ Gamli の作品と1519年のニーダロス交唱聖歌集の断片により作曲した二重合唱、児童合唱、金管五重奏と打楽器のためのオラトリオ《悲しみの太陽 (Harmsól)(2004-05) から2曲。二重合唱による第7曲と第12曲が歌われます。

 オッド・ユーハン・ウーヴェロイ Odd Johan Overøye (1961-) は、トロンハイムのノルウェー工科大学 (NTNU) 音楽学校の准教授です。《主をたたえよ》のテクストは、旧約聖書『詩編』 (286節-9節) から採られました。同じ NTNU の教授、ストーレ・クライベルグ Ståle Klieberg (1958-) は、スコットランドの詩人エドウィン・モーガンの詩をテクストに《ナチ迫害の犠牲者のためのレクイエム》 (Simax PSC1257) を作曲しました。ニーダロス大聖堂合唱団が初演、9.11テロの犠牲者を追悼し2004年にワシントンのナショナル・カテドラルで行われたライヴ演奏は全米にテレビ中継されました。合唱と弦楽四重奏のために書かれた部分、〈キリエ〉と〈アニュス・デイ〉が歌われます。

 ヘンニング・ソンメッロ Henning Sommerro (1952-) はフォークミュージシャン、歌手、作曲家。〈神の使者 (Missus a Deo)〉 (フランスのグレゴリオ・レスポンソリウム)、〈ヨハネ (Ioánnes)〉 (『ルカによる福音書』162節)、〈見よ (Ecce)〉 (『エレミア書』19節-10節) の3曲からなる《ヨハネ》は、ニーダロス大聖堂合唱団のフランスツアーのために作曲されました。ペール・フリチョフ・ボンサクセン Per Fridtjov Bonsaksen (1946-) は、1976年、ルードヴィーグ・ニルセン Ludvig Nielsen (1906-2001) の後任としてニーダロス大聖堂のカントルに就任しました。《鋭い剣を持った者よ》を作曲し、オルガンによる即興演奏を聴かせるトルビョルン・デュールード Torbjørn Dyrud (1974-) は作曲家、教会音楽家として活躍しています。

 指揮者のヴィヴィアンネ・シュードネス Vivianne Sydnes (1974-) は、オスロのノルウェー音楽アカデミーで教会音楽の教育を受け、スウェーデンの王立音楽大学で合唱指揮のディプロマを取得しました。2002年から大聖堂のカントルと合唱団の指揮者を務めています。

 ニーダロス大聖堂でサラウンドサウンドの録音が行われたのは今回がはじめてです。録音バランスと制作を担当したのは、第53回グラミー賞の最優秀小アンサンブル演奏部門と最優秀サラウンドサウンド・アルバム部門にノミネートされたトロンハイム・ソロイスツのアルバム『in folk style (民謡の調子で)』 (2L068SABD) のモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg です。中世の心を今の響きに伝える。素晴らしい音質を誇るアルバムです。

2L 2L076SABD SACD hybrid (5.0 surround/stereo) + Pure Audio Blu-ray KIND
民謡 (フランク・ハーヴロイ (1969-) 編曲) おやすみ坊や (Sov, sov, liten gut)
 テレマルクの子守歌 (Bånsull fra Telemark)
ヤーコ・マンテュヤルヴィ (1963-) Die Stimme des Kindes (子供の声)
オステルダーレン民謡 (フランク・ハーヴロイ (1969-) 編曲) 子守歌 (Bånsull)
 おねむり坊や (Bysjan, bysjan lite bån)
ペーア・ネアゴー (1932-)
 Wie ein Kind (子供のように)
  Wiigen-Lied (子守歌) Frühlings-Lied (春の歌)
  Trauermarsch mit einem Unglücksfall (不幸なできごとのある葬送の行進)
ヴォス民謡 (フランク・ハーヴロイ (1969-) 編曲) おやすみ坊や (Bia, bia lite bån)
テレマルク民謡 (フランク・ハーヴロイ (1969-) 編曲) おねむり坊や (Bie, bie lite bån)
マルクス・パウス (1979-)
 The Stolen Child (さらわれた子供) (ソプラノ、アルト、混声合唱と弦楽四重奏のための)
  アンサンブル96 シェティル・アルメンニング (指揮) ニーダロス弦楽四重奏団
 [録音 20101月 ウラニエンボルグ教会 (オスロ、ノルウェー)]
 [制作・録音 モッテン・リンドベルグ  共同制作 フランク・ハーヴロイ]
 [DXD (24/352.8kHz) 録音 Blu-ray: 5.0 surround DTS HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz) +mShuttle] 試聴盤

◇アンサンブル96 (Ensemble 96) はオスロの室内合唱団。ノルウェー文化審議会 Norsk Kulturråd の財政支援を受け、現代の音楽に焦点を当てた演奏活動を行っています。ヴォルフガング・プラッゲの《恩寵の道 (Liknarbraut)(2L9) と、グラミー賞の最優秀合唱部門と最優秀サラウンドサウンド・アルバム部門にノミネートされた『不滅のニューステット (Immportal Nystedt)(2L29) につづくプロジェクトは、Pure Audio Blu-ray ディスクとSACDハイブリッドディスクのコンボアルバムとしてリリースされる『KIND』です。 言語によって異なる意味をもつ "kind"。「子供らしさ、無邪気さ」「幼稚さ」。その概念から、「慰め」「友情」「親切心」の意味も派生します。このアルバムの副題は当初、「子供について、大人のための」が予定されていました。

 プログラムを構成するのは、作曲者、編曲者としても活動するバリトン歌手、Nordic Voices のメンバーでもあるフランク・ハーヴロイ Frank Havrøy (1969-) が編曲したノルウェーのフィヨルドと谷と高原に歌い継がれてきた子守歌と、"子供" をテーマに北欧の3人の作曲家が書いた作品です。《Pseudo-Yoike (ヨイクに似せて)》や《4つのシェイクスピアの歌》で知られるフィンランドのヤーコ・マンテュヤルヴィ Jaakko Mäntyjärvi (1963-) がオーストリアの詩人レーナウ Nikolaus Lenau (1802-1850) の詩に作曲した《Die Stimme des Kindes (子供の声)》。デンマークのネアゴー Per Nørgård (1932-) がスイスの芸術家ヴェルフリ Adolf Wölfli (1864 - 1930) の書いた詩に作曲した《Wie ein Kind (子供のように)》は、各国の合唱団のレパトリーとして定着した曲集です。

 ノルウェーの作曲家でギタリスト、マルクス・パウス Marcus Paus (1979-) が合唱と弦楽四重奏のために書いた《The Stolen Child (さらわれた子供)》は、アンサンブル96の委嘱による新作です。「スルースの森の岩だらけの高地が 湖に沈むところ 草の茂る島があり 羽ばたくアオサギに 眠けまなこのミズネズミたちも目を覚ます 俺ら妖精はそこに イチゴの詰まった 盗んだ真っ赤なさくらんぼでいっぱいの大桶を隠しておいた おいで人間の子供よ! 水辺の荒れ地に 妖精と手に手を取って この世はおまえにはわからないほど悲しみに満ちている……」。アイルランドの詩人、WB・イェーツ (1865-1939) の詩『さらわれた子供 (The Stolen Child)』がテクストです。

 シェティル・アルメンニング Kjetil Almenning (1979-) は、ノルウェー音楽大学とストックホルムの王立音楽大学で学び、2001年から2005年までヴォーカルアンサンブル、ギンヌンガガップ Ginnungagap の指揮者を務めました。『われら龍の飛びゆく先を知らず (We Know Not Where the Dragons Fly)(Simax PSC1248) が代表的録音です。2007年から2010年にかけてアンサンブル96を指揮、20098月にベルゲン大聖堂のカントルに就任しました。

 録音セッションは、先の2枚のアルバムと同じオスロのウラニエンボルグ教会 Uranienborg kirke で行われました。1886年に建てられたネオゴシック様式のこの教会は、プロデューサー、モッテン・リンドベルグの気に入りの録音場所のひとつです。

2L 2L077SABD SACD hybrid (5.1 surround/stereo) + Pure Audio Blu-ray harmOrgan − ハーモニカ&オルガン
シーグムン・グローヴェン (1946-) グローリア (Gloria) アリア (Aria)
JS・バッハ (1685-1750) フルートソナタ 変ホ長調 BWV1031
ヘッダールの伝承曲 (シーグムン・グローヴェン 編曲) 天つみ国に (I himmelen)
コラール本の旋律 (イーヴェル・クライヴェ 編曲) 夜警の歌 (Vektervers)
 つねに待ち望む心を (Mitt hjerte altid vanker) 高きところより雨よ降れ (Kom regn fra det høye)
 クリスティーネ、みんなで探そう (Kristine, la oss søke sammen)
 さあ、われらイェルサレムに行こう (Se, vi går opp til Jerusalem)
ルードヴィーグ・マティアス・リンデマン (1812-1887) (イーヴェル・クライヴェ 編曲) 復活祭の朝 (Påskemorgen)
シーグムン・グローヴェン (1946-) あこがれ (Lengt)
伝承曲 (シーグムン・グローヴェン 編曲) ミュッラルグーテンの婚礼行列の曲 (Myllargutens bruremarsj)
イーヴェル・クライヴェ (1949-) トッカータ「偉大なる神よ、われら汝をたたえ (Store Gud, vi lover deg)
 プロヴァンス組曲 (Suite provençale)
GF・ヘンデル (1685-1759) リコーダーソナタ ヘ長調 HWV369 − シチリアーナとジグ
シーグムン・グローヴェン (1946-) 驚異 (Undring) 追悼 (In Memoriam)
ヘンニング・ソンメッロ (1952-) 春風の口笛に雪解けの水 (Vårsøg)
  シーグムン・グローヴェン (ハーモニカ) イーヴェル・クライヴェ (オルガン)
 [録音 20109月 ウラニエンボルグ教会 (オスロ、ノルウェー)]
 [制作・録音 モッテン・リンドベルグ]
 [DXD (24/352.8kHz) 録音 Blu-ray: 5.1 surround DTS HD MA (24bit/192kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz) +mShuttle] 試聴盤

"harmOrgan" −− ハーモニカとオルガン、世界で一番小さな楽器と世界で一番大きな楽器のデュオが演奏するバロックの小品とノルウェーの民俗音楽。ハーモニカを演奏するのはシーグムン・グローヴェン Sigmund Groven (1946-)。ノルウェー、テレマルク地方のヘッダールに生まれた音楽家です。「ハーモニカは、適切な人の手にかかると、際だって美しく優雅な楽器となることができる。シーグムン・グローヴェンは、先達のトミー・ライリーやラリー・アドラーと同様、ハーモニカに可能な広い音域と音による表現力をいっぱいに使って演奏する。際だって優れた感覚と才能にめぐまれ、彼は今、間違いなく、もっとも洗練されたハーモニカ演奏家のひとりとして世界に君臨している」。ビートルズのプロデューサーとして知られ、グローヴェンのアルバムを制作したことのあるサー・ジョージ・マーティン Sir George Martin は、グローヴェンについてそう語りました。グローヴェンは録音も積極的に行い、2007年のグリーグ・イヤーにリリースされた『グリーグ・アルバム』 (Grappa GRCD4264) は、ハーモニカ演奏の美しさと楽しさをあらためて印象づけるアルバムとして人気を集めました。1995年と1999年に来日、コンサートのほかテレビ番組にも出演しています。楽器は Polle Concert Harmonica です。

 オルガニストのイーヴェル・クライヴェ Iver Kleive (1949-) はテレマルク地方シーエンの生まれ。オスロとミュンヘンで学び、1978年にオスロのコンサートホールでデビューコンサートを行いました。オルガンと宗教音楽を中心に演奏し、クラシカル、ポップ、民俗音楽、ジャズ、映画音楽、即興とジャンルを超えた活動をしています。

 30年以上に渡って共演してきたふたりが初めてデュオとして録音したアルバム。JS・バッハとGF・ヘンデルのソナタ、グローヴェンとクライヴェの自作曲と編曲によるプログラム。グローヴェンが編曲した2曲は、いずれもグリーグが作品の素材に使った音楽です。《天つみ国に》は《4つの詩編》の第4曲、"ミュッラルグーテン Myllarguten (粉挽きの若者)" の名で親しまれたフィドル奏者、トルゲイル・アウグンソン Torgeir Augundsson (1801-1870) の《ミュッラルグーテンの婚礼行列の曲》は、ピアノのための《スロッテル (ノルウェーの農民の踊り)》 (作品72) の第8曲のそれぞれ原曲です。

 デュオ・アルバムの最後のページは、ヘンニング・ソンメッロ Henning Sommerro (1952-) の《春風の口笛に雪解けの水 (Vårsøg)》 です。ノールモーレのスルナダール生まれの詩人ハンス・ヒルバク Hans Hyldbakk (1898-2001) の詩にソンメッロが曲を書いたこの歌は、原詩の人気とあいまって、ノルウェーの人たちに愛されてきました。2009年ユーロヴィジョンに優勝したノルウェーのミュージシャン、アレクサンデル・リバク Alexander Rybak も、この曲に魅せられ、みずから英語の歌詞をつけ、《If You Were Gone》としてアルバム『Fairytales (おとぎ話)』で歌っています。詩の題名はノールモーレ地方の方言。美しい旋律の音楽です。

 SACD hybridPure Audio Blu-ray のコンボ・アルバムによるリリースです。

http://www.youtube.com/watch?v=HkvAcaoMVXY

Aeolus AE10047 SACD hybrid (Multichannel/stereo) ユーハン・アグレル (1701-1765) 管弦楽作品集
 シンフォニア イ長調 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 ハープシコードとフルートのための協奏曲 ロ短調
 シンフォニア ニ長調 オーボエ協奏曲 変ロ長調 シンフォニア 変ホ長調
  シルッカ=リーサ・カーキネン=ピルク (ヴァイオリン) パウリーナ・フレード (フルート)
  ヤス・モイシオ (オーボエ) ヘルシンキ・バロック管弦楽団 アーポ・ハッキネン (ハープシコード、指揮)

◇スウェーデン、ウプサラ生まれ、ヘッセンのマクシミリアン公の宮廷に招かれたユーハン・アグレル Johan Joakim Agrell (1701-1765)。カッセルの宮廷に移り、その後、ニュルンベルクの教会の聖歌隊指揮者に就任しました。アグレルの作曲した音楽はバロック期の様式にのっとり、古典主義初期の傾向もうかがえると言われます。《6つのシンフォニア》 (作品1) のうち4曲 (第1番 ニ長調、第3番 イ長調、第4番 変ロ長調、第6番 ヘ長調) は、クロード・ジェネテと国立博物館室内管弦楽団 ( 『自由時代の音楽 − 9つのシンフォニア』 Musica Sveciae MSCD412)、ハープシコードとフルートのための協奏曲とオーボエ協奏曲はアンドリュー・マンゼとコンチェルト・コペンハーゲン (CoCo) (『スウェーデン・ロココ時代の5つの協奏曲』 Musica Sveciae MSCD411) の録音ががリリースされていました。アーポ・ハッキネン Aapo Häkkinen と、彼が監督を務めるヘルシンキ・バロック管弦楽団は、モンテヴェルディの《タンクレーディとクロリンダの戦い》をはじめとする曲集 (Alba ABCD198) を録音したアンサンブル。「Early Music Review (10/2010) のリチャード・モーンダー Richard Maunder 氏は、「無条件に第一級の演奏……今月は間違いなくこの一枚を選ぶ。すぐに買いに行こう」と書いています。

http://www.youtube.com/watch?v=nt2TJEk3BHA

BIS CD1762 CPE・バッハ (1714-1788) ソロ・キーボード曲全集 第22集 − 6つのソナタによる18の例題
 ソナタ第1Wq63-1 (H70) ソナタ第2Wq63-2 (H71) ソナタ第3Wq63-3 (H72)
 ソナタ第4Wq63-4 (H73) ソナタ第5Wq63-5 (H74) ソナタ第5Wq63-6 (H75)
  ミクローシュ・シュパーニ (クラヴィコード)
 [録音 20086月 サルヴェラ・ホール (ヘルシンキ)]

BIS SACD1800 SACD hybrid (Multichannel/stereo) エクトル・ベルリオーズ (1803-1869)
 幻想交響曲 (Symphonie fantastique) 作品14 抒情的情景《クレオパトラの死 (La mort de Cléopâtre)
  アンナ=カテリーナ・アントナッチ (ソプラノ) ロッテルダム・フィルハーモニック管弦楽団
  ヤニック・ネゼ=セガン (指揮)
 [録音 20103月 オランダ放送音楽センター、スタジオ MC05]

BIS CD1806/08 5CD's for price of 3 ヨーゼフ・ハイドン (1732-1809) 初期ディヴェルティメント全集
 カッサシオン ト長調 HobII/2 ディヴェルティメント ト長調 HobII/9 ディヴェルティメント ヘ長調 HobII/20
 ディヴェルティメント ト長調 HobII/G1 ディヴェルティメント ト長調
HobII/3 フェルトパルティータ ハ長調 HobII/7
 ディヴェルティメント ヘ長調 HobII/15 ディヴェルティメント ハ長調 HobII/14 パルティア ヘ長調
HobII/23
 フェルトパルティータ 変ロ長調 HobII/46 (偽作) プリンス・オヴ・ウェールズのための行進曲 HobVIII/3
 王立音楽家協会のための行進曲 HobVIII/3bis ディヴェルティメント ヘ長調 HobII/16
 ディヴェルティメント ニ長調 HobII/8 変奏曲 変ホ長調 HobII/24 ディヴェルティメント ハ長調 HobII/17
 ディヴェルティメント 変ホ長調 HobXIV/1 ディヴェルティメント 変ホ長調 《夕べの音楽 (Eine Abendmusik)HobII/21
 カッサシオン ニ長調 HobII/22 カッサシオン ニ長調 HobII/D22 カッサシオン ト長調 HobII/1
 ディヴェルティメント ハ長調 《夫と妻、誕生日 (Mann und Weib, Der Geburtstag)HobII/11
 ディヴェルティメント 変ホ長調 HobIV/5 ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 HobVIIa/1
  サイモン・スタンディッジ (ヴァイオリン) ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン マンフレート・フス (指揮)
 [録音 1993年-1996年 カジノ・ツェーゲルニッツ (ウィーン)、20055月 フィナンツァムテス・フェストザール (オーストリア)、
  20088月 エステルハージ・シュロスカペッレ (オーストリア)] [Koch-Schwann]

BIS SACD1871 SACD hybrid (Multichannel/stereo) 白夜 (White Night) − ノルウェー民俗音楽の印象
伝承曲 イェンディーネの子守歌 (Gjendines Bådnlåt) 寝過ごしてしまった (Jeg lagde mig så sildig)
 イエス、なんじ優しき友よ (Jesus din søte forening å smake) いと慈悲深きイエス (Nådigste Jesus)
 イエスよ、わたしの思考をお導きください (Jesus, styr du mine tankar) イエスとともに私は旅立つ (Med Jesus vil eg fara)
 ヴァルソイフィヨルドの結婚行進曲 (Bruremarsj fra Valsøyfjord)
イェルムン・ラーシェン (1981-) ポロネーズ (Polonese) くぼみ (Gropen) 太陽の祈り (Solbønn)
 ソロイストワルツ (Solistvals)
アイヴィン・グローヴェン (1901-1977) マルイット・ユークセ (Margjit Hjukse) 作品48
アイヴィン・ビューエネ (1973-) コーラス (Allsang)
  ノルウェー・ソリスト合唱団 グレーテ・ペーデシェン (指揮) ベーリト・オプハイム (歌)
  イェルムン・ラーシェン (ハリングフェレ)
 [録音 200911月 リース教会 (オスロ)]

◇最上級の合唱音楽のためのエリート・アンサンブルとして設立されたノルウェー・ソリスト合唱団 Det Norske Solistkor は、1950年の創設以来、200曲を超す作品の初演を手がけ、ノルウェーの文化、音楽生活の中でユニークな位置を占めてきました。1990年には初代指揮者クヌート・ニューステットの後継としてグレーテ・ペーデシェン Grete Pedersen が芸術監督に就任し、合唱団の名声を一層高める努力をつづけてきています。録音活動も継続的に行い、作品の根底にある民俗音楽の要素を強く意識したグリーグの合唱作品集 (SACD1661) は、国際的メディアから注目され、"Diapason d'Or" (Diapason)"Disco Excepcional" (Scherzo)"Chod de mois" (Le Monde de la musique)"Empfohlen" (klassic.com) に選ばれています。新作『白夜』の副題は「ノルウェー民俗音楽の印象」。伝承曲とともに、フィドル奏者のイェルムン・ラーシェン Gjermund Larsen (1981-) とアイヴィン・ビューエネ Eivind Buene (1973-)、創作のインスピレーションを民俗音楽に求めたアイヴィン・グローヴェン Eivind Groven (1901-1977) の作品が歌われます。

Fabra FBR-CD07 Passione
ヨーゼフ・ハイドン (1732-1809) 交響曲第49番 ヘ短調 HobI/49 《受難 (La passione)
エドワード・エルガー (1857-1934) セレナード (Serenade) ホ短調 作品20
WA・モーツァルト (1756-1791) ピアノ協奏曲第12番 イ長調 K414/385p
  テレマルク室内管弦楽団 ラーシュ=エーリク・テル・ユング (指揮) イングリ・アンスネス (ピアノ)
 [録音 2010108日-10日 ソフィエンベルグ教会 (オスロ)]
 [制作 ゲイル・インゲ・ロツベルグ  録音 ケン・クリスチャンセン] 試聴盤

◇テレマルク室内管弦楽団 (Telemark kammerorkester) は、ノルウェー南東部のテレマルク郡を本拠に演奏活動を行う弦楽アンサンブルです。この地域で唯一のプロフェッショナルのオーケストラとして組織され、編成は10人から15人。プロジェクトに応じて演奏者を募る形態が採られ、フリーランスの奏者と他のオーケストラの団員が参加しています。

 現代ノルウェーの作品を演奏した "Nostos" (FBR-CD04) につづくアルバムは、「われわれが演奏したい曲」による古典的なプログラムで構成されました。緩急緩急の "教会ソナタ" の形式で書かれたハイドンの1768年の交響曲。エルガー夫妻がバイロイトの音楽祭を訪れた翌年の1893年に作曲された弦楽のための《セレナード》について作曲家のオラヴ・アントン・トメセン Olav Anton Thommessen (1946-) は、寄稿した曲目解説の中で、「物思いに沈む、メランコリーを抑えた気分にみちた音楽に、イギリス西部地方の牧歌的で穏やかな風景がありありと浮かんでくる」と表現しています。モーツァルトのイ長調のピアノ協奏曲は、彼が多くのことを教わったヨハン・クリスチャン・バッハへの追悼の念をこめて作曲されたとされる作品です。

 指揮者のラーシュ=エーリク・テル・ユング Lars-Erik ter Jung (1957-) は、1980年、ヴァイオリニストとしてオスロでデビュー。1982年から1994年にかけてベルゲン・フィルハーモニックの首席コンサートマスターを務めました。指揮法をヨルマ・パヌラ、ジョージ・ハースと、ケネス・キースラーに学び、オスロ・フィルハーモニック、ノルウェー室内管弦楽団、オスロ・シンフォニエッタ、BIT20 アンサンブル、スウェーデン室内管弦楽団をはじめとするオーケストラを指揮してきました。1992年の創設当初からテレマルク室内管弦楽団の芸術監督を務めています。

 ピアニストのイングリ・アンスネス Ingrid Andsnes (1978-) は、ノルウェー西海岸のカルモイ島の生まれ。ロンドンのギルドホール音楽演劇学校のジョーン・ハヴィル、オスロのバラット・ドゥーエ音楽学校のイジー・フリンカのほか、兄のライフ=ウーヴェ・アンスネスにも学びました。現在は、ソロイスト、室内楽奏者としてノルウェー国内と海外のコンサートや音楽祭に出演しています。

Naxos 8.572479 細川俊夫 (1955-) フルートための音楽
 垂直の歌 I (Vertical Song I) (1995) (フルート独奏のための)
 線 I (Sen I) (1986) (フルート独奏のための) リート (Lied) (2007) (フルートとピアノのための)
 断章 II (Fragmente II) (1989) (フルートと弦楽四重奏のための)
 旅 V (Voyage V) (2001) (フルートと室内アンサンブルのための協奏曲)
 黒田節 (Kuroda-bushi) (2004) (アルトフルート独奏のための)
  コルベイン・ビャルナソン (フルート、アルトフルート)
  カプート・アンサンブル  ヴァルゲルズル・アンドリェスドウッティル (ピアノ、チェレスタ)
   シフ・トゥリニウス (ヴァイオリン) ズビグニェフ・ドゥービク (ヴァイオリン)
   ソウルン・オウスク・マーリノウスドウッティル (ヴィオラ) シーグルズル・ハトルドウルソン (チェロ) 他
  スノルリ・シグフース・ビルギソン (指揮)
 [録音 2008115日-6日、123日、11日 フェトラ=ホウラ教会 (レイキャヴィーク、アイスランド)]
 [制作 ビャウルニ・ルーナル・ビャルナソン  録音 ゲオルグ・マグヌーソン、パウトル・S・グヴズムンドソン] 試聴盤

Naxos の「日本作曲家選輯」シリーズ。日本とベルリンを拠点に作曲活動をする細川俊夫 (1955-) のフルートのための音楽がアイスランドの音楽家を起用して録音されました。コルベイン・ビャルナソン Kolbeinn Bjarnason (1958-) は、アイスランド大学で哲学と文学、レイキャヴィーク音楽大学でフルートを学び、アイスランドと縁の深いオーストリアのフルート奏者、マヌエラ・ヴィースラーにも師事。その後、日本の音楽に惹かれ、ニューヨークのラルフ・サミュエルソンと東京の福田輝久の下で尺八を学びました。コルベインは、1987年、カプート・アンサンブル Caput tónlistarhópurinn/Caput Ensemble の創設にも携わり、アイスランド音楽の中心的役割を担うひとりに数えられています。レイヴル・ソウラリンソンの《夏の到来 (Sumarmál)(Smekkleysa SMK15) とブライアン・ファーニホウのフルート作品集 (Bridge BCD9120) が代表的録音です。フルートと室内アンサンブル (フルート、オーボエ、2つのクラリネット、バスーン、ホルン、トランペット、トロンボーン、2人の打楽器奏者、ハープ、ピアノ、チェレスタ、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとダブルベース) のために書かれた "フルート協奏曲" 《旅 V》 は、ピアニスト、作曲家としても活動するスノルリ・シグフース・ビルギソン Snorri Sigfús Birgisson (1954-) 指揮のカプート・アンサンブルが共演。《リート》のヴァルゲルズル・アンドリェスドウッティル Valgerður Andrésdóttir と《断章 II》の弦楽器奏者4人もこのアンサンブルのメンバーです。細川俊夫の音楽では静寂、音と音の間が強く意識されるといわれ、その音楽が海外で高く評価され、人気の高い理由をアイスランドのプレーヤーたちの献身的な演奏が明確に示します。Naxos のこの1枚には、楽譜を単に音にするにとどまらないプレーヤーの見識と技術、そして、楽器の音ではなく音楽を捉えた録音エンジニアのセンスと技術がうかがえ、それが「細川俊夫の音楽」を正しく伝えます。レイキャヴィーク市とアイスランド文化教育省の支援によるプロジェクト。細川俊夫みずから執筆した日本語のノーツがブックレットに掲載されます。

Ondine ODE699-2 special price エイノユハニ・ラウタヴァーラ (1928-)
 ピアノ協奏曲第3番《夢の贈り物 (Gift of dreams)(1998)
  ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団 ヴラディーミル・アシュケナージ (ピアノ、指揮) [ODE950-2]
 交響曲第7番《光の天使 (Angel of Light)(1994)
  ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団 レイフ・セーゲルスタム (指揮) [ODE869-2]

Ondine 2010 カタログとしてのリリース。

Ondine ODE1166-2 ユッカ・ティエンスー (1948-) 管弦楽のための作品集
 管弦楽のための協奏曲《Vie (競う)》 (2007) ミサ (Missa) (2007) (独奏クラリネットと管弦楽のための)
 False memories I-III (不正確な記憶 I-III) (2008) (Morphoses for Orchestra (管弦楽のための発生過程))
  カリ・クリーク (クラリネット) ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団 ヨン・ストゥールゴールズ (指揮)
 [録音 2009912(Vie)126日-7(Missa)2010318日 フィンランディアホール (ヘルシンキ)]
 [制作 セッポ・シーララ  録音 エンノ・マエメツ] 試聴盤

◇ユッカ・ティエンスー Jukka Tiensuu (1948-) は、今日のフィンランドでもっとも色とりどりの作品を創造する作曲家のひとりに挙げられます。ティエンスーがクラリネット奏者のカリ・クリーク Kari Kiikku (1960-) のために作曲した1989年のクラリネットと管弦楽のための《小川 (Puro)》 (イタリア語の "純粋" とも解釈される) (1989) (ODE778-2) はとりわけ高い人気を誇り、クリーク自身の演奏回数だけでも50回以上にのぼります。ティエンスーのもっとも新しい管弦楽作品を集めた一枚。《ミサ》は、〈Introitus〉〈Kyrie〉〈Gloria〉〈Credo〉〈Sanctus〉〈Agnus Dei〉〈Ite〉の7章からなる、クラリネットと管弦楽のための "祈り" です。タンペレ・フィルハーモニックとスコットランド室内管弦楽団の共同委嘱により作曲され、20075月、クリークがソロを吹きグラスゴーで初演されました。「管弦楽のための協奏曲」の副題をもつ《Vie (競う)》は、ヘルシンキ・フィルハーモニックの委嘱作。〈Review (観察)〉〈Nostalgy (郷愁)〉〈Trauma (外傷)〉の3曲構成の《False memories I-III》は、「Morphoses for Orchestra (管弦楽のための発生過程)」。フィンランド放送交響楽団の委嘱作です。

Phono Suecia PSCD186 リュート・コン・フォルツァ (Liuto con forza)
ベンクト・ハムブレウス (1928-2000) Variazioni per liuto solo (リュート独奏のための変奏曲) (2000)
イーヴォ・ニルソン (1966-) Luta for theorbo (テオルボのためのリュータ) (1999-2000)
エーリク・ペーテシュ (1970-)
 Piece for lute and live electronics (リュートとライブエレクトロニクスのための小品) (2010)
ラーシュ・エークストレム (1956-) Vision and Ashes for theorbo (テオルボのための《ビジョンと灰》) (1996)
イングヴァル・カルコフ (1958-) Four pieces for lute (リュートのための4つの小品) (1985)
ケント・ウーロフソン (1962-) Chemin de silence I-III (沈黙の道 I-III) (2010) (テオルボのための)
  ペーテル・セーデルベリ (リュート、バロックリュート、テオルボ) エーリク・ペーテシュ (ライブエレクトロニクス)
 [録音 20091021日-23日、2010317日-18日 スウェーデン放送 (ヨーテボリ) 第12スタジオ]
 [制作 レンナット・デーン  録音 トゥルビョーン・サミュエルソン] 試聴盤

◇優雅な宮廷文化を象徴する柔らかく繊細な響きの楽器リュート。そのイメージと矛盾するように思える "コン・フォルツァ (力強く)" をキーワードに、"リュートの時代" とはまったく異次元の現代の音でリュート族の楽器 −− ルネサンスリュート、バロックリュート、テオルボ −− に潜む可能性と新しい魅力を探ります。ペーテル・セーデルベリ Peter Söderberg (1957-) はストックホルム生まれ。1979年から1985年まで王立音楽大学で学んだ後、バーゼルのスコラ・カントールムで2年間、ホプキンソン・スミスのクラスに参加しました。そのほかナイジェル・ノース、ポール・オデット、スティーヴン・スタブズにも学んでいます。1980年代は即興と現代のギター音楽の演奏を主に手がけ、1990年、演奏活動の重点をリュートに移してからは、片方の足をアーリーミュージックに、もう一方を現代音楽に置いた演奏活動をつづけています。エーリク・ペーテシュ Erik Peters (1970-) の小品では作曲者がライブエレクトロニクスを担当。セーデルベリのリュートとともに美しい音楽を紡ぎます。

Phono Suecia PSCD187 Phonetasy
アンデシュ・ニルソン (1956-) Phonetasy (2008)
ニクラス・ブレーマン (1966-) Dinkum Thinkum II (ディンカム・シンカム II) (2005)
グンナル・ヤンソン (1944-) 四重奏曲第1(1996)
フレードリク・セーデルベリ (1966-)
 オセラトゥス (Ocellatus) (2000) (サクソフォーン四重奏と打楽器のための)
マリ・サミュエルソン (1956-) セイレーン (Sirén) (1996)
ヤン・レーヴァンデル (1959-) ニッセ (Nisse) (1999/2009) (サクソフォーン四重奏と打楽器のための)
 カーチャ・マリの子守歌 (Vaggvisa till Katja Marie) (1999) (サクソフォーン四重奏と打楽器のための)
  スウェーデン・サクソフォーン四重奏団ローリン・フォーンズ
   トゥーヴェ・ニュールンド (ソプラノサックス) クリスティン・ユグラル (アルトサックス)
   ヘレーナ・フリーマン (テナーサックス) ネタ・ノレーン (バリトンサックス)
  ダニエル・サウル (打楽器)
 [録音 20091214日-18日、201067日 スウェーデン放送 (ストックホルム) 第2スタジオ]
 [制作 レンナット・デーン  録音 トゥルビョーン・サミュエルソン] 試聴盤

◇トゥーヴェ・ニュールンド Tove Nylund、クリスティン・ユグラル Kristin Uglar、ヘレーナ・フリーマン Helena Friman、ネタ・ノレーン Neta Norén4人の女性サクソフォーン奏者が集まり、スウェーデン・サクソフォーン四重奏団ローリン・フォーンズ Swedish Saxophone Quartet Rollin' Phones を結成したのは1986年。クラシカルと現代の音楽、ジャズ、民俗音楽とジャンルをひろげ、自分たちのコンサートや、オーケストラ、シンフォニックバンド、合唱団との共演を重ねるうちに、ヨーロッパでもっとも知名度が高く、多くの賞に輝くサクソフォーン四重奏団のひとつに数えられるまでになりました。アンデシュ・ニルソン Anders Nilsson (1956-) の、"fantasy" を連想させるタイトルをもち、3つの部分からなる《Phonetasy》。ロバート・A・ハインラインの『月は無慈悲な夜の女王 (The Moon Is a Harsh Mistress)』の登場人物、ディンカム・シンカムを曲名にしたニクラス・ブレーマン Niklas Breman (1966-) の曲。緩徐楽章の音楽に穏やかな夏の朝の海を描いたというグンナル・ヤンソン Gunnar Jansson (1944-) の四重奏曲。雌の気をひこうと雄同士が競う魚の特異な行動からヒントをもらったというフレードリク・セーデルベリ Fredrik Söderberg (1966-) の《オセラトゥス》。船乗りを誘惑するギリシャ神話のセイレーンをタイトルとするマリ・サミュエルソン Marie Samuelson (1956-) の作品。ヤン・レーヴァンデル Jan Levander (1959-) の《ニッセ》と、2歳の娘のために書いた《カーチャ・マリの子守歌》。ローリン・フォーンズの委嘱作を含むプログラムが組まれています。

Simax PSC1299 2CD's 蝶々を追って − グリーグの1903年録音の再創造とその彼方… (Chasing the Buttefly - recreating Grieg's 1903 recordings and beyond...)
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) ピアノのための作品
 トロールハウゲンの婚礼の日 (Bryllupsdag på Troldhaugen) 作品65-6 (抒情小曲集 第8集)
 ピアノソナタ ホ短調 作品7 − 第3楽章 アラ・メヌエット (Alla menuetto) 第4楽章 終曲 (Finale) (短縮)
 春に寄す (Til våren) 作品43-6 (抒情小曲集 第3集) ガンガル (Gangar) 作品54-2 (抒情小曲集 第5集)
 蝶々 (Sommerfugl) 作品43-1 (抒情小曲集 第3集)
 テンポ・ディ・メヌエット・エド・エネルジーコ (Tempo di menuetto ed energico) 作品6-2 (ユモレスク (Humoresker))
 婚礼の行列が通り過ぎる (Brudeføget drager forbi) 作品19-2 (人々の暮らしの情景 (Folkelivsbilleder))
 余韻 (Efterklang) 作品71-7 (抒情小曲集 第10集) ピアノソナタ ホ短調 作品7
 ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード (Ballade i form av variasjoner over en norsk folketone) ト短調 作品24
  シーグル・スロッテブレク (ピアノ) [ピアノ トロールハウゲン所蔵、グリーグに贈られた1892年製スタインウェイ]
 [録音 200710月、11月、2009310日-14日 トロールハウゲン (ベルゲン、ノルウェー)]
 トロールハウゲンの婚礼の日 作品65-6
 ピアノソナタ ホ短調 作品7 − 第3楽章 アラ・メヌエット 第4楽章 終曲 (短縮) 春に寄す 作品43-6
 ガンガル 作品54-2 蝶々 作品43-1 テンポ・ディ・メヌエット・エド・エネルジーコ 作品6-2
 婚礼の行列が通り過ぎる 作品19-2 余韻 作品71-7

  エドヴァルド・グリーグ (ピアノ)
 [録音 19034月 Gramophone & Typewriter Company studios (パリ)] [Dpg CG35509-35515 (SP)/PSC1809]
 トロールハウゲンの婚礼の日 作品65-6
  シーグル・スロッテブレク (ピアノ) エドヴァルド・グリーグ (ピアノ) [1903年録音と2007年録音の編集版]
 春に寄す 作品43-6
  エドヴァルド・グリーグ (ピアノ)
 [1930年代 EMI 復刻の1903年録音をトロールハウゲンのセルビ・ホーン式蓄音機で再生]
 ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
  シーグル・スロッテブレク (ピアノ) オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 ミハイル・ユロフスキー (指揮)
 [録音 2004812日-13日 オスロ・コンサートホール] [PSC1260X]
 [芸術監督 シーグル・スロッテブレク、トニー・ハリソン  録音 ジェフ・マイルズ、トニー・ハリソン] 試聴盤

1903年春、エドヴァルド・グリーグ Edvard Grieg (1843-1907) はパリの Gramophone & Typewriter 社スタジオで自作のピアノ曲を録音した。《トロールハウゲンの婚礼の日》にはじまる7つの小品とソナタの2つの楽章。10インチのディスク9枚、約15分の音楽がグリーグ自身の演奏の記録として残された……。

 ノルウェーがスウェーデンとの連合王国を解消してから100年となる記念の年を翌年に控えた2004年、Simax Records は、ノルウェー音楽を代表する管弦楽作品を集めたアルバムのためグリーグのピアノ協奏曲を録音しました。オスロ・フィルハーモニックと共演するピアニストにはシーグル・スロッテブレク Sigurd Slåttebrekk (1968-) が選ばれ、トニー・ハリソン Tony Harrison が制作にあたりました。もっとも演奏されることの多いピアノ協奏曲と言われるグリーグの作品。おびただしい数の録音が存在します。その "有名曲" を録音する。ふたりが考えたのは、グリーグの協奏曲が "今日の音楽" だったころの感覚を探り、作品に新鮮な空気を送り込むこと。そのため、1908年にパーシー・グレインジャーが作ったカデンツァとグリーグ自身が録音した小曲の録音 (Simax PSC1809) を参考とすることになりました。

 協奏曲の録音を終えたスロッテブレクとハリソンは、ある疑問をもっていました。グリーグの演奏の速いテンポは、78回転レコードの収録時間の制約によるものなのか? それとも、ベートーヴェンの友人、モーシェレスに学んだグリーグのロマンティックな様式がそのまま録音盤に刻まれているのか? アコースティック録音の表面雑音の壁の向こうにあるもの、それ以上に重要な、グリーグの演奏そのものに隠されたミステリーの鍵を開ける。スロッテブレクとハリソンの新たなプロジェクトが始まりました。スロッテブレクが述懐します。「ピアノ協奏曲の録音作業をやり遂げた時、それが始まりになろうとはほとんど思いもしなかった」

 このプロジェクトに使われたのは、グリーグ博物館となったトロールハウゲンのグリーグ夫妻の家に置かれている1892年製のスタインウェイ。1892年、銀婚式を迎えたグリーグ夫妻に贈られたピアノです。「模倣することで理解する、理解することで模倣する」。グリーグの録音を聴き、その演奏の再現を試みる。それを繰り返しているうちにグリーグの演奏のパターンが見えてくる。2009314日、すべての録音が終わりました。

 CD1 に収録されているのは、スロッテブレクの演奏する7つの小品とソナタの2楽章、グリーグの演奏を分析することから学んだ語法とスタイルで演奏されたソナタの全4楽章と《バラード ト短調》、グリーグの9曲のオリジナル録音、ふたりの録音を交互に編集した《トロールハウゲンの婚礼の日》、EMI1903年の録音を1930年代に再リリースした《春に寄す》 をトロールハウゲン所蔵の蓄音機で再生した復刻録音です。そして CD2 に、"すべての始まりとなった" アルバム『ノルウェーの心の故郷』 (PSC1260X) のピアノ協奏曲の録音が収められています。

 シーグル・スロッテブレクは、オスロのノルウェー音楽アカデミー、ジュリアード音楽学校、ハノーファーの音楽演劇大学で学び、ベルリン、ロンドン、パリでコンサートを行い、各国のオーケストラに客演してきました。トニー・ハリソンはイギリス生まれ。1986年に EMI に採用され、78回転レコードと初期テープ録音の復元作業からキャリアをスタートさせました。アンスネスの Virgin ClassicsEMI への録音を担当。プロデューサーとして国際的に活動するようになってからは、名だたる演奏家の録音に携わり、国際的な賞を多数獲得しました。ベルゲン在住。ハリソンには指揮者としての顔もあります。スロッテブレクとの共同作業は、ラヴェルのピアノ曲集 (PSC1112) (《高雅にして感傷的なワルツ》《夜のガスパール》ほか)、シューマンのピアノ曲集 (PSC1215) (《謝肉祭》《クライスレリアーナ》《アラベスク》) から始まりました。

 「捕らえるためではなく学ぶために蝶々を追った」ピアニストとプロデューサーのプロジェクト。その詳しい内容がブックレットに書かれています (英語、ノルウェー語)。

プロジェクト・ウェブサイト http://www.chasingthebutterfly.no/


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CD Artwork © Lindberg Lyd, Afontibus, Simax/Grappa (Norway), Aeolus (Germany), BIS, STIM (Sweden), Ondine (Finland), Naxos Rights International