Newsletter No.172   15 April 2013

 

リリース情報 − Classical & Contemporary

2L 2L090 CD トロンハイム・ソロイスツ − 思い出 (Souvenir)
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893) フィレンツェの思い出 (Souvenir de Florence) Op.70
カール・ニルセン (1865-1931) 小組曲 (Lille suite) FS6 Op.1 (弦楽オーケストラのための)
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893) 弦楽のためのセレナード (Serenade) ハ長調 Op.48
  トロンハイム・ソロイスツ ゲイル・インゲ・ロツベルグ (リーダー) オイヴィン・ギムセ (芸術監督)
 [録音 20115月、10月 セルビュ教会 (セルビュ、ノルウェー)]
 [制作・録音 モッテン・リンドベルグ]
 [DXD (24bit/352.8kHz) 録音]

Pure Audio Blu-ray (2L090PABD)LP (2L090A/2L090C) でリリースされたトロンハイム・ソロイスツのアルバム『思い出』が通常CDでリリースされます。

 ノルウェーのインディペンデント・レーベル、2Lの録音に対する評価は国際的にすっかり定着しました。このレーベルに録音したミュージシャンたちが、共同作業をしたモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg をはじめとするスタッフへ寄せる信頼は篤く、とりわけ、ブリテンやバルトークを演奏した『ディヴェルティメント (Divertimenti)(2L050SABD) とグリーグの《ホルベアの時代から》に始まる『民謡の調子で (in folk style)(2L068SABD) を録音したトロンハイム・ソロイスツ TrondheimSolistene/The Trondheim Soloists は、2Lのスタッフと共同作業するセッションを楽しみにしていると言います。

 今回通常CDでリリースされる『思い出』は、トロンハイム・ソロイスツと2Lのコラボレーション第3作です。芸術監督のオイヴィン・ギムセ Øyvind Gimse (1968-) とリーダーのゲイル・インゲ・ロツベルグ Geir Inge Lotsberg (1969-) が「弦楽オーケストラのために作曲されたもっとも美しい音楽」とみなすチャイコフスキーの《弦楽のためのセレナード》と《フィレンツェの思い出》、そして、FACEBOOK を通じて世界各国の音楽愛好家から寄せられたリクエストによるカール・ニルセンの《小組曲》。2011年の5月に録音された《弦楽のためのセレナード》では、合唱音楽の録音を多く手がけてきたプロデューサーのリンドベルグのアイデアを入れ、同じ楽器の奏者が隣り合わせにならないようアンサンブルの声部を混在させる楽器配置がとられました。2L090PABD (2L090C) に収録されていたニルセンの《若き芸術家の棺のかたわらで》は、容量の関係から割愛されました。

2L 2L091SACD SACD hybrid (5.1 surround/stereo) エンゲゴール四重奏団
ヨーゼフ・ハイドン (1732-1809) 弦楽四重奏曲 ト長調 Hob.III/81 Op.77-1
アルネ・ヌールハイム (1931-2010) Duplex (ふたつの) (1992) (ヴァイオリンとヴィオラのための)
ベーラ・バルトーク (1881-1945) 弦楽四重奏曲第5Sz.102
  エンゲゴール四重奏団
   アルヴィド・エンゲゴール (ヴァイオリン) アトレ・スポンベルグ (ヴァイオリン)
   ジュリエット・ジョプリング (ヴィオラ) エイドリアン・ブレンデル (チェロ)
 [録音 20115月、20123月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ、ノルウェー)]
 [制作 モッテン・リンドベルグ  録音 モッテン・リンドベルグ、ビーアトリス・ヨハンネセン]
 [DXD (24bit/352.8kHz) 録音] 試聴盤

2006年、白夜のノルウェー、ロフォーテンで結成されたエンゲゴール四重奏団 Engegårdkvartetten の弦楽四重奏曲録音シリーズ。ハイドンのニ長調、ライフ・スールベルグ、グリーグの作品を演奏した第1(2L53SACD)、ベートーヴェンの《ハープ》、ヌールハイム、バルトークの第3番を収めた第2(2L071SACD) につづく第3集がリリースされます。ハイドンがロブコヴィツ侯爵の求めに応じて作曲、ハイドン最後の弦楽四重奏曲集となった Op.77 の第1番。作曲者のヌールハイム Arne Nordheim 自身が「対比と極端の遊戯」と呼んだ《Duplex (ふたつの)》は、〈エネルジーコ〉〈フルエンテ〉〈レント・カンタンド−エネルジーコ〉の3楽章から構成されたデュオ曲。オスロで音楽学校を主宰するステファン・バラット=ドゥーエとスーンミ・チョン夫妻のために作曲されました。曲名には「ふたつの」という以上の深い意味はなく、この曲のリハーサルの後、バラッド=ドゥーエ夫妻に双子が誕生し、「曲名の正しさと音楽の力」をヌールハイムが確信したといいます。「ノルウェー・モダニズム音楽の旗手」ヌールハイムの音楽のなかではもっとも「近づきやすい」一作。アルバムの最後はバルトークの第5番。エンゲゴールがザルツブルクのカメラータ・アカデミカでコンサートマスターを務めていた時、作曲者と親交のあった音楽監督のシャンドル・ヴェーグから紹介されたという作品です。

 エンゲゴール四重奏団のメンバーは、第1ヴァイオリンが、ロフォーテン国際室内楽フェスティヴァルの創設者、芸術監督を務めるアルヴィド・エンゲゴール Arvid Engegård (1963-)。第2ヴァイオリンのアトレ・スポンベルグ Atle Sponberg (1964-) は、アイオナ・ブラウンが芸術監督の時代にノルウェー室内管弦楽団の第一コンサートマスター、1996年からノルウェー放送管弦楽団のコンサートマスターを務めています。ヴィオラのジュリエット・ジョプリング Juliet Jopling は、ノルウェー室内管弦楽団の首席ヴィオラ奏者です。彼女の興味は多岐にわたり、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで経済学修士号を取得、オスロのソフィエンベルグ教会で録音されたこのアルバムでは、2L のヨルン・シメンスタと共同で編集を担当しています。この第3集からチェリストがエイドリアン・ブレンデル Adrian Brendel (1976-) に替わりました。ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学ウィンチェスター・カレッジに学び、トルルス・モルクの師でもあるスウェーデンのチェリスト、ケルンの音楽院で教えるフランス・ヘルメションに師事しました。ブレンデルは、1995年、イギリス南西部、ドーセット州のプラッシュ村にフェスティヴァル、Music at Plush を指揮者のウィリアム・レイシーと共同で創設。この音楽祭は毎夏開催され、父のアルフレート・ブレンデル、イモージェン・クーパー、ヴェルターヴォ四重奏団をはじめとする音楽家が参加しています。

Alba ABCD351 SACD hybrid (5.1 multichannel/stereo) アーレ・メリカント (1893-1958)
 交響曲第2番 イ長調 Op.19 《戦争の交響曲 (Sota-sinfonia)(1918)
 エコー (Ekho) (1922) (ソプラノと管弦楽のための)
  アヌ・コムシ (ソプラノ) トゥルク・フィルハーモニック管弦楽団 ペトリ・サカリ (指揮)

◇アーレ・メリカント Aarre Merikanto (1893-1958) は、1920年代フィンランドのモダニズムを代表する作曲家のひとり。モダニズムへの無理解に苦しめられた挫折の時期を経て、民俗音楽的要素と色彩をモダニズムと巧みに結びつけた独自の作風を開拓していきました。1951年にはシベリウス・アカデミー作曲家の教授に就任。コッコネン、サッリネン、パーヴォ・ヘイニネンといった20世紀のフィンランド音楽を代表する作曲家を育てています。アーレ・メリカントが「交響曲」として発表したのは3つの作品。2010年に録音された第1番と第3(ABCD336) につづき、第2番を収めたディスクがリリースされます。演奏は、同じペトリ・サカリ Petri Sakari 指揮のトゥルク・フィルハーモニック管弦楽団です。交響曲第2番は、1918年、メリカントの後期ロマンティシズム期に作曲されました。第一次世界大戦 (1914-1918) の時代と重なり、《戦争の交響曲》の副題でも知られます。作曲家のヨウニ・カイパイネンは、メリカントのオーケストレーションとテクスチュアが第1番よりも自信を深めていることを指摘し、音楽学者のキンモ・コルホネンは、トロンボーンのグリッサンドが繰り返される第2楽章〈ラルゴ〉の音楽を「印象的」な楽章に挙げています。交響曲第2番は、これが初録音です。《エコー》は、1922年、メリカントのモダニズム期初期の作品です。シベリウスの《フィンランディア讃歌》で名が知られるVA・コスケンニエミ V. A. Koskenniemi (1885-1962) の詩がソプラノ独唱で歌われ、「独唱の移りゆく気分に寄り添いながら、超自然的かつ具象的な風景を確かな感性で彩色する」 (カイパイネン) オーケストラが共演します。ソプラノ独唱は、アヌ・コムシ Anu Komsi。ダイナミックなコロラトゥーラと知的な解釈の歌により国際的な評価が高まってきています。

Alba ABCD354 SACD hybrid (5.0 multichannel/stereo) JS・バッハ (1685-1750) (イスモ・エスケリネン (1971-) 編曲)
 リュート組曲 ホ長調 BWV1006a リュート組曲 イ短調 BWV995 (原調 ト短調)
 コラール「キリストは死の絆につかせたまえり (Christ lag in Todesbanden)BWV277
 シャコンヌ (Ciaccona) (無伴奏パルティータ第2BWV1004 から)
  イスモ・エスケリネン (ギター) [ギター Fratelli Lodi 2011  弦 Hannabach Goldin]
 [録音 2012525日-28日 スネルマン・ホール (コッコラ、フィンランド)]
 [制作・録音 シモン・フォクス=ガール] 試聴盤

◇イスモ・エスケリネン Ismo Eskelinen (1971-) は、シベリウス・アカデミーのティモ・コルホネン、バーゼル音楽アカデミーのオスカル・ギリアに学んだフィンランドのギタリスト。これまでに、20世紀スペインのギター作品を弾いた『魔法の円』 (ABCD153)、協奏曲を含むポンセの作品集 (ABCD185)、ペルト、ヴァスクス、フランチェスコーニ、三木稔、武満徹、ブロウウェルの曲をオストロボスニア室内管弦楽団と共演した『第七の感覚』 (ABCD213)、ムストネンとラウタヴァーラの作品 (ABCD241)、ペッカ・クーシストと共演したパガニーニのデュオ作品 (Ondine ODE1142-2) などのアルバムをリリースしています。彼の新録音はJS・バッハの音楽。ヴァイオリンソロのためのパルティータに基づくホ長調のリュート組曲、無伴奏チェロ組曲第5BWV1011 を作曲者自身が編曲したト短調のリュート組曲、コラール、ヴァイオリンソロの〈シャコンヌ〉。多くのギタリストに倣い、すべての作品をエスケリネン自身がギターのために編曲した版で演奏しています。

BIS SACD1879 SACD hybrid (Multichannel/stereo) エドワード・エルガー (1857-1934)
 交響曲第2番 変ホ長調 Op.63 ため息 (Sospiri) Op.70 (弦楽、ハープとオルガンのための)
 悲歌 (Elegy) Op.58 (弦楽オーケストラのための)
  王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団 サカリ・オラモ (指揮)
 [録音 20116月、20128月 (悲歌) ストックホルム・コンサートホール] 試聴盤

◇王立ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団と BIS のコラボレーションが始まったのは約30年前。アンタル・ドラティ、ユーリ・アーロノヴィチ、アラン・ギルバートと、歴代の首席指揮者による録音がカタログに残されました。ギルバートの後、2008/09年のシーズンからはサカリ・オラモ Sakari Oramo (1965-) が首席指揮者を務め、優美な響き、抑制の効いた極めて品の良い音楽を聴かせて相性の良さを感じさせます。エルガーは、オラモが近年積極的に取り組んでいる作曲家のひとり。第2番の交響曲は、1909年から1911年にかけて書かれ、エドワード七世の追悼の音楽とされた作品です。

BIS CD1995 18世紀ドイツのトリオソナタ
ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルク (1727-1756) トリオソナタ ハ長調 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
ヨハン・フリートリヒ・ファッシュ (1688-1758) トリオソナタ ハ短調 FWV N:c2 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
ヨハン・クリストフ・フリートリヒ・バッハ (1732-1795) トリオソナタ ヘ長調 W.VII/3 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
ヨハン・ゴットリープ・グラウン (1702/03-1771) トリオ 変ロ長調 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
ゲオルク・フィリップ・テレマン (1681-1767) トリオ ト長調 TWV42:G10 (ヴァイオリン、ガンバと通奏低音のための)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ (1714-1788) トリオソナタ 変ロ長調 Wq158 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
  ロンドン・バロック
 [録音 20119月 聖マーティン教会 (ロンドン)]

◇ロンドン・バロック London Baroque のシリーズ、トリオソナタの第8作。優れたクラヴィア奏者だったというJG・ゴルトベルク Johann Gottlieb Goldberg (1727-1756) をはじめ、JS・バッハの後、18世紀ドイツで活躍した音楽家の作品が演奏されます。

BIS SACD2007 SACD hybrid (Multichannel/stereo) WA・モーツァルト (1756-1791) オーボエのための音楽
 オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K370/368b オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314/271k
 ヴァイオリンソナタ 変ロ長調 K.378/317d (オーボエとピアノのための編曲)
  アレクセイ・オグリンチュク (オーボエ、指揮) ボリス・ブロフツィン (ヴァイオリン) マキシム・リザノフ (ヴァイオリン)
  クリスティナ・ブラウマネ (チェロ) リトアニア室内管弦楽団 レオニード・オグリンチュク (ピアノ)
 [録音 20124月 リトアニア国立フィルハーモニックホール (ヴィルニュス)、20118月 ブレーメン (ドイツ) (ソナタ)]

◇アレクセイ・オグリンチュク Alexei Ogrintchouk はロシア生まれのオーボエ奏者。20058月からアムステルダムの王立コンセルトヘボウ管弦楽団の首席ソロ奏者を務めています。スウェーデン室内管弦楽団と共演したJS・バッハのオーボエ協奏曲集 (SACD1769) につづく新録音はモーツァルト。

BIS SACD2022 SACD hybrid (Multichannel/stereo) リヒャルト・ワーグナー (1813-1883)
 歌劇《さまよえるオランダ人 (Der fliegende Holländer)》 序曲 (初稿)
 ヴェーゼンドンク歌曲集 (Wesendonck-Lieder) (オーケストレーション モットル、ワーグナー) *
 歌劇《さまよえるオランダ人 (Der fliegende Holländer)》 序曲 (最終稿)
 ジークフリート牧歌 (Siegfried-Idyll)
 夢 (Träume) (《ヴェーゼンドンク歌曲集》 第5曲) (ヴァイオリンと管弦楽のための) **
 楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー (Die Meistersinger von Nürnberg)》 前奏曲
  スウェーデン室内管弦楽団 トマス・ダウスゴー (指揮) ニーナ・ステンメ (ソプラノ) *
  カタリーナ・アンドレアソン (ヴァイオリン) **
 [録音 20125月、6月、8月 オレブルー・コンサートホール (オレブルー、スウェーデン)] 試聴盤

◇スウェーデン、オレブルーのスウェーデン室内管弦楽団と首席指揮者を務めるデンマークのダウスゴー Thomas Dausgaard (1963-) によるロマンティシズム音楽のシリーズ。新作はワーグナーの作品です。《ヴェーゼンドンク歌曲集》のソロを歌うのは、バイロイト音楽祭にも招聘されたスウェーデンのソプラノ、ニーナ・ステンメ Nina Stemme (1963-)。ヨゼフ・デ・ベーンハウワーのピアノと共演した演奏 (Phaedra 92040) に次ぐ録音です。《さまよえるオランダ人》 の序曲は、いわゆる「救済の動機」で終わらない「初稿」と、一般的に演奏される「最終稿」の両方を演奏。1996年からコンサートマスターを務めるカタリナ・アンドレアソン Katarina Andreasson がソロを弾く《ヴェーゼンドンク歌曲集》の〈夢〉は、ワーグナーがヴァイオリンと管弦楽のために編曲した版による演奏です。

BIS CD9043 4CD's for price of 2 WA・モーツァルト (1756-1791) (フンメル 編曲) 室内楽版のピアノ協奏曲
 ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503
 ピアノ協奏曲第10番 変ホ長調 K.365/316a ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
 ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537 《戴冠式》 ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
 ピアノ協奏曲第18番 変ロ長調 K.456 交響曲第40番 ト短調 K.550 (室内楽版)
  白神典子 (ピアノ) ヘンリク・ヴィーゼ (フルート) ピーター・クレメント (ヴァイオリン) ティボール・ベーニ (チェロ)
 [録音 20036月、20046月、20055月、20066月 バイエルン・スタジオ (ミュンヘン)]
 [CD1147, CD1237, CD1537, CD1567]

Bridge BCD9392 フレデリック・ジェフスキー (1938-)
 「不屈の民」変奏曲 (The People United Will Never Be Defeated!) (ピアノのための)
  オーレ・キレリク (ピアノ)
 [録音 20095月]

◇フレデリック・ジェフスキー Frederic Anthony Rzewski (1938-) は、ポーランド系アメリカの作曲家、ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト。マサチューセッツ州ウェストフィールド生まれ。フィリップス・アカデミー、ハーヴァード大学、プリンストン大学でランドール・トムソン、ロジャー・セッションズ、ウォルター・ピストン、ミルトン・バビットに学びました。1960年、イタリアに赴いて、ダッラピッコラに学ぶとともに、新しいピアノ音楽の演奏者としてのキャリアをスタートさせています。社会的、歴史的なテーマに触発された、政治意識を正面に出した作品が多く、《「不屈の民」変奏曲》もその一作です。この曲は、「セルジョ・オルテガの『団結した民衆は決して敗れない』による36の変奏曲 (36 variations on the Sergio Ortega song El pueblo unido jamás será vencido)」の副題をもち、チリからの亡命者を受け入れたイタリア人たちを歌ったイタリアの革命歌《Bandiera Rossa (赤旗)》や、ファシストに反対したハンス・アイスラーの《Solidaritätslied (団結の歌)》 (1932) が引用されています。演奏時間約1時間。演奏に高い技術が求められ、「ベートーヴェンの《ディアベッリ変奏曲》と対になるヴィルトゥオーゾ変奏曲」と言われます。オーレ・キレリク Ole Kiilerich はデンマークのピアニスト。オーゼンセのフュン音楽院の出身です。

cpo 999 703-2 ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル (1867-1942) ヴァイオリンとピアノのための作品集
 ヴァイオリンソナタ ホ短調 Op.1 (1887) 組曲 (Suite) Op.15 (1896) カンツォーネ (Canzone) (1889)
 民謡風の歌 (Visa i folkton)
  ウルフ・ヴァリーン (ヴァイオリン) ルーヴェ・デルヴィンゲル (ピアノ)

◇スウェーデンの音楽家ふたり、ウルフ・ヴァリーン Ulf Wallin とルーヴェ・デルヴィンゲル Love Derwinger がペッテション=ベリエル Wilhelm Peterson-Berger (1867-1942) のヴァイオリンとピアノのための作品を録音しました。ホ短調のヴァイオリンソナタは、未出版の作品を含め3曲あるペッテション=ベリエルのソナタの最初の作品です。グリーグやシェーグレンの作品にならった抒情スタイルで書かれ、力強い推進力こそもたないものの、伝統にとらわれない新しい音色に特色があるとされます。Op.15 として出版された《組曲》は1896年の作品です。〈献呈 (Tillegnan)〉〈セレナード (Serenata)〉〈まどろみの歌 (Slummersång)〉〈たいまつの踊り (Fackeldans)〉の4曲。特徴的で優雅なこの作品をペッテション=ベリエルは名付け娘のカリス・ティレーンに献呈しています (「私のかわいい名付け娘カリス・ティレーンに (Till min lilla guddotter Calice Tirén)」)。この曲は、ピアノのための3巻の曲集《フローセの花》と同じようにスウェーデンの人たちに愛されていると言われ、ヴァイオリニストのベルント・リュセルもエステル・ブーディーンと共演して録音していました (Bluebell ABCD034)

dacapo 8.226108 ファンタズマゴリア (Phantasmagoria) − ピアノ三重奏のためのデンマーク音楽
ベント・セーアンセン (1958-) ファンタズマゴリア (Phantasmagoria) (2006-07)
ハンス・エブラハムセン (1952-) 夢の歌 (Traumlieder) (1984/2009)
ペーア・ネアゴー (1932-) Spell (1973)
  トリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲン
 [録音 2011519日-20日 王立デンマーク音楽アカデミー コンサートホール (コペンハーゲン)]
 [制作・録音 アクセル・トリーエ] 試聴盤

◇ファンタズマゴリア……次から次へと変わってゆく走馬灯のような幻想。ベント・セーアンセン Bent Sørensen (1958-)、ハンス・エブラハムセン Hans Abrahamsen (1952-)、ペーア・ネアゴー Per Nørgård (1932-) の三人のデンマーク作曲家は、幻想と夢幻の世界を表す新たな音楽表現のスタイルを創造してきました。彼らがピアノ三重奏のために作曲した作品集。セーアンセンの《ファンタズマゴリア》は、廃墟の夜がインスピレーションになったという、モルト・エネルジーコ、ミステリオーゾ・エ・ドルチェ、ドルチッシモ、ミステリオーゾ・エ・メッカニーコ、ドルチッシモの5楽章の作品。エブラハムセンの《夢の歌》は、ピアノのための《10の習作 (10 Studies)(1983-98) とホルン三重奏のための《6つの小品 (Six Pieces)(1984) (ともに dacapo 8.224155) に基づく作品です。「沈黙する夢の国の奥に我々を誘う」〈セレナード (Serenade)〉に始まり、〈アラベスク (Arabesque)〉〈ブルース (Blues)〉〈葬送行進曲 (Marcia funebre)〉〈スケルツォ・ミステリオーゾ (Scherzo misterioso)〉〈「子供たちのために」 ("For the children")〉と続きます。繊細な音の世界とロマンティシズムが結びついた、エブラハムセンの音楽の性格がもっとも明確に表れた一作に挙げられています。《Spell》は、ネアゴーが大規模な交響曲第3番で展開させた「宇宙における人間の存在」をピアノ三重奏という小さな編成で表現したといい、曲名には「To spell (綴る)」と魔法の「Spell (呪文)」の二重の意味が持たされています。トリオ・コン・ブリオ・コペンハーゲン Trio con Brio Copenhagen は、ピアニストのイェンス・エルヴェキャー Jens Elvekjær を中心に1999年にウィーンで結成されたアンサンブルです。このアルバムのセーアンセンとエブラハムセンの作品は彼らのために作曲されました。

dacapo 8.226109 天の前に、地の前に − セーアン・ニルス・アイクベア (1973-) 交響曲集
 交響曲第2番《天の前に、地の前に (Before Heaven, Before Earth)(2010)
 交響曲第1番《われらが火の中に身を投じると (Stürzten wir uns ins Feuer)(2005)
  デンマーク国立交響楽団 クリストフ・ポッペン (指揮)
 [録音 2011210日、12日 (第2番)、201229日-11日 デンマーク放送コンサートホール (コペンハーゲン)]
 [制作 ベルンハルト・ギュトラー (第2番)、モーテン・モーエンセン  録音 ヤン・オルロプ] 試聴盤

◇セーアン・ニルス・アイクベア Søren Nils Eichberg は、1973年、デンマーク系ドイツ人を両親にシュトゥットガルトで生まれました。デンマークで育ち、コペンハーゲンとケルンでピアニストの資格を獲得、現在はベルリンに拠点を置いています。作曲者としての公式の資格は持っていないものの、指揮法を学ぶ間に実践で管弦楽のための作曲技法を身につけ、ここ数年は作曲を優先した活動を行っていると言います。2010年、デンマーク放送 (DR) の交響楽団がコンポーザー・イン・レジデンスの制度を設けると、アイクベアは、その最初の作曲家に任命されました。交響曲第1番は、2006年にオーゼンセ交響楽団が初演した作品です。1998年にノーベル文学賞を受賞したポルトガルの作家、ジョゼ・サラマーゴ José Saramago (1922-2010) の『O Evangelho Segundo Jesus Cristo (イエス・キリストによる福音書)』 (1991) の「最後の審判の日の幻視」から採られた副題をもち、〈混沌として、攻撃的に (Chaotisch, aggressiv)〉〈きわめて正確に (Sehr genau)〉〈ガラスのように (Gläsern)〉〈もう一度、細心に (Wieder nervoser)〉の切れ目なく演奏される4つの楽章から構成されています。第2番は、奨学金を受けイタリアに留学していたころに授かったインスピレーションとアイデアを基に書かれたという作品です。〈速く、逆上して (Schnell, wie im Rausch)〉〈テンポ I (Tempo I)〉〈神秘的に (Mysterios)〉〈テンポ II (Tempo II)〉の4楽章は、第1番と同様、アタッカで演奏されます。《天の前に、地の前に (Before Heaven, Before Earth)》 の副題は、老子の『老子道徳経』からインスピレーションを得たと言われます。第1番、第2番とも、アイクベアの交響曲は、ベートーヴェンやシベリウスのような「交響的思考」による作品ではなく、作曲者が抱いたビジョンとイメージを管弦楽という絵筆とパレットを使って描画するスタイルの作品です。古典から現代の作品まで、知的で誠実な解釈で知られるドイツの指揮者クリストフ・ポッペン Christoph Poppen がデンマーク放送の交響楽団を指揮。2011年と2012年にデンマーク放送のコンサートホールでセッション録音されました。

Danacord DACOCD725 SACD hybrid (Multichannel/stereo) フルート協奏曲
カール・ニルセン (1865-1931) フルート協奏曲 FS119 (1926)
チャールズ・グリフス (1884-1920) 詩曲 (Poem) (1918) (フルートと管弦楽のための)
フランク・マルタン (1890-1974) バラード (Ballade) (1939) (フルート、弦楽オーケストラとピアノのための)
ジャック・イベール (1890-1962) フルート協奏曲 (1932-33)
  トマス・イェンセン (フルート) 南ユラン交響楽団 ジョルダーノ・ベリンカンピ (指揮)
 [録音 
20111219日-21日、201242日-3日 アリシオン・コンサートホール (セナボー、デンマーク)]
 [制作・録音 ミケル・ニューマン] 試聴盤

◇トマス・イェンセン Thomas Jensen (1949-) はデンマークのフルーティスト。南ユラン交響楽団のフルート奏者、オーフスの王立音楽アカデミーの准教授を務め、指揮者としても活動しています。ヨアキム・アナセンのフルートと管弦楽またはピアノのための作品全曲 (全7集) につづく録音は20世紀のフルート協奏曲です。カール・ニルセン Carl Nielsen (1865-1931) のフルート協奏曲は、コペンハーゲン木管五重奏団のホルガー・ギルバート=イェスパセン (1890-1975) に捧げるために作曲しました。貴族として振る舞おうとするフルートをいくつかの楽器が邪魔するアレグロ・モデラートの第1楽章、フルートのさすらいの旅がやっと終わろうかという時、バストロンボーンが割り込んでくるアレグレットの第2楽章。高雅な趣味の持ち主だったというギルバート=イェスパセンの姿が音楽に映されていることの感じられる作品です。19261021日、パリのサル・ガヴォーで行われたカール・ニルセン・コンサートで初演されました。アメリカの作曲家チャールズ・グリフス Charles Griffes (1884-1920) の《詩曲》も特定のプレーヤーのために作曲されました。ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》の初演で冒頭のフルートソロを吹き、1905年からニューヨーク交響楽団 (現、ニューヨーク・フィルハーモニック) で演奏していたジョルジュ・バレール Georges Barrère (1876-1944)。彼の優雅で繊細な演奏が、この音楽のインスピレーションの源になったと言われます。フランク・マルタン Frank Martin (1890-1974) の《バラード》は、マルタンの住むジュネーヴで行われたコンペティションのために作曲したフルートとピアノのための作品の編曲。劇的な内容には、第二次世界大戦前夜の気分が反映していることも指摘されています。ジャック・イベール Jacques Ibert (1890-1962) のフルート協奏曲はマルセル・モイーズ Marcel Moyse (1889-1984) に献呈されました。陽気な気質のフルートがユーモアとフランスの「エスプリ」を存分に振りまいてみせる音楽です。イェンセンの楽器は Muramatsu 14K gold flute 19090。ヨルマ・パヌラに指揮法を学んだジョルダーノ・ベリンカンピ Giordano Bellincampi の指揮する南ユラン交響楽団の共演で、フルートとオーケストラのための4つの名作を興趣豊かに聴かせます。Danacord Records がリリースする最初の SACD hybrid ディスク。セナボーのアリシオン・コンサートホール Koncertsalen Alision で録音セッションが行われ、ミケル・ニューマン Mikkel Nymand が制作とエンジニアリングを担当しました。

hyperion CDA67919 WA・モーツァルト (1756-1791) ピアノ協奏曲集 第2
 ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453 ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
  アンジェラ・ヒューイット (ピアノ) マントヴァ室内管弦楽団 ハンヌ・リントゥ (指揮) [Piano: Fazioli]
 [録音 2011711日-13日 グランドホテル (ドッビアーコ、イタリア)]

naïve DR2159 DVD-video クロード・ドビュッシー (1862-1918) オペラ《ペレアスとメリザンド (Pelléas et Mélisande)
  ステファヌ・ドゥグー (バリトン、ペレアス) エレナ・ツァラゴワ (ソプラノ、メリザンド)
  ヴァンサン・ル・テクシエ (バスバリトン、ゴロー) フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ (バス、アルケル)
  アンネ・ソフィ・フォン・オッター (メッツォソプラノ、ジュヌヴィエーヴ) ジュリー・マトヴェ (ソプラノ、イニョルド)
  ジェローム・ヴァルニエ (医師) パリ・オペラ座管弦楽団・合唱団 フィリップ・ジョルダン (指揮)
 [演出 ロバート・ウィルソン  衣装 フリーダ・パルメッジャーニ  照明 ハインリヒ・ブルンケ]
 [収録 20123月 バスティーユ歌劇場 (パリ)]
 [NTSC 16:9 Region 0 (All-region) Dolby Digital 169min 字幕 フランス語・英語]

1997年にパリ・オペラ座とザルツブルク音楽祭の共同制作により上演され話題になったロバート・ウィルソン演出の《ペレアスとメリザンド》が、20123月、バスティーユ歌劇場で再演された際のプロダクションが映像化されました。北オセチア共和国の首都ウラジカフカス生まれ、200810月にバスティーユ歌劇場で上演されたヤナーチェクの《利口な目狐の物語》でビストロウシュカを歌ったソプラノ、エレナ・ツァラゴワのメリザンド。ペレアスは、バロックオペラでの活躍が知られ、ブリュッセルのモネ劇場、アン・デア・ウィーン劇場、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でもこの役を歌ったドゥグー。アンネ・ソフィ・フォン・オッターがジュヌヴィエーヴ役を歌っています。

Ondine ODE1215-2 イェルク・ヴィトマン (1973-) 管弦楽のための作品集
 ヴァイオリン協奏曲 (2007) * セイレーンの島 (1997) (ヴァイオリンと19の楽器のための)
 アンティフォン (2007-08) (オーケストラグループのための)
  クリスチャン・テツラフ (ヴァイオリン) * スウェーデン放送交響楽団 ダニエル・ハーディング (指揮)
 [録音 2011923日-24日 (協奏曲)、913日-14日 (セイレーン)、1116日-17日 ベールヴァルドホール (ストックホルム) (ライヴ)]

1973年ミュンヘン生まれ、クラリネット奏者で作曲家のイェルク・ヴィトマン Jörg Widmann の作品集。

Ondine ODE1217-5 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) カイヤ・サーリアホ (1952-)
 オラトリオ《シモーヌの受難 (La Passion de Simone)(2006)
  ドーン・アプショー (ソプラノ) ドミニク・ブラン (朗読) タピオラ室内合唱団 フィンランド放送交響楽団
  エサ=ペッカ・サロネン (指揮) [歌詞 フランス語]
 [録音 20121019日-20日 ヘルシンキ・ミュージックセンター (フィンランド) (ライヴ)]
 [制作 ラウラ・ヘイキンヘイモ  録音 アンティ・ポホヨラ、エンノ・マエメツ] 試聴盤

◇パリに生まれ、ロンドンで没したフランスの哲学者、シモーヌ・ヴェイユ Simone Weil (1909-1943) の生涯と思想を主題に採った、ソプラノ独唱、合唱、管弦楽とエレクトロニクスのためのオラトリオ。受難曲の伝統にならい、イエス・キリストの「十字架の道行」になぞらえた「15の留 (りゅう) の音楽による道行 (Chemin musical en quinze stations/Musical path in fifteen stations)」の構成がとられています。演出家ピーター・セラーズの提案により作曲され、2006年、セラーズの演出で世界初演されました。サーリアホ Kaija Saariaho (1952-) は、『La pesanteur et la grâce (重力と恩寵)』をはじめとするヴェイユの著作を若い頃から読んでおり、このオラトリオを彼女自身、もっとも重要な一作とみなしています。サーリアホ60歳記念コンサートのライヴ録音です。

Ondine ODE1219-2
キンモ・ハコラ (1958-) ギター協奏曲 (2008)
細川俊夫 (1955-) 旅 IX − 目覚め − (2007) (ギター、弦楽と打楽器のための)
 開花 II (Blossoming II) (2011) (管弦楽のための)
  ティモ・コルホネン (ギター) オウル交響楽団 サントゥ=マティアス・ロウヴァリ (指揮)
 [録音 20121022日-25日 マデトヤ・ホール (オウル、フィンランド)]

Ondine ODE1221-2 生きておられる! (Vivit!) − トビアス、レーガー 合唱作品集
ルドルフ・トビアス (1873-1918)
 涸れた谷に鹿が水を求めるように (Otsekui hirv) (合唱とオルガンのための)
 小聖金曜日のモテット (Kleine Karfreitagsmotette) 復活祭の序章 (Oster Vorspiel) 復活祭の朝 (Ostermorgen)
マックス・レーガー (1873-1916) メロディ (Melodie) Op.59-11 (オルガンのための)
 聖母マリアの夢 (Unser lieben Frauen Traum) Op.138-7
 人の生きる時は短く (Der Mensch lebet und bestehet) Op.138-1 夜の歌 (Nachtlied) Op.138-3
ルドルフ・トビアス (1873-1918) 今すべての森は眠る (Nun ruhen alle Wälder) (オルガンのための)
 彼は天に昇り (Ascendit in coelum) 生きておられる! (Vivit!) 神の子供たち (Liberi Dei)
マックス・レーガー (1873-1916) 夜に (Zur Nacht) Op.6-2 (合唱とピアノのための)
 夕べの歌 (Abendlied) Op.6-3 (合唱とピアノのための) 夕べの歌 (Abndlied) Op.39-2
ルドルフ・トビアス (1873-1918) あなたがたは知らないのですか (Eks teie tea)
  エストニア・フィルハーモニック室内合唱団 ダニエル・ロイス (指揮) エネ・サルマエ (オルガン)
  シーム・セリス (ピアノ)
 [録音 201254日-8日 聖ニコラス教会 (タリン、エストニア)]
 [録音 フローリアン・B・シュミット] 試聴盤

◇ルドルフ・トビアス Rudolf Tobias (1873-1918) は、エストニア、カイナの生まれ。ロシアのサンクトペテルブルク音楽院に学び、1897年にオルガンと作曲のディプロマを取得して卒業。1898年から1904年までサンクトペテルブルクのエストニア聖ヨハネ教会のオルガニスト、合唱指揮者を務め、帰国後はタルトゥを本拠に音楽批評家、指揮者として活動。1908年末にドイツに移り、1918年にベルリンで没します。エストニアで最初の「プロフェッショナル作曲家」として、交響的作品、ピアノ協奏曲、ピアノ曲、室内楽曲、声楽曲に作品を残し、古典とロマンティシズムの伝統に沿った表現を基本にモダニズムと印象主義の影響も指摘されています。旧約聖書に題材を採ったオラトリオ《ヨナの使命》 (BIS CD731/32) が代表作とされています。エストニア・フィルハーモニック室内合唱団と、2008年から芸術監督・首席指揮者を務めるオランダのダニエル・ロイス Daniel Reuss (1961-) によるトビアスとレーガーの合唱曲集。宗教的な作品と世俗的な作品の両方が選ばれ、トビアスの合唱曲のうちもっとも知られているという《涸れた谷に鹿が水を求めるように》 (「詩編 42番」) と《あなたがたは知らないのですか》 (「コリントの信徒への手紙」) がアルバムの最初と最後に置かれています。オルガンによる伴奏とソロを担当したエネ・サルマエ Ene Salumäe は、エストニア音楽アカデミーとシベリウス・アカデミーに学んだオルガニストです。

Proprius PRCD2056 JS・バッハ (1685-1750) ヴァイオリンとギターのためのソナタ
 ソナタ ホ短調 BWV1023 ソナタ ト長調 BWV1021 ソナタ イ短調 BWV1020 ソナタ ヘ長調 BWV1022
 ソナタ ハ長調 BWV1033
  ニルス=エーリク・スパルフ (バロックヴァイオリン) ダーヴィド・ヘーレンスタム (ギター)
 [録音 2012年] [録音 ペール・ハルグレン] 試聴盤

◇ドロットニングホルム・バロックアンサンブルで演奏し、ウプサラ室内管弦楽団のコンサートマスターを務めるヴァイオリニスト、ニルス=エーリク・スパルフ Nils-Erik Sparf (1952-)。王立ウェールズ音楽演劇大学のジョン・ミルズに学び、ソロイスト、室内楽奏者として広いジャンルに活躍するギタリストのダーヴィド・ヘーレンスタム David Härenstam (1972-)。ヴァイオリンとギターのための20世紀と21世紀のデュオ曲集『球 (Spheres)(DAPHNE1027) で注目されたスウェーデンのアーティストのデュオが、JS・バッハのソナタを録音しました。聴き手との距離を縮めるため録音セッションはスタジオ・ライヴの形式で行われ、ペール・ハルグレン Per HallgrenDaphne Records のオーナー、ビョーン・ウッデーン Björn Uddén による編集も最小限にとどめられました。バッハとその時代の様式を踏まえ、自由に即興をまじえた演奏です。

Simax PSC1284 2CD's special price ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン (1770-1827) 管弦楽作品全集 第11
 バレエ《プロメテウスの創造物 (Die Geshöopfe des Prometheus)Op.43
 12のメヌエット (12 Menuetter) WoO.7 12のドイツ舞曲 (12 Deutsche Tänze) WoO.8
  スウェーデン室内管弦楽団 トマス・ダウスゴー (指揮)
 [録音 2009119日-24日 オレブルー・コンサートホール (オレブルー、スウェーデン)]
 [制作 アンドリュー・キーナー  録音 ジェフ・マイルズ] 試聴盤

◇団員数38のアンサンブル、スウェーデン、オレブルーのスウェーデン室内管弦楽団と首席指揮者を務めるデンマークのトマス・ダウスゴー Thomas Dausgaard (1963-) によるベートーヴェンの管弦楽作品全曲録音プロジェクト。第11集はバレエ《プロメテウスの創造物》と2つの舞曲集です。「ギリシャ神話、ティーターン神族のひとり、プロメテウスは土塊から男女一体ずつ、ふたつの像を造った。人間となった像をプロメテウスはパルナッソスのアポロとムーサたちの元に届ける」。イタリアの舞踊家サルヴァトーレ・ヴィガノが振付を担当するバレエのためベートーヴェンは、序曲、序奏と16曲の管弦楽曲を作曲。1801年にウィーンのブルク劇場で初演が行われました。ベートーヴェンは、第16曲〈終曲〉の主題をピアノのための変奏曲と《エロイカ》交響曲の変奏曲の主題として使っています。ドイツ舞曲とメヌエットは当時の人々に人気があり、ハイドン、モーツァルト、シューベルトも作曲を手がけました。ベートーヴェンの2組の曲集は、ウィーン芸術家年金基金のため179511月に開かれた舞踏会で演奏され、その2年後、同様の催しの際、若干の手が加えられ再演されました。ヴィブラートを抑え、アクセントをつけながら、キビキビと音楽を運ぶ演奏は、第1集から一貫するスウェーデン室内管弦楽団とダウスゴーのスタイルです。20091月、オレブルーのコンサートホールで録音セッションが行われ、アンドリュー・キーナー Andrew Keener とジェフ・マイルズ Geoff Miles のチームが制作とエンジニアリングを担当しました。

Toccata Classics TOCC0161 ヘイノ・エッレル (188-1970) ピアノ作品全集 第3
 10の抒情小曲集 (1942-43) 練習曲 変イ長調 (1918) 練習曲 変ト長調 (1919) 練習曲 変ト長調 (1917)
 前奏曲集 (1929-30) (6曲) ピアノソナタ第4(1957-58)
  ステーン・ラスマン (ピアノ)
 [録音 2010129日-11日 オールド・グラナリー・スタジオ (サフォーク、イギリス)]

Toccata Classics TOCC0173 ミケル・ケレム (1981-) 作品集
 交響曲第3番《共産主義の犠牲者のために》 (2003)
  エストニア国立交響楽団 ミック・ムルドヴェー (指揮)
 嘆き (Lamento) (2008-09) (独奏ヴィオラと弦楽オーケストラのための)
  タリン室内管弦楽団 ミック・ムルドヴェー (ヴィオラ、指揮)
 弦楽六重奏曲 (2004)
  タリン・アンサンブル
 [録音 2012111日-12日 (交響曲)、229日 (嘆き) エストニア・コンサートホール、
  32日 (六重奏曲) ハウス・オブ・ブラックヘッズ、フラタニティ・ホール]

◇ミケル・ケレム Mihkel Kerem (1981-) はエストニア生まれ、イギリスを拠点に活動するヴァイオリニストで作曲家です。ヴァイオリンソナタ集 (TOCC0140) につづく作品集。《共産主義の犠牲者のために》の副題をもつ交響曲第3番は、ロシア共産党の抑圧的イデオロギーに対するショスタコーヴィチから彼の弟子のティシチェンコへと連なる音楽的闘争という考えに触発された、とケレム自身が語る3楽章構成の作品。単一楽章、約30分の弦楽六重奏曲は、シェーンベルクの《浄められた夜》の詩的世界とシュトラウスの《メタモルフォーゼン》のポリフォニックな抒情につながるという作品。《嘆き》は、チェロと弦楽オーケストラのために書かれた作品の独奏パートをヴィオラに替えて演奏しています。

 

リリース情報 − Jazz

BrazzRecords BBRCD3010 アフリカのスケッチ (Sketches of Africa)
 African Marketplace Zawose African Hymn Kramat Ae Ae Kuduhorn Masai Umshato The Wedding
 African Road Maraba Blue Homecoming Song
  ブラズ・ブラザーズ オーゼンセ交響楽団
 [録音 2012年]

Prophone PCD136 Finnish Jazz アーポ・ヘイノネン・クインテット − Healing Flows
 Daily Mirages Rude Enough Swedish Sorrow Orphanarium 
Insight into Sight!? Swindler's List Healing Flows
 News from the Past
  アーポ・ヘイノネン・クインテット
   アーポ・ヘイノネン (ピアノ、キーボード) ヴィッレ・ヴァンネマー (アルトサックス、ソプラノサックス、テナーサックス)
   パシ・トイヴァネン (ギター、エレクトリックギター) トミ・サイッコネン (ドラムズ、パーカッション)
   ヴェイッキ・ヴィルカヤルヴィ (エレクトリックギター)
  ゲストミュージシャン  テイヤ・ソティコフ (ヴォーカル) ロッタ・ピトカネン (ヴァイオリン)
 [録音 20123月 ヴァリストテテス・スタジオ (フィンランド)]
 [録音 ハンヌ・ランミンマキ] 試聴盤

◇ピアノのアーポ・ヘイノネン Aapo Heinonen をリーダーにサックスのヴィッレ・ヴァンネマー Ville Vannemaa、エレクトリックギターのヴェイッキ・ヴィルカヤルヴィ Veikki Virkajärvi、ベースギターのパシ・トイヴァネン Pasi Toivanen、パーカッションのトミ・サイッコネン Tomi Saikkonen が集まったフィンランドのグループ、アーポ・ヘイノネン・クインテット Aapo Heinonen Quintet"Healing Flows" は、2010年の "A Daydream Between Nightmares" につづく彼らのセカンドアルバムです。「伝統的なフィンランド・ジャズというより、小アンサンブルで演奏したモダンなビッグバンド・ミュージックに近い音楽だね。僕らは何につけ前向きなんだ。生きる歓びがいっぱいのグループ」と、ヘイノネンは言います。「いろいろなスタイルの音楽から影響を受けているけど、ひとつのカテゴリーに括ってほしくない……キャッチーなメロディーの曲は、聴き手を甘ったるく包むんじゃなく、楽しい気分でね。最初からとっつきのいい曲だよ」。8曲すべて、ヘイノネンが作曲しました。このアルバムには、女性ミュージシャンふたり、ヴォーカルのテイヤ・ソティコフ Teija Sotikoff とヴァイオリンのロッタ・ピトカネン Lotta Pitkänen がゲスト参加。「女性パワー」が加わりました。

Storyville 101 4282 カトリーネ・レガー − Love Still Wears a Smile
 First Song (Haden/Lincoln) A Time for Love (Mandel/Webster) Nobody Else But Me (Hammerstein/Webster)
 Lazy Afternoon (Moross/Latouche) This Is New (Weill/Gershwin) Two for the Road (Mancini/Bricusse)
 Peace(Horace Silver) Close Your Eyes (Bernice Petkere) Lost in the Stars No Moon at All The Party's Over
 A Shimmering Wakefulness
  カトリーネ・レガー (ヴォーカル) ブライアン・ケロック (ピアノ)

2008年のファーストアルバム "Gorgeous Creature" (101 4260) とモニカ・セッテルルンドへのトリビュート "Nordisk (北欧)" (101 4264) で話題になったデンマークの女性ヴォーカリスト、カトリーネ・レガー Cathrine Legardh の新作は、"Gorgeous Creature" のセッションに参加したピアニスト、ブライアン・ケロック Brian Kellock と共演したデュオ・アルバムです。ベーシストのチャーリー・ヘイデンの曲にアビー・リンカンが歌詞をつけた "First Song"、ジョニー・マンデル作曲、ポール・フランシス・ウェブスター作詞の "A Time for Love"、オードリー・ヘプバーンとアルバート・フィニー主演の映画『いつも2人で』の主題歌としてレスリー・ブリッカスの歌詞にヘンリー・マンシーニが作曲した "Two for the Road"。スタンダード・ナンバーともに、レガーが書いたセンチメンタルな "Lost in the Stars""The Party's Over" などのオリジナル曲が、ヴォーカルとピアノというシンプルな編成で歌われます。

Stunt Records STUCD13032 フーゴ・ラスムセン・オールスターズ & フーゴ・ラスムセン・トリオ − Hugo... Partly Live
 Somewhere over the Rainbow (Harold Arlen) Hey Lock (Matthew Gee) Stardust (Hoagy Carmichael)
 I'll See You in Dreams (Isham Jones) Basin Street Blues (Spencer Williams) Something to Live for (Billy Strayhorn)
 Where Are You? (Jimmy McHugh) Dickie's Dream (Count Basie/Lester Young)
 Almost Like Being in Love (Fredrik Loewe) Low Profile (Heine Hansen)
  フーゴ・ラスムセン (ベース) カスパー・トランベア (トランペット) ヤコブ・ディネセン (テナーサックス)
  マス・ヒューネ (トロンボーン) ハイネ・ハンセン (ピアノ) クレステン・オスグッド (ドラムズ)
 [録音 2010115日、6Village Recording (コペンハーゲン) (All Starz)2008915日、16日 ラスムセン邸居間 (スラウスロネ、デンマーク) (Trio)]

◇ベン・ウェブスター、デクスター・ゴードン、ベニー・カーター、コールマン・ホーキンズ、イェスパー・ティロをはじめとするミュージシャンと共演し、多くの録音セッションにサイドマンとして参加したデンマークのベーシスト、フーゴ・ラスムセン Hugo Rasmussen (1941-) のオールスターズ Hugo Rasmussen All Starz とトリオ Hugo Rasmussen Trio による録音が1枚のアルバムとしてリリースされます。トリオの演奏は、北シェラン、スラウスロネ Slagslunde にあるラスムセン邸の居間での録音です。かつてラスムセンにベースを教わり、画家として活動するスティウ・ヴァイ Stig Weye がラスムセンを描いた絵がジャケットのアートワークに使われました。

Stunt Records STUCD13042 カール・ヴィンター − Tetragonz (テトラゴンズ)
 Tetragonz Somewhere Dawn Spectre Neverland Like Judas Gabriella Triotone Domolian Mode
  カール・ヴィンター・カルテット
   カール・ヴィンター (ピアノ) ジェリー・バーガンジ (テナーサックス) ヨニー・オーマン (ベース)
   アナス・モーエンセン (ドラムズ)
 [録音 201211月 PBS スタジオ (ボストン)]

2011年に亡くなったデンマークのトランペット奏者イェンス・ヴィンターの子、カール・ヴィンター Carl Winther の『Sonic Shapes(STUCD11162) につづくセカンドアルバム。デイヴ・ブルーベックのカルテットでプレーしたことで知られ、前のアルバムに参加したアメリカのサクソフォーン奏者、ジェリー・バーガンジ Jerry Bergozi (1947-) を加えたバンドは「カルテット」として定着。彼らのアメリカ・ツアーの途中、ボストンのスタジオでこのアルバムの録音セッションが行われました。全9曲。作曲はカール・ヴィンターとバーガンジが公平に分担しています。

 

リリース情報 − Blues, Folk, Pop & World Music

Camus CAMUS0005 エヴァ・アルクラ、中井智弥 − Sillalla 〜橋の上で〜
 Intro Star Bright (天の川) (エヴァ・アルクラ) Orfeus (オルフェウス) (中井智弥)
 Wasure-gai - Onnade Calligraphy (忘れ貝) (ハッリ・スイラモ) Dream (ジョン・ケージ)
 Floating Bridges of the Dream (夢の浮き橋) (中井智弥) Soap Bubbles (シャボン玉) (日本の伝承歌)
  エヴァ・アルクラ (カンテレ、トンコリ、オルゴール) 中井智弥 (二十五絃箏)
 [録音 2012723日-27日 旧図書館 (タンペレ、フィンランド)]
 [録音 ヌーティ・ヴァパーヴオリ] 試聴盤

◇民族叙事詩『カレヴァラ』の時代から受け継がれてきたフィンランドの伝統楽器カンテレを弾くエヴァ・アルクラ、日本の伝統楽器「箏」を弾く中井智弥。伝統を守りながら新しい音楽を創造するふたりの音楽家が出会い、日本とフィンランド、互いの国の古い歌や物語をテーマにした作品を演奏する『楊貴妃』 (Texicalli TEXCD097/KKP 1009) につづくアルバム第2作がリリースされました。『Sillalla 〜橋の上で〜』。〈イントロ〉に始まり、天空に輝く「天の川」にイメージを求めたエヴァ・アルクラの曲、ギリシャ神話のオルフェウスをテーマとする中井智弥の曲、『土佐日記』の「忘れ貝」に題材を採ったフィンランドの作曲家ハッリ・スイラモ Harri Suilamo (1954-) の曲、ジョン・ケージ John Cage (1912-1992) の作品を経て、童謡《シャボン玉》でアルバムを閉じるプログラム構成です。エヴァ・アルクラは、カンテレを多弦にし電気的に増幅する「エレクトリックカンテレ」とアイヌの弦楽器「トンコリ」も演奏し、中井智弥は、通常13本の弦の箏を多弦にした二十五絃箏を弾く。ふたりのデュオが、さまざまな「小宇宙」に聴き手を誘います。録音セッションは、20127月、タンペレの旧図書館で行われ、エンジニアリングを担当したヌーティ・ヴァパーヴオリ Nuutti Vapaavuori が、ふたりの音楽を緻密な「音空間」に捉えました。フィンランド・カンテレ協会の2012年レコード大賞受賞作です。

[プロフィール]

エヴァ・アルクラ Eva Alkula フィンランド、タンペレ出身。カンテレ奏者。2003年シベリウス・アカデミーを卒業。1999年から2000年まで北海道教育大学に在学し、日本の伝統楽器、筝を専攻する。フィンランド国立劇場、スウェーデン語劇場、フィンランド国立オペラ等、各国の演劇やオペラの制作に携る。演奏活動の傍ら、シベリウス・アカデミーでの後進の指導、新しい演奏法の研究開発に尽力、カンテレの普及と可能性追究に多くの期待を集めている。フィンランド・カンテレ協会と日本カンテレ友の会の会長と務め、カンテレの第一人者として認められる存在。

 Official website http//www.evaalkula.com/

中井智弥 筝・三絃 (生田流)/二十五絃筝演奏家。作曲家。三重県津市出身。6歳より筝、12歳より三絃を始める。東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。古典的な筝、地歌三味線の研究を積む。一方、音域の広い二十五絃筝を駆使し、筝の持つ可能性と芸術性を追求している。圧倒的なテクニックとダイナミックかつ繊細な音楽表現で知られ、自身が作曲、編曲する作品は、日本の古典文学、能、世界の神話などに題材を求め、美しい情感にみちた音楽は、伝統とモダンをミックスしたスタイルを確立したと言われる。20132月、「今日の音楽」の最大のフェスティヴァルのひとつ、ムジカ・ノヴァ・ヘルシンキ Musica Nova Helsinki に出演した。

 Official website http://www.tomoyanakai.com

DAT DATCD-62 インガ・ラヴナ・アイラ − Gilši (熟達した)
 Rávnná Jon Elle luohti Luohti (Yoik) Beaivvašnieida (The Daughter of the Sun)
 Nieidda mearka (Marked Calves for his Daughter) Smihtaskas mearka (Visible Earmarks)
 Nieiddazin (As a little Girl) Badjenieida (Reindeer Herding Girl) Ceahppi (Clever) Gáktegiehta (Clever at Sewing)
 Vajáldahtton (Forgotten) Nieida (Girl) Manne (Why why) Náital (Marry marry)
 Ozai dohkkeheami (Sought Acceptance) Duolbmá iezas bálgá (Following her own Path)
 Áhcit vieljat (Fathers Brothers)
  インガ・ラヴナ・アイラ (ヴォーカル、朗読) ビレット・リスティン・サラ (ヨイク) ラヴナ・アンティ・グットルム (ヨイク)
  パトリック・ショー・イーヴェシェン (フルート、エレクトロニクス、キーボード、ボトル)
  ケンネト・エーコルネス (ドラムズ、パーカッション、ウェーヴドラム、エレクトロニクス)

DAT は、ノルウェー北部、ラップランドのカウトケイノにある出版社、レコード会社です。伝統の歌ヨイクを中心とするサーミの音楽文化を守り、世界に伝える活動をしています。インガ・ラヴナ・アイラ Inga Ravna Eira のアルバム『Gilši (熟達した)』では、トナカイの番をする女性の姿と詩と旋律に描かれます。サーミ語の歌詞と英訳がブックレットに掲載されています。

DAT DATCD-63 エーリン・コーヴェン − Maizan (雪解け)
 Ulda niktá (Ulda allures) Lihkku niehku (Dream of fortune) Váimmu cuovga (Heartlight)
 Gatnjalat váimmus (Tears from the heart) Jus miedihat (If you agree) Ija árdna (Night treasure)
 Njielasáttu (Quicksand) Cuovo cuovgga (Follow the light) Cábbáseamos báiki (Beautiful place)
  エーリン・コーヴェン (ヴォーカル)
  ユハニ・シルヴォラ (ギター、ドラムズ、ベース、プログラミング、シンセサイザー、ヴィブラフォーン、グロッケンシュピール)
  サラ=ジェーン・サマーズ (フィドル、ヴィオラ、バッキングヴォーカル)

◇サーミのアーティスト、歌手、ダンサーのエーリン・コーヴェン Elin Kåven は、2011年、サーミ文化を世界に紹介する「サーミ・アーティスト」に選ばれ、ヨーロッパとアメリカでワークショップを開き、ツアーを行っています。そのユニークなステージとスタイルからイギリスの聴衆は彼女を「北極の妖精」と呼んでいると言います。NORCD レーベルに『Mala Fama(NORCD1215) を録音したサラ=ジェーン・サマーズ Sarah-Jane Summers とユハニ・シルヴォラ Juhani Silvola の共演する新しいアルバム『Maizan (雪解け)』は、エーリン・コーヴェンが作詞、彼女とシルヴォラが作曲、シルヴォラとサマーズが編曲を担当しました。

 "Ulda niktá": http://www.youtube.com/watch?v=dxkeAJecrWQ

NORCD NORCD1213 ハンメル & ヘシュク − Flåte (漂う物)
 Bølge (波) Turbær Broremarsj (兄弟の行進) Flåte (漂う物) Little Birdie Julesangen (クリスマスの歌)
 Sjøsjukelåten (船酔いの歌) Fiolisten Springar frå Romsdal (ロムスダールのスプリンガル) Luftslått (風の歌)
 God natt (おやすみ)
  アーリル・ハンメル (ギター、ハーモニカ) ダニエル・ヘシュケダール (テューバ、バルブトロンボーン)
  ゲスト  スサンネ・ルンデン (フィドル)

◇ハンメル & ヘシュク Hammer & Hersk は、ギタリストのアーリル・ハンメル Arild Hammer とテューバプレーヤーのダニエル・ヘシュケダール Daniel Herskedal のデュオ。

NORCD NORCD1214 エプレモヤ・ソングラーグ − モヤと神話 (Möya og Myten)
 Sanglig forsøk på å psyke ut psykoanalysen Huldresong (フルドラの歌) Den svarte blomen (黒い花)
 Ut i skogen (森の中へ) Olav og Elvarkvinna (オラヴと河の女) Maren (悪夢) Skjoldmøyane (ワルキューレたち)
 Kvelerslangen (アナコンダ) Manevise (警告の歌) Kokkevisa (料理女の歌)
  エプレモヤ・ソングラーグ
 [録音 20122月、5月、8月]

◇ドラマ、実験的な即興、ユーモアと一風変わった物語。民俗音楽の歌手とジャズシンガーふたりというユニークな女性アカペラグループ、エプレモヤ・ソングラーグ Eplemøya Songlag2010年のデビューアルバムは、多くの心をつかんだと言われます。セカンドアルバムの『モヤと神話』は、伝統のノルウェー民俗音楽に触発された歌を基本にさまざまな音楽様式と民俗音楽のスタイルの跡をうかがわせながら、ノルウェーと各国の伝説と神話に題材を求めた作品を歌っています。原語歌詞がブックレットに掲載されています。

NORCD NORCD1215 サマーズ、シルヴォラ、クヴァム − Mala Fama
 Mala Fama/The Exorcist Train Jig Fartsgrense ("Speed Limit") Merrily Sailing Twist Tune
 Fidhlearan Tom na h-lubhraich Walk on Water The Smith He's Black and' Brucket/Mrs. Macintosh of Raigmore
 Sang 1 The Lumberjack Max & Sophia's
  サラ=ジェーン・サマーズ (フィドル、ハリングフェレ) ユハニ・シルヴォラ (ギター) モッテン・クヴァム (ベース)

◇ノルウェーのハルダンゲル地方に伝わるフィドル、ハリングフェレを弾くスコットランドのサラ=ジェーンサマーズ Sarah-Jane Summers にフィンランドのユハニ・シルヴォラ Juhani Silvola のギターとノルウェーのモッテン・クヴァム Morten Kvam のベースが加わったトリオによるモダン・トラッド。

 "Mala Fama/The Exorcist" from Glasgow Live: http://www.youtube.com/watch?v=FU4XNyMVw2M

NORCD NORCD1216 カーリ・マルマンゲル − No soli bakom blae fjell (青い山の向こうに太陽はない)
 Syng i stille morgonstunder (静かな朝の時に歌え) Kast kun anker (錨だけ投げろ)
 Ola frå Kletta (クレッタのオーラ) Dølabonden (谷の農夫) Dei tvo systena
 Jesus gjør meg stille/Hjem jeg lenges (イエスはわたしに尋ねさせる/家に帰りたい)
 Å kjære Marie (おお、いとしのマリ) Å kjeringo sudla I dag er nådens tid (今日、恩寵の時)
 Reven sat i sete (狐が座っていた) No soli bakom blae fjell (青い山の向こうに太陽はない)
 Jeg råde vil alle i ungdommens dage (若者たちみんなに忠告しよう) Min kjære ven (わが友よ)
  カーリ・マルマンゲル (ヴォーカル) ソールヴェイ・ソールハイム (ハルモニウム) オラヴ・メルヴァ (フィドル)
  ヴィーダル・ベルゲ (ギター、マンドラ、ドブロ)
 [録音 2011年、2012年]

◇カーリ・マルマンゲル Kari Malmanger (1978-) はルーセンダール生まれ。オーレ・ブル・アカデミーに学び、ベルゲン大学で民俗音楽学の修士号を取得しました。現在は、ノルウェー西部地方のソグンダールに住み、ハルダンゲルフィヨルドのホルダランと、ソグネフィョルドを囲むソグン・オ・フィヨーラネに伝わる民謡を主なレパートリーに歌手として活動しています。アイルランド民謡の『ダニー・ボーイ』のメロディにカーリがノルウェー語の詩をつけた《Min kjære ven (わが友よ)》がアルバムの最後に歌われます。


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© Nordic Sound Hiroshima

CD Artwork © Lindberg Lyd, DAT, NORCD, Simax/Grappa (Norway), Alba, Ondine (Finland), BIS, Prophone/Proprius/Naxos (Sweden), Bridge (USA), Camus (Finland/Japan), cpo (Germany), dacapo, Danacord, Storyville, Stunt/Sundance Music (Denmark), naïve (France)