Newsletter No.39   15 January 2002

 

群島のスケッチ − 7人のスウェーデン作曲家のピアノ作品集

 ストックホルムからバルト海にむけて大小とりどりの島が点在するストックホルム群島。その豊かな自然は、ここに夏の別荘をもち、そこで夏を過ごすことを愛した芸術家たちに、かぎりないインスピレーションを与えてきました。その群島をタイトルに、スウェーデンの作曲家7人のピアノ曲を集めたディスクがリリースされました −− 「群島のスケッチ (Skärgårdsskisser/Sketches of the Archipelago)」。20世紀前半の作品を紹介するシリーズ、Musica Sveciae Modern Classics の1枚です。1910年から1945年のあいだに作曲されたピアノ作品が収録され、これが第1集になります。

 このディスクで紹介される7人の作曲家は、それぞれ異なった気質をもち、収められた作品の個性もいろいろです。表情ゆたかな自然の描写や幻想曲もあれば、技巧的な即興曲やバラードも。なかには、茶目っ気のある機知に富んだ曲も。そして、それぞれ特徴的ではありながら、ここに集められた作品には共通のテーマとでも言えるものがひとつあります。北欧の光 (det nordiska ljuset/the Nordic light) です。

 ニルス・ビョーカンデル Nils Bjökander (1893-1972) の《4つの群島のスケッチ (Fyra skärgårdsskisser)》の第3曲《牧歌 (Idyll)》の静寂。透明感のある抒情味が印象に残ります。《幻想曲風の (Quasi una fantasia)》という副題のついた、ユングヴェ・ショルド Yngve Sköld (1899-1992) の《前奏曲とフーガ (Preludio e Fuga)》は、堂々とした作品。北欧の光の壮大さを見る思いがします。ブルール・ベックマン Bror Beckman (1866-1929) の《庭の花 (Örtagårdsblomster)》は、ふと目を引いた身近のものを軽くスケッチした音楽。5曲それぞれに、“ヒメコウジのそばの正午の日の光 (Middagsbelysning vid skogstjärnet)” といった、内容を示す注釈もつけられています。

 グスタフ・ハインツェ Gustaf Heintze (1879-1949) は、即興演奏を得意とする、相当な技巧のピアニストだったと語られています。《即興曲》と変ニ長調の《バラード》の自由な音楽は、そういったことの反映のように思えます。インゲマル・リリエフォシュ Ingemar Liljefors (1906-1981) もピアニストでした。《アンダンテとスケルツォ (Andante e Scherzo)》からなにげなく聞こえてくる繊細な響きが、北欧の光を感じさせます。ゴトフリード・ベリ Gottfrid Berg (1889-1970) の《散策しながら (På strövtåg)》には、ペッテション=ベリエルの後ろ姿が見えるような気がします。

 バラッド、アルバムのページ、舟歌、エチュード、前奏曲……レンナート・ルンドベリ Lennart Lundberg (1863-1931) のピアノ曲の題名は、まるでショパン。ルンドベリ自身、ショパンの弟子カミーユ・デュボワとパデレフスキにも師事したこともある、当時のスウェーデンを代表するピアニストのひとりだったといわれます。しかし、彼の《夜想曲》は、ショパンの作品とはかなり味わいが違います。演奏会エチュード第1番《トッカータ》は、きらめく光と影の音楽。締めくくりにふさわしい、変化に富んだ作品です。

 演奏しているのは、スウェーデンを代表するピアニストのひとりとなったハンス・ポールソン Hans Pålsson (b.1949)。1992年から王立音楽アカデミーの会員になりました。硬質のピアノの音をうまく活かし、ロマンティックな曲を現代的な響きの音楽として聴かせます。低音域から高音域までつなぎ目を感じさせない録音も、彼の演奏をあるがままに伝えていると言えるでしょう。2000年12月から2001年5月にかけて、スウェーデン放送局のスタジオで録音。プロデューサーはグニラ・サウレスコ Gunilla Saulesco です。

 “北欧の光” をさまざまな角度から眺める、一夜のコンサート。このディスクは、そういったコンセプトで作られているような気がします。

Phono Suecia (Musica Sveciae Modern Classics) PSCD715
群島のスケッチ −− 1910年 - 1945年 スウェーデン・ピアノ作品集 第1
ニルス・ビョーカンデル (1893-1972)
 4つの群島のスケッチ (Fyra skärgårdsskisser) 作品3 (1923)
ユングヴェ・ショルド (1899-1992) 前奏曲とフーガ《幻想曲風の》作品20 (1921-22)
ブルール・ベックマン (1866-1929)
 ピアノのためのバガテル《庭の花 (Örtagårdsblomster)》作品20 (1906/20-23)
グスタフ・ハインツェ (1879-1949) ピアノのための4つの小品 作品12 (1916) − 即興曲
 バラード 変ニ長調 作品11
インゲマル・リリエフォシュ (1906-1981) アンダンテとスケルツォ 作品13 (1941)
ゴトフリード・ベリ (1889-1970)
 4つのピアノの小品《散策しながら (På strövtåg)(1927)
レンナート・ルンドベリ (1863-1931) 夜想曲 作品61-2
 演奏会エチュード第1番 イ短調 作品19《トッカータ》
  ハンス・ポールソン (ピアノ)

 

ダーグ・ヴィレーン、管弦楽作品集

 Musica Sveciae Modern Classics の新作のひとつとして、ダーグ・ヴィレーンの管弦楽作品集がリリースされました。どの曲もすでに他のアーティストにより録音されていますが、録音はいくつあってもいいので、嬉しいことです。

 交響曲、協奏曲、弦楽四重奏曲などが作品の大半をしめ、「私はバッハ、モーツァルト、ニルセン、そして絶対音楽を信じている」と語った作曲家ダーグ・ヴィレーン Dag Wirén (1905-1986)。言いたいことさえ言えば、それ以上は必要ない。1972年に作曲活動から引退したとき、そのわけを尋ねられたヴィレーンは、「それは私の問題」とだけ言ったとか。このエピソードから想像されるヴィレーンの寡黙な人物像は、そのまま彼の音楽の簡潔なスタイルに反映しています。そのせいか、とっつきがよくない、あるいは、無愛想ということがヴィレーンの音楽について語られることもしばしばです。

 しかし、ヴィレーンの語法になじむにつれ、それまで無口だったはずの音楽がきわめて多くを語るものであることに気づくようになります。このディスクに収録されているチェロ協奏曲がその一例。また、ヴィレーンの音楽には、他人に媚びるということをまったく感じさせません。彼の名を国際的にも有名にした《弦楽のためのセレナード》。もっとも頻繁に演奏され、テレビCMにも使われたという《行進曲風に (Alla marcia)》(第4楽章)にしても、聴き手におもねるような表情はいっさい見せないにもかかわらず、ふと微笑みたくなってしまう音楽です。正直者の善人。ヴィレーンの音楽を人好きのするものにしているのは、おそらくそんなところに秘密があるような気がします。

 ヴィレーンの音楽の作風は、ひとことで言って伝統的。彼は、ストックホルムの王立音楽大学でエルンスト・エルベリ Ernst Ellberg (1868-1948) のクラスメート、ラーシュ=エーリク・ラーション Lars-Erik Larsson (1908-1986) やグンナル・ド・フルメリ Gunnar de Frumerie (1908-1987) といっしょに、1930年代にデビューした作曲家たちの、いわゆる “30年代世代” グループの中心となったことがあります。しかし、ヴィレーンが、ラーションやフルメリほどモダニズムに関心をしめすことはありませんでした。

 ディスクの最初の曲、《シンフォニエッタ (Sinfonietta)》(作品7a) は、パリ時代に書かれた作品です。ヴィレーンの2つめの交響曲として作曲され、もとは5つの楽章から成り立っていました。しかし、1940年の初演 (フリッツ・ブッシュ指揮) に先立って、中間の3つの楽章を削除し、新たな第2楽章としてアンダンテ −− まさに、北欧の音楽 −− を作曲。3楽章仕立ての "Sinfonietta (小交響曲)" が誕生しました(はずされた3つの楽章は、《ガヴォット、ミュゼット、スケルツォ (Gavotte-Musette och Scherzo)》(作品7b) として発表されます)。ヴィレーン一流のユーモアにみちた、若々しい躍動感いっぱいの音楽。ヴィレーンと同時期にパリにいたプロコフィエフとストラヴィンスキーの響きも聞こえてくるのが、興味深いところです。

 チェロ協奏曲は、独奏と管弦楽がそっけないくらいに簡潔な対話をする音楽。しかし、単に簡素な音楽というと、この曲の、何か心の奥をまさぐるような感覚を無視してしまうような気がします。“夏の賛歌” と呼んでもいいくらい牧歌的な気分が漂う弦楽四重奏曲第2番 作品9 (1935) と、陽気なユモレスク《弦楽のためのセレナード (Serenad för stråkorkester)》作品11 (1937) の間に書かれたということが、あるいは関係しているのかもしれません。

 《ロマンティック組曲 (Romantisk svit)》は、シェイクスピアの劇「ヴェニスの商人 (Köpmannen i Venedig)」のための付随音楽 −− 若干の改訂が行われた 1961年の版 −− から5曲を選んで組曲とした作品です。第1曲《「なぜこうも悲しいのか、わかりさえすれば」("Om jag visste varför jag är sorgsen")》、第2曲《「ヴェニスへ出発」("Vi resa till Venedig")》、第3曲《ジェシカのためのセレナード (Serenad för Jessica)》、第4曲《道化の踊り (Glyckeldans)》、第5曲《ポーシャの城のオーケストラ (Portias slottsorkester)》。メランコリックだったり、情熱的だったり。あるいは、おどけてみせる。いずれも短い曲ながら、それぞれの場面が必要とする情景や雰囲気の描写を的確に表現しており、ヴィレーンの手際のよさが光ります。彼の作品のなかでも指折りの、旋律の美しい音楽です。

 交響曲第3番が作曲されたのは、1943年から1944年にかけての時期です。中立を維持していたスウェーデンも、ナチスドイツが隣国のデンマークとノルウェーを占領しているとあっては、それこそ、すぐそこにある危機。総動員令が発せられていて、ヴィレーンも作曲に専念できる状態ではなかったといわれます。この作品に暗い影が感じ取れるとすれば、そういった時代背景が関係ないとは言えないでしょう。

 全部で3つの楽章。作曲者自身、古典的なソナタ形式からは “かなりかけ離れている” と言っているくらい、伝統的な様式や構成にとらわれない音楽になっています。自由な形式をとりがら、音楽の全体像がはっきりしているのは、作品の構想がしっかりしていることと、管弦楽の扱いの巧みさのおかげでしょう。“松の森のかおりのする、北欧交響曲の誇らしい伝統における価値ある作品” (トゥーレ・ウプストレム) という意見に賛成です。

 ヴィレーンは、1940年代の後半ごろからは、夏を過ごすストックホルム群島の別荘で作曲をするようになりました。本土に帰ってからは、オーケストレーションをしたり、委嘱された映画や舞台の音楽を手がける程度だったと言われます。おだやかな水面、岸に寄せる波、緑の木立をそよぐ風……。群島の自然に触れることが、ヴィレーンにインスピレーションを授けたことは想像できます。たしかに、アルヴェーン Hugo Alfvén (1872-1960) の場合ほど、音楽の中に自然をそっくり入り込ませることはなかったようです。しかし、ヴィレーンの音楽に自然の響きを聴くことがあるとすれば、それは群島の自然だと考えられます。

 ちなみに、ヴィレーンは、同時代の北欧の作曲家では特にシベリウスの音楽に興味をもっており、彼の第4番と第5番の交響曲には惜しみない讃辞をおくったと言われます。経験を積むとともに “倹約した” 音楽を書くようになったフィンランドの巨匠。この取り合わせは興味をそそりませんか?

 演奏している SAMI シンフォニエッタは、Svenska Artister och Musikers Intresseorganisation (スウェーデン芸術家音楽家利益機構) のオーケストラです。スウェーデンの指揮者の育成を支援するために、王立音楽大学と共同で運営。プロのオーケストラ団員とフリーランスの演奏家で構成され、王立音楽大学の指揮科の学生の演奏やコンサート、あるいはレコーディングのために年に12週間ほど結集しています。

 ステファン・ソリヨム Stefan Solyom (b.1979) は、ストックホルム生まれ。王立音楽大学で指揮法を学びました。その後、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーに移り、ヨルマ・パヌラ Jorma Panula (b.1930) とライフ・セーゲルスタム Leif Segerstam (b.1944) に師事。1998年のヘルシングボリ交響楽団の指揮コンペティションで優勝し、2000年のシベリウス・コンペティションでは3位に入賞しています。1999年にストックホルムの王立歌劇場にデビュー。イングヴァル・リードホルム Ingvar Lidholm (b.1921) のオペラ《夢の劇 (Ett Drömspell)》の6回公演と、モーツァルトの《魔笛》などを指揮しました。

 チェリストのマッツ・リードストレム Mats Lidström (b.1959) は、ヨーテボリ大学でマヤ・ヴォーグル Maja Vogl に、留学先のジュリアード音楽院では、レナード・ローズ Leonard Rose とチャニング・ロビンズ Channing Robbins の門下に入りました。1989年からはロンドンを拠点に、独奏者として国際的な活躍を行っています。20年以上にわたるパートナー、スウェーデンのピアニスト、ベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg (b.1952) と演奏機会の少ない傑作の紹介に努力していることも、評価されています。

 2001年2月、スウェーデン放送局での録音。シンシア・セッテルクヴィストのプロデュースです。

Phono Suecia (Musica Sveciae Modern Classics) PSCD716 ダーグ・ヴィレーン (1905-1986)
 シンフォニエッタ 作品7 (1933-34) チェロ協奏曲 作品10 (1936)
 ロマンティック組曲 (Romantisk svit) 作品22 (1944/61) (劇音楽《ヴェニスの商人》から)
 交響曲第3番 作品20 (1943-44)
  マッツ・リードストレム (チェロ) SAMI シンフォニエッタ ステファン・ソリヨム (指揮)


参考 (その他の録音)

シンフォニエッタ
 スウェーデン放送交響楽団 スティーグ・ヴェステルベリ (指揮)  Swedish Society Discoril SCD1035
 スウェーデン放送交響楽団 ダーグ・ヴィレーン (指揮) [1948年]  Phono Suecia PSCD79 (2CD's)
チェロ協奏曲
 マッツ・ロンディン (チェロ) スウェーデン室内管弦楽団 ペトリ・サカリ (指揮) Caprice CAP21513
ロマンティック組曲
 ダーラナ・シンフォニエッタ ステファン・カルペ (指揮)  nosag CD041
交響曲第3番
 ノールショーピング交響楽団 トマス・ダウスゴー (指揮)  cpo 999 677-2

 

モーセス・ペルガメント、初期の室内楽作品

 Musica Sveciae Modern Classics の新作のもうひとつは、スウェーデンで最初の、そしてもっとも偉大なモダニストではないかといわれるモーセス・ペルガメント Moses Pergament (1893-1977) の室内楽作品集です。

 作曲家そして批評家として20世紀のスウェーデン音楽にとって大きな役割を果たしながら、ペルガメントの20世紀初頭の活動については、それほど多くの研究がなされてないといわれます。作曲家ヨースタ・ニューストレム Gösta Nystroem (1890-1966) と指揮者のマッティ・ルービンシテイン Matti Rubinstein (1888-1966) をベルリンからパリに呼び寄せた、“すべてが、ここパリで起きている” という有名な電報を別として、残されている資料が少ないことも理由のひとつとして数えられています。

 録音についても同じです。もともと録音された作品の数が少ないところにもってきて、1920年頃の曲といえば、ディアギレフのロシア・バレエ Les Ballets Russes のために1921年から1922年にかけて作曲され、1928年に改訂版で初演された《クレランテムスとエルデリング (Krelantems och Eldeling)》(Phono Suecia PSCD704) くらいのものでしょう。それだけに、新たに紹介されるヴァイオリンソナタ (1918-20) と第1番の弦楽四重奏曲 (1918-22) の録音は貴重です。

 ペルガメントはロシアの大公国だった時代のヘルシンキの生まれ。ユダヤ人の祖父はウクライナからの移民です。サンクトペテルブルグの音楽院でヴァイオリンを、後にベルリンで指揮法を学びました。作曲は、フィンランドの教会音楽家イルマリ・クローン Ilmari Krohn (1867-1960) に個人的に手ほどきを受けた以外は、独学だったといわれます。1915年にスウェーデンに移り、市民権を取得したのは1919年です。1920年にはパリに向けて旅立ち、このことが音楽家ペルガメントにとって −− そして、スウェーデンの音楽にとって −− 大きな意味をもつことになります。

 今回録音されたヴァイオリンソナタと弦楽四重奏曲第1番は、いずれもこの時期に書かれた作品です。若い時代の作品ということもあって、すでに知っていたさまざまな音楽とペルガメントがパリで出会った“新しい音楽”が混じり合い、また、表現的なモダニズムへの指向もうかがわせます。その傾向が著しいのが、弦楽四重奏曲の終楽章です。

 急進的な音楽と聞こえたのか、両曲とも発表当時は受け入れられず、ソナタのほうは、1935年にルンドで行われた ISCM (国際現代音楽協会) のコンサートで再演され、やっと日の目を見ることに。この公演に尽力したラーシュ=エーリク・ラーションが、ペルガメントの曲の若々しい情熱を賞賛したことが伝わっています。1938年にはフィルシンゲンで演奏。この時にはダーグ・ヴィレーンが、この曲には北欧と東洋のふたつの要素があることを指摘しました。

 弦楽四重奏曲第1番はさらに不運でした。1922年12月のベルリンでの初演は不評に終わり、後に作曲者自身の手で弦楽オーケストラのために改作。曲名も《ロマンティック協奏曲 (Concerto Romantico)》に変更されました。このときには原曲の第2楽章が割愛され、かわりに、《スケルツォ》と《終曲》の間に、1914年に書かれた、ヴァイオリンとピアノのための《悲しい歌 (Chanson triste)》を編曲したのもが挟み込まれました (この版の1935年の初演を指揮したのは、親友のヒルディング・ルーセンベリ Hilding Rosenberg (1892-1985) です)。

 弦楽四重奏曲も、ヴァイオリンソナタと同様、強弱の激しい音楽を聴かせる作品です。今でこそ、とりたてて言うほど急進的ではないにしても、当時としてはかなり斬新に聞こえたかもしれません。この曲でユニークなのは第2楽章。編曲の際に削られた楽章です。《民謡「バラの茂みを通ってきた二人の娘」と変奏》と題され、オーランド −− ボスニア湾の入り口にある、フィンランドの自治領 −− の民謡「バラの茂みを通ってきた二人の娘 (Det gingo två flickor i rosende lund)」と8つの変奏曲という構成をとっています。同じ若者に片思いの恋をする二人の娘を歌う、メランコリックな旋律の歌。カール・エークマン Karl Ekman の合唱用と弦楽オーケストラ用の編曲で知られ、フィンランドの作曲家パーヴォ・ヘイニネン Paavo Heininen (b.1938) も、この曲を素材にして、《...Floral view with maidens singing... (娘たちが歌っている、花のような眺め)》(1982) (弦楽オーケストラのための) という作品を書いています (Ondine ODE722-2 廃盤)。

 ヴァーグナーとシベリウスを “崇拝” し、「ユダヤ人のヴァーグナーになりたい」と語ったというペルガメント。この初期の2つの曲では “北欧とユダヤ” の融合を目指しながらも達成できなかったといいます。聖書にインスピレーションを求めて書いたさまざまな作品で、どういう音楽を聴くことができるのか。その全貌を知ることができるのは、これからのことです。

 このディスクで演奏するのは、ヴァイオリニストのニルス=エーリク・スパーフ Nils-Erik Sparf (b.1952)、ピアニストのベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg (b.1952)、そしてリュセル四重奏団 Lysellkvartten。いずれもスウェーデンを代表するアーティストたちです 。2000年11月 (ソナタ) と8月 (四重奏曲) にスウェーデン放送局で録音が行われました。

Phono Suecia (Musica Sveciae Modern Classics) PSCD711
モーセス・ペルガメント (1893-1977)
 ヴァイオリンソナタ ロ短調 (1918-20)

  ニルス=エーリク・スパーフ (ヴァイオリン) ベンクト・フォシュベリ (ピアノ)
 弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 (1918-22)  
  リュセル四重奏団

 

夢の時代 − ラーシュ・エークストレム作品集

 Phono Suecia の作曲家ポートレート・アルバムの新作は、1956年カルマルで生まれのスウェーデンの作曲家ラーシュ・エークストレム Lars Ekström (b.1956) の作品をとりあげています。

 1975年からコペンハーゲンでピアノと音楽理論を学びはじめた後、ストックホルムの王立音楽大学に入学。スヴェン=ダーヴィド・サンドストレム Sven-David Sandström (b.1942)、ダニエル・ベルツ Daniel Börtz (b.1943)、ペール・リンドグレン Pär Lindgren (b.1952) のもとで作曲を学ぶようになります。さらに、イタリアとフランスで研究。1986年の《Un coup de dés jamais n'abolira le hasard》(2つの交響楽団、エレクトロニクスと声のための) で一躍注目を集めるようになりました。王立音楽大学で作曲と器楽法を教えながら、多作の作家として創作活動を行っています。このディスクに抜粋で収録された、《プリズムの破片を通して (Genom skärvan av en prisma)》組曲は、1996年に王立音楽アカデミーのクリスト・ヨンソン Christ Johnson 賞を受けました。作家アウグスト・ストリンドベリ August Strindberg (1849-1912) の一連の絵画にインスピレーションを授かった音楽です。

 このディスクには、1990年代の後半に作曲された作品が収録されています。この時期の曲について、エークストレム自身は、“旋律と長いカンティレーナ (抒情的な旋律) と一種の情緒的雰囲気をもった語り口に、はっきりとした特色があり……同時に、大きな、精密に組み立てた枠組みの中におかれた” 作品と語っています。聴き手の想像力をかきたてるような、感覚的なタイトルがつけられた曲が目につくのは、それまでのエークストレムの作品と共通する点です。

 独奏ピアノを音楽の中の “メッセンジャー” に見立て、聴き手に神話的な風景を旅させてくれる《ピアノと管弦楽のためのロンド》。技巧を要求されるソロを担当しているのは、作曲家でもあるニクラス・シヴェレーヴ Niklas Sivelöv (b.1968)。エークストレムはこの作品を彼に献呈しています。2000年10月、プラハのチェコ放送局のスタジオで録音されました。

 打楽器奏者マークス・レオソン Markus Leoson を念頭に置いて作曲された《危険な坑道 (Spröda schakt)》は、マリンバの柔らかい響きのなかにウッドブロックなどの強い音をまきちらすことによって“脆い状態”を表現した音楽。リルケが抽象的に語った “魂の不思議な鉱山 (själens underliga gruva)” を聴き手に意識させることも意図したとされます。スウェーデンの室内アンサンブル、ソナンサ Sonanza のために書かれた《Garden of Ice (氷の庭園)》が描いていくのは、凍った冬の庭、氷の剪定ばさみで垣根の形を整える氷の庭師、水晶と光の反射が作り出す庭の風景。細密画を音で表現した世界ということもできます。この2曲は、2001年6月、スウェーデン放送局での録音です。

 《プリズムの破片を通して (Genom skärvan av en prisma)》組曲のそれぞれの曲にはストリンドベリの絵のタイトルがそのままつけられ、色彩豊かでありながらも清々しい原画の世界を、音楽で模写していきます。地をゆさぶる嵐の音、ひとすじの清冽な旋律となって心のすきまに入りこんでくる音……。この曲は、師のひとりスヴェン=ダーヴィド・サンドストレムに献呈されました。ラフマニノフもどきのピアノ協奏曲を書いて驚かせたサンドストレムにくらべるまでもなく、エークストレムの音に対する感覚は、まさに北欧のそれ。ルーネ・スンドヴァル Rune Sundval がプロデュースした録音のクリアで瑞々しい音質のおかげで、ストリンドベリとエークストレムの心の交流がリアルに伝わってきます。全8曲のうち、後半の4曲しか収録されていないのが歯がゆく思えるくらい、透明で鮮やかな音の世界は、ほんとうに魅力。王立音楽アカデミーから評価されたのも当然です。

 この曲だけ、ヨルマ・パヌラ Jorma Panula (b.1930) がストックホルム・シンフォニエッタを指揮した、1998年9月9日、ストックホルムの Riddarhuset (貴族会館) でのコンサートからライヴ録音されました。

Phono Suecia PSCD122 The Dream Age (夢の時代) − ラーシュ・エークストレム (b.1956) 作品集
 ピアノと管弦楽のためのロンド (1998)
  ニクラス・シヴェレーヴ (ピアノ) プラハ放送交響楽団 オンジェイ・クカル (指揮)
 危険な坑道 (Spröda schakt) (1996)
  マークス・レオソン (打楽器)
 Garden of Ice (氷の庭園) (1996)
  ソナンサ ヤン・リースベリ (指揮)
 《プリズムの破片を通して (Genom skärvan av en prisma)》組曲 (1994/2000)
  − 第4曲 海岸の風景U(Kustlandskp II) 第5曲 あらし (Oväder)
    第6曲 ふしぎの国 (Underlandet) 第7曲 孤独なアザミ (Den ensamma tistelin)
  ストックホルム・シンフォニエッタ ヨルマ・パヌラ (指揮)

 

カール・ニルセンのもうひとつの交響曲とヴァイオリン協奏曲?

 合唱指揮者としての活躍が目立ったデンマークのボー・ホルテン Bo Holten がオーケストラを指揮しての2作目の録音は、カール・ニルセン Carl Nielsen の作品集です。第1作の、フレデリック・ディーリアスの声楽作品をデンマーク語で演奏したディスク (Danacord DACOCD536) で、ホルテンは5つの歌曲のピアノ伴奏部をオーケストラ用に編曲ました。そして今回、ホルテンは、すべての作品のオーケストレーションを手がけるという大きな仕事をやってのけています。ニルセンの最後の大作となった《コンモティオ》、2曲あるうちの第2番のヴァイオリンソナタ、そして初期の歌曲を7曲。よほどの自信がなければできないところです。

 器楽曲、とくにピアノのための作品をオーケストラ用に編曲することは、ずっと以前から行われてきました。グリーグやラヴェルのようにかなりの作品をみずから編曲する場合もあれば、他の人が手をいれる場合も少なくありません。ラヴェルが編曲したムソルグスキーの《展覧会の絵》のように原曲よりも有名になることだってあります。

 他人が編曲した場合にいつも問題にされるのが、編曲された作品の良い悪いです。先日CDがリリースされたグリーグのチェロソナタの場合も、第1楽章のシンバルの使い方に賛否両論が集中しました。「《ペルシャの市場》じゃあるまいし、あれは蛇足!」という意見もあり、個人的にも、あのシンバルが出てくるたびに落ち着かなくなります。ただ、「力強い音楽が一層ドラマティックになったのだから、それを喜べばいい。シンバルを気にする必要はない」という寛容な意見もあって、それはそれでいいのかもしれません。ラヴェル版の《展覧会の絵》にしても、単なるショーピースとして聴くこともできなくはないので、最終的にはそれぞれの好みになります。

 ホルテンがオーケストレーションを施したニルセンは、どうでしょうか。結論から言えば、これは実によくできた仕事だと思います。その理由のひとつは、オーケストラ用に編曲するのに適した曲を選んだこと。そして、ボー・ホルテンがカール・ニルセンの語法を熟知していること。抑制のきいた編曲をしていることも挙げなければならないでしょう。

 《コンモティオ (Commotio)(FS155) はオルガンのために書かれたフーガ幻想曲。音楽用語として、「音楽に推進力をあたえる、対位法の連続」を意味する "Commotio" (動き)。この語をタイトルとするにあたってニルセンは、“自己客観化 (Selv-Objektivering) の過程” という意味合いもこめたといわれます −− 「作曲家は、あらゆる個人的、抒情的な感覚を抑えようとしなければならない (Komponisten forsøge at undertrykke alle personlige, lyriske Fornemmelser)」(カール・ニルセン)。作品の構造としては、デンマーク音楽の先駆者のひとり、ディズリク (ディートリヒ)・ブクステフーデ Didrik Buxtehude (c.1637-1707) と J・S・バッハのオルガン作品をモデルにし、旋律と和声を自由に発展させています。スケールの大きな序奏、2つの長大なフーガと間奏、そして堂々としたコーダ。演奏時間にして、20分を越える大曲です。

 原曲どおりのオルガンによる演奏で聴いても見事な作品。対位法を駆使して交響曲を作曲したニルセンらしい、技法をフルに活かした音楽とあれば、それも当然でしょう。そして、オーケストラ版。もともと交響曲といってもいい内容と構成の音楽だけに、管弦楽のために編曲されることによって、ニルセンの “もうひとつの交響曲” と呼んでもおかしくない作品になっているように思います。冒頭のティンパニは第4番の交響曲を意識したもの。第5番第1楽章のアダージョを思わせる、2つ目の間奏《アンダンテ・ソステヌート》の弦の書法。これら、解説を書いたダニエル・M・グリムリー博士 Dr. Daniel M. Grimley が指摘している個所は、ほんの一例。ニルセンの語法を知ったうえでの作業だったことが、はっきりわかります。立派なのは、必要なことだけを行い、欲をかいていないこと。そのおかげで、できあがった作品は、ニルセンの音楽の “パロディ” になってしまうことを免れています。

 ヴァイオリンソナタ第2番も、まぎれもなくニルセンの傑作です。アムステルダムの音楽祭で娘婿エミール・テルマーニ Emil Telmányi (1892-1988) とアルトゥール・シュナーベルによる演奏を聴いたニルセン自身が “落ち着いて、批判的に判断した” 結果、“フェスティヴァルでの最高の作品” と妻に書き送ったことが知られています。1912年という作曲時期のニルセンの音楽として、あたりまえのように調性は自由に変化していく、ユニークな、そして内面的な音楽。そして、この曲のオーケストレーション版も、“もうひとつのヴァイオリン協奏曲” と言ってもいいくらい興味のある作品になりました。

 編曲にあたって、独奏部につては大きな変更は行っていないようです。独奏と管弦楽が対等な関係で対話をかわしていくという原曲の性格を考えれば、色気の出るところでしょうが……。おかげで、独奏者とオーケストラがしのぎを削るヴィルトゥオーゾ協奏曲になってしまっていません。終結に向けて両者が融合をめざしていく、という音楽全体の構成を考えれば、賢明な (いいセンスの) 選択でしょう。ヴァイオリン協奏曲 (FS61 作品33)(1922) との聴き較べが面白いと思います。

 独奏を担当するビャーネ・ハンセン Bjarne Hansen は1982年からオーゼンセ交響楽団のコンサートマスターを務めているヴァイオリニストです。

 7つの歌曲は、いずれも初期の、旋律のはっきりした歌が選ばれています。ここで興味深いのは、ホルテンのオーケストレーションによって、ニルセンの音楽がどことなくマーラーの歌曲に似た雰囲気を醸し出すようになったことです。《リンゴの花 bleblomst)》は、《大地の歌》の第4楽章《美について》。その他の曲、とりわけ、《報いはある (Det bødes der for)》と《風俗画 (Genrebillede)》は《子供の不思議な角笛》を連想させます。とはいっても、明るい響きが重視され、暗い世界に入り込んでいくことが巧みに避けられているのは、ありがたいところです。独唱は、ディーリアスの歌曲集でも起用されたソプラノ、ヘンリエッテ・ボンデ=ハンセン Henriette Bonde-Hansen (1963-)。最近では、アウゴスト・エナのオペラ《マッチ売りの少女》の録音 (cpo 999 595-2) でタイトルロールを歌っています。

 ホルテンが管弦楽を率いても実力のある指揮者だということは、ディーリアスのディスクで実証ずみ。なかでも《フェニモアとゲルダ》の間奏曲や《アラベスク》では、オーケストラを明るく透明に響かせながら、テンポを速めにとった流麗な演奏ぶりに、フェンビーをはじめとするイギリスの指揮者によるディーリアスとは違った魅力を感じました。このディスクでも自信たっぷり。余計な身振りをみせず音楽をリードしていくので、迫力はありながらも無理がありません。ホルテンの指揮で交響曲を聴いてみたいところです。

 2001年1月、カール・ニルセン・ホール (オーゼンセ) での録音。

Danacord DACOCD588 カール・ニルセン (1865-1931) (ボー・ホルテン (1948-) 編曲)
 コンモティオ (Commoitio) FS155 (オルガンのための) (管弦楽のための編曲による)
 歌曲集《6つの歌曲》 (ルーズヴィ・ホルステンの詩による) FS18 − リンゴの花 (Æbleblomst)
 歌曲集《歌と詩》 (JP・ヤコブセンの詩による) FS14
 − 絹靴は金の型から (Silkesko over gyldne læst) 報いはある (Det bødes der for)
  風俗画 (Genrebillede) 「モーエンス」の歌 (Vise af "Mogens")
 歌曲集《5つの詩》 (JP・ヤコブセンの詩による) FS12
 − スルタンの宮殿の庭で (I Seraillets Have) イルメリンのバラ (Irmelin Rose)
 ヴァイオリンソナタ第2番 FS64 (ヴァイオリンと管弦楽のための編曲による) (1912)
  ヘンリエッテ・ボンデ=ハンセン (ソプラノ) ビャーネ・ハンセン (ヴァイオリン)
  オーゼンセ交響楽団 ボー・ホルテン (指揮)

 

Maアンサンブルと20世紀の音楽

 イーミル・アンサンブル (Ýmir Ensemble)BIT20 アンサンブル (BIT 20 Ensemble)LINアンサンブル (LINensemble)、アヴァンティ! (Avanti!)、アンサンブル・ノーア (Ensemble Nord)、カンマルアンサンブルN (KammarensembleN) …。北欧には現代音楽の優れたグループがあって、それぞれが多彩な活動を行っているのは、ご承知のとおりです。彼らの演奏のおかげで、20世紀の音楽が頭で聴く音楽から心に響く音楽にかわってきていた。そのことはとても重要なことではないでしょうか。その北欧から、もうひとつ新しいグループが紹介されました。Maアンサンブル (Ma Ensemble) です。

 "Ma" はハンガリー語の “今日 (idag/today)”。1910年代から1920年代にかけてのブダペストでは同じ名前をもつ急進的な文化誌が刊行され、社会批判をくりひろげていたといわれます。しかし、Maアンサンブルのほうは、20世紀と21世紀の音楽を演奏する “イデオロギーを共有する音楽家たちのフォーラム”。このディスクで演奏されているシェーンベルクにしても、ヴェーベルン、あるいはブーレーズの曲にしても、すでに現代音楽の古典となっている作品だけに、今日の自分たちの音楽を演奏する彼らの存在は、もはや “急進的” ではありません。現代もおもしろくなりました。

 Maアンサンブルが誕生したのは1987年。ヴェーベルンの《ヴァイオリン、クラリネット、テナーサクソフォーンとピアノのための四重奏曲》(作品22)を演奏するために、その前夜、4人の奏者が結集したのが始まりです −− ヴァイオリニストで指揮者のスタファン・ラーション Staffan Larsson (b.1954)、クラリネット奏者ブーア・ペッテション Boa Pettersson (b.1952)、サクソフォーン奏者クリステル・ヨンソン Christer Johnsson (b.1956)、そしてピアニストのルーヴェ・デルヴィンゲル Love Derwinger (b.1966)

 その後、参加メンバーも増え、ISCM (国際現代音楽協会) が1994年にストックホルムで開催した「世界音楽の日 (World Music Days)」をきっかけに、一躍注目を集めるようになりました。新しいメンバーは、ヴァイオリニストのエヴァ・リンダール Eva Lindal (b.1958)、チェリストで作曲家のクリカン・ラーション Chrichan Larson (b.1956)、フルート奏者サラ・リンドロフ Sara Lindloff (b.1963)、打楽器奏者ヨニー・アクセルソン Jonny Axelsson (b.1963)。このディスクでは、チェロ奏者のオーサ・オーケルベリ Åsa Åkerberg (b.1961) も臨時に参加しています。

 Maアンサンブルの新しいディスクで最大の聴きものは、シェーンベルクの《Pierrot Lunaire (ピエロ・リュネール) (月に憑かれたピエロ)》。フランスの音楽批評家アントワーヌ・ゴレア Antoine Goléa が「無調性と非現実的なほど自由な対位法との絶対的限界に到達し、他方厳密に組織された新しい音響世界の構成のしるしが増加して行く」 ("Esthétique de la musique contemporaine" (1954) 「現代音楽の美学」、野村良雄、田村武子 訳、音楽之友社) と評した音楽。シェーンベルク自身を投影したとも言われる、冷静に人間を見つめるピエロ (道化) のシュプレヒゲザング (語り歌) も、かつては “難解でとっつきの悪い現代音楽” の象徴のように言われたものです。しかし、時代は変わるもの。現在では、ハンス・ロスバウト指揮の古典的な録音をはじめ、イヴォンヌ・ミントンとピエール・ブーレーズによる演奏など、10をはるかに越える数の録音も存在し、20世紀最高の音楽遺産のひとつと一般的にも認められるようになりました。

 そして、イング=ブリット・イッバ・アンデション Ing-Britt Ibba Andersson (b.1955)Maアンサンブルによる演奏は、いろいろなタイプの録音があるなかでも、とびきり、演奏者たちの自在な感覚が光っています。アンデションのリリックソプラノの声はチャーミング。もっと暗めの声のほうがという意見もあるかもしれませんが、むしろ、この声質のおかげで、(音楽のもつ) キャバレー的雰囲気がうまく漂ってくるということもできるでしょう。イヴォンヌ・ミントンのように “歌って” もおらず、シェーンベルクの音楽に沿うものと考えられます。

 そして、器楽アンサンブルの響き。ブーレーズが指揮した、バレンボイム、ペイ、ズーカーマン、ハレルらのアンサンブルにくらべるまでもなく、人間の体温が感じられるところがユニークです。ブーレーズがアンサンブル・アンテルコンタンポランを指揮した録音は残念ながら聴いていませんが、「響きを拒否し、音楽そのものと似て、耳障りだったり無口だったりする」という批評 (Gramophone 10/1998) から想像すると、Maアンサンブルとは相当に違った響きによる演奏と思われます。

 緻密でありながら窮屈ではない Maアンサンブルの演奏。卓越した技術の裏打ちがあって可能になる演奏ですが、演奏技術そのものが目的になっていないのは、いかにも、音楽を大切にする北欧のアンサンブル。この Maアンサンブルの演奏を聴いて、「こんなに面白い音楽だった?」という声が聞こえてくるのも当然でしょう。

 ヴェーベルンの四重奏曲は、アタックとリズムのまとまりがよく、クリカン・ラーションがブックレットの解説に書いているブーレーズとアンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏と同様、指揮者 (スタファン・ラーション) をおいての演奏だと思われます (クリカン・ラーションは、1983年から1989年にかけて、チェリストとしてアンサンブル・アンテルコンタンポランに参加しています)。

 厳密に書かれた音楽、ブーレーズの《デリーヴ (それた) (Dérive)》では、ユニー・アクセルソンの打楽器の音色の美しさが、彼の演奏したシュトックハウゼン (Caprice CAP21642) と同様、音楽を息苦しくなることから救っています。打楽器と戯れる、ブーア・ペッテションのクラリネットも楽しげです。

 このディスクでは、作曲家クリカン・ラーションの作品も2曲、演奏されています。クラリネット、チェロとピアノのための《Cordes et Tuyau (弦とリード)》は、3つの短い楽章で構成された、ヴェーベルンの寡黙な音楽の影響が感じられる音楽。内省的な最初の2つの楽章に対して、第3楽章はエネルギッシュな動き。すべての音が消えたあと、何かが残ります。《存在 (Väsen)》では、第1曲《Gestalt (形態)》と第2曲《Esprit (エスプリ)》で音楽の展開に違いはあるものの、ヴェーベルンの音楽にくらべると、それぞれの音が、もっと自由に動きまわります。

 1999年11月から2000年1月、ストックホルムのスウェーデン放送局スタジオでの録音。Nytorp Musik のディレクター、マッツ・ローヴィング Mats LöfvingMaアンサンブルがプロデュースしています。明瞭にとらえながら、声と楽器のつやを感じさせる音質がすばらしく、北欧デザインにもつうじる Nytorp Musik のセンスのよさが最高度に発揮されています。

 最新情報では、マッツ・ローヴィングのプロデュースにより、来日公演目前のスウェーデンのメッツォソプラノ、マレーナ・エルンマン Malena Ernman との録音セッションが現在ストックホルムで行われているということです。

Nytorp Musik Nytorp 0001 Ma
アルノルト・シェーンベルク (1874-1951) Pierrot Lunaire (月に憑かれたピエロ) 作品21 (1912)
クリカン・ラーション (b.1956) 存在 (Väsen) (室内アンサンブルのための)
 Cordes et Tuyau (弦とリード) (クラリネット、チェロとピアノのための)
アントン・ヴェーベルン (1883-1945)
 ヴァイオリン、クラリネット、テナーサクソフォーンとピアノのための四重奏曲 作品22 (1930)
ピエール・ブーレーズ (b.1925) デリーヴ (それた) (Dérive) (1980-84)
  イング=ブリット・イッバ・アンデション (ソプラノ) オーサ・オーケルベリ (チェロ)
  Maアンサンブル
   スタファン・ラーション (ヴァイオリン、指揮) ブーア・ペッテション (クラリネット)
   クリステル・ヨンソン (サクソフォーン) ルーヴェ・デルヴィンゲル (ピアノ)
   エヴァ・リンダール (ヴァイオリン) クリカン・ラーション (チェロ)
   サラ・リンドロフ (フルート) ユニー・アクセルソン (打楽器)

 

ノルウェー・バロック管弦楽団が演奏するバッハの音楽

 ここ数年、以前にもまして北欧の演奏者によるスタンダードなレパートリーの演奏が注目を集めるようになりました。音楽に対する深い愛情と独特の音色感が魅力に感じられるのだと思います。イギリスのオーディオメーカー Linn (リン) のレコードレーベル Linn Records が紹介するノルウェー・バロック管弦楽団も、そういった団体のひとつです。

 ピリオド楽器を演奏するアンサンブル、ノルウェー・バロック管弦楽団 Norwegian Baroque Orchestra の結成は1988年。プロフェッショナルのグループとして、ノルウェーとスウェーデン各地で演奏するほか、オスロでは定期的なコンサートも開いています。アンドリュー・パロットやタヴァナー・コンソートと共演しての演奏旅行や主要音楽祭 −− ルツェルン、シュトゥットガルト、スレースヴィ=ホルステン (シュレシュヴィヒ=ホルシュタイン)、ブレーメン、レーゲンスブルク、ケーテン、ベルゲンなど −− にも参加。彼らの演奏を高く評価する、「ぞくぞくするほど均質な音の透明感と色彩」 (フランクフルト・アルゲマイネ紙) といった声もあり、ヨーロッパ指折りの団体として認められつつあります。

 ハープシコード奏者のシェティル・ハウグサン Ketil Haugsand は、ノルウェーにおけるアーリーミュージック演奏の第一人者のひとり。独奏者、室内楽奏者、管弦楽の指揮者として、フランスとドイツのバロック音楽を主なレパートリーに、ヨーロッパとアメリカで演奏旅行を行っています。ハープシコード作品集 (PSC1032) −− イタリア協奏曲 BWV971、フランス風序曲 BWV831、ソナタ ニ短調 BWV964、アダージョ BWV968 −− と《パルティータ》BWV825-30 (PSC1086 2CD's)、そして、ローレンス・ドレイフュスと協演してのヴィオラダガンバ・ソナタ BWV1027-29 (PSC1024) などのバッハの作品をノルウェーの Simax にレコード録音しています。ノルウェー国立音楽アカデミーで教授として古楽のクラスを担当した後、1994年にケルン音楽大学のハープシコード科の教授に就任しました。ノルウェー・バロック管弦楽団とは結成いらい緊密な関係にあり、呼吸のそろった演奏ぶりにそのことがうかがえます。

 シンフォニア (オルガンによる通奏低音つき)、管弦楽組曲第1番、ハープシコード協奏曲第2番の3曲は室内管弦楽の編成による演奏。組曲第2番だけは各楽器1本、6人の奏者で演奏しています。フラウトトラヴェルソを吹くのはパウル・ヴォールベルグ Paul Wåhlberg。協奏曲のハープシコードは、マッティン・スコヴロネク Martin Skowroneck が製造した、ドイツ・モデルのレプリカが使われています。

 気負いのない、立派な演奏。ピリオド楽器による演奏の場合、“革新性” を強調するのか、しゃかりきになっていたり、楽器の音ばかりが耳に残ることが多いので、程良いテンポの洗練された響きのこの演奏を聴くと、なんだかほっとします。

 録音はノルウェー、ファンレム Fannrem のオークダール教会と、オスロのウラニエンボルグ教会で行われました。適度に豊かな響きのなかに、それぞれの楽器が自然な音像でくっきりと浮かびあがる録音が見事。この録音が演奏のよさを忠実に伝えることに寄与しているのは確かです。これほど楽しめる古楽の録音に、そういつも出会えるものでもありません。

 ノルウェー文化省 Norsk Kulturråd の基金の資金援助による録音。HDCD ディスクです。

Linn CKD181 J・S・バッハ (1685-1750)
 カンタータ第42番 BWV42「されど同じ安息日の夕べに」 − シンフォニア
 管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067 ハープシコード協奏曲第2番 ホ長調 BWV1053
 管弦楽組曲第1番 ハ長調 BWV1066
  シェティル・ハウグサン (ハープシコード、指揮) ノルウェー・バロック管弦楽団
  ジュリアン・ポッジャー (指揮) (シンフォニア)

 

デンマーク・シューベルト三重奏団とソナタの編曲による弦楽三重奏曲

 北欧からまたひとつ、新しい演奏団体が紹介されました。デンマーク・シューベルト三重奏団 Danish Schubert Trio。1997年に結成されたばかりのグループです。ヴァイオリンのアナス・フォウ=ニルセン Anders Fog-Nielsen、ヴィオラのドミートリー・ゴロワノフ Dmitri Golovanov、チェロのマッツ・ラーソン Mats Larsson は、いずれもデンマーク国立放送交響楽団の主要奏者。アメリカ生まれの音楽史学者で出版社も経営するリチャード・カーペン Richard Karpen がシューベルト生誕200年記念のために企画した、3曲のヴァイオリンソナタ (ソナティナ) の弦楽三重奏曲への編曲を演奏することが結成のきっかけになりました。

 3曲のソナタが書かれたのは1816年。シューベルトが実家を離れ、親しい友人たちの世話を受けながらも、本当の意味で作曲家としての道を歩み始めた時期にあたります。第4番 (ハ短調《悲劇的》) と第5番 (変ロ長調) の交響曲、弦楽四重奏曲第11番ホ長調 (D353)、ミサ曲ハ長調 (D452) などが作曲されたのも、この年です。しかし、この年は若いシューベルトがさまざまな試練に直面した時期だといわれます。友人がゲーテの元に送ったシューベルト作の歌曲は、後世高く評価されるようになる数曲が含まれていたにもかかわらず、何の論評もなしに返却。結婚を望んでいたソプラノ歌手テレーゼ・グロープとの間もシューベルト自身の経済状態のせいで破局に向かう。これらのソナタにウィーンの古典主義への回帰がみられるのは、そうした現実から気をまぎらすためとも、また、新たな方向を探そうとしたためとも言われます。

 これらのソナタのロココ的優雅さと憂愁の表情は、ほとんどモーツァルトの音楽。シューベルトはモーツァルトを賛美していたといわれ、3つの作品からは、そのことがはっきりと伝わってきます。今回、弦楽器3本というまとまりのいい楽器編成にすることによって、ヴァイオリンとピアノという異種の楽器の組み合わせのときよりも、そういう作品の性格がよりくっきりと浮かび上がってくるように思います。深刻なしぐさを見せたり劇的な表現を聴かせる個所もありながら、全体的にはモーツァルトのディヴェルティメントを思い起こさせる音楽。原曲よりもこちらのほうが、という声があってもおかしくありません。

 編曲にあたっては、デンマーク・シューベルト三重奏団の3人も技術面の提案という形で協力しています。そして、彼らの優美さとはつらつさを合わせもった演奏が、これらの作品の “モーツァルト的” 愉悦の味わいをより深める結果をもたらしているように思います。明るい音色感覚と屈託のない音楽の運びは、デンマーク的魅力のひとつのあり方のような気がします。聞くところでは、デンマークのオーケストラ奏者は一般的に、完璧なアンサンブルに心を砕くよりは、いかに音楽を歌わせるかを重視する傾向にあるといいます。音楽がのびのびと呼吸する3人のアンサンブル。なるほど、合点がいきます。

 編曲作品3曲は、プロジェクトを応援した国際フランツ・シューベルト協会デンマーク支部に献呈されました。

 録音が行われたのは、デンマークのブレンビ・ストラン教会。デンマークでももっとも趣味性のつよいレーベル Paula ならではの明快でまろやかな音質の録音も、このディスクの魅力のひとつです。

 デンマーク・シューベルト三重奏団は、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、コダーイ、そしてデンマークのコペル Herman D. Koppel らの音楽もレパートリーに含めているとか。この編曲の成功を受けてカーペンは、その他のロマンティシズム作曲家の曲の弦楽三重奏のための編曲を考えていると伝えられ、デンマーク・シューベルト三重奏団がその演奏を手がけることになると思われます。が、それとは別に、彼らの演奏でモーツァルトの変ホ長調のディヴェルティメント (K563) を聴いてみたいものです。

Paula PACD133 フランツ・シューベルト (1797-1828) 弦楽三重奏のための音楽
 弦楽三重奏曲 変ロ長調 D471 (1816) − アレグロ
フランツ・シューベルト (1797-1828) (リチャード・カーペン 編曲) 
 弦楽三重奏曲 ニ長調 (ヴァイオリンソナタ (ソナティナ) ニ長調 D384 (1816))
 弦楽三重奏曲 イ短調 (ヴァイオリンソナタ (ソナティナ) イ短調 D385 (1816))
 弦楽三重奏曲 ト短調 (ヴァイオリンソナタ (ソナティナ) ト短調 D408 (1816))Z
 
 デンマーク・シューベルト三重奏団

 

トゥビンの交響曲第3番、日本初演

 エストニアとスウェーデン。ふたつの国から “わが国の” 作曲家と呼ばれるエドゥアルド・トゥビン Eduard Tubin (1905-1982) の交響曲第3番の日本初演が正式に決定しました。広島交響楽団の2002年10月定期。秋山和慶の指揮です。

 広島交響楽団は過去にダブルベース協奏曲を演奏したことがあるので、トゥビンと縁がなかったわけではありません。しかし、交響曲、それも日本初演 (エストニアの国際トゥビン協会から取り寄せた演奏記録によると、アジア初演) の作品となると、これは画期的なことでしょう。ソ連とナチス・ドイツに苦しめられたエストニアの人々のさまざまな思い (悲嘆、憎悪、自由への憧れ) をこめ、独立を迎えた日の勝利の歌を歌い上げる交響曲。作曲者自身も《英雄的》と呼んだ壮大な音楽がどんな響きを聴かせてくれるのか。コンサートが行われる10月16日が待ち遠しくてしかたありません。

 当日のプログラムのその他の曲は、アルヴォ・ペルトの《ベンジャミン・ブリテン追悼のカントゥス (Cantus in memoriam Benjamin Britten)》とショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。ノルウェーのヴェテラン奏者、アルヴェ・テレフセン Arve Tellefsen (b.1936) がソロイストに予定されています。

参考ディスク

Alba ABCD147 エドゥアルド・トゥビン (1905-1982) 交響曲第3番《英雄的》  交響曲第6番
  エストニア国立交響楽団 アルヴォ・ヴォルメル (指揮)

BIS CD342 エドゥアルド・トゥビン (1905-1982) 交響曲第3番《英雄的》  交響曲第8番
  スウェーデン放送交響楽団 ネーメ・ヤルヴィ (指揮)

Simax PSC1159 
ドミートリー・ショスタコーヴィチ (1906-1975) ヴァイオリン協奏曲第1番 作品99
J・S・バッハ (1685-1750) ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調 BWV1042 *
  アルヴェ・テレフセン (ヴァイオリン) ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
  オスロ室内音楽祭弦楽アンサンブル* パーヴォ・ベリルンド (ベルグルンド) (指揮)

CHAN8656 エストニアの音楽 第2集
アルトゥル・レムバ (1885-1963) 交響曲嬰ハ短調
ルドルフ・トビアス (1873-1918)《ユリウス・カエサル》序曲
ヘイノ・エッレル (1887-1970) 音詩《たそがれ》
ヴェルヨ・トルミス (b.1930) 序曲第2番
アルヴォ・ペルト (b.1935)
 ベンジャミン・ブリテン追悼のカントゥス (1977) (弦楽オーケストラと鐘のための)
  スコットランド国立管弦楽団 ネーメ・ヤルヴィ (指揮)

(TT)

新譜情報

BIS CD1079 カール・ニルセン (1865-1931) 交響曲第1番 ト短調 FS16 作品7
 交響曲第6番 FS116 作品116《シンフォニア・センプリーチェ(簡素な交響曲)》
  BBCスコットランド交響楽団 オスモ・ヴァンスカ (指揮) [収録時間 70分27秒]

◇オスモ・ヴァンスカ Osmo Vänskä (1953-)BBCスコットランド交響楽団のニルセン交響曲シリーズ第1作。

BIS CD1216 ジョルジェ・エネスク (1881-1955) ヴァイオリンとピアノのための作品集
 子供の印象 作品28 ヴァイオリンソナタ第2番 ヘ短調 作品6
 ヴァイオリンソナタ第3番 イ短調 作品25 《ルーマニア民俗風に》
  ミハエラ・マルティン (ヴァイオリン) ローランド・ペンティネン (ピアノ)

◇スウェーデンのローランド・ペンティネン Roland Pöntinen (1963-) と、作曲者と同郷のルーマニアのヴァイオリニスト、マルティンの共演。

BIS CD1256 ドミートリー・ショスタコーヴィチ (1906-1975)
 フィンランドの主題による組曲 (1939) (ソプラノ、テノールとシンフォニエッタのための)
 弦楽のための交響曲 作品118a (弦楽四重奏曲第10番) (ルドルフ・バルシャイ 編曲)
 弦楽のための交響曲 作品110b (弦楽四重奏曲第8番) (ルドルフ・バルシャイ 編曲)
  アヌ・コムシ (ソプラノ) トム・ニューマン (テノール)
  オストロボスニア室内管弦楽団 ユハ・カンガス (指揮)

◇フィンランドのオストロボスニア室内管弦楽団によるショスタコーヴィチ。《フィンランドの主題による組曲》は1939年、レニングラード軍管区の委嘱作品で、世界初録音。

EMI Classics CDC5 57296-2 エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) 抒情小曲集 (抜粋)
 第1集 作品12 (4曲) 第2集 作品38 (3曲) 第4集 作品47 (3曲) 第5集 作品54 (2曲)
 第6集 作品57 (3曲) 第7集 作品62 (4曲) 第8集 作品65 − 第6曲 トロールハウゲンの婚礼の日
 第9集 作品68 (3曲) 第10集 作品71 (2曲)
  ライフ・ウーヴェ・アンスネス (ピアノ)

◇ノルウェーのピアニスト、アンスネス Leif Ove Andsnes (b.1970) による抒情小曲集は、第3集 作品43、第5集 作品54、第8集 作品65 の全曲録音がある (現在、Virgin Classics VBD5 61745-2)。今回は、トロールハウゲンのグリーグ愛用のピアノを使っての録音 (2001年12月)。ノルウェー放送局がその模様をドキュメンタリー番組に制作した。


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CD artwork © Linn Records (UK), Nytorp Musik, STIM (Sweden), Paula (Denmark)