Newsletter No.55   19 May 2003

 

イルゲンス・イェンセンの「日本の春」

 今日のノルウェーも他の北欧諸国と同様、多くの優れた作曲家をかかえている。クヌート・ニューステット、エギル・ホーヴラン、ヴォルフガング・プラッゲ。教会音楽やバロック音楽を現代によみがえらせることで新しい音楽を作り出そうとする人たち。アーネ・ヌールハイム、マグネ・ヘグダール、オラヴ・アントン・トメセン、ラッセ・トゥーレセンらは、実験的な試みを通じて自分の語法を獲得しようとする。シェティル・ヴォスレフのように、インスピレーションの湧くままに自由闊達な音楽を書くことに歓びを見いだす人もいる。

 そのノルウェーも、20世紀初頭、第1次世界大戦のころまでは、グリーグに代表される国民的ロマンティシズムの音楽が理想とされ、新しいものを受け入れる文化土壌には乏しかった。イルゲンス・イェンセンの伝記を書いたアーリル・ヴォルスネス Arild Vollsnes は、その状況を、「ブラームスの音楽でさえ急進的にすぎ、フランス印象主義の音楽は醜悪で、ストラヴィンスキーの演奏でさえ考えられなかった」と記している ("Gramophone Explorations 1" (1996))。ルードヴィーグ・イルゲンス=イェンセン Ludvig Irgens Jensen (1894-1969) は、そうした時代に作曲家としてデビューした。

 彼が発表した歌曲は多様なスタイルで書かれていた。ブラームスやマーラーらのドイツ歌曲の伝統を受け継いだ曲、フランス音楽の影響が濃い曲。《まじない (Besvergelse)》のように無調に近い作品も含まれていた。彼のそうした作風は急進的とみなされ、“若い世代の音楽の異端児 (enfant terrible)” とまで呼ばれた。しかし、歌曲集《日本の春 (Japanischer Frühling)》をはじめ、彼の歌曲は人々から愛され、コンサートのプログラムにとりあげられるようになった。

 イルゲンス・イェンセンのそれからの活躍はめざましく、特に管弦楽のために多くの優れた作品を書いた。1928年、Columbia Gramophone Company がシューベルト没後100年に行った作曲コンペティションに応募した《パッサカリア (Passacaglia)(1927) は第2位となり (第1位はクット・アッテルベリの交響曲第6番)、1929年に演奏したことをきかっけに、フィルハーモニック協会 (現在のオスロ・フィルハーモニック) はこの曲をレパートリーに組み入れた (Simax PSC3103)。この作品はヨーロッパ各地とアメリカでも演奏され、成功を収める。クライマックスの三重フーガとコラールの終結は鮮やかな印象を与え、表現主義的な《主題と変奏 (Tema con Variazioni)(1925) (Simax PSC3118)、そして1939年の《交響的組曲 (Partita Sinfonica)(Simax PSC3103) とともに、ふたつの大戦をはさむ時期の代表的なノルウェーの管弦楽作品に挙げられる。

 トロンハイム市が聖オーラフ没後900年記念の1930年に行った作曲コンペティションでは、劇的交響曲《帰郷 (Heimferd)(Simax PSC3109) が第1位を受賞。この曲では、ノルウェーの守護聖人となったオーラフ二世 Olav Haraldson (在位 1015年−1030年) のキリスト教布教の戦いが、独唱、合唱、管弦楽という大編成で語られる。中世の教会音楽をしのばせる清冽な音楽、ノルウェーの自然を思わせる抒情、国王の戦いを描くダイナミックな音楽、そして、キリスト教の勝利を歌うコラールとフーガの後奏曲。イルゲンス・イェンセンが自分の技法をすべて織り込んだこの大作は、“聖オーラフのオラトリオ” とも呼ばれ、ノルウェー音楽史上有数の記念碑的な作品とみなされるようになった。1941年には、唯一の交響曲 (Sinfonia in Re) (Simax PSC3118) が完成。この曲は1942年のノルウェー作曲家協会25周年記念のコンペティションの最優秀作品に選ばれた。

 こうした業績にもかかわらず、イルゲンス・イェンセンの音楽は、ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン David Monrad Johansen (1888-1974) ら、彼の同世代の作曲家の作品と同様、1960年代から1970年代にかけての時代には不当に軽視されていた。しかし最近は、自国の幅広い音楽を享受しようとする時代の流れもあり、彼らの音楽が演奏される機会も増えてきつつある。新録音 (ラグンヒル・ハイラン・ソーレンセンのソプラノ) (Simax PSC1164) がリリースされて間もない《日本の春》に、もうひとつ新しい録音が加わったのも、新録音を行ったクリンゲルボルンの希望もあったとはいえ、そのあらわれとみることができる。

 イルゲンス・イェンセンの《日本の春 (Japanischer Frühling)》のテクストは、ハンス・ベートケ (ベートゲ) Hans Betge (1876-1946) がドイツ語に訳した、伊勢、小野小町、紀友則らの作品を収録した同名の和歌集 (1911年出版) から採られた。ベートケはマーラーの《大地の歌》のテクストとなった詩集「中国の笛」で知られる人。ペルシャ、インドなど東洋の詩の翻訳が多い。

 ベートケの「日本の春」に出会ったイルゲンス・イェンセンは、遥かな国のいにしえの世界がしのばれる詩の数々にに心を動かされ、この詩をテクストとする歌曲を書くこととする。そして、9つの詩が選ばれ、歌曲集となった。

 第1曲《今日 (Heute)》 (凡河内躬恒)
 第2曲《花咲く小枝 (Der Blütenzweig)》 (「万葉集」 藤原広嗣)
  「この花の 一枝 (ひとよ) のうちに 百種 (ももくさ) の 言そ隠 (こも) れる おぼろかにすな」
 第3曲《風の中の柳 (Die Weide im Wind)》 (18世紀、詠み人知らず)
 第4曲《ひとりの友に (An einen Freund)》 (「古今集」 凡河内躬恒)
  「わがやどの 花見がてらに 来る人は ちりなむのちぞ 恋ひしかるべき」
 第5曲《愛の音 (Der Liebeslaut)》 (18世紀、瀬川)
 第6曲《考えること (Betrachtung)》 (「新古今集」 伊勢)
  「難波潟 (なにはがた) 短き蘆 (あし) の ふしのまも 逢はでこのよを すぐしてよとや」
 第7曲《無邪気なたわむれ (Nichts leichter)》 (18世紀、詠み人知らず)
 第8曲《寂しさ (Einsam)》 (「古今集」 小野小町)
  「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」
 第9曲《変わらぬもの (Dauer im Wechsel)》 (「古今集」 紀友則)
  「色も香も 同じ昔に さくらめど 年ふる人ぞ あらたまりける」

 この曲集は最初はピアノ伴奏のために作曲された。そして、初演後、1920年に作品2として出版される。しかし1931年、イルゲンス・イェンセンは改訂を行うために出版譜を撤回。1957年に管弦楽版を発表する。管弦楽の伴奏となったことで、“さらに広がりのある、より平易な表現” (イルゲンス・イェンセン) が実現された。色鮮やかでありながら、透明さを失わない響きによって描かれる“東洋の春”の世界。管弦楽のテクスチュアの活かし方がうまく、イルゲンス・イェンセンが独学で作曲を学んだということが、ちょっと信じにくい。

 ノルウェーのソプラノ、ソールヴェイ・クリンゲルボルン Solveig Kringelborn (b.1963) はこの曲集に愛着をもっており、録音にとりかかる前には、オスロ、ストックホルム、プラハのコンサートで歌っている。彼女のチャーミングで優雅な物腰の歌は、この作品の曲調に自然にそったもの。中国出身の指揮者、リュー・チャー Lü Jía が指揮するノールショーピング交響楽団 Norrköping Symfoniorkester の躍動感と瑞々しい雰囲気のある演奏とともに、イルゲンス・イェンセンの音楽の多様な表情を伝える。

 このディスクでは、「日本の春」の詩による歌曲がもう1曲、歌われる。《橋の上の娘 (Das Mädchen auf der Brücke)》。朱塗りの太鼓橋をひとりで渡る、青い着物を着た娘。その娘を見そめ、心をつかむため、娘の住まいを知りたいと願う男。10世紀ごろの詠み人知らずの和歌が本歌。《日本の春》とは反対に、この曲は最初、管弦楽伴奏のために作曲され (1922年)、後になって (1945年より後) ピアノのための版に改訂された。このピアノ伴奏が情景を巧みに描写する (アイナル・ヘンニング・スメビ Einar Henning Smebye (b.1950) が共演)。

 このディスクには、劇的交響曲《帰郷》の終曲、弦楽四重奏を伴奏に歌われる《彼の血から咲くのは (I blodet hans blømde)》、イギリスのアルト歌手、カスリーン・フェリアーも録音を残した《祭壇 (Altar)》など、イルゲンス・イェンセンのさまざまな時代の歌曲もあわせて収録された。1920年代以後忘れられていた初期の急進的な作風の曲は、作曲者の子息、オラヴ・イルゲンス・イェンセン Olav Irgens Jensen の協力により録音が実現した。アルバムの制作と録音はイギリス人のトニー・ハリソン Tony Harrison が担当。適度のひろがりのある、しっとりとした響きの録音が表現に貢献している。

 

NMA NMA2 ひとりの友に (To a friend)
  − ルードヴィーグ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969) 歌曲集
 劇的交響曲 (オラトリオ)《帰郷 (Heimferd)(1929/30) − 彼の血から咲くのは (I blodet hans blømde)
 ボルスの歌 (Bols vise) (1938) 祭壇 (Altar) (1939) 柵にもたれて (Lutad mot gärdet) (1941)
 歌曲集《日本の春 (Japanischer Frühling)(1917/1922 rev.1957) (ソプラノと管弦楽のための)
  今日 (Heute) 花咲く小枝 (Der Blütenzweig) 風の中の柳 (Die Weide im Wind)
 
 ひとりの友に (An einen Freund) 愛の音 (Der Liebeslaut) 考えること (Betrachtung)
  無邪気なたわむれ (Nichts leichter) 寂しさ (Einsam) 変わらぬもの (Dauer im Wechsel)
  ソールヴェイ・クリンゲルボルン (ソプラノ) ノールショーピング交響楽団 リュー・チャー (指揮)
  ヤンニカ・グスタフソン (ヴァイオリン) ヘンリク・ヨン・ペテルセン (ヴァイオリン)
  レンナート・ファルケブリング (ヴィオラ) ニクラス・ヴェルトマン (チェロ)
 橋の上の娘 (Das Mädchen auf der Brücke) (1922 rev.1946)
 歌曲集《ばらの町 (Rosenstad)(1924) − リンダグルの名前 (Lindagulls Namn)
 
 願いごとのとき (Önskestunden)
 歌曲集《寓話と子守歌 (Fabler og barnerim)》(1924) − 子守歌 (Bånlåt)
  猫とねずみ (Katten og musen) 言い争い (Debatten)
 黄金色の雲 (Guldeskyen) (1920) まじない (Besvergelse) (1918)
  ソールヴェイ・クリンゲルボルン (ソプラノ) アイナル・ヘンニング・スメビ (ピアノ)
  [録音 ルイ・ド・イェール・コンサートホール (ノールショーピング)、ソフィエンベルグ教会 (オスロ)]
  [制作・録音 トニー・ハリソン]

参考ディスク

Simax PSC3103 ルードヴィーグ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969)
 パッサカリア (Passacaglia) (1927) 交響的組曲 (Partita Sinfonica)
  オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 オーレ・クリスチャン・ルード (指揮)
 ヴァイオリンソナタ 変ロ長調 (1915/26)
  スティーグ・ニルソン (ヴァイオリン) イェンス・ハーラル・ブラトリ (ピアノ)

Simax PSC3109 ルードヴィーグ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969)
 劇的交響曲《帰郷 (Heimferd)(1930)
  アンネ・ボルスタード (ソプラノ) イーヴァル・イルフース (テノール) カシュテン・スターベル (バス)
  ペール・ヴォレスタード (バリトン) ハーラル・ビョルコイ (テノール) ランディ・ステーネ (アルト)
  ニダロス大聖堂聖歌隊員 ニダロス大聖堂少年聖歌隊員 トロンハイム交響楽団・合唱団
  オーレ・クリスチャン・ルード (指揮)

Simax PSC3118 ルードヴィーグ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969)
 主題と変奏 (1925)
  オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 オッド・グリューナー=ヘッゲ (指揮)
 交響曲 ニ短調 (1941)
  オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 オイヴィン・フィエルスター (指揮)
 歌曲集《日本の春》
  カリン・ランゲブー (ソプラノ) オスロ・フィルハーモニック管弦楽団 オイヴィン・フィエルスター (指揮)

Simax PSC1164 ルードヴィーグ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969)
 パッサカリア (1928) 祝祭序曲 (Festouverture) 《頌歌 (Canto d'omaggio)(1950)
 宗教的牧歌 (Pastorale religioso) 歌曲集《日本の春》
  ラグンヒル・ハイラン・ソーレンセン (ソプラノ) ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
  アイヴィン・オードラン (指揮)

thema TH198-2 母の歌 − 子供のためのノルウェーの歌
アガーテ・バッケル・グロンダール (1847-1907)
 歌曲集《春の子供》 作品42 歌曲集《母の歌》 作品52
ル−ドヴィ−グ・イルゲンス・イェンセン (1894-1969)
 歌曲集《寓話と子守歌》第1巻 歌曲集《寓話と子守歌》第2
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) 歌曲集《子供の歌》 作品61
ダーヴィド・モンラード・ヨハンセン (1888-1974)
 歌曲集《10のノルウェーの子守歌》 作品14
  オスヒル・シーリ・レフスダル (ソプラノ) グンナル・フラグスタード (ピアノ)

(TT)

リリース情報

BIS CD1234 シレーナ
ヨハン・クリスチャン・シクハルト (c.1682-1762)
 4本のリコーダーのための協奏曲第1番 ハ長調 第2番 ニ短調 第3番 ト長調
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ (1689-1755)
 5本のトラヴェルソのための協奏曲第2番 イ短調 第4番 ロ短調
 ソナタ第6番 イ短調
GP・テレマン (1681-1767) 4声の協奏曲 ホ長調 4声の協奏曲 ヘ長調
  シレーナ・リコーダー四重奏団 ダン・ラウリン (リコーダー)
  フレードリク・ブック (バロックギター、テオルボ) モーエンス・ラスムセン (ヴィオラダガンバ)
  レイフ・メイエル (ハープシコード、オルガン)

BIS CD1242 レーラ・アウエルバッハ (アヴェルバフ) (1973-) ヴァイオリンのための作品集
 24の前奏曲 作品46 (1999) (ヴァイオリンとピアノのための)
 T' フィラー (祈り) (1996) (ヴァイオリン独奏のための)
 後奏曲 (1999) (ヴァイオリンとピアノのための)
  ワジム・グルツマン (ヴァイオリン) アンジェラ・ヨッフェ (ピアノ)

BIS CD1243 イサーク・アルベニス (1860-1909) ピアノ作品集
 イベリア 第4集 6つの小ワルツ ピアノソナタ第3番 古風な組曲第1番 アラブのセレナード
  ミゲル・バセルガ (ピアノ)

BIS CD1259 ペザリーのフルート大百科 2
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ (1689-1755) 組曲第1番 ホ短調 (1731)
スヴェン=エーリク・ベック (1919-1994) 無伴奏フルートソナタ (1949)
イェヘツキエル・ブラウン フルートソナタ (1955/87)
ダニエル・ベルツ (1943-) 淡彩画 (2001)
エリオット・カーター (1908-) Scrivo in vento (風に書く) (1991)
カルディーニ セレマのホット・マシーン 作品33 (1986)
グローリア・コーツ (1938-) 月にとどけ (1988)
レオンハルト・フォン・カル ファンタジア I
  シャロン・ベザリー (フルート)

BIS CD1289 カール・ニルセン (1865-1931) 交響曲全集第3
 交響曲第2FS29 作品16《4つの気質 (De fire temperamenter)》 交響曲第5FS97 作品50
  BBCスコットランド交響楽団 オスモ・ヴァンスカ (指揮)

BIS CD1368 アレクサンドル・グラズノフ (1865-1936) 交響曲第1番 ホ長調 作品5 《スラヴ》
 交響曲第6番 ハ短調 作品58
  BBCウェールズ国立交響楽団 尾高忠明 (指揮)

Centaur CRC2607 ラーシュ=エーリク・ラーション (1908-1986) 管弦楽作品集
 劇音楽《貞節 (Kyskhet)(1937) − 田園詩 (Pastoral) (小管弦楽のための)
 田園組曲 (Pastoralsvit) 作品19 劇音楽《冬物語 (En vintersaga)》 組曲 作品18
 バロココ組曲 (Barococo suite) 作品64 (1973)
 グスタヴィアン組曲 (Gustaviansk svit) 作品28 (フルート、弦楽オーケストラとハープシコードのための)
  ニューヨーク・スカンディア交響楽団 ドリット・マトソン (指揮)

◇劇音楽《貞節 (Kyskhet)(1937) からの《田園詩 (Pastoral)》と《バロココ組曲 (Barococo suite)》 (いずれも ArtemisLP 録音)、映画「Kungajakt (国王の狩)」の音楽による《グスタヴィアン組曲 (Gustaviansk svit)》 (初録音?) など、珍しい曲を含む、ラーション Lars-Erik Larsson (1908-1986) の管弦楽作品集。ニューヨーク・スカンディア交響楽団 New York Scandia Symphony は、北欧の古典とロマンティックの作品によるプログラムで活動。音楽監督のドリット・マトソン Dorrit Matson はデンマーク生まれの女性指揮者です。

Danica DCD8212 一年を歌う詞華集 (Årets krans) − デンマークの歌 第2巻
 五月の歌 (Maj-vise) デンマークに生まれて (I Danmark er jeg født) 真夏の歌 (Midsommervise) ほか
  コペンハーゲン王立礼拝堂少年聖歌隊 エベ・モンク (指揮) サポルスキ四重奏団

Dynamic (Italy) CDS426 ジュゼッペ・ヴェルディ (1813-1901)
 オペラ《グスターヴォ三世 (Gustavo III)
  トマス・リンド (テノール) ヒレヴィ・マッティンペルト (ソプラノ) クリステル・サント・ヒル (バリトン)
  スサンネ・レスマーク (アルト) カロリーナ・サンドグレン (ソプラノ) ヨーテボリ・オペラ合唱団、管弦楽団
  マウリツィオ・バルバチーニ (指揮) [録音 2002年]

◇スウェーデン国王グスタフ三世 (1746-1792、在位 1771-1792) の暗殺を題材にした、オペラ《仮面舞踏会》のオリジナル稿をスケッチをもとに復元した作品。

Euridice EUCD020 アンサンブル・エルンスト
マーク・アダリー (b.1960) Cloud of Unknowing (気づかないでいた雲)
サルヴァトーレ・スクリアリーノ (b.1947) 曖昧さへの序奏 (Introduziono all' oscuro)
レーネ・グレナゲル (b.1969) 振子 (Pendulum) (1995-96)
コーレ・ディヴィーク・フースビ (b.1969) Sandwich Metaphor (サンドイッチの隠喩)
ヨン・オイヴィン・ネス (b.1968) 結婚の音楽 (Bryllupsmusikk)
  アンサンブル・エルンスト トマス・リームル (指揮)
  [録音 19987月、2000年 (ライヴ) (スクリアリーノ、フースビ)
   ノルウェー国立音楽アカデミー、リンデマンホール]

◇アンサンブル・エルンスト Ensemle Ernst は、オスロのヴァルキューレ・カフェでのニューミュージック演奏活動を基に、1997年に結成された室内アンサンブル。共同創設者のひとり、指揮者トマス・リームル Thomas Rimul (b.1972) は、ベルゲン・フィルハーモニックやノルウェー放送管弦楽団と、オスロ・シンフォニエッタ、BTT20 アンサンブル、Caput アンサンブル、ブーデ・アンサンブルなどの現代音楽アンサンブルを指揮してきた。

Euridice EUCD021 スティーヴン・ヒックス、ローロス教会の1742年製バロックオルガンを弾く
ウィリアム・バード (1543-1622) 私のネヴェル夫人の曲集 − ファンタジア (幻想曲)
 サルヴァトル・ムンディ第2(Salvator Mundi II)
トマス・トムキンズ (1572-1656)
 問題点を主張する内容のあるヴァース (A Substantial Verse maintaining the point) 
 大執事ソーンバーロウ氏のためのヴォランタリー (Voluntary for Mr. Archdeacon Thornburgh)
 ファンタジー (A Fantasy) (9th September 1646) 短いヴァース (A Short Verse)
 ファンシー (Fancy) イ短調 ヴォランタリー イ短調
 解き明かしたまえ主よ (Clarifica Me, Pater) (September 1650)
 イン・ノミネ (御名において) (In Nomine) (May 1648) ヴォランタリー ト長調
 ヴォランタリー (August 10, 1647)
ジョン・ブル (1562-1628) Laet ons met herten reijne ファンタジア
ヤン・P・スヴェーリンク (1562-1621)
 われらにひとりの御子が生まれたもうた (Ons is gheboren een kindkijn)
 パヴァン《Malle SijmenSw3/5
ディズリク・ブクステフーデ (c.1637-1707) 前奏曲 ト短調 BuxWV163
 カンツォーナ ト長調 BuxWV171
クロード=ベニーニュ・バルバストル (1729-1799) ロマンス
GF・ヘンデル (1685-1759)
 クレイの音楽時計のための旋律 (Tunes for Clay's musical clock)
  アレグロ ハ長調 天使の飛翔によるヴォランタリー (A voluntary on a flight of angels) ジーグ
作者不詳 (18世紀ノルウェー) 行進曲《フランス人》 (Marsche "den Franske") 変ロ長調
FC・プレッシュ メヌエットとトリオ イ長調 アレグロ ハ長調 ポロネーズ ニ長調
ヨハン・カスパル・ケルル (1627-1693) トッカータ第5番 バッタリア
 「カッコウ」に基づくカプリッチョ (Capriccio sopra il Cucu)
  スティーヴン・ヒックス (オルガン)
  [ローロス教会 (ノルウェー) の1742年製バロックオルガン] [録音 19999月]
  [制作 ビョルン・アンドル・ドラーゲ 録音 ハンス・ペーテル・ロランジュ]

Finlandia 0927-49253-2 春のさざめき − 管弦楽のための北欧小曲集
クリスチャン・シンディング (1856-1941) 春のさざめき (Frühlingsrauschen) 作品32-3
オーレ・ブル (1810-1880) 牧場の娘の日曜日 (Sæterjentens søndag)
オスカル・メリカント (1868-1924) ゆるやかなワルツ (Valse lente)
ヨハン・スヴェンセン (1840-1911) ロマンス 作品26
ヨハネス・ハンセン (1874-1967) 山の行進曲
フレデリク・ディーリアス (1862-1934) 春を告げるカッコウを聞いて
ジャン・シベリウス (1865-1957) 春の歌 (Kevätlaulu) 作品16
エドヴァルド・グリーグ (1843-1907)
 組曲《ホルベルグの時代から (Fra Holbergs Tid)》 作品40 − 前奏曲 (Praeludium) アリア (Air)
ハンス・クリスチャン・ロンビ (1810-1874) 協奏的ポルカ
ヒゥーゴ・アルヴェーン (1872-1960) 羊飼いの娘の踊り (Vallflickans dans)
クット・アッテルベリ (1887-1974)
 組曲第3番 作品19 (ヴァイオリン、ヴィオラと弦楽のための) − ヴィジョン (Vision)
ダーグ・ヴィレーン (1905-1986) 弦楽オーケストラのためのセレナード 作品11 − 行進曲 (Marcia)
  ノルウェー放送管弦楽団 アリ・ラシライネン (指揮)

Ida Records IDACD3 シェル・ハベスタード (b.1955)
 天使たち (Angeli)
  (旧約・新約聖書による18の天使の姿 (XVIII imagines angelorum Antiqui et Novi Testamenti))
  ハベスタード・アンサンブル
   イーダ・ハベスタード (フルート、ヴォーカル) イングヴィル・ハベスタード (ヴァイオリン、ヴォーカル)
   エルレンド・ハベスタード (チェロ、ヴォーカル) シェル・ハベスタード (ピアノ、ヴォーカル)
   インゲル・エリーサベト・ハベスタード (ヴォーカル)
  [録音 20021218日−21日 ノルウェー国立音楽アカデミー、リンデンマンホール]
  [制作 ショーン・ルイス、シェル・ハベスタード 録音 ション・ルイス]

◇旧約・新約聖書を題材に、楽器とヴォーカルの組み合わせを変えて、さまざまな天使 (神の御使い) を描く作品。音楽にはメシアンの旋法とJS・バッハの《音楽の捧げ物》のリチェルカーレも取り入れられた。1. 炎の剣をもったケルビム、2. アブラハムの天使、3. イサクの天使、4. ヤコブの梯子 (階段)、5. ホレブのモーゼの天使、6. イスラエルの子らに先だって進む天使 (主)、7. 滅ぼしの天使、8. イザヤのセラフィム − 聖なるかな、9. 大天使ミカエル、10. 天使ガブリエル、聖母マリアのもとへ、11. ヨセフの天使、12. ベツレヘムを照らす主の天使、13. 荒れ野 (砂漠) の天使、14. ベトザタの池の天使、15. ゲッセマネの天使、16. 空の墓の天使、17. ラッパを吹く7人の天使たち − 7声のフーガ、18. われイエスはわが天使を遣わした。以上、全18曲。第1曲、第9曲、第10曲、第12曲、終曲ではヴォーカル・アンサンブルにより典礼文も歌われる。

Kvinnekoret Concentus KC001 クヌート・ニューステット (b.1915) 女声のための作品集
 主を尋ね求めよ (Søk Herren) (1971) (4声のアカペラ女声合唱のための)
  (「イザヤ書」 55章 6-12節)
 愛の賛歌 (Kärlekens lov) 作品72 (1975) (アカペラ同声合唱のための)
  (「コリントの信徒への手紙 その1」 13章、「雅歌」 8章 6-7節)
 聖母マリア (Sankta Maria) 作品138 (1993) (アカペラ女声合唱のための) (1258年晩課)
 オザンナ (Hosanna) (1977) (アカペラ女声合唱のための) (ラテン語典礼)
 The moment (この瞬間) 作品52 (1963) (ソプラノ、チェレスタと打楽器のための)
  (キャスリーン・レイン (Kathleen Raine) の詩)
 いつの日か (Eingong) (1996) (ソプラノ女声合唱のための)
  (オーセ=マリア・ネッセ (Åse-Maria Nesse) の詩)
 I am my brother's keeper (わたしはわたしの兄弟の守り) 作品93c (1982) (アカペラ同声合唱のための)
  (エイミー・グルーベル (Amy Greubel) の詩)
 Shells (貝殻) (1973) (アカペラ女声合唱のための) (キャスリーン・レイン (Kathleen Raine) の詩)
 Suoni 作品62 (1970) (フルート、マリンバと女声合唱のための)
  女声合唱団 コンセントゥス ペール・シーグムン・レテダール (指揮)
  モナ・ユールスルード (ソプラノ) イーヴァル・アトレ・フィヨルドハイム (打楽器)
  セシリエ・ハセルベルグ・ローケン (フルート) ライフ・レー=ペーデシェン (チェレスタ)
  [録音 1996年4月 − 10月 オグナ教会] [1996年自主制作 税別価格 \4,200]

Lithuanian Music Information and Publishing Centre LMIPCCD016
ヴィータウタス・ラウルシャス (b.1930) 弦のための作品集
 弦のための協奏曲 (Concerto di corde) (1999) (2つのヴィオラのための)
  シラレ・アルトゥーラス (ヴィオラ) ギルドゥティス・ヤカイティス (ヴィオラ)
 声と弦楽四重奏のための協奏曲 (Koncertas balsui ir styginiu kvartetui) (1983)
  リュボーフィ・チュチロヴァ (ソプラノ) ヴィルニュス四重奏団
 弦楽四重奏曲第1番 (1979)  ヴィルニュス四重奏団
 祈りの交響曲 (Maldu simfonija) (2000) (弦楽オーケストラのための)
  リトアニア室内管弦楽団 サウリュス・ソンデツキス (指揮)

◇ヴィータウタス・ラウルシャス Vytautas Laurusas (b.1930) は現代リトアニアを代表する作曲家のひとり。リトアニア国立音楽院でイリュス・ユゼリューナス Julius Juzeliunas (b.1916) に作曲法を学んだ。創作スタイルは、伝統的な後期ロマンティシズムの第1期 (1956年から1969年まで)、新しい技法 (十二音 (dodecaphony)、アレアトリー (aleatoric/aleatory)、ソノリズム (sonoristic/sonorism)) による第2期 (1980年代終わりまで)、ふたつのスタイルを融合させる第3期 (1990年代以降) の3つに分けられるが、一貫して、劇的、表現的な音楽がめざされる。《祈りの交響曲》の、多様な語法による、内省、高揚、苦悩と瞑想の音楽はラウルシャスの近年の作風を明確に示す作品。《弦のための協奏曲》では、2つのヴィオラが対話。抒情と劇的な緊張が並列する。弦楽四重奏曲第1番は彼の室内楽作品のなかでもっとも演奏されることの多い作品。第2楽章《アンダンテ》は彼の作品に流れる、抑制された抒情の代表。この曲と《声と弦楽四重奏のための協奏曲》は1988年にボストンの "Making Music Together" フェスティヴァルで演奏された。ボストン・ヘラルド紙は、協奏曲について、「自分の歩む方向を信じることから生まれた、好感を与える、無理のない表現力をもった作品」 (1988324日) と評した。[LMIPCCD016 ブックレットから] (デザイナーの希望により、A5変形サイズのブック (17ページ) にCDを収めるスタイルの装丁)

Marco Polo 8.225255 ハンス・クリスチャン・ロンビ (1810-1874) 管弦楽作品集 第7集
 ジュリエット・ギャロップ モーラー・ポルカ=マズルカ マク・マオン行進曲 幻想曲《霧の絵》
 ポルカ《ハンブルクの思い出》 カタリーナ・ワルツ ダイアナ・ギャロップ パ・ド・ドゥ《ラ・ポロネーズ》
 ワルツ《イェニー・リンドの思い出》 ヴェネツィア帰営太鼓ポルカ 性格的な舞曲《舞踏室の残響》
 北欧同盟ギャロップ
  ティヴォリ交響楽団 デイヴィッド・リデル (指揮)

nosag CD2081 2CD's イローナ・ヤーンキ・プラーダ、1965年−1982年演奏会録音集
JS・バッハ (1685-1750) イタリア協奏曲 BWV971  [録音 1965年]
ヨハネス・ブラームス (1833-1897) ピアノソナタ ヘ短調 作品5  [録音 1979年]
ロベルト・シューマン (1810-1856) ピアノソナタ第1番 嬰ヘ短調 作品11  [録音 1982年]
フレデリク・ショパン (1810-1849) ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58  [録音 1977年]
 バラード第1番 ト短調 作品23  [録音 1977年]
 バラード第2番 ヘ長調 作品38  [録音 1979年]
 バラード第3番 変イ長調 作品47  [録音 1979年]
セルゲイ・プロコフィエフ (1891-1853) ピアノソナタ第8番 変ロ長調 作品84  [録音 1972年]
  イローナ・ヤーンキ・プラーダ (ピアノ)

◇イローナ・ヤーンキ・プラーダ Ilona Jánki Práda はルーマニア、トランシルヴァニアのハンガリー系家庭の生まれ。コルトーの弟子、エリサ・チオラン Elisa Ciolan に師事した。ピアノ教師、室内楽奏者として活動を始めた後、1961年国際ジェルギー・エネスク・コンペティションへの参加をきっかけに独奏者としてのキャリアをスタートさせるが、政治的状況のせいで国際舞台への登場は阻まれた。現在はスウェーデン在住。娘のキンゴ・プラーダ・サグヴィーク (nosag レコードのオーナー、作曲家ステラン・サグヴィークの妻、フルート奏者) との共演するモーツァルトの録音が予定されている。このアルバムは1965年から1982年にかけてのライヴ録音を集めたもの。録音条件の悪い音源は可能な限りディジタル技術によって修復されている。

Rondo RCD8374 WA・モーツァルト (1756-1791) セレナード第10番 変ロ長調 K375 《グラン・パルティータ》
  デンマーク木管八重奏団

Simax PSC1214 ルードヴィーグ・マティアス・リンデマン (1812-1887) オルガン作品集
 コラール「わが終わりの近きをだれぞ知らん」による変奏曲
  (Variasjoner til Choralen: Hvo veed, hvor nær mig er min ende)
 戴冠式行進曲 (Kroningsmarsj)
 B-A-C-H の名による3つのフーガ (Tre Fuger over Navnet BACH)
 コラール「ただ愛する神の摂理にまかす者」による変奏曲
  (Variasjoner til Choralen: Hvo ikkun lader Herren raade)
  コーレ・ノールストーガ (オルガン) [オスロ大聖堂の主オルガン (Ryde & Berg 1998)]

◇リンデマン一家はノルウェー音楽史上重要な役割を果たした。ルードヴィーグ・マティアスの父、オーレ・アンドレアス・リンデマン Ole Andreas Lindeman (1769-1857) は当時のノルウェーを代表するオルガニストで、ノルウェーの教会での公式演奏が認められたコラール本の作者でもある。ルードヴィーグ・マティアス・リンデマン Ludvig Mathias Lindeman (1812-1887) は、音楽教育を受けた後、神学を学ぶためトロンハイムからオスロに移ったが、音楽の道を選ぶ。1883年には兄弟でオルガン学校を設立。これがノルウェー音楽アカデミーの基礎となった。ヴァルドレス地方、テレマーク地方など各地の民謡を蒐集し、その研究と著書は、グリーグのピアノ作品など、その後のノルウェー音楽に大きな影響を与える。「ランスター賛美歌集 (Landstad hymner)」 の編纂にも携わった。1860年のオスロ大火で手稿譜の多くが失われたため、作曲家としての業績を知る術は限られるが、このディスクで演奏されたオルガン曲は、彼が対位法の優れた技術をもっていたことを示す。コーレ・ノールストーガ Kå re Nordstoga (b.1954) はオスロ大聖堂のオルガニスト。リズミカルな推進力のある演奏と卓越した技術が特色。JS・バッハの《トッカータとフーガ》集 (Simax PSC1152) は2001年ノルウェー・グラミー賞にノミネートされた。[PSC1214 プレスシートから]

Simax PSC1229 ビャーネ・ブルースター (1895-1978) ヴァイオリンのための作品集
 悪魔の組曲 (Fanitulsuite) (1946)
  幻想 (Hildring) 妖怪が弾く (Huldrespill) 動く死人 (Likferd) 悪魔 (Fanitul)
 ヴァイオリンソナタ第3番 (1956)
 お伽噺組曲 (Eventyrsuite) (1932)
  自然と妖怪 (Natur og hulder) ヴェスレフリク (Veslefrikk) 歌 (Sull)
  トロルの粉ひき場 (Trollkvenna)
 4つのカプリッチョ (4 capricci) (1931) (ヴァイオリンとヴィオラのための)
  ソルヴェ・シーゲルラン (ヴァイオリン) ラーシュ・アネシュ・トムテル (ヴィオラ)

◇ビャーネ・ブルースター Bjarne Brustad (1895-1978)20世紀ノルウェーの主要作曲家のひとり。ヴィオラ奏者として、オスロ・フィルハーモニックに19年間在籍。第2次大戦後、ノルウェー音楽の発展に尽くした功績は高く評価されている。作曲者としての知名度は高いとは言えなかったが、アメリカ生まれのヴァイオリニスト、カミラ・ウィックス Camilla Wicks (b.1928) がヴァイオリン協奏曲第4番と独奏曲を演奏したことから、注目を集めるようになる (協奏曲は1968328日のオスロ・フィルハーモニックとのライヴ録音がCD化された (Simax PSC1185))。《悪魔の組曲 (Fanitulsuite)》と《お伽噺組曲 (Eventyrsuite)》はノルウェーの民俗音楽と民話の影響を受けた作品。自由調性による第3番のソナタはモダンな作風にもかかわらず、カンタービレの音楽も。ソルヴェ・シーゲルラン Sølve Sigerland (b.1969) はグリーグ三重奏団のヴァイオリニスト。ソロイストとしても活躍する。[PSC1229 プレスシートから]

Sonor (Niente) SONCD9004
トマス・テレフセン (1823-1874) チェロソナタ 変ホ長調 作品21
 チェロとピアノのための3つの小品
  子守歌 (Berceuse) 楽しいリフレーン (Joyeux Refrain) 谷間で (Dans la Vallée)
フレデリク・ショパン (1810-1849) チェロソナタ ト短調 作品65
  オイヴィン・ギムセ (チェロ) ホーヴァル・ギムセ (ピアノ)
  [録音 200147日−9日 ガムレ・ローゲン (オスロ)]
  [制作 ゲイル・インゲ・ルーツボルグ 録音 ヨルゲン・トレーエン]

◇トマス・デューケ・アクラン・テレフセン Thomas Dyke Ackland Tellefsen (1823-1874) はトロンハイム生まれの作曲家、ピアニスト。オーレ・アンドレアス・リンデマン Ole Andreas Lindeman (1769-1857) と父、オルガニストのヨハン・クリスチャン・テレフセン Johan Christian Tellefsen (1774-1857) のもとでバロック音楽の素養を身につけた後、フランスに渡る。ショパンの愛弟子のひとり。ピアニスト、室内楽奏者、ピアノ教師、作曲家としてパリの音楽界に地位を築いた。

オイヴィン・ギムセ Øyvind Gimse (b.1968) とホーヴァル・ギムセ Håvard Gimse (b.1966) は兄弟。ホーヴァルはグリーグ賞 Grieg-Prisen (1996年) を受賞するなど、ノルウェーを代表するピアニストとして人気も高まってきた。シベリウス作品集 (Naxos 8.553899, 8.554808, 8.554814)、ゲイル・トヴェイトのピアノ協奏曲 (Naxos 8.555077, 8.555761) が代表的録音。オイヴィンはノルウェー室内管弦楽団、トロンハイム交響楽団 (首席チェリスト) を経て、現在はトロンハイム・ソロイスツ副芸術監督、トロンハイム音楽院のチェロと室内楽の教授。テル・ユング六重奏団のメンバーとして、クヌート・ヴォーゲの "Hexa" (Hemera HCD2939) の録音にも参加した。

私的に (Niente レーベル) 制作されたディスクが、Sonor レーベルの1枚としてリリースされる

Vest Norsk Plateselskap VNP2002-0057 ハンサ四重奏団
シェティル・ヴォスレフ (b.1939) クラリネット五重奏曲 (1982)
スヴェッレ・ベルグ (1915-1980)
 ノルドロークの主題によるエピグラム (Epigrammer etter et motiv av Nordraak) (1973)
  (弦楽四重奏曲第2番)
ケンネト・シヴェットセン (b.1961) 石の庭 (Steingarten) (1991)
  ラース・クリスチャン・ブリニルセン (クラリネット)
  ハンサ四重奏団
   リカルド・オドリオソーラ (ヴァイオリン) アンネ=ヘルガ・マッティンセン (ヴァイオリン)
   ヘルガ・ステーン (ヴィオラ) ヴァルテル・ハイム (チェロ)
  [録音 20001211日−13日、2001421日 (ヴォスレフ) ストゥーレトヴェイト教会]
  [制作 リカルド・オドリオソーラ、ハンサ四重奏団、ラース・クリスチャン・ブリニルセン、ヤン・ホーヴデン]
  [録音 ヤン・ホーヴデン]

◇リカルド・オドリオソーラ Ricardo Odriozola (b.1965) はスペイン生まれ。現在はベルゲン (ベルゲン大学音楽学部グリーグ・アカデミー) を拠点に活動を行い、ヴァイオリニスト、指揮者、作曲家として北欧の音楽シーンに欠かせないミュージシャンのひとりに数えられる (デンマークの作曲家モーエンス・クリステンセン Mogens Christensen (b.1955) の室内楽作品 (Paula PACD66, PACD86, PACD96, PACD110, PACD112) が代表的録音)。現代ノルウェーの音楽を積極的に紹介しているハンサ四重奏団 Hansakvartetten も彼の活動の場のひとつ (アンネ=ヘルガ・マッティンセン Anne-Helga Martinsen、ヘルガ・ステーン Helga Steen、ヴァルテル・ハイム Walter Heim はベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団の奏者)。このディスクでは、活発な活動をし、成功を収めながらも、ノルウェーがヨーロッパの周辺に位置するという理由で、国際的な本流から遠い作曲家たちの作品がとりあげられた。

 シェティル・ヴォスレフ Ketil Hvoslef (b.1939) は、20世紀ノルウェーを代表する作曲家ハーラル・セーヴェルー Harald Sæverud (1897-1992) の子という立場にありながら (40歳の誕生日から母方の姓に)、父親の音楽から距離をおき、独自の声をもった、個性的な音楽を発表しつづける。生気にあふれ、機知に富んだ彼の音楽は、“おもちゃ箱をひっくり返したような” とも、“思わず椅子から身を乗り出してしまう” とも言われてきた。クラリネット五重奏曲もヴォスレフの音楽の典型。踊るようなクラリネットの旋律で曲が始まり、予期しない音楽が展開する。深い内面性もあわせもった、ヴォスレフの最も重要な室内楽作品。

 スヴェッレ・ベルグ Sverre Bergh (1915-1980) の《ノルドロークの主題によるエピグラム (Epigrammer etter et motiv av Nordraak)》は、リカルド・ノルドローク Rikard Nordraak (1842-1866) のメランコリックな主題を提示する《前奏曲 (Preludium)》 (第1楽章)、5つの変奏曲、《終曲 (Finale)》 (第7楽章) から構成される。ヴォスレフの音楽にも通じるユーモアと活力、そして瞑想の気分 (第5楽章) が特徴的な約13分の短い作品。

 ケンネト・シヴェットセン Kenneth Sivertsen (b.1961) は、クラシカル、ジャズからロック、ポップスまで、ノルウェーのさまざまな音楽シーンで活躍するミュージシャン。《石の庭 (Steingarten)》は5つの楽章からなる弦楽四重奏のための大作 (演奏時間、約37分)。シリアスな表情と親しみを感じさせる音楽の対比がユニークで、終曲の第5楽章は、JS・バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンへのオマージュとも。モーツァルトの歌曲《春への憧れ》が引用される。

 ヴォスレフの曲のクラリネット奏者、ラース・クリスチャン・ブリニルセン Lars Kristian Brynildsen はベルゲン・フィルハーモニックのソロ・クラリネット奏者。ベルゲン管楽五重奏団のメンバーでもある。

Warner Apex 2564-60114-2 ジャン・シベリウス (1865-1957) ピアノ作品集
  エーロ・ヘイノネン (ピアノ) [Finlandia 8573-80776-2]

Warner Apex 2564-60115-2 エルッキ=スヴェン・トゥール (b.1959)
 交響曲第2(1986-87) (管弦楽とテープのための)
  ソ連文化省交響楽団 パウル・マギ (指揮) [Finlandia 4509-95579-2]
 灯台 (Lighthouse) (1997)
  オストロボスニア室内管弦楽団 ユハ・カンガス (指揮) [Finlandia 3984-29718-2]
 アーキテクトニクス III (Architectonics III) 《ポストメタミニマルの夢 (Postmetaminimal Dream)
  (1990) (室内アンサンブルのための)
 アーキテクトニクス IVPer Cadenza ad Metasimplicity(1990)
  (バスーン、サクソフォーン、ヴァイオリンとシンセサイザーのための)
  NYYD アンサンブル [Finlandia 3984-26811-2]
 コンヴェルシオ (Conversio) (1994) (ヴァイオリンとピアノのための)
  ギドン・クレーメル (ヴァイオリン) ヴァディム・サハロフ (ピアノ) [Teldec 0630-14654-2]


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CD artwork © NMA, Simax/Grappa (Norway)