Newsletter No.61   28 November 2003

 

内なる声 (Voces Intimae)

 シベリウスが、作品番号のついた唯一の弦楽四重奏曲の作曲にとりかかったのは1908年の終わり、音詩《夜の騎行と日の出》を完成させた直後のことでした。この時期シベリウスは、さまざまな個人的問題に直面していました。ヘルシンキで初演された交響曲第3番をイギリス初演した後で見つかった喉の腫瘍の手術、それにともなう禁煙と禁酒、相変わらずかさむ負債、フィンランド音楽界の中心にいるという重い責任……。42歳のシベリウスが“死と生”を強く意識した時期と考えられます。

 シベリウスがこの時期に弦楽四重奏曲を書いたことについて、音楽学者のキンモ・コルホネン Kimmo Korhonen は、前年の1907年に発表された第3番の交響曲と、この四重奏曲が完成させてから本格的に作曲にとりかかった第4番に関連づけて説明しています。交響曲第3番の作曲にあたり、シベリウスは古典主義の音楽に立ちかえりました。モーツァルトやベートーヴェンの音楽をあらためて研究することにより、外見の立派さより内面の充実した音楽表現の確立をめざしたためです。第1番や第2番の交響曲にくらべて編成も小さく、主題の旋律もロマンティックでなく、簡素。しかし、展開と運びは大胆。ある意味で、シベリウスがとった語法は室内楽のそれに近いとも言えます。第3番を完成させ、新しく踏み出した道を先に進むにあたり、若い時代に手がけたことのある弦楽四重奏曲というジャンルにシベリウスが創作意欲をかきたてられたのは当然でしょう。

 弦楽四重奏曲ニ短調は5楽章からなります。第1楽章《アンダンテ》、第2楽章《ヴィヴァーチェ》、第3楽章《アダージョ・ディ・モルト》、第4楽章《アレグレット (マ・ペザンテ)》、第5楽章《アレグロ》。第1楽章と第2楽章は、切れ目なしに (アタッカ) 演奏されること、第2楽章のモチーフが第1楽章の第2主題と関連があることから、事実上、ひとつの楽章と考えることもできます。実際、シベリウスは第2楽章のことを日記のなかで “osana 1 1/2 (1楽章 2分の1)” と呼んでいます。シベリウスは後に第5番の交響曲の最終稿で、初稿で2つに分かれていた楽章 (テンポ・トランクイッロ・アッサイ、アレグロ・コンモード) をひとつにして、それを新たな第1楽章としました。交響曲、ないし交響的思考を追求した結果、その形になりました。シベリウスにとって交響曲の究極の姿を探ることが目標だっただけに、この弦楽四重奏曲にその思考の一端が見られるというのは重要なことです。

 この弦楽四重奏曲の中心となるのは第3楽章です。慰め、回想……さまざまな気分に彩られています。もとは弦楽四重奏曲ニ短調とだけ呼ばれていたこの作品に "Voces Intimae" という副題がつけられたのは、この第3楽章に由来します。

 第3楽章はニ短調で始まります。まもなくヘ短調に転調しますが、この間、調性が微妙に変化します。揺れ動く心の内の表現を意図したものかもしれません。そして、第20小節のおわりで E flat major chord (変ホの長和音) が奏された後、指定は “ピウ・アダージョ” に変わり、休符をはさんで E minor chord (ホの短和音) が3つ、弱く響きます。不思議なやすらぎの訪れ。シベリウスがもっていた研究用スコア (ポケットスコア) のこの第21小節と第22小節のところに "Voces Intimae" という書き込みを見つけたのは、シベリウス研究家、ニルス=エーリク・リングブム Nils-Eric Ringbom です。シベリウスの耳に届いた、内面の奥深いところから聞こえてくる、低い声。この声の後、音楽は束の間、高揚します。そして、瞑想の世界へ……。

 この楽章につづくのは“重い (ペザンテ)”アレグレットと、アレグロのフィナーレ。これまでの楽章と同じく、交響曲を思わせる重みが支配的です。そして、ヴァイオリンとチェロの対話から始まったこの音楽の展開すべてを、ニ短調の主和音2つがフォルテッシモで決然と締めくくります。

 シベリウスは、完成した曲を “死の床にあってさえ、ニコリとしてしまうような” 作品と考え、妻アイノにそう書き送りました。自己批判の強さで知られる作曲家だけに、かなりの自信があったのでしょう。この作品の後、歌曲、ピアノ曲、《イン・メモリアム (葬送音楽)》、劇「死 (クオレマ)」のための追加の2曲などを書いたシベリウスは、7曲の交響曲のうちもっとも個人的な性格をもった第4番で、さらに簡潔な音楽を完成させることになります。

 この弦楽四重奏曲の最新録音 (cpo 999 977-2) を行ったのはオスロ弦楽四重奏団 Oslo Strykekvartett です。ゲイル・インゲ・ロツベルグ Geir Inge Lotsberg (b.1969)、ペール・クリスチャン・スカルスタード Per Kristian Skalstad (b.1972)、アーレ・サンバッケン Are Sandbakken (b.1967)、オイスタイン・ソンスタード Øystein Sonstad (b.1970)。ベルゲン・フィルハーモニック、ノルウェー国立オペラ管弦楽団、オスロ・フィルハーモニック、トロンハイム・ソロイスツで首席、副首席奏者を務める若いミュージシャン4人が集まって、1991年に結成されました。コンサート活動を活発に行い、ベルゲン国際音楽祭には常に参加しています。

 彼らが行った初めてのCD録音はグリーグとヨハンセンの弦楽四重奏曲 (Naxos 8.550879)。その後ニューステット (Simax PSC1114)、 ニルセンの4(Naxos 8.553907, 8.553908) など、少しずつ録音の数も増えています。最近、スヴェンセンの四重奏曲と五重奏曲 (第2ヴィオラはヘンニング・クラッゲルード) (cpo 999 858-2) がリリースされました。1997年録音のニルセンの変ホ長調とヘ長調のディスク (8.553907) について、ロバート・レイトン Robert Layton は、「気持ちがいいくらい率直で、活力と気迫に満ち……誇張した表現を押しつけることなく、気持ちをはっきりと表に出す。強弱の指定を正確に守りながらも楽譜にあることを見せつけようとはせず、音楽の求めるところに沿った献身的な演奏」と評しています (Gramophone August 1999)

 このディスクでは、シベリウスの曲といっしょに、フーゴ・ヴォルフ (1860-1903) の《セレナード ト長調 (イタリア風セレナード)》 とアルバン・ベルク (1885-1935) の《抒情組曲》が演奏されています。ヴォルフの曲は、敵を作ることで有名だった彼が指揮者のハンス・リヒターと険悪な関係になったころの作品。創作の場でも躁鬱を繰りかえしていた時期ではなかったでしょうか。ベルクの《抒情組曲》にはツェムリンスキーの《抒情交響曲》とヴァーグナーの《トリスタンとイゾルデ》からの引用があり、彼が私的に持っていた楽譜の終曲の部分には、演奏する際の指示として、ドイツ語に訳された、ボードレールの詩集「悪の華」の 『De profundis clamavi (深き淵より汝を呼ぶ)』 が記入されていると言われます。また、ベルクは曲のインスピレーションを不倫の恋から得たとされるなど、どちらの作品も曲名から想像されるほど軽くなく、内的な衝動に駆られて作曲された音楽です。このディスク、アルバムタイトルも "Voces Intimae" です。

 "Voces Intimae"。シベリウスのニ短調の弦楽四重奏曲を呼ぶ、このラテン語の副題は、一般的には “親愛なる声” とされています。"Voces" が “声” (複数形)、“親愛なる” が "Intimae" (英語の形容詞 "intimate") の訳語のひとつなので、まずは問題がないかもしれません。しかし、"intimae" には “内なる” という訳語もあります。シベリウスが書いた音楽を考えると、この曲には “内なる声” のほうがふさわしいのではないか。わたしはそう考えます。

(TT)

cpo 999 977-2
ジャン・シベリウス (1865-1957) 弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56 《内なる声 (Voces Intimae)
フーゴ・ヴォルフ (1860-1903) セレナード ト長調 (1887) (イタリア風セレナード)
アルバン・ベルク (1885-1935) 抒情組曲 (1925-26)
  オスロ弦楽四重奏団

ゲイル・インゲ・ロツベルグのディスク

Pro Musica PPC9035 エドヴァルド・グリーグ (1843-1907) ヴァイオリンソナタ全集
  ゲイル・インゲ・ロツベルグ (ヴァイオリン) アイナル・ステーン=ノクレベルグ (ピアノ)

Afontibus ATB-CD1&2  J・S・バッハ (1685-1750) 6つのヴァイオリンソナタ BWV1014-1019
  ゲイル・インゲ・ロツベルグ (ヴァイオリン) コーレ・ノールストーガ (オルガン)

Afontibus ATB-CD3 カール・ニルセン (1865-1931)
 ヴァイオリン独奏、ヴァイオリンとピアノのための作品集
  ゲイル・インゲ・ロツベルグ (ヴァイオリン) ホーヴァル・ギムセ (ピアノ)

ペール・クリスチャン・スカルスタードのディスク

2L 2L16 ヨハン・ハルヴォシェン (1864-1935) ヴァイオリンとピアノのための作品集
 組曲 ト短調 エレジー モザイク組曲 老いた漁夫の歌 気分の描写
  ペール・クリスチャン・スカルスタード (ヴァイオリン) トゥール・エスペン・アスポース (ピアノ)

 

リリース情報

BIS CD1147 WA・モーツァルト (1756-1791) (ヨハン・ネーポムク・フンメル (1778-1837) 編曲)
 ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466 ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K503
  白神典子 (ピアノ) ヘンリク・ヴィーゼ (フルート) ペーター・クレメント (ヴァイオリン)
  ティボール・ベーニ (チェロ)

BIS CD1203 サクソフォーン四重奏のための協奏曲集
アンデシュ・ニルソン (1954-)
 合奏協奏曲 (Concerto grosso) (1995) (サクソフォーン四重奏と管弦楽のための)
シェティル・ヴォスレフ (1939-) サクソフォーン四重奏と管弦楽のための協奏曲 (1996)
ヨウニ・カイパイネン (1956-)
 春の協奏曲《春分から夏至へ》 (Vernal Concerto, From Equinox to Solstice) 作品53 (1996)
  ラシェール・サクソフォーン四重奏団
  スウェーデン室内管弦楽団 ペッテル・スンドクヴィスト (指揮)

BIS CD1332 冬の歌
カール・ニルセン (1865-1931) 木管五重奏曲 FS100 作品43
アルヴォ・ペルト (1935-) 小五重奏曲 作品13
ペーテリス・ヴァスクス (1946-) なき友に捧げる音楽 (1982)
エルッキ=スヴェン・トゥール (1959-) アーキテクトニクスI (Architectonics I) (1984)
ブレット・ディーン (1961-) 冬の歌 (1994/2000)
  ベルリン・フィルハーモニー木管五重奏団 ダニエル・ノーマン (テノール)

BIS CD1337/1338 2CD's ゲイル・トヴェイト (1908-1981)
  (アレクセイ・リュブニコフ、コーレ・ディヴィーク・フースビ 復元)
 象徴劇《バルドゥルの夢 (Baldurs draumar)(1935/38)
  
ソールヴェイ・クリンゲルボルン (ソプラノ) ウルフ・オイエン (テノール)
  マグネ・フレンメルリード (バス) ヨン・アイケモ (朗読) スタヴァンゲル交響楽団
  オーレ・クリスチャン・ルード (指揮)
ゲイル・トヴェイト (1908-1981)
 カンタータ《テレマーキン (Telemarkin)(1974) (独唱、朗読、ハリングフェレと管弦楽のための)
  トリーネ・ヴィーエン (メッツォソプラノ) アルヴェ・モーン・ベルグセット (ハリングフェレ)
  ヨン・アイケモ (朗読) スタヴァンゲル交響楽団 オーレ・クリスチャン・ルード (指揮)

◇ノルウェーの作曲家ゲイル・トヴェイト Geirr Tveitt は、《ハルダンゲルの100の民謡》やピアノ協奏曲、あるいはハリングフェレ協奏曲により名前が知られるようになってきた。「エッダ (Edda)」のエピソードによる大規模な象徴劇 (バレエ) 《バルドゥルの夢 (Baldurs draumar)》 は不幸な歴史をたどった作品。1935年にピアノ版が作曲され、ライプツィヒで初演。別に管弦楽版も作曲され、1938年にオスロで初演された。コペンハーゲンとパリ (組曲版) でも演奏された後、管弦楽版の楽譜はロンドンのコヴェントガーデンの振付師のもとに送られたが、運悪く第2次世界大戦が勃発して、楽譜の追跡は不可能になる。トヴェイトはピアノ編曲版の楽譜により3つの断章を復元、《太陽神交響曲 (Solgud-symfonien)》として1958年に初演されるが、1970年にトヴェイト家が火災に見舞われ、その楽譜も焼失してしまう。この3つの断章は、1999年に作曲家コーレ・ディヴィーク・フースビ Kaare Dyvik Husby (b.1969) と学生たちの手で復元された (BIS CD1027)。その数年前、トヴェイト家はロシアの作曲家リュブニコフにバレエ全曲の復元を依頼していた。火災にあった楽譜や1938年の録音に基づく作業が行われ、完成した作品は、2002年ベルゲンの国際フェスティヴァルであらためて初演された。

BIS CD1347 フレデリック・ディーリアス (1862-1934) (ピーター・ウォーロック (1894-1930) 編曲)
 春を告げるかっこうを聞いて 川辺の夏の夜 夏の庭で 夜明け前の歌 北国のスケッチ
 ダンスラプソディ第1番 ダンスラプソディ第2番
  小川典子 (ピアノ) キャスリーン・ストット (ピアノ)

◇《カプリオール組曲》の作曲者ウォーロック Peter Warlock によるピアノデュオ編曲版の世界初録音。

BIS CD1378 アレクサンドル・グラズノフ (1865-1936)
 交響曲第4番 変ホ長調 作品48 交響曲第8番 変ホ長調 作品83
  BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 尾高忠明 (指揮)

BIS CD1409 スウェーデン聖歌集
  ラハティ交響楽団 オスモ・ヴァンスカ (指揮)

BIS CD1413 サムイル・フェインベルク (1890-1962) ピアノソナタ集
 ピアノソナタ第1番 作品1 ピアノソナタ第4番 作品6 ピアノソナタ第5番 作品10
  ニコラオス・サマルタノス (ピアノ)
 ピアノソナタ第2番 作品2 ピアノソナタ第3番 作品3 ピアノソナタ第6番 作品13
  クリストフ・シロドー (ピアノ)

BIS CD1455 17世紀イギリスのトリオソナタ集
オルランド・ギボンズ (1583-1625) 3声のファンタジー (3曲)
ジョン・コプラリオー (?c.1570/80-1626) ファンタジア組曲
ウィリアム・ローズ (1602-1645) コンソート組曲 (Sett)1
ジョン・ジェンキンズ (1592-1678) ファンシーとエア 3声のファンタジア
マシュー・ロック (1621/2-1677) 組曲 ニ短調
クリストファー・シンプソン (c.1605-1669) 組曲 ニ長調
ジョン・ブロウ (1649-1708) ソナタ イ長調 グラウンド ト短調
ヘンリー・パーセル (c.1659-1695) ソナタ第20番 ニ長調
  ロンドン・バロック

BIS-NL CD5020 マイ・ラヴ
ジャコモ・ロッシーニ (1792-1868) オペラ《セヴィリャの理髪師》 − 今の歌声は
ジョルジュ・ビゼー (1838-1875) オペラ《カルメン》 − ハバネラ セギディーリャ
モーリス・ラヴェル (1874-1937) ハバネラ形式のヴォカリーズ・エチュード
ミシェル・ルグラン (b.1932) おもいでの夏 (Summer of '
42)
WA・モーツァルト (1756-1791)
 オペラ《フィガロの結婚》 − 自分で自分がわからない 恋の悩みを知る君は
 ラウラに寄せる夕べの想い K523
フランツ・シューベルト (1797-1828) 星 D684 春に 野ばら D257 万霊節の日のための連祷 D343
デューク・エリントン (1899-1974) Heaven Come Sunday Almighty God
ニルス・リンドベリ (b.1933)
 Shall I compare thee to a summer's day (きみを夏の一日にくらべたらどうだろう)
ブー・ニルソン (b.1937) マヨラナのワルツ (Vals i mejram) 紅色の秋 (Röda höst)
 Det finns ju faktiskt telefon (もちろん電話は本当だ)
  マレーナ・エルンマン (メッツォソプラノ) マッツ・ベリストレム (ギター)
  マグヌス・リンドグレン (フルート、クラリネット) ハンス・バッケンロート (ダブルベース)

BIS-NL CD5024 オルフェイ・ドレンガルのカプリース 第4集 (1982年−1986年)
 ダニエルソン、グレゴリオ聖歌、パーセル、チャイコフスキー、ヴェルディ、ビートルズ、
 ポール・アンカらの作品
  オルフェイ・ドレンガル (OD) エーリク・エーリクソン (指揮) 他

dacapo 8.224210 オーレ・シュミット (b.1928) 弦楽四重奏曲集 第1
 弦楽四重奏曲第1(1954) 弦楽四重奏曲第2番 弦楽四重奏曲第4
 弦楽四重奏曲第7(2002)
  コントラ四重奏団

◇ニルセンの交響曲全集などの録音で知られる指揮者オーレ・シュミット Ole Schmidt は作曲者として金管楽器のための音楽をはじめ多くの曲を書いている。弦楽四重奏曲シリーズ第1集の作品ではバルトーク (第1番) やルトスワフスキ (第7番) の影響が見られる。

EMI Classics 7243-585532-2 2CD's Gemini ジャン・シベリウス (1865-1957)
 春の歌 (Kevätlaulu) 作品16 交響詩《レンミンカイネン (Lemminkäinen)》作品22
 ロマンス ハ長調 作品42 音詩《森の精 (Dryadi)》作品45-1
 舞踏間奏曲 (Tanssi-intermezzo) 作品45-2
 パンとエーコー (Pan ja kaiku) (舞踏間奏曲第3番) 作品53a
 イン・メモリアム (In memoriam) (葬送行進曲) 作品59 カンツォネッタ (Canzonetta) 作品62a
 ロマンティックなワルツ (Valse romantique) 作品62b
 かわいい組曲 (Suite mignonne) 作品98a 田園組曲 (Suite champêtre) 作品98b
 劇音楽《テンペスト (Stormen)》 序曲 作品109-1 劇音楽《テンペスト》 組曲第1番 作品109-2
 劇音楽《テンペスト》 組曲第2番 作品109-3 アンダンテ・フェスティーヴォ (Andante Festivo)
  ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団 サー・チャールズ・グローヴズ (指揮)

◇初CD化。

Fuga FUGA9154 オマージュ (Hommage) − 作曲家自作自演ピアノ作品集
オスカル・メリカント (1868-1924)
 スケルツォ ハ長調 作品6-4 [録音 1908Gramophone 285502]
 即興曲 変ホ長調 作品44-2 [録音 1906Gramophone 85520]
  オスカル・メリカント (ピアノ)
セリム・パルムグレン (1878-1951)
 舟歌 (Barcarole) 作品14 五月の夜 (Toukokuun yö) 作品27-4 [録音 1938Odeon RA228926]
 Päivänpaistetta kyynelten läpi (1946) [録音 195047YLE]
  セリム・パルムグレン (ピアノ)
イルマリ・ハンニカイネン (1892-1955)
 夕べ (Ilta) 作品4-3 ガヴォット (Gavotti) 作品25-2 [録音 1954Fennica ST7]
 泉のほとりで (A la fontaine/Suihkulähteellä) 作品12-2 [録音 1950-55YLE]
  イルマリ・ハンニカイネン (ピアノ)
エルンスト・リンコ (1889-1960)
 
Valse gracieuse
(優雅なワルツ) タンゴ (Tango) [録音 1929Columbia 17809]
 ソナティナ第1番 ロ長調 作品23-1 (1935) [録音 1956Fennica ST7]
 Hommage à Domenico Scarlatti (ドメニコ・スカルラッティへのオマージュ) 作品12 (1924)
  [録音 1954YLE]
  エルンスト・リンコ (ピアノ)
ヨーナス・コッコネン (1921-1996) ソナティナ (1953)  [録音 1957YLE]
  ヨーナス・コッコネン (ピアノ)
エイナル・エングルンド (1916-1999) ソナティナ ニ短調 (1966)  [録音 1967315YLE]
  エイナル・エングルンド (ピアノ)

Fuga FUGA9159 フィンランディアホールのオルガン
JS・バッハ (1685-1750) (マルセル・デュプレ 編曲) カンタータ第29番 − シンフォニア
JS・バッハ (1685-1750) (エンシオ・フォシュブルム 編曲) イエスはわが喜び
ジャン・シベリウス (1865-1957) イントラーダ (Intrada) 作品111-1
オスカル・メリカント (1868-1924) 祈り (Rukous)
エイナル・エングルンド (1916-1999) パッサカリア (Passacaglia) (1971)
オスモ・ホンカネン (b.1964) Quasi tactus (1998)
レオニード・バシュマコフ (b.1927) オルガンと打楽器のための対話
ユリウス・ロイプケ (1834-1858) オルガンソナタ ハ短調 《詩篇94番》
  マルック・ヘイキンヘイモ (オルガン) マルック・ハンノラ (打楽器)

Fuga FUGA9196 ワルチング・マチルダ (Waltzing Matilda)
カレヴィ・キヴィニエミ (b.1958) 「ワルチング・マチルダ」による組曲 (即興演奏)
 クリスマスキャロルによる変奏曲 (即興演奏) ワイルド・マチルダ (即興演奏)
アントニーン・ドヴォルジャーク (1841-1904) (エドウィン・H・ルメア (1866-1934) 編曲)
 「新世界交響曲」のラルゴ
アルフレード・ルフェビュール=ウェイ (1817-1870) 演奏会用ボレロ 作品166
フリッツ・シュピンドラー (1817-1905) (カレヴィ・キヴィニエミ 編曲) 蝶々 作品66-2
リヒァルト・シュトラウス (1864-1949) 行列行進曲 (Parade-Marsch)
ジャン・シベリウス (1865-1957) 舟歌 (Barcarola) 作品24-10 鐘 (Carillon) 作品76-3
ピョートル・チャイコフスキー (1840-1893) (エドウィン・H・ルメア 編曲) 悲しい歌 作品40-2
ジョゼフ・ボネ (1884-1944) 英雄的なカプリース 作品7-12
ヒューバート・パリー (1848-1918) 悲歌
  カレヴィ・キヴィネミ (オルガン)
  [メルボルン・タウンホール (オーストラリア) のグランド・コンサート・オルガン]

Phaedra 92033 In Flanders' Fields Vol.33
ロデウィーク・モルテルマンス (1868-1952) 管弦楽作品集
 オペラ《海の子供たち (Kinderen der Zee/Children of the Sea)(1901-15)
  − 夜明けと日の出 (Dageraad en Zonsopgang)
  フランダース放送管弦楽団・合唱団 ゾルト・ハマリ (指揮) [録音 1999年 (ライヴ)]
 ミニヨン「君よ知るや南の国」 (Mignon "Kennst du das Land") (1906)
  ニーナ・ステンメ (ソプラノ) フランダース放送管弦楽団・合唱団 ゾルト・ハマリ (指揮)
  [録音 1988年]
 交響詩《朝の気分 (Morgenstemming)(1922) 交響詩《ヘリオス (Helios)(1894)
 イン・メモリアム (悲歌 I) (In Memoriam) (Elegy I) (1917) 春の神話 (Mythe der Lente) (1895)
  BRTNフィルハーモニック管弦楽団 フェルナンド・テービィ (指揮) [録音 1988年]

◇ニーナ・ステンメ Nina Stemme はスウェーデンのソプラノ歌手。アードルフ・フレードリク音楽学校、ストックホルム・オペラスタジオ、オペラ大学 (ストックホルム) で学んだ。1994年バイロイト音楽祭に《ラインの黄金》のフリッカ役で参加。ヨーロッパ各地のオペラハウス、フェスティヴァルの舞台に立つ。元帥夫人 (ばらの騎士)、ゼンタ (さまよえるオランダ人)、マリー (ヴォツェック)、マルグリート (ファウスト)、イェヌーファ、エリーザベト (タンホイザー) などがこれからの計画に含まれており、2005年にバイロイトでイゾルデ役、2006年にはコヴェントガーデンでジークリンデを歌う予定。ドラマティックな歌唱が、《ミニヨン「君よ知るや南の国」》のロマンティックな音楽と美しく調和する。モルテルマンス Lodewijk Mortelmans (1868-1952) はアントワープ生まれの作曲家。主にピアノ曲、歌曲を書き、このディスクの管弦楽のための作品はヴァーグナー、シュトラウスの音楽を思わせる。

Phono Suecia (Musica Sveciae Modern Classics) PSCD713 グンナル・ド・フルメリ (1908-1987)
 田園組曲 (Pastoral svit) 作品13a (1933)(フルートとピアノのための)
 ピアノ三重奏曲第1番 作品7 (1932 rev.1975)
 4つの演奏会エチュード (Fyra konsertetyder) 作品28 (1943-56) (ピアノのための)
  パック (Puck) 雨 (Regnet) 変ロ短調 (B-moll) 嬰ハ短調 (Ciss-moll)
 ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 作品23 (1941/46)
  マッツ・ヴィードルンド (ピアノ) トビアス・カロン (フルート) ウルリカ・ヤンソン (ヴァイオリン)
  パスカル・シッフェルト (ヴィオラ) ウルリカ・エードストレム (チェロ)

20世紀前半のスウェーデン音楽を紹介する Musica Sveciae Modern Classics シリーズ、全23組のディスクの最終リリース。ラーション Lars-Erik Larsson、ヴィレーン Dag Wirén、エルランド・フォン・コック Erland von Koch らともに1930年世代を代表する作曲家グンナル・ド・フルメリ Gunnar de Frumerie の室内楽作品が収録された。ド・フルメリは、のびのびとし、はつらつとした個性の持ち主。音に対するイマジネーション豊かに、独自の響きの音楽を手にすることができた。ステーンハンマル Wilhelm Stenhammar (1871-1927) の音楽と北欧印象主義 (シェーグレン Emil Sjögren、ニューストレム Nystroem) をきわめて個性的なやり方で融合させ、ブラームスらのドイツ・ロマンティシズムとフランス印象主義でスパイスをきかせた音楽。ピアノのための音楽ではネオバロックとも呼べる生気が感じられる。[PSCD713 プレスシートから]

Sonor (Unidisc) SONCD5002 スカンディナヴィア・サウンド
オーレ・クリスチャン・サラテル (b.1928)
 スカンディナヴィア組曲 (Skandinavisk Suite)1
  《ハリングダールとハルダンゲルヴィッダ (Hallingdal og Hardangervidda)
  角笛の谷 (Horndalen) ハリング (Halling) ハルダンゲルヴィッダ (高原) (Hardanvervidda)
 スカンディナヴィア組曲第2
  《デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー (4つの北欧の印象) (DanFinSweNor, Fire nordiske inntrykk)
 レーヴァンゲル組曲 (Levanger-Suite) (サラテルの作品から (Salater Selection))
  虹の下にある町 (Byen under regnbuene) 海岸沿いの小道 (Sjøgata)
  真夜中に入り江で (Midnatt ved Sundet)
オーレ・クリスチャン・サラテル (b.1928) (ロバート・ファーノン (b.1917) 編曲)
 スカンディナヴィアの歌 (Song of Scandia) (美しきヴェルムランド (Ack Värmland du sköna))
  ラトヴィア国立交響楽団 テリエ・ミケルセン (指揮) ライモンズ・オゾルス (ヴァイオリン)
  アグネセ・ルゲヴィカ (チェロ) ヤニス・ジルベルス (ピアノ)

◇オーレ・クリスチャン・サラテル Ole Kristian Salater (b.1928) はノルウェー、レーヴァンゲル生まれの作曲家、ジャズミュージシャン。自らのオーケストラを率いて放送やエンターテインメントで活躍する。まるでフィルムスコアのような音楽を楽しむアルバム。

Warner Classics 2564-60294-2 4CD's midprice ジャン・シベリウス (1865-1957)
 交響曲第1番 ホ短調 作品39 交響曲第2番 ニ長調 作品43 交響曲第3番 ハ長調 作品52
 交響曲第4番 イ短調 作品63 交響曲第5番 変ホ長調 作品82 交響曲第6番 ニ短調 作品104
 交響曲第7番 ハ長調 作品105 音詩《フィンランディア (Finlandia)》 作品26 
 《カレリア (Karelia)》組曲 作品11 音詩《タピオラ (Tapiola)》作品112
 交響的幻想曲《ポホヨラの娘 (Pohjolan tytär)》作品49 音詩《吟遊詩人 (Bardi)》作品64
  バーミンガム市交響楽団 サカリ・オラモ (指揮)

 

リリース情報 Jazz

Caprice CAP21696 マグヌス・リンドグレン・カルテット (Magnus Lindgren Quartet)
 Holyem Seven Is Heaven The Game When You Go Ethnomore
 Softly As In a Morning Sunrise
(朝日のようにさわやかに) Sofia kom hem (帰っておいでソフィア)
 Blue Star (ブルースター) Caravan (キャラバン)
  マグヌス・リンドグレン・カルテット
   マグヌス・リンドグレン (テナーサックス、フルート、バスクラリネット)
   マティアス・アルゴットソン (ピアノ) フレードリク・ヨンソン (ベース) ユーナス・ホルゲション (ドラムズ)

◇マグヌス・リンドグレン Magnus Lindgren (b.1974) はスウェーデンでもっとも多才なジャズミュージシャンのひとり。ストックホルムの王立音楽大学 (1992年−1997年)でオリヤン・ファールストレム Örjan Fahlström に編曲と作曲を学び、1999年、"Jazz in Sweden" 受賞をきっかけにカルテットを率いてレコーディングデビューした "Way Out" (CAP21609) がスウェーデン・グラミー賞にノミネートされた。スウェーデン放送ジャズアンサンブルのために作曲、指揮した2作目のCD"Paradise Open" (CAP21646) はスウェーデン・グラミー賞とゴールデンレコード賞 (Gyllene Skivan) を受賞。このアルバムはスウェーデン放送 P2 の年間最優秀ジャズ録音、リンドグレンは年間最優秀ジャズ・アーティストに選ばれた。新しいディスクでは、リンドグレンたちのお気に入り、スタンダードナンバーの《朝日のようにさわやかに》 (オスカー・ハマースタイン二世、ジークムント・ロンバーグ) と《キャラバン》 (デューク・エリントン) も演奏されている。20036月、アトランティススタジオ (ストックホルム) での録音。[CAP21696 プレスシートから]

Rockadillo ZENCD2086 サカリ・クッコ − ヨウル (クリスマス) (Joulu)
 クリスマスイブ (Jouluilta) (ウーノ・クラミ 曲) 外が暗くなる (Jo joutuu ilta) (ジャン・シベリウス 曲)
 見よ、新しき喜びを (Katso ihme taivainen) (「ピエ・カンツィオーネス」)
 ユビラーテ (Jubilate) (ドミートリー・ボルトニャンスキー 曲)
 クリスマスの鐘 (Joulun kellot) (P・J・ハンニカイネン 曲)
 トントゥがいっぱい (Tonttuarmeija) (マルッティ・ヘラ 曲)
 クレータ・ハーパサロのクリスマスの歌 I (Kreeta Haapasalon joululaulu I)
 クレータ・ハーパサロのクリスマスの歌 II ほか
  サカリ・クッコ (サクソフォーン、フルート) サムリ・ミッコネン (ピアノ) ウッフェ・クルークフォシュ (ベース)
  ミカ・カッリオ (ドラムズ、ピアノ) バドゥ・ンジャイ (ギター) [録音 2003年 ヤルヴェンパー]

◇フィンランドの人たちのタンゴ好きは有名。夏至祭のパーティでは、大使夫妻が招待客の見守る中でタンゴを踊って見せた。そしてフィンランドの人たちはジャズも大好き。ペッカ・クーシストとラハティ交響楽団のコンマス、ヤーコ・クーシスト −− あの若手ヴァイオリニスト兄弟も、フィンランドの人気ジャズグループ、トリオ・トユケアットの録音セッションに参加して、素敵にスウィングしている。

フィンランドで人気のジャズ・サックス奏者、サカリ・クッコ Sakari Kukko の最新アルバムのタイトルは “ヨウル” (フィンランド語で “クリスマス”)。アルバムの素材は、フィンランド伝統のキャロルと中世の聖歌集「ピエ・カンツィオーネス」の歌、そしてフィンランドの作曲家たちが書いたクリスマスソング。シベリウスの「外が暗くなる」 (「5つのクリスマスの歌」(作品1) 第3曲)、PJ・ハンニカイネンの「クリスマスの鐘」、ヘイノ・カスキ、ウーノ・クラミ、アハティ・ソンニネン……。「ピエ・カンツィオーネス」の1曲、「見よ、新しき喜びを」は、シベリウスが合唱のために編曲し、親しまれている。クリスマスイヴになると、たくさんのキャンドルに灯がともり、家々からはそんなクリスマスソングが聞こえてくる。サカリ・クッコのサックス (そしてフルート) をフィーチャーしたクインテットが聴かせるフリージャズといっしょに、しっとりとしたムード、ホットな気分のクリスマスをあなたに。アルバムの録音は、シベリウスが住んだ家 “アイノラ” のあるヤルヴェンパーで行われた。

Rockadillo ZENCD2073 サカリ・クッコ − 賛美歌 (Virret)
 明けの明星があらわれるとき (Koska vvalaissee kointähtönen)
 わたしの救い主を見たとき (Oi Herra jos mä matkamies maan)
 日曜日の平安 (Pyhäaamun rauha) ほか
  サカリ・クッコ (サクソフォーン、フルート) サムリ・ミッコネン (ピアノ) ウッフェ・クルークフォシュ (ベース)
  ミカ・カッリオ (ドラムズ) [録音 2001年 ヤルヴェンパー]

◇クリスマスアルバムに先立つ2001年のセッションでサカリ・クッコは、フィンランド聖歌集に収められた歌をテーマに選び、カルテットによる即興演奏をした。「フィンランド賛美歌集」に収められ、フィンランドの人たちが子供のときから親しんでいる歌の数々。「明けの明星があらわれるとき」と「わたしの救い主を見たとき」は、オスモ・ヴァンスカとラハティ交響楽 団が録音したフィンランド賛美歌集 (BIS CD1149, CD1349) にも収録された。アルヴェーンやオスカル・リンドベリが使ったり、編曲したことからも有名になったスウェーデンのダーラナ地方の民謡「夏の牧舎の古い賛美歌」のメロディが聞こえてきたのにはびっくり。フィンランドでも賛美歌として親しまれているにちがいない。


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