Newsletter No.62   25 January 2004

 

エルンスト・ミエルクの交響曲

 フィンランドの Ondine からリリースされたミエルクの新しいディスク (ODE1019-2) がイギリスの雑誌 Gramophone の最新号 (February 2004) の批評にとりあげられていました。北欧の音楽に詳しく、ロバート・レイトンの後継的存在として批評と記事を寄せているガイ・リカーズ Guy Rikards の担当です。ディスクに収録されたのは交響曲ヘ短調とヴァイオリンと管弦楽のための《演奏会小品 ニ長調》。フィンランド放送交響楽団を首席指揮者のサカリ・オラモ Sakari Oramo (b.1965) が指揮、ヨン・ストゥールゴールズ John Storgårds (b.1963) がヴァイオリンを弾いています。ハンヌ・リントゥとトゥルク・フィルハーモニック管弦楽団 (Sterling CDS1035-2) につぐ、このディスクについて、ガイ・リカーズは、輝かしい演奏と透明度の高い録音 (会場はヤルヴェンパーホール) を長所として挙げました。このメリットは大きく、おかげで、この交響曲の魅力をあらためて知ることができます。

 エルンスト・ミエルク Ernst Mielck (1877-1899) はカレリア地方のヴィープリ Viipuri の生まれ。現在ロシア領のこの都市は当時はフィンランドに属し、ヘルシンキにつぐ人口を誇っていました。ミエルクは14歳で (1891年) ベルリンに留学、1894年までの間、シュテルン音楽院で作曲とピアノを学びました。ベルリンにはその後も2度訪れ (1895年−1896年、1897年−1898年)、マックス・ブルッフ Max Bruch に師事しています。

 189710月、交響曲ヘ短調 (作品4) が、ロベルト・カヤヌス指揮ヘルシンキ・フィルハーモニックによって初演 (コンサートは2度行われ、いっしょに演奏されたグリーグのピアノ協奏曲ではミエルクがソロイスト)。フィンランド初の実質的に交響曲と呼べる作品が発表されたことは、音楽界にとって、ひとつの “出来事” でした。ミエルクは大きな成功をおさめます。その2年後、シベリウスは第1番の交響曲を発表。シベリウスが絶対音楽に取り組むようになったきっかけのひとつが、ミエルクの交響曲の初演にあったのではないかということが推測されています。

 ミエルクの交響曲は4楽章の構成。第1楽章はティンパニのトレモロから始まる葬送の音楽を思わせる序奏部をもち、主部に入ると、軍隊行進曲風のはつらつとした音楽と抒情的なメロディが対照的です。第2楽章スケルツォ。ミエルクを研究した ヨン・ルーサス John Rosas は、この音楽を「さまざまな発言が飛び交う、活気のある討論」と呼びました。第3楽章はやさしい表情の音楽。終楽章では勇壮さとメランコリーが交差します。楽器編成にはハープ、トライアングル、シンバル、小太鼓が加わっています。

 メンデルスゾーン、シューマンらの作品がモデルとなったことは明らかなだけに、ピアニッシモの和音で消え入るように曲を閉じることが印象に残ります。

 この作品は翌189812月、ベルリン・フィルハーモニックで再演されます。このときには、ミエルクの音楽は時代遅れで、同じコンサートで自作の《ピアノと管弦楽のための演奏会小品》 (1898) を弾いたミエルクのピアノのほうを高く評価する批評も現れました。時代の主流は後期ロマンティシズムの音楽。ロマンティシズムの雰囲気が濃いとはいっても、古典主義時代の交響曲が手本となっていることを考えると、“古風” という意見も無理のないことかもしれません。しかし、ベルリンでの見方もさまざま。ミエルクの曲に先立って初演されたリヒァルト・シュトラウスの《ドン・キホーテ》とくらべて、ミエルクの音楽を “急進的すぎる” という意見もあったようです。ミエルクの音楽には意外に新鮮な響きがあり、そうした考えが生まれたのかもしれません。

 ベルリンでのコンサートはミエルクの人生の頂点でした。その後、ミエルクは健康を損なっていき、1899年、22歳の誕生日を目前に結核で亡くなってしまいます。フィンランド音楽史上もっとも才能にめぐまれ、将来を約束されていた作曲家のひとり。フィンランドの音楽にとっては痛手だったでしょう。

 ミエルクが交響曲を書いたのは20歳のとき。グリーグの唯一の交響曲も20歳の作品です。グリーグの曲には “若さ” でしか表現できない音楽のさわやかさがあり、コンサートのプログラムに載ることも多くなってきています。新しいディスクが、ミエルクの曲を広く知ってもらえるいい機会になればいいのですが。

ODE1019-2 エルンスト・ミエルク (1877-1899) 交響曲 ヘ短調 作品4 (1897)
 ヴァイオリンと管弦楽のための演奏会小品 ニ長調 作品8 (1898)
  ヨン・ストゥールゴールズ (ヴァイオリン) フィンランド放送交響楽団 サカリ・オラモ (指揮)

(TT)

リリース情報

2L 2L16 ヨハン・ハルヴォシェン (1864-1935) ヴァイオリンとピアノのための作品集
 組曲 ト短調 (1890) エレジー (Elegie) (1897)
 モザイク組曲 (Suite Mosaique) (1898)
  東洋風間奏曲 (Intermezzo orientale) 間奏曲 (Entr'acte)
  スケルツィーノ「すずめ」 (Scherzino "Spurven")
  ヴェスレモイの歌 (Chant de Veslemøy)
  田舎の婚礼の宴 (Fete nuptial rustique)
 劇音楽《トルデンスキョル (Tordenskjold)(1901)
 
− 老いた漁夫の歌 (Den gamle Fiskermandens Sang)
 気分の描写 (Stimmungsbilder)
  前奏曲 (Præludium) 孤独 (Einsamkeit) 民謡 (Ein Volkslied)
  おしゃべり (Geplauder) アルバムのページ (Albumblatt) 夕べの気分 (Abendstimmnug)
  ペール・クリスチャン・スカルスタード (ヴァイオリン) トゥール・エスペン・アスポース (ピアノ)

◇ハルヴォシェン Johan Halvorsen はグリーグ、スヴェンセンとともにノルウェーの民族的ロマンティシズムを代表する作曲家。指揮者、ヴァイオリニストとしても名を馳せた。1899年、クリスチャニア (現オスロ) に国立劇場ができ、初代の音楽監督に就任。《グッレ》をはじめとする数々の劇の上演のために音楽を書いた (Simax PSC1198, PSC1199, PSC1207)1889年から1900年、ハルヴォシェンのいわゆる “ヴァイオリン期” にはスコットランドのアバディーン、ヘルシンキなどに旅行。サンクトペテルブルクでは、文化の拠点として知られた “アクエリアム (Aquariam)” のコンサートで独奏し、その際、文化エリートだった豪商のグリゴリー・アレクサンドロフから、1699年製と言われるペトルス・ジャコモ・ロジェーリ Petrus Giacomo Rogeri (イタリア、ブレスキア) 作のヴァイオリンを寄贈される。

 このディスクで演奏されているヴァイオリンとピアノのための小品は、後の管弦楽のための作品のような民族的ロマンティシズムより西欧的な要素のほうが強い。ユニークなのは《モザイク組曲》。グリーグが歌曲を書いたガルボルグの「ハウグトゥッサ (山の娘)」にインスピレーションを得た《スケルツィーノ「すずめ」》と《ヴェスレモイの歌》、まさにフィドルのための音楽《田舎の婚礼の宴》など、多彩な興趣を誇る。《ヴェスレモイの歌》は後にハルヴォシェン自身がヴァイオリンと弦楽オーケストラのために編曲。彼の代表作のひとつになった (NKFCD50014-2)

 ペール・クリスチャン・スカルスタード Per Kristian Skalstad (b.1972) はノルウェー国立オペラ管弦楽団のコンサートマスター。オスロ弦楽四重奏団に第2ヴァイオリン奏者として参加している。彼はこの録音でハルヴォシェンの楽器だったロジェーリを弾いている。トゥール・エスペン・アスポース Tor Espen Aspaas1997年にソロイストデビューした若いピアニスト。ノルウェー国立音楽アカデミー助教授、ローロスで開催される室内楽祭“ベルグスタードの冬フェスティヴァル”の芸術監督。[2L16 ブックレットから]

2L 2L19 Dolcissimo sospiro
シギスモンド・ディンディア (c.1582-1629)
 わたしが泣くと獣と石も (Piangono al pianger mio) ディーアナ (Diana)
ビアジョ・マリーニ (1597-1665) キリスト生誕 (Natività di Christo)
タルキニオ・メールラ (1594/5-1665)
 カンツォネッタ《眠りにつく時がやってきた (Hor ch' tempo di dormire)
 チャコーナのアリア《愛の竪琴を添えて (Su la cetra amorosa)》 
クラウディオ・モンテヴェルディ (1567-1643) おお私は傷つき、倒れる
パウロ・クアリアーティ (1555-1621) アリア《ヴィッラネッラ (Villanella)
ジュリオ・カッチーニ (c.1545-1618) 天国で見つめるピュリスは (Filli, mirando il cielo)
 このうえなく甘いため息 (Dolcissimo sospiro) 天国にはもう星はない (Non ha'l ciel cotanti lumi)
ロン・フォード (b.1959) 歌曲集《リヌッチーニ (Rinuccini)
  トゥーネ・ヴィーク (ソプラノ) ヴェガルド・ルンド (テオルボ、バロックギター)
  シャレヴ・アデル (ハープシコード) ビャッテ・アイケ (バロックヴァイオリン)
  シギン・フォッスネス (バロックヴァイオリン) グンナル・ハウゲ (バロックチェロ)
  [録音 20038月 ソフィエンベルグ教会 (オスロ)、ヤール教会 (ベールム、ノルウェー)]

◇ノルウェーのソプラノ、トゥーネ・ヴィーク Tone Wik は、ノルウェー国立音楽アカデミーとオスロ音楽院を卒業後、 ハーグのオランダ王立音楽院でバロック歌唱を学んだ。マンゼ、リフキン、パロット、クリストファーズ、シェティル・ハウグサン、コンチェルト・コペンハーゲンと共演。“鳥の歌のように優雅で柔軟なコロラトゥーラ” (Haarlem Dagblad 1992)、“フルートのように自在なフレージング” (Stavanger Aftenblad 2000) など、新聞評でも賛辞を受けた。ロン・フォード Ron Ford はオランダ系アメリカの作曲家。ディンディアの曲に興味をひかれ、テクストとなったリヌッチーニ Ottavio Rinuccini の詩を読むうちに、みずからも作曲。《リヌッチーニ》は7曲からなる、ソプラノとバロックアンサンブルのための歌曲集。

Alice Musik Produktion ALCD025
ヨリエン・ガッシレフスキ (Jörgen Gassilewski) DU
(おまえ)
 ヨリエン・ガッシレフスキ (詩「入り口の絵 (Portarnas bilder)」)
  ヨリエン・ガッシレフスキ (朗読) トミー・ビョーク (パーカッション)
  ステーン・サンデル (オルガン)
  [録音 2000年 スウェーデン放送第2スタジオ]

BIS CD1190 イングヴァル・リードホルム (b.1921) 管弦楽作品集 第3集 (1944年−1958年)
 トッカータと歌 (Toccata e canto) (1944) 弦楽オーケストラのための協奏曲 (1945/48)
 弦楽オーケストラつきの3つの歌 (Tre sånger med stråkorkester) (1940-45)
 弦楽のための音楽 (Music for srings) (1952) リトルネル (Ritornell) (1955)
  レーナ・ヌーディン (ソプラノ) ノールショーピング交響楽団 リュー・チャー (指揮)

BIS CD1270 歴史的サクソフォーン
ジュール・オギュスト・ドゥメルスマン (1833-1866) 自作の主題による幻想曲
 ソロ第1番 (アンダンテとボレロ) ソロ第2番 (カヴァティーナ)
サヴァリ 「魔弾の射手」のモチーフによる幻想曲
ジュナン スペインの主題による変奏曲 コンクール用ソロ
ジャン・バプティスト・サンジュレー (1812-1875) カプリース 幻想曲 協奏曲 演奏会用ソロ
ジャン=バプティスト・アルバン (1825-1889) カプリースと変奏
レオン・シーク チロリアンヌによるソロ
クローゼ ダニエル
  クロード・ドゥラングル (サクソフォーン) オディル・ドゥラングル (ピアノ)

BIS CD1323/1324 3CD's for price of 2 ヨーゼフ・ハイドン (1731-1809)
 鍵盤楽器のための作品全集 第10
 カプリッチョ《間違いなく、へぼ職人が8人》 Hob.XVII/1 アリエッタと12の変奏曲 変ホ長調 Hob.XVII/3
 アリエッタと20の変奏曲 Hob.XVV/2 幻想曲 ハ長調 Hob.XVII/4
 主題と6つのやさしい変奏曲 Hob.XVII/5 アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII/6
 アダージョ ヘ長調 Hob.XVII/9 20の変奏曲 ト長調 アンダンテと変奏曲 ニ短調
 アンダンティーノと変奏曲 イ長調 アレグレット ト長調 Hob.XVII/10
 アンダンテと変奏曲 変ロ長調 Hob.XVII/12 アリアと変奏曲 ハ長調 アダージョ ト長調 Hob.XVII/22 (II)
 アレグレットと変奏曲 イ長調 アレグレット ト長調 「神よ、皇帝を守りたまえ」による変奏曲 ト長調
 12のメヌエット 12のドイツ舞曲 Hob.IX/12  24のメヌエット《先生と生徒》 Hob.XVIIa/1 (4手のための)*
  ロナルド・ブラウティハム (フォルテピアノ) インゴ・ペトリ (フォルテピアノ)*

BIS CD1331 JS・バッハ (1685-1750) カンタータ全集 第23
 カンタータ第10番「わがこころは主をあがめ」 BWV10
 カンタータ第93番「尊き御神の統べしらすままにまつろい」 BWV93
 カンタータ第178番「主なる神われらの側にいまさずして」 BWV178
 カンタータ第107番「汝なんぞ悲しみうなだるるや」 BWV107
  野々下由香里 (ソプラノ) マシュー・ホワイト (アルト) 櫻田 亮 (テノール) ペーター・コーイ (バス)
  バッハ・コレギウム・ジャパン 鈴木雅明 (指揮)

BIS CD1393/1394 2CD's フレードリク・パーシウス (1809-1891)
 オペラ《ローレライ (Die Lorerey)(1887)
  ソイレ・イソコスキ (ソプラノ) リーカ・ランタイネン (メッツォソプラノ) ライモ・シルキア (テノール)
  トピ・レヘティプー (テノール) コルネリウス・ハウプトマン (バス) アルットゥ・カタヤ (バス)
  ドミナンテ合唱団 ラハティ交響楽団 オスモ・ヴァンスカ (指揮)

◇フィンランド初 (*) の本格的オペラ《カール王の狩り (Kung Karls jakt)(1851 rev.1875/79) を作曲したパーシウス Fredrik Pacius2作目のオペラ。ドイツのローレライ伝説に基づく悲恋物語を台本にしたのはエマヌエル・ガイベル Emanuel Geibel。メンデルスゾーンも作曲を考えたが実現しなかった。創意、色彩、生気にみちた前作に対して、半音階を使ったレチタティーヴォ、音楽の統一感などに特色があるという。(* 注 クルーセルのジングシュピール《小さな奴隷娘 (Den lilla slavinnan)》 (1824) はスウェーデンに移ってからの作品)

BIS CD1439
モーリス・デュリュフレ (1902-1986) 前奏曲、レチタティーヴォと変奏 作品3
タチヤナ・ニコラーエワ フルート、ヴィオラとピアノのための三重奏曲 作品18 *
ミエチスワフ・ワインベルク (1919-1996) フルート、ヴィオラとピアノのための三重奏曲 作品127 *
レイナルド・アーン (1875-1947) ロマネスカ (フルート、ヴィオラとピアノのための)
 ある女神のための (フルートとピアノのための) * 魔法使い (フルートとピアノのための) *
 画家の肖像 (ピアノのための)
  シャロン・ベザリー (フルート) 今井信子 (ヴィオラ) ロナルド・ブラウティハム (ピアノ)
  [* 世界初録音]

◇キングインターナショナルの提案した企画が実現したディスク。遺族から草稿を提供されたワインベルク Mieczyslaw Vainberg の曲をはじめ世界初録音曲を含む。

Caprice CAP21697 カール=ビリエル・ブルムダール (1916-1968) 自作を指揮する
 交響曲第3番《ファセット (Facetter)(1950)
 ピアノ、木管楽器と打楽器のための室内協奏曲 (Kammarkonsert) (1953)
 オラトリオ《鏡の広間で (I speglarnas sal)(1951-52)
  ハンス・ライグラーフ (ピアノ) マーガレータ・ハリン (ソプラノ) バーブルー・エーリクソン (アルト)
  スヴェン=エーリク・ヴィークストレム (テノール) アンデシュ・ネースルンド (バリトン、朗読)
  ベンクト・ルンドグレン (バス) スウェーデン放送交響楽団 王立オペラ合唱団
  カール=ビリエル・ブルムダール (指揮)
  [録音 19621118日 ストックホルム・コンサートホール (ライヴ) (モノラル)]

◇カール=ビリエル・ブルムダール Karl-Birger Blomdahl (1916-1968)20世紀のスウェーデン音楽界でもユニークな存在。ルーセンベリ Hilding Rosenberg (1892-1985) に作曲を学び、セリエル音楽、電子音楽など、現代的、前衛的な手法による作品を発表しながらも、シェーンベルクらの表現主義音楽とは一線を画した。作曲界という象牙の塔にこもることを拒否、同時代の音楽の普及のために精力的な活動を行った。スウェーデン放送のテレビ番組に出演。1957年、雑誌「現代音楽 (Nutida musik)」の発刊に際して編集委員に加わった。共同作業の多いエーリク・リンデグレン Erik Lindegren の台本による、宇宙を舞台にしたオペラ《アニアーラ (Aniara)》は代表作のひとつ。

 指揮法はトゥール・マン Tor Mann (1894-1974) に師事 (1941年−1944年)。1944年、指揮者として正式にデビュー。作曲家のダーグ・ヴィレーン Dag Wirén (1905-1986) は「新鮮な演奏、活気にあふれた、切迫感をもった演奏 (friska musicerande och levande aktuella föredrag)」のボッケリーニの交響曲ニ長調を喜んだ。その後もステーンハンマルの交響曲第2番、ラーションの《田園組曲》、カール・ニルセンの《アラディン》組曲、ハイドンの交響曲第100番などを指揮。モーツァルトの交響曲第38番は数回にわたりコンサートで取り上げている。しかし1946年以降は、作曲に力を注ぐため、指揮活動は自作に限られるようになる。

 19621118日、ブルムダールはストックホルム・コンサートホールで行われた現代音楽コンサートで自作3曲を指揮。音楽批評家でもあった作曲家、モーセス・ペルガメント Moses Pergament (1893-1977) らから賛辞を送られた。その伝説的コンサートをライヴ録音したスウェーデン放送のアーカイヴ音源は今回がはじめての公開。ブルムダールの指揮者としての才能を知ることができる。添付のブックレット (110ページ) には、ここで演奏された作品についてのブルムダール自身による解説と彼の指揮歴も掲載されている。[CAP21697 プレスシート、ブックレットから]

Finlandia 0927-49598-2 ジャン・シベリウス (1865-1957) 管弦楽作品集
 《カレリア (Karelia)》 序曲 作品10 メロドラマ《森の精 (Skogsrået)》作品15 (1893?)
 春の歌 (Kevätlaulu) 作品16 劇音楽《クリスチャン二世 (Kung Kristian II)》組曲 作品27
 音詩《森の精 (Dryadi)》作品45-1 舞踏間奏曲 (Tanssi-intermezzo) 作品45-2
 パンとエーコー (Pan ja kaiku) (舞踏間奏曲第3番) 作品53a
  クオピオ交響楽団 佐藤俊太郎 (指揮)

Finlandia 2564-60763-2
フランツ・シューベルト (1797-1828) 序曲 ハ短調 D8
フランツ・シューベルト (1797-1828) (グスタフ・マーラー 編曲)
 弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810 《死と乙女》
ヨーナス・コッコネン (1921-1996) “…一枚の鏡をとおして… ("...druch einen Spiegel...")(1977) *
  ヘルシンキ・ストリングズ チャバ・シルヴァイ (指揮) ゲーザ・シルヴァイ (指揮)
  [* 録音 200110月 モーツァルテウム大劇場 (ザルツブルク) ライヴ]

Marco Polo 8.225263 HC・ロンビ (1810-1874) 管弦楽作品全集第8
 歓迎行進曲 デブラーの魔法ギャロップ ロマンティックワルツ《アランブラ (アルハンブラ)》
 チン=チン・ポルカ《ティヴォリ・バザール》 ギャロップ《ズワーヴ兵》
 国王ゲーオー一世の栄誉行進曲 ポルカ・マズルカ《ローセンボー》
 幻想的ギャロップ《オーレ・ルケーイェ》  ティヴォリ蒸気回転木馬ギャロップ アウネス・ポルカ
 アレクサンドラ・ポルカ ギャロップ《小さなラッパ》 アルベルタ・ワルツ ティヴォリの滑り台ギャロップ
  ティヴォリ交響楽団 デイヴィッド・リデル (指揮)

PentaTone Classics PTC5186046 SACD (Multichannelhybrid)
イーゴリ・ストラヴィンスキー (1882-1971)
 音楽劇《兵士の物語》演奏会組曲 (1920) ラグタイム (1918) (室内アンサンブルのための)
 音楽劇《兵士の物語》 − 小コラール 協奏曲 変ホ長調 《ダンバートン・オークス》 (1937-38)
 協奏曲 ニ長調 (1946) 《バーゼル協奏曲》 (弦楽のための)
 小管弦楽のための組曲第1(1917-25) 小管弦楽のための組曲第2(1921)
  ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニック パーヴォ・ヤルヴィ (指揮)

Sterling CDS1058-2 ヒゥーゴ・アルヴェーン (1872-1960) カンタータ集 第2
 黙示録カンタータ (Uppenbarelsekantaten) 作品31 (1913)
  ペーテル・ブーマン (バス) フレードリク・セッテシュトレム (バリトン)
  マルメ・オペラ合唱団 マルメ・オペラ管弦楽団員
  ペール=ウーヴェ・ラーション (オルガン) アルヴォ・ヴォルメル (指揮)
 ウプサラ大学創立450年記念カンタータ (Kantat vid Uppsala Universitets 450-årsjubileum)
  作品45 (1927)
  フレードリク・セッテシュトレム (バリトン) カーロッタ・ラーション (ソプラノ)
  マルメ・オペラ管弦楽団・合唱団 アルヴォ・ヴォルメル (指揮)

◇《黙示録カンタータ》はアルヴェーン Hugo Alfvén2作目のカンタータ。ストックホルム近郊、サルトシェーバーデン Saltsjöbaden の黙示録教会 (Uppenbarelsekyrkan) の献堂式のために作曲された。バスとバリトンの独唱、2組の合唱団、オルガン、ハルモニウム、ハープ、チェレスタと弦楽四重奏の編成。オルガンによる前奏曲と3つの楽章という構成。第1楽章《まことに、人間が太陽の下で》 、第2楽章《わが民よ》、第3楽章《わたしの掟を受け入れ》。テクストは、ウプサラ大学の神学教授、ナータン・セーデルブルムが、聖書 (『伝道の書 (コレヘトの言葉)』、『詩篇』、『イザヤ書』、『ミカ書』、『ヨハネによる福音書』、『ローマの信徒への手紙』、『ヨハネの黙示録』) から組み立てた。アルヴェーンはこの作品について、「言葉そのものにすでに音楽があった」と語った。厳しく敬虔なキリスト教徒だった母に献呈。アルヴェーンが献身的に作曲したことが想像される。《ウプサラ大学創立450年記念カンタータ》は、大学の歴史と思い出を織り込んだグンナル・マスコル・シルヴェシュトルペ Gunnar Mascoll Silfverstolpe のテクストによる、4台のピアノをともなう大編成の管弦楽のための作品。[CDS1058-2 ブックレットから]

VMS VMS108 トロンボーン協奏曲集
ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル (1715-1777) アルトトロンボーン協奏曲
レオポルト・モーツァルト (1719-1787) アルトトロンボーンと弦楽オーケストラのための協奏曲
ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー (1736-1809)
 アルトトロンボーンと弦楽オーケストラのための協奏曲
ジャン=ポール・フリッシュ (1945-) トロンボーン協奏曲
  マーク・マイヤーズ (テナートロンボーン、アルトトロンボーン)
  ラトヴィア・フィルハーモニック室内管弦楽団 カルロ・ヤンス (指揮)


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CD artwork © Ondine (Finland), Lindberg Lys (Norway), Alice Musik Produktion (Sweden)