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『ラヴェル ピアノ独奏曲全集』

Simax PSC1366 2CD's classical

 
ノルウェーのホーコン・アウストボー Håkon Austbø(1948–)は、メシアンとドビュッシーのピアノ作品を全曲録音、フランスのピアノ音楽に特別な愛着を持っています。2018年秋、アウストボーの70歳の誕生日を記念し、もうひとりのフランスの大家、モーリス・ラヴェルのピアノのソロ作品全集がリリースされます。ラヴェルの最初のピアノ曲、スパニッシュギター風の音調の《グロテスクなセレナード》、気品のある《古風なメヌエット》、優しくもの悲しい《亡き王女のためのパヴァーヌ》、泉や滝や小川から聞こえる水音からインスピレーションを得た《水の戯れ》、優美な《ソナティナ》、アヴァンギャルドの芸術家サークル「アパッシュ」のメンバーに捧げた《鏡》、ベルトランの幻想の詩による《夜のガスパール》、ラヴェルが最後に書いたピアノ曲、第一次世界大戦で失くした戦友たちの思い出に捧げた6つの楽章の《クープランの墓》。「ラヴェルが彼の音楽を通じて示す複雑で神秘につつまれた領域に深く入れば入るほど、解けない謎が残る。彼の音楽をずっと演奏してきて、今なお、どう考えるか迷う側面のあることを認めねばならない」(アウストボー)。鮮やかな熟練の技の陰にラヴェルのもっとも暗い面が隠れていることもアウストボーの演奏で示されます。この録音の楽器にアウストボーは、1893製造のスタインウェイ Model D-274 を選びました。「ラヴェルのピアノ曲は、彼の管弦楽作品と同様、緻密で色彩的に書かれている。ペダルはピアノの『オーケストレーター』だと彼は言う。事実、鐘や水を連想させる響きは、しっかりしたペダルの使い方なしに考えられない」。アルバムの共同制作とエンジニアリングを、ブーレーズ、カーター、スコートゥンの作品を弾いた『Wanted(お尋ね者)』(Aurora ACD5071)などのアルバムでアウストボーとコラボレートしたアルネ・アクセルベルグ Arne Akselberg が担当。オスロのソフィエンベルグ教会で録音セッションが行われました。

『ラヴェル ピアノ独奏曲全集』
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
[Disc 1]
 夜のガスパール(Gaspard de la nuit)(1908)
  オンディーヌ(Ondine) 絞首台(Le Gibet) スカルボ(Scarbo)
 鏡(Miroirs)(1905)
  蛾(Noctuelles) 悲しい鳥たち(Oiseaux tristes)
  洋上の小舟(Une barque sur l'océan)
  道化師の朝の歌(Alborada del gracioso)
  鐘の谷(La vallée des cloches)
 ソナティナ(Sonatine)(1903–05)
[Disc 2]
 グロテスクなセレナード(Sérénade grotesque)(1893)
 古風なメヌエット(Menuet antique)(1895)(ピアノのための)
 亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte)(1899)
 水の戯れ(Jeux d’eau)(1901)
 メヌエット 嬰ハ短調(Menuet en ut dièse mineur)(1904)
 ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sure le nom de Haydn)(1909)
 高雅で感傷的なワルツ(Valses nobles et sentimentales)(1911)
 ボロディン風に(À la manière de Borodine)(1913)
 シャブリエ風に(À la manière de Chabrier)(1913)
 前奏曲(Prélude)(1913)
 クープランの墓(Le tombeau de Couperin)(1914–17)
  ホーコン・アウストボー(ピアノ)

[Piano: Steinway D-274(1893 New York)(Res. 2010 Steinway & Sons, Hamburg)]
  
録音 2018年5月1日–3日、7月10日–12日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 ホーコン・アウストボー、アルネ・アクセルベルグ
録音 アルネ・アクセルベルグ 

価格 ¥3,500(本体価格)

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『スカルラッティのソナタ(Scarlatti Sonatas)』

Simax PSC1358 classical


クリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland(1983–)は、繊細なニュアンスを大切にする演奏スタイルで国際的にも知られ「ピアノの抒情詩人」とも呼ばれています。ショパンの《即興曲》とシューマンの《森の情景》を弾いたファーストアルバム(PSC1307)、ノルウェー・グラミー賞を受けたグリーグの《ホルベアの時代から》(PSC1332)、中央ヨーロッパとロシアの音楽風景を語った『ひばり』(PSC1337)と、ソロアルバムをリリースし、高い評価と人気を得てきました。ハドランとプロデューサーのクシシュトフ・ドラーブ Krzysztof Drab がソロ第4作に選んだのはドメニコ・スカルラッティのソナタ。チェンバロ奏者のリサイタル・アルバムで聴き慣れたプログラムとはやや趣を異にする選曲の15曲が演奏されます。陽気な音楽に始まり長調と短調が交替する「アレグロ」の《ホ長調 K.135》、優美な《変ロ長調 K.112》、『チェンバロのための練習曲集(Essercizi per gravicembalo)』から《ロ短調 K.27》と「プレスト」の《ホ長調 K.20》、「アンダンテ」の《嬰ヘ長調 K.318》……エネルギッシュな「アレグロ」の《ハ短調 K.11》……荘厳な「カンタービレ」の《ニ長調 K.534》、喜びあふれる《変ロ長調 K.551》、短三度の下降がカッコウを表したともいわれる「速すぎず舞踏のテンポで」の《ニ長調 K.430》、過ぎし日々への懐かしい想い、静謐な「アンダンテ」の《ホ長調 K.215》、悲しい「アダージョ(アンダンテ・アダージョ)」の《イ短調 K.109》。ハドランは、スペイン王室に嫁ぐポルトガル王女バルバラに同行してマドリードに赴き、亡くなるまで彼女に仕えたスカルラッティの心の軌跡をたどるように15曲のソナタを多彩なテクスチュアとニュアンスで演奏していきます。ベルリンのテルデックス・スタジオでのセッション録音です。

[プロフィール]

クリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihle Hadland は、1983年、ノルウェーのスタヴァンゲル生まれ。ローガラン音楽院(現 スタヴァンゲル大学芸術学部)で学び、15歳の時にノルウェー放送管弦楽団のコンサートでデビュー。1999年からイジー・フリンカに師事、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校の彼のクラスで学びました。2008年、ノルウェー歌劇場でソロリサイタル・デビュー、2011年にBBC のニュージェネレーション・アーティストに選ばれ、2013年にウィグモアホールでデビュー・コンサートを行いました。ノルウェーと北欧、イギリス、ドイツ、フランスのオーケストラに客演、ヘンニング・クラッゲルード、ラーシュ・アンデシュ・トムテル、クレメンス・ハーゲン、トルルス・モルクたちと共演しています。クラッゲルードとはシンディングのヴァイオリンとピアノのための作品集を録音、国際的な評価を獲得しました。2015年にはオーストラリア室内管弦楽団、メゾソプラノ歌手のスーザン・グレアムと3週間のオーストラリア・ツアーを行っています。2010年からスタヴァンゲル国際室内楽フェスティヴァルの芸術監督。

『スカルラッティのソナタ(Scarlatti Sonatas)』
ドメニコ・スカルラッティ(1685–1757)
 ソナタ ホ長調 K.135 ソナタ 変ロ長調 K.112 ソナタ ロ短調 K.27
 ソナタ ホ長調 K.20 ソナタ 嬰ヘ長調 K.318 ソナタ ト長調 K.427
 ソナタ ハ長調 K.514 ソナタ ト長調 K.431 ソナタ ハ短調 K.11
 ソナタ ト短調 K.43 ソナタ ニ長調 K.534 ソナタ 変ロ長調 K.551
 ソナタ ニ長調 K.430 ソナタ ホ長調 K.215 ソナタ イ短調 K.109
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
  
録音 2018年1月29日–31日 Teldex Studio(ベルリン)
制作・編集 クシシュトフ・ドラーブ
バランスエンジニア ユリアン・シュヴェンクナー 

価格 ¥2,450(本体価格)

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『シンプル・ソング(A Simple Song)』

BIS SACD2327 SACD hybrid(5.0 surround/stereo) classical

 
スウェーデンの宮廷歌手アンネ・ソフィ・フォン・オッター Anne Sofie von Otter(1955–)のキャリアは、彼女が生まれたストックホルムの聖ヤコブ教会から始まりました。教会の青少年合唱団で歌い、教会で行われているバッハの《マタイ受難曲》コンサートのソロに起用。1982年、最初のソロ・コンサートをこの教会で行いました。この時に共演したベンクト・フォシュベリ Bengt Forsberg(1952–)とは、その後30年以上に渡る共演が続いています。オペラ《秋のソナタ》(SA-2357)をリリースしたばかりのフォン・オッターの『シンプル・ソング』は、この聖ヤコブ教会でセッション録音されたアルバムです。タイトルにとられたバーンスタインの《ミサ》のナンバーから、ミュージカル《サウンド・オブ・ミュージック》の〈すべての山を登れ〉まで、「宗教」と「心」でつながる17の曲。「典礼の手かせ足かせを逃れ、自然に湧き出る賛美の心を高らかに歌え」を基本のスタンスに歌われます。コープランドの《エミリ・ディキンソンの12の詩》の第10曲、ジャズの和声とゴスペルの歌唱を取り入れた〈オルガンが話すのを時々聞いた〉。ホイッティアーのクエーカーの賛美詩によるアイヴズの曲。マーラーが交響曲第3番と第2番の楽章とした『子供の不思議な角笛』の詩による2曲。陽が昇り、愛する人と結ばれる……マッケイのドイツ語詩にシュトラウスが作曲した《あした!》。デュリュフレとフランク・マルタンの《レクイエム》から1章ずつ。メシアンがデュカスに学んでいた頃に作曲した《3つの歌》とプーランクの《平和への祈り》。リストが《巡礼の年 第2年:イタリア》の第1曲〈婚礼(Sposalizio)〉に基づいて書いた《アヴェ・マリア》は、オルガンの長い序奏で始まります。ペルトが2曲。スコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩にペルトが作曲した《わが心はハイランドにあり》。『子供の不思議な角笛』の編者のひとり、ブレンターノがナイチンゲールの歌を詠んだ詩による《何年もの昔、歌っているのを聞いた》は、原曲どおり、ヴァイオリンとヴィオラの共演で歌われます。〈すべての山に登れ〉は、フォン・オッターがブラッド・メルドーの共演で素敵に歌った〈何かいいこと〉(naîve V5241)に次ぐ《サウンド・オブ・ミュージック》のナンバーです。ピアニストとして知られるフォシュベリは、ヨーテボリの音楽大学でオルガンを学びました。聖ヤコブ教会に1976年に設置されたマークセン・オルガン Marcussen & Søn を弾き、彼の子息ミケール・フォシュベリ Michael Forsberg がレジストレーションを担当しました。フォン・オッターの子、ファビアン・フレードリクソン Fabian Fredriksson が〈シンプル・ソング〉のエレクトリックギターを弾いています。

『シンプル・ソング(A Simple Song)』
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 シンプル・ソング(A Simple Song)
 (スティーヴン・シュウォーツ、レナード・バーンスタインの詩)
(《ミサ(Mass)》(1971)から)*
アーロン・コープランド(1900–1990)
 オルガンが話すのを時々聞いた(I've heard an organ talk sometimes)
 (エミリ・ディキンソンの詩)
チャールズ・アイヴズ(1874–1954)
 静穏(Serenity)(ジョン・グリーンリーフ・ホイッティアーの詩)
グスタフ・マーラー(1860–1911)
 三人の天使がやさしい歌を歌い(Es sungen drei Engel)
 (『子供の不思議な角笛』の詩)
 原光(Urlicht)(『子供の不思議な角笛』の詩)
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 たそがれの夢(Traum durch die Dämmerung)
 (オット・ユリウス・ビーアバウムの詩)
 あした!(Morgen!)(ジョン・ヘンリー・マッケイの詩)**
アルヴォ・ペルト(1935–)
 わが心はハイランドにあり(My Heart's in the Highlands)(2000)
 (ロバート・バーンズの詩)
モーリス・デュリュフレ(1902–1986)
 ピエ・イエズ(Pie Jesu)(《レクイエム》から)***
オリヴィエ・メシアン(1908–1992)
 3つの歌(Trois mélodies)(1930)
  なぜ?(Pourquois?)(オリヴィエ・メシアンの詩)
  ほほえみ(Le sourire)(セシル・ソヴァージュの詩)
  行方不明の婚約者(La fiancée perdue)(オリヴィエ・メシアンの詩)
フランシス・プーランク(1899–1963)
 平和への祈り(Priez pour paix)(シャルル・ドルレアンの詩)
フランク・マルタン(1890–1974)
 アニュス・デイ(Agnus Dei)(《レクイエム》から)
アルヴォ・ペルト(1935–)
 何年もの昔、歌っているのを聞いた(Es sang vor langen Jahren)
 (1985)(クレメンス・ブレンターノの詩)†
フランツ・リスト(1811–1886)
 アヴェ・マリア(Ave Maria) S.60
リチャード・ロジャーズ(1902–1979)
 すべての山に登れ(Climb Ev'ry Mountain)
 (オスカー・ハマースタイン二世(作詞))
 (《サウンド・オブ・ミュージック》から)
  アンネ・ソフィ・フォン・オッター(メゾソプラノ)
  ベンクト・フォシュベリ(オルガン)
  ファビアン・フレードリクソン(エレクトリックギター)*
  シャロン・べザリー(フルート)*
  マルガレータ・ニルソン(ハープ)*/**
  ニルス=エーリク・スパルフ(ヴァイオリン)**/†
  マリー・マクラウド(チェロ)***
  エレン・ニスベト(ヴィオラ)†

録音 2016年12月 聖ヤコブ教会(ストックホルム、スウェーデン)
制作・録音 マリオン・シュヴェーベル

価格 ¥2,650(本体価格)

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『アメリカの協奏曲』

Orfeo C932182 2CD's classical


ラトビア出身、ハンブルク在住のヴァイオリニスト、バイバ・スクリデ Baiba Skride(1981–)。シベリウス・アカデミーで学び、タンペレ・フィルハーモニック管弦楽団の芸術監督とヨーテボリ交響楽団の首席指揮者を務めるサントゥ=マティアス・ロウヴァリ Santtu-Matias Rouvali(1985–)。「ベールに包まれたオーケストラの音色は、ビブラートを控えたスクリデの音のリボンを載せたビロードのクッションのようだ」(「The Gramophone」)とも評されたシベリウスとカール・ニルセンのヴァイオリン協奏曲(C896152)につづく共演アルバム。「プラトンの『饗宴』による」の副題をもつバーンスタインの《セレナード》は、饗宴の客が順に行う「愛を讃える演説」をインスピレーションに作曲され、〈パイドロス - パウサニアス〉〈アリストパネス〉〈エリュクシマコス〉〈アガトン〉〈ソクラテス - アルキビアデス〉の5楽章から構成されています。コルンゴルトの《ヴァイオリン協奏曲》は、『Another Dawn』(邦題『砂漠の朝』)や『Anthony Adverse』(『風雲児アドヴァース』)といった、彼の書いたフィルムスコアの音楽を素材に使った「のびやかに弧を描く旋律線、ポリフォニックともいえる種々様々なメロディ、複雑な楽器法」(バイバ・スクリデ)で書かれたロマンティックな音楽。ミクローシュ・ロージャがハイフェッツの求めで作曲した《ヴァイオリン協奏曲》は、1950年代の新しい作曲スタイルと民俗音楽の要素が織りこまれ、ロージャが担当したビリー・ワイルダー監督の映画『The Private Life of Sherlock Homes』(『シャーロック・ホームズの冒険』)の音楽に作品の一部が転用されました。アンコールとして、バーンスタインのミュージカル《ウェストサイド・ストーリー》の「シンフォニックダンス」が演奏されます。

『アメリカの協奏曲』
[Disc 1]
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 セレナード(Serenade)(1954)
 (ヴァイオリン独奏、弦楽、ハープと打楽器のための)
エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897–1957)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(1946)
  バイバ・スクリデ(ヴァイオリン) 
  ヨーテボリ交響楽団 サントゥ・マティアス・ロウヴァリ(指揮)
[Disc 2]
ミクローシュ・ロージャ(1907–1995)
 ヴァイオリン協奏曲 Op.24(1953)
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 ミュージカル《ウェストサイド・ストーリー(West Side Story)》
  シンフォニックダンス(1960)
  バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)
  タンペレ・フィルハーモニック管弦楽団
  サントゥ・マティアス・ロウヴァリ(指揮)

録音 2017年8月21日–23日 ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)(Disc 1)、2018年5月17日–19日 タンペレ・ホール(タンペレ、フィンランド)(5月17日 ライヴ、18日–19日 セッション)(Disc 2)
制作・録音 ラーシュ・ニルソン、ミケール・ダールヴィド(Disc 1)
制作 セッポ・シーララ(Disc 2)
録音 エンノ・マエメツ(Disc 2)

価格 ¥2,450(本体価格)

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『夜の曲(Nocturnal)』

BIS SACD2082 SACD hybrid(5.0 surround/stereo) classical/early music 


ヤコブ・リンドベリ Jakob Lindberg(1952–)は、スウェーデンのユーシュホルム生まれ。ビートルズを聴いて音楽への情熱を育み、ストックホルム大学に進みました。ロンドンの王立音楽大学でダイアナ・ポウルトンに学んでいたころ、ルネサンスとバロックの音楽に主眼を置いた活動を選択。このジャンルでもっとも幅広いレパートリーをもつリュート奏者として知られ、『ジェームズ一世時代のリュート音楽』(BIS-SA2055)『ルネサンス期イタリアのリュートの名手たち』(BIS-SA2202)『シクストゥス・ラウヴォルフのリュート』(BIS-SA2265)など、30を超す数のアルバムを BIS レーベルに録音しています。新しいアルバム『夜の曲(Nocturnal)』は、彼がギターとリュートを平行して学んでいた最後の年に取り組んだブリテンの《ジョン・ダウランドによる夜の曲》を核に、主にエリザベス一世時代に作られた、夜を想起させる小品を配置する構成で作られています。《ジョン・ダウランドによる夜の曲》は、ブリテンが、1963年、イギリスのギタリスト、ジュリアン・ブリームのために作曲した作品です。ダウランドの歌曲《来たれ深き眠りよ(Come Heavy Sleep)》に基づく変奏曲のスタイルをとった、8つの部分(楽章)からなる「壮大な」音楽。「この曲があったから、ギターを捨ててリュートに専念すると決めた時には後ろ髪を引かれる想いだった」(ヤコブ・リンドベリ)。ブリテンが「リュートを崇め」、この楽器のための作品を書くことも考えていたことから、出版社とブリテン・エステートが協力。エステートからは励ましとともに最初の草稿の提供も受けることができました。アントニー・ホルボーン、エドワード・コラード……詩人サミュエル・ダニエルの弟、ジョン・ダニエル……。「ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜」の3曲は、「マンドラ調弦」のソプラノ・リュートで演奏されます。「リュートは、静寂と深い集中を必要とする」。録音セッションは、ストックホルムの北、ノルテリエのレンナ教会で行われました。

『夜の曲(Nocturnal)』
アントニー・ホルボーン(c.1547–1602)
 すいかずら(The Honeysuckle) 私のリンダ(Muy Linda)
 夜警(The Night Watch)
 ペンブローク伯爵夫人のパラダイス(Countess of Pembroke's Paradise)
 妖精のラウンド(The Fairy Round)
エドワード・コラード(fl.c.1595–1599)
 わが窓辺より去れ(Go from My Window)
 ヒュー・アシュトンのグラウンド(Hugh Ashton's Ground)
ダニエル・バチェラー(1572–1619)
 パヴァーヌ(Pavan)
ジョン・ダニエル(1563/34–c.1626)
 アン・グリーン夫人の葉はグリーン(Mrs Anne Grene her Leaves be Green)
作者不詳(ジョン・スキーニーの17世紀初めのマンドラ手稿譜)
 森の花(The Flowers of the Forest)
 夕暮れのとき、私を忘れないで(Remember Me at Evening)
 イギリスのナイチンゲール(The English Nightingale)
ウィリアム・バード(1543–1623)
(フランシス・カッティング(fl.c.1583–c.1603)編曲)
 子守歌(Lullaby)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
(ヤコブ・リンドベリ(1952–)編曲)
 ジョン・ダウランドによる夜の曲(Nocturnal after John Dowland) Op.70
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 夢(A Dream) ファンシー(A Fancy)
 オーランドは眠る(Orlando Sleepth)
 ラクリメのガイヤルド(Galliard to Lachrimae)
 ダウランド氏の真夜中(Mr Dowland's Midnight)
 別れ(Farewell)
ジョン・ジョンソン(c.1545–1594)
 パッシングメジャーズ・パヴァーヌ(Passingmeasures Pavan)
 御者の口笛(Carman's Whistle)
 さようなら、おやすみなさい(Good Night and Good Rest)
  ヤコブ・リンドベリ(リュート、ソプラノ・リュート)

[楽器 8-course Renaissance lute by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1981, 7-course soprano lute (in mandora tuning) by Michael Lowe, Wootton-by-Woodstock, 1992]

録音 2017年8月 レンナ教会(ノルテリエ、スウェーデン)
制作 ユーハン・リンドベリ
録音 マッティアス・スピツバルト

価格 ¥2,650(本体価格) 

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『ユートピア(Utopias)』

2L 2L141SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid(5.1 surround/stereo) contemporary/classical 


「ソロ打楽器のための作品を研究、再構成し、作品解釈の新しい可能性を追求する」。芸術をめぐるプロジェクトが盛んに推進されるノルウェーで、2013年、新しい試みとして「ノルウェー芸術リサーチ・プログラム」がスタートしました。『Radical Interpretation of Iconic Musical Works for Percussion(2013–2017)(打楽器のためのアイコン的作品の徹底的解釈)』。このプロジェクトは、ノルウェー国立音楽大学、オスロ国立芸術アカデミー、オスロ建築デザイン大学、ヴェステルダール・オスロ ACT、レコードレーベル 2L が共同で展開、ノルウェー国立音楽大学の准教授シェル・トーレ・インネルヴィーク Kjell Tore Innervik(1974–)が参加して進められました。インネルヴィークは、「四分音マリンバ、打楽器、風船、その他、打ったり撫でたりすることで演奏目的に使う部材」を含む NIME(New instruments for Music Exploration)を使って新たな「音風景」を開拓したアルバム『A Migrant in the New(新天地の渡り鳥)』(2011)(Aurora ACD5059)で注目された打楽器奏者です。このプロジェクトの成果としてアルバム『ユートピア(Utopias)』が制作されました。「アイコン的」作品として演奏されるのは、五線譜によらない記譜法が使われた2曲。「プライベート空間」での演奏を意図した、モートン・フェルドマン Morton Feldman の《The King of Denmark(デンマークの王)》。そしてクセナキス Ianis Xenakis の《Psappha(プサッファ)》。クセナキスの曲は、聴き手がインパクトのあるリスニングを体験できるよう、演奏者が聴き手と向き合うマイクセッティングによる「第二人称」で録音したあと、「第一人称」の視点を表現するためソリストの「頭上」にマイクをセットして再度録音されました。グラミー賞の最優秀プロデューサーにノミネートされたモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が制作とバランスエンジニアリングにあたり、「イマーシブ・オーディオ」という大きなフォーマットの録音テクニックによって「私的演奏空間」を追求。芸術面のアドバイスのためセッションに立ち会ったデンマークの作曲家イーヴァ・フロウンベア Ivar Frounberg(1950–)とリンドベルグによる詳細なプログラムノーツ(英語)が、ヤール教会で行われたセッション風景の写真とともに掲載されています。

『ユートピア(Utopias)』
ヤニス・クセナキス(1922–2001)
 Psappha(プサッファ)(1975)(第二人称バージョン)
 Psappha(プサッファ)(1975)(第一人称バージョン)
モートン・フェルドマン(1926–1987)
 The King of Denmark(デンマークの王)(1964)
  シェル・トーレ・インネルヴィーク(打楽器)

録音 2015年6月、2016年6月 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
芸術面助言・プログラムノーツ イーヴァ・フロウンベア
録音 ビアトリス・ヨハンネセン

[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Blu-ray: 5.1 DTS-HD MA(24bit/192kHz), 5.1.4 Dolby Atoms(48kHz), 2.0 LPCM(24bit/192kHz), 5.1.4 Auro-3D(96kHz), mShuttle: MP3 + MQA, Region ABC]
[SACD DXD(5.1 surround, 2.0 stereo DSD/CD 2.0 stereo(16 bit/44.1 kHz)/MAQ CD] 

価格 ¥3,900(本体価格)

5.1 DTS–HD MA, 9.1 Auro-3D, Dolby Atoms と 2.0 LPCM の音声を収録した Pure Audio Blu-ray ディスクと、SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクは通常のCDプレーヤーでも再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクは Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

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『郊外の話(Tales from Suburbia)』

BIS SACD2313 SACD hybrid(5.0 surround/stereo) contemporary/classical 


アルベット・シュネルツェル Albert Schnelzer(1972–)は、スウェーデンの彼の世代でもっとも注目を集める作曲家のひとりです。国際的に知られるきっかけとなったのは、2004年、ラジオ・フランスの委嘱で作曲した《捕食の踊り(Predatory Dances)》のパリでの初演。ダイナミックな流れのなかに静謐の時と空間を挟む簡潔な音楽が、高い支持を得ました。シュネルツェルは、音楽創造を「現代音楽にふさわしいあり方に専念することではなく、もっとも自分らしい表現を求めること」と言います。彼は、マルメ音楽大学で作曲を学び、ロンドンの王立音楽カレッジでは作曲法と指揮法を修めました。近作のひとつ、映画作家ティム・バートンへの「オマージュ」とした《A Freak in Burbank(バーバンクの奇人)》は、2010年の「プロムス」で演奏され、その後、スウェーデンの現代作品としてもっとも演奏機会の多い一作になりました。

チェロ協奏曲《狂気のダイアモンド(Crazy Diamond)》は、ヨーテボリ交響楽団の委嘱作です。〈You shone like the sun(君は太陽のように輝いていた)〉〈If the cloud bursts, thunder in your ear(土砂降りになったら、君の耳に雷が)〉〈Re-arrange me 'til I'm sane(正気に戻るまで私を組み替えてくれ)〉〈Trade your heroes for ghosts?(君のヒーローを幽霊と交換するか?)〉の4楽章。「(『The Dark Side of the Moon』(邦題『狂気』)の)ピンク・フロイドやジェネシスといったグループが、ベートーヴェンとストラヴィンスキーと同じスペースを占めていた十代」を過ごした音楽家の作った音楽です。

《郊外の話(Tales from Suburbia)》は、「郊外」への個人的な思いを背景に作曲されました。「田舎の牧歌的風情の農家でもなく、都会のファッショナブルな地区のトレンディなアパートメントでもなく、ずっと郊外で育ち、オフィスこそストックホルムにあるものの、『ある種の愛憎関係』をもちつづけながら今も郊外に住んでいる」。

《ブレイン・ダメージ(Brain Damage)》は、個性をもった「個」の集合体「オーケストラ」のための協奏曲。《狂気のダイアモンド》で始めた探求を押し進める作品です。〈If Your Head Explodes(君の頭が破裂したら)〉〈Folded Faces(くしゃ顔)〉〈Dam Breaks Open(ダムが決壊する)〉。『The Dark Side of the Moon』に収録されたロジャー・ウォーターズ作詞の《ブレイン・ダメージ(Brain Damage)》(邦題『狂人は心に』)(脳損傷)の歌詞が3つの楽章のタイトルに採られています。

指揮者のベンジャミン・シュウォーツ Benjamin Shwartz(1979–)は、ロサンジェルス生まれ。カーティス音楽院でオット=ヴェルナー・ミュラーに指揮を学び、2013年から2016年までヴロツワフ・フィルハーモニックの音楽監督を務めました。新しい音楽のエクスパートと目されているひとりです。クレース・グンナション Claes Gunnarsson(1976–)は、ヨーテボリ交響楽団の首席チェロ奏者。シュネルツェルの《捕食の踊り》などの室内楽作品の初録音に参加しています。

『郊外の話(Tales from Suburbia)- アルベット・シュネルツェル 管弦楽作品集』
アルベット・シュネルツェル(1972–)
 チェロ協奏曲《狂気のダイアモンド(Crazy Diamond)》(2011)*
 郊外の話(Tales from Suburbia)(2012)(管弦楽のための)
 ブレイン・ダメージ(Brain Damage)(2014)(管弦楽のための協奏曲)
  クレース・グンナション(チェロ)*
  ヨーテボリ交響楽団 ベンジャミン・シュウォーツ(指揮)

録音 2017年5月 ヨーテボリ・コンサートホール(スウェーデン)
制作・録音 イェンス・ブラウン

価格 ¥2,650(本体価格)
 
Albert Schnelzer official website

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『人々の心の調べ(Folketoner)』

2L 2L144SACD SACD hybrid(5.0 surround/stereo)classical

   
長い年月にわたり歌い継がれてきた民謡と賛美歌、そしてナショナル・ロマンティシズムの伝統に沿った音楽を集めたアルバム『人々の心の調べ(Folketoner)』。トヴァイト(トヴェイト)の《ハルダンゲルの100の旋律》組曲第1番の第1曲〈名誉ある出迎え〉、ニューステットが《女声合唱のための5つの民謡》に使ったヴァルドレスの民謡、グリーグの歌曲集《ヴィンニェの詩による12の歌》(Op.33)から第9曲〈ルンダーネで〉と弦楽オーケストラのための《2つの悲しい旋律》に使った〈春〉(「いまひとたび 冬が去り 春に道をゆずる姿が目に映る……心を痛めながら問う これがほんとうに最後なのかと……)、ラルダールのマッティン・カッレベルグが作ったフィドル曲《スプリングダンス》(スプリンガル)、シンガーソングライターのトーネ・クローン  Tone Krohn(1960–)たちがこの録音のために新しく編曲した「子守歌」やバラードが歌われます。ノルウェー少女合唱団 Det Norske Jentekor は、1947年設立のノルウェー放送少女合唱団が独立、継続したアンサンブルです。この合唱団は、多くの有名な歌手、音楽家、芸術家を育て、ノルウェーの文化生活に大きな役割を果たしてきました。指揮者のスンダール=アスク Anne Karin Sundal-Ask(1973–)は、ノルウェー音楽アカデミーでグレーテ・ペーデシェンとトーレ・エーリク・モーンに学びました。ノルウェー少女合唱団と混声合唱団「ビスレ=ベッケン」のほか、各地の合唱団を指揮。明晰なビジョンとそれを歌い手たちに伝える能力を備え、イントネーション、響きの質、アンサンブルを重視する彼女の音楽が高く評価されています。伝統の歌唱法を交えて歌う〈名誉ある出迎え〉に始まり、ヴェストフォル地方の羊飼いたちの「ワルツ」に終わるプログラム。高原を風が渡る……。オスロのリス教会で録音セッションが行われ、モッテン・リンドベルグ Morten Lindberg が制作を担当しました。谷と高原に暮らすノルウェーの人々の心を伝えるアルバムです。 

『人々の心の調べ(Folketoner)』
ガイル・トヴァイト(ゲイル・トヴェイト)(1908–1981)
(リン・アンドレーア・フグルセット(1969–)編曲)
 名誉ある出迎え(Velkomne med æra)
カール・グスタフ・スパッレ・オールセン(1903–1984)
 生きること(Å leva)
ハリングダール民謡(リン・アンドレーア・フグルセット(1969–)編曲)
 天にある砦を知っている(Eg veit i himmerik ei borg)
クヌート・ニューステット(1915–2014)/ヴァルドレス民謡
 かわいいトールー(Torø liti)(《女声合唱のための5つの民謡》から)
クヌート・ニューステット(1915–2014)/セルフィョルド民謡
 ネスランの教会(Neslandskyrkja)
ヴォーゴー民謡(クヌート・ニューステット(1915–2014)編曲)
 寝過ごしてしまった(Jeg lagde mig saa sildig)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
(クヌート・ニューステット(1915–2014)編曲)
 働きものの馬のためのおやすみの歌「さあブラッケン」
 (Kveldssang for Blakken "Fola, fola Blakken")
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
(カール=ベッティル・アイネスティーグ(1924–)編曲)
 ルンダーネで(Ved Rondane)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
(エルセ・ベルントセン・オース 編曲) 春(Våren)
イェンディーネ・スローリエン/エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 イェンディーネの子守歌(Gjendines Bådnlåt)
ノルウェーの子守歌(スタイナル・アイエルセン(1948–)編曲)
 おやすみ良い子(So ro godt barn)
ヴェストフォルの子守歌(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 おやすみ、かわいいわが子(So ro stubberusken min)
ヴェストフォルの舞曲(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 スプリングダンス(Springdans)
中世の戯けたバラード(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 あの小さな子に(Det liste bånet)
ヴェストフォル伝承曲(トーネ・クローン(1960–)編曲)
 家畜を呼ぶ声と呼びかけの歌(Lokkerop og laling)
  ノルウェー少女合唱団 アンネ・カーリン・スンダール=アスク(指揮)

録音 2015年6月、2016年6月 リス教会(オスロ)
制作・バランスエンジニアリング モッテン・リンドベルグ
録音 ビアトリス・ヨハンネセン、イェルムン・スコーグ

[DXD (352.8kHz/24bit) 録音]
[SACD DXD(5.0 surround 2.8224 Mbit/s/ch, 2.0 stereo 2.8224 Mbit/s/ch)/CD 2.0 stereo(16 bit/44.1 kHz)/MAQ CD]

価格 ¥2,450(本体価格)

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