May 2024

LinkIcon 2024年6月      2024年4月

『Terra Nostra(われらが大地)』
Cedille Records CDR 90000227 contemporary/classical

 
ステイシー・ギャロップ(1970–)
 オラトリオ《Terra Nostra(われらが大地)》
  第1部 Creation of the World(世界の創造)
  第2部 The Rise of Humanity(人間性の興隆)
  第3部 Searching for Balance(バランス探求)
  ミシェル・アリザガ(ソプラノ)
  リア・デクスター(メゾソプラノ)
  ジェシー・ドナー(テノール)
  デイヴィッド・ガヴァーツェン(バリトン)
  ユナイテッド・ヴォイセズ アリス・ミラー・チャペル合唱団
  ノースウェスタン大学交響楽団・合唱団
  スティーヴン・オールトップ(指揮)
 
録音 2023年2月6日、2月8日 ピック=スタイガー・コンサートホール(Pick-Staiger Concert Hall)(エヴァンストン、イリノイ州)

 
「Earth Day(アースデイ)」は、環境保護の支援を示すため毎年4月22日に開催されます。アメリカの作曲家ステイシー・ギャロップ Stacy Garrop(1970–)のオラトリオ《Terra Nostra(われらが大地)》は、サンフランシスコ・コーラル・ソサエティとピードモント・イーストベイ児童合唱団がこのイベントを祝うため彼女に委嘱した作品です。作品は3部に分かれ、インド、北アメリカ、エジプトに伝わる「創造」の神話と『旧約聖書』「創世記」の言葉、エドナ・セント・ヴィンセント・ミレイ、パーシー・ビッシュ・シェリー、ウォルト・ホイットマン、ロード・アルフレッド・テニソン、チャールズ・マッケイ、ウィリアム・アーネスト・ヘンリー、ジョン・ギレスピー・マギー・ジュニア、ジェラード・マンリー・ホプキンズ、ウィリアム・ワーズワースの古典的な詩、エスター・イヴェレム、ウェンデル・ベリーといった現代作家の著作をテクストにした18曲で構成されています。
 
2023年2月5日、エヴァンストンのアリス・ミラー・チャペルでコンサート初演。6日と8日、2024年のアースデイのリリースをめざして録音セッションが行われました。この作品の初録音は、「全世界を包含するオラトリオ」(「サンフランシスコ・クロニクル」)と言われ、ギャロップは「シカゴの作曲家でもっとも鋭い感受性にめぐまれたひとり」(「シカゴ・トリビューン」)と評されました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
 

『Homeland(故郷)』
Eudora EUDSACD 2405 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868 rev.1906-07)
マヌエル・デ・ファリャ(1876–1946)
 交響的印象《スペインの庭の夜(Noches en los Jardines de España)》(1909–15)
  ユディト・ハウレギ(ピアノ)
  カスティーリャ・イ・レオン交響楽団
  カスパル・ツェーンダー(指揮)
 
録音 2023年1月18日–20日 ミゲル・デリベス文化センター(Auditorio Miguel Delibes)(バリャドリード、スペイン)

 
スペインの録音エンジニア、ゴンサロ・ノケ Gonzalo Noque の主宰するマドリードのレーベル「Eudora Records」の新譜。ユディト・ハウレギ Judith Jáuregui(1985–)は、バスク人の母とフランス育ちのメキシコ人を父にスペイン北部バスク地方のサン・セバスティアンで生まれました。初等教育を受けた後、リヒャルト・シュトラウス音楽院でロシアのピアニスト、ヴァジム・スハーノフに教わるためミュンヘンに移りました。スイスのカスパル・ツェーンダー Kaspar Zehnder(1970–)指揮カスティーリャ・イ・レオン交響楽団の共演するグリーグとデ・ファリャの協奏曲アルバムには、多様な文化背景をもつ彼女の「心のよりどころ」として「故郷」のタイトルがつけられました。SACD と MQA-CD のハイブリッド・ディスク。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Stripped』
Losen Records LOS 293-2 jazz

 
『Stripped』
 Red(Silje Kåfjord) Big Cities(Silje Kåfjord)
 Little Things(Silje Kåfjord) Ocean(Silje Kåfjord)
 Fireflies(Silje Kåfjord) The Owl(Silje Kåfjord)
 Stranger(Silje Kåfjord/Bernt Moen)
 Resting Place(Silje Kåfjord)
  シリエ・コーフィヨルド(ヴォーカル)
  ベルント・モーエン(アップライト・ピアノ)
 
編曲 シリエ・コーフィヨルド、ベルント・モーエン
録音 2014年4月 ダコタ・スタジオ(Dakkota Studio)(ハーマル、ノルウェー)
制作 ベルント・モーエン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング オルヌルヴ・ブルン・スノットハイム
リマスタリング 2023年9月 ハンス・ウーレ

 
ノルウェーのヴォーカリスト、シリエ・コーフィヨルドとピアニスト、ベルント・モーエンのデュオ・アルバム。
 
シリエ・コーフィヨルド Silje Kåfjord は、リンデスネスのヴィーゲラン生まれ。クリスチャンサンのソングライターでプロデューサーのマリウス・クリスチャンセンに個性と声を認められ、放送デビューしました。トリグヴェ・タムス=リュケたちとカルテット「Alice & the Mountain(アリス・アンド・ザ・マウンテン)」を組み、2013年にアルバムをリリースしました。「Alice & the Mountain」の名を残してモーエンと共演したこの『Stripped』が、Losen Records の初めてのアルバムです。
 
1974年にクリスチャンサンで生まれたベルント・モーエン Bernt Moen は、メタルバンドのキーボード・プレーヤーからキャリアをスタートさせ、アグデル大学で教えながらバンドリーダー、サイドマン、ソリストとして活動しています。『Dualistic』(LOS 214-2)『1+1=3』(LOS 232-2)『Second Time’s the Charm(二度目の正直)』(LOS 249-2)『The Storm』(LOS 263-2)といったアルバムを Losen Records に録音してきました。
 
このアルバムの8曲は、モーエンと共作した《Stranger》をのぞき、コーフィヨルドの作品です。悲しく孤独な季節、秋へのトリビュート《Red》。海や森といった美しい自然を好み、欲望の果てしない都会に適合できない感覚を歌った《Big Cities》。素朴でとても大切な初恋を歌う《Little Things》(ささいなこと)。大人になる過程で通らねばならない《Ocean》。「希望」を祝う歌《Fireflies》(ホタル)。人生の戦いは孤独じゃない……自信と勇気をもって……《The Owl》。誰かを知っていると思っていながら、その心の奥まで知ることはできないことに気づくと……《Stranger》。素晴らしい兄弟、ユングヴェに捧げる《Resting Place》(憩いの地)。
 
2014年にハーマルのスタジオで録音された音源をクリスチャンサンのエンジニア、ハンス・ウーレ Hans Uhre がリマスターしてリリースされます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『ポホヨネン』
Orchid Classics ORC 100312 classical

 
ジャン=フィリップ・ラモー(1683–1764)
 新クラヴサン曲集(Nouvelles suites de pièces de clavecin)
  組曲 イ短調 RCT 5
  組曲 ト短調 RCT 6
アレクサンドル・スクリャービン(1872–1915)
 ピアノソナタ第6番 Op.42
 ピアノソナタ第7番 Op.64《白ミサ(Messe blanche)》
  ユホ・ポホヨネン(ピアノ)
 
録音 2023年8月31日、9月1日、25日–26日 リストセンター(Lisztzentrum)(ライディング、オーストリア)

 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Stairway to Bach(バッハへの階段)』
OUR Recordings 8.226920 rock music/classical

 
『Stairway to Bach(バッハへの階段)』
 Light My Fire(ハートに火をつけて)(The Doors)
 Pièce d’orgue (Très vitement)(オルガンのための小品)
 (J. S. Bach: BWV 572)
 Byen våger(目覚めた街)(Savage Rose)
 Stairway to Heaven(天国への階段)(Led Zeppelin)
 Bourée(ブレ)(J. S. Bach: BWV 997, arr. Jethro Tull)
 Prelude in G minor(前奏曲 ト短調)(J. S. Bach: BWV 535)
 Fugue in G minor(フーガ ト短調)(J. S. Bach: BWV 535)
 Shine on You Crazy Diamond(クレイジー・ダイアモンド)(Pink Floyd)
 Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)(Queen)
 People Are Strange(まぼろしの世界)(The Doors)
 Homburg(ホンバーグ)(Procol Harum)
 Wachet auf, ruft uns die Stimme(コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」)
 (J. S. Bach: BWV 645)
 Repent Walpurgis(ヴァルプルギスの後悔)((Procol Harum)
 Air(アリア)(J. S. Bach: BWV 1068)
 A Whiter Shade of Pale(青い影)(Procol Harum)
  スヴェン=イングヴァート・ミケルセン(オルガン)
 
[楽器 Organ: Marcussen & Son 1946]
 
編曲 スヴェン・イングヴァート・ミケルセン
録音 2024年1月12日–14日 王立デンマーク音楽アカデミー、コンサートホール(コペンハーゲン)
製作・録音エンジニア・編集・ミクシング オーレ・モースマン
マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
「ドアーズ(The Doors)」「サヴェージ・ローズ(Savage Rose)」「レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)」「ピンク・フロイド(Pink Floyd)」「クイーン(Queen)」「プロコル・ハルム(Procol Harum)」といったグループが活躍した1960年代から1970年代のロックミュージック・シーンでは新しいサウンドを作るため、さまざまな試みが行われました。シンセサイザー、メロトロン、オルガンやオーケストラを動員。ロンドン交響楽団とイギリス室内合唱団の参加したロイヤル・フェスティヴァル・ホールのライヴを収録したリック・ウェイクマンの『地底探検』が大きな話題を呼んだ記憶があります。レッド・ツェッペリンの曲のタイトルをもじって『『Stairway to Bach(バッハへの階段)』と題したアルバムでは、当時、各国のヒットチャートを賑わせた曲をスヴェン=イングヴァート・ミケルセンがオルガン曲に編曲、ELPのキース・エマーソンたちにインスピレーションを与えたといわれるJ・S・バッハの曲と組み合わせ、演奏しています。
 
スヴェン=イングヴァート・ミケルセン Sven Ingvart Mikkelsen(1955–)は、エスビェアとコペンハーゲンの音楽アカデミーを卒業。ウィーンでミヒャエル・ラドゥレスク、パリでマリー=クレール・アランとアンドレ・イゾワールに学び、1982年にドイツとフランスの音楽によるプログラムを弾いてオルガニストとしてデビューしました。王立デンマーク音楽アカデミーのオルガンと教会音楽科の教授を務め、デンマークのオルガン・シーンでもっとも万能のミュージシャンのひとりとして活動しています。
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)
 

『グリーグ』
Vox VOXNX 30409CD classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868 rev.1906-07)
 山の夕べ(Aften på høyfjellet) Op.68 no.4(1898)(管弦楽のための)
 ゆりかごの歌(子守歌)(Bådnlåt) Op.68 no.5(1898)
 (弦楽オーケストラのための)
 演奏会序曲《秋に(I høst)》 Op.11(1866 rev.1887)(管弦楽のための)
  グラント・ヨハネセン(ピアノ)
  ユタ交響楽団 モーリス・アブラヴァネル(指揮)
 
録音 1975年2月、3月、5月(協奏曲) ソルトレークシティ、ユタ州

 
「Vox Audiophile Edition」シリーズ。モーリス・アブラヴァネルとユタ交響楽団のグリーグ録音の新デジタル・リマスタリングによる復刻シリーズの最後のリリース。

『Earth Vigil』
Delos DE 3604 contemporary/classical

 
ロバート・カイア(1952–)
 オラトリオ《Earth Vigil(大地を見守る者)》
  アウェット・アンデマイケル(ソプラノ)
  スティーヴン・ランカスター(バリトン)
  コンスピラーレ
  クレイグ・ヘッラ・ジョンソン(指揮)
 
録音 2022年5月6日–7日、2023年2月15日–16日 セント・マーティン・ルター派教会(オースティン、テキサス州)

 
テキサス州オースティンを本拠とするクレイグ・ヘッラ・ジョンソン Craig Hella Johnson の器楽合唱アンサンブル「コンスピラーレ Conspirare」とクリーヴランド生まれの作曲家ロバート・カイア Robert Kyr は長年にわたりコラボレーションを続けてきました。スピリチュアルを新しいスタイルで歌った『歌え自由を!(Sing Freedom!)』(Harmonia Mndi USA HMU 807525)、カイアの《The Cloud of Unknowing》《Songs of the Soul》などの作品集(HMU 807577)、「ヘイト・クライム」をテーマにした、ライナーノートをカイアが書いた『マシュー・シェパードを考える(Considering Matthew Shepard)』(HMU 807638 廃盤)といったアルバムに彼らの深い信頼関係が示されています。
 
《Earth Vigil》は、カイアのもっとも新しい作品のひとつです。激化する気候変動によって引き起こされるさまざまな課題、自然界の驚異と美しさ、地球上で共生するわれわれの生命を主題に、アウェット・アンデマイケル Awet Andemicael  の「ソウルフル」なソプラノ、スティーヴン・ランカスター Stephen Lancaster のバリトンによって歌われるふたりの人物と彼らの旅のストーリーが語られます。
 
価格 3,025円(税込価格)(本体価格 2,750円)

『ユーハン・ヘルミク・ルーマン』
Indésens Calliope IC 038 early music

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)
 ヴァイオリン・ソロの作品集
 練習曲(Övning) ハ短調 BeRI 339
 練習曲(Övning) 変ホ長調 BeRI 332
 練習曲(Övning) ヘ長調 BeRI 348
 アッサッジョ(Assaggio) ホ短調 BeRI 312
 練習曲(Övning) イ長調 BeRI 337
 「アーメン(Amen)」
 (ペルゴレージ《スターバト・マーテル 》から 編曲)
 アッサッジョ(Assaggio) 嬰ヘ短調 BeRI 313
 アッサッジョ(Assaggio) イ長調 BeRI 317
 練習曲(Övning) ホ短調 BeRI 347
 練習曲(Övning) ト短調 BeRI 336
 「私の心を燃やしてください(Fac ut ardeat cor meum)」
 (ペルゴレージ《スターバト・マーテル 》から 編曲)
  シューイン・コン(ヴァイオリン)
 
録音 2023年5月 プロテスタント教会(バンビニー、スイス)

 
スウェーデン音楽の最初の重要な作曲家ユーハン・ヘルミク・ルーマン Johan Helmich Roman が作曲した「練習曲(Övning)」「アッサッジョ(Assaggio)」といったヴァイオリン・ソロの作品集。
 
シューイン・コン(江瑞螢) Sue-Ying Koang は、リヨン国立高等音楽舞踊学校、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン、マサチューセッツ州ケンブリッジのロンジ音楽学校(Longy School of Music)でヴァイオリン、ジュネーヴ州立高等音楽院でバロック・ヴァイオリンと音楽教育学を学びました。ラ・フェニーチェ、レザール・フロリサン、ピグマリオン、カペラ・メディテラネといったバロック・アンサンブルに参加。『Dalla biblioteca di Vivaldi?』(Callipe CAL 2192)『Travelling with a Violin」(IC 019)といったアルバムをチェンバロとオルガンの奏者ヴァンサン・ベルナールとのコラボレーションで作っています。
 
ファビオ・ビオンディの『アッサッジョ』(Naïve V 8209)に次ぐルーマン作品のリリースです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Petrichor』
Prophone PCD 345 jazz

 
『Petrichor』
 Waltz for Debussy(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Daphne(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 The Adaptation Effect(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 The Next Three(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Over Calm and Stormy Weather (in memory of Jim Beard)
 (Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Khamsanday(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Baby Dodds’ Vintaloo Strut(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Kolme(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Song for David(Jonas Knutsson/Anders Persson)
 Petrichor(Jonas Knutsson/Anders Persson)
  ユーナス・クヌートソン(サクソフォーン)
  アンデシュ・ペーション(ピアノ、キーボード)
  セバスチャン・デュベ(ベース)
  テリエ・スンドビュー(ドラム)
  ラファエル・シーダ(パーカッション)
  ゲスト:
   ラーシュ・アルムクヴィスト(フリューゲルホルン)
   オーケ・レンネルホルム(ユーフォニアム)
   ユーハン・アーリーン(ホルン)
   ディケン・ヘドレニウス(トロンボーン)
   リーヴェット・ヌード(ヴァイオリン)
   マルヴァ四重奏団
    エメリ・ムーランデル(ヴァイオリン)
    クナップ・ブリタ・ペッテション(ヴァイオリン)
    マリア・ヨンソン(ヴィオラ) マヤ・ムーランデル(チェロ)
 
管楽器弦楽器編曲 ハンス・ユーテク
録音 2023年9月23日、9月24日 スタジオ・エピデミーン(Studio Epidemin)、トンコントロル(Tonkontrol)(ヨーテボリ、スウェーデン)
録音エンジニア オーケ・リントン

 
サクソフォーン・プレーヤーのユーナス・クヌートソン Jonas Knutsson は、1965年、北部のウーメオ生まれ。ピアニストのアンデシュ・ペーション Anders Persson は、1958年、西南部のヨーテボリ生まれ。スウェーデンのミュージシャンふたりは、ジャズ・シーンで幾度となく共演してきました。雨が降り、地面から立ち上るいい匂い「ペトリコール」をタイトルにしたコラボレーション・アルバムは、フォークのプレーヤーでもあるクヌートソンの書いたメロディにペーションがハーモニーをつけ、ジャズに「北スウェーデンの田園地帯に咲く可愛らしいバラの香り」を加えた音楽で語り合うことをコンセプトに作られました。
 
クヌートソンのサクソフォーンとペーションのピアノ、セバスチャン・デュベ Sébastien Dubé のベース、テリエ・スンドビュー Terje Sundby のドラム、ラファエル・シーダ Rafael Sida のパーカッションというクインテットによるセッションを基本に、いくつかのナンバーにはゲストが加わります。 《Waltz for Debussy》(ドビューシーのワルツ)には、ラーシュ・アルムクヴィスト Lars Almkvist のフリューゲルホルン、オーケ・レンネルホルム Åke Lännerholm のユーフォニアム、ユーハン・オーリーン Johan Ahlin のホルンというブラスの共演。《Baby Dodds’ Vintaloo Strut》にはトロンボーンのディケン・ヘドレニウス Dicken Hedrenius、《Khamsanday》にはヴァイオリンのリーヴェット・ヌード LIvet Nord が参加。最後のトラック《Petrichor》は、マルバ四重奏団  Malva Quartet の弦楽四重奏と一緒に演奏されます。
 
「実験室の実験の煙がおさまると、跡に新しい元素がみつかった」。ふたりはそれを、オスカー・ピーターソン Oscar Peterson と、ピアノ曲集《フローセの花(Frösöblomster)》を書いたヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル Wilhelm Peterson-Berger に因み「Oscar Peterson-Berger」と名付けました。イェムトランドの風に乗り、優しい響きが耳に届きます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『アレクサンドラ・ダリエスク』
Signum Classics SIGCD 799 classical

 
クララ・シューマン(1819–1896)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.7(1834–35)
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16(1868 rev.1906-07)
  アレクサンドラ・ダリエスク(ピアノ)
  フィルハーモニア管弦楽団 ルー・ティエンイー(指揮)
 
録音 2023年9月11日–12日 セント・ジュード教会(ロンドン、イングランド)

 
ルーマニア出身のピアニスト、アレクサンドラ・ダリエスク Alexandra Dariescu(1985–)の Signum Classics の第3作。クララ・シューマンとグリーグのイ短調協奏曲を組み合わせたアルバムです。
 
ルー・ティエンイー Tianyi Lu(1990–)は、ニュージーランドの指揮者です。上海に生まれ、5歳の時にニュージーランドのオークランドに移住。オークランド大学でフルートと作曲を学び、オークランド・フィルハーモニアの音楽監督だったエッケハルト・シュティーアたちに指揮を教わりました。2015年、ウェールズ王立音楽演劇カレッジのオーケストラ指揮修士課程を優等で修了。2019年にウェールズ・ナショナル・オペラ、2021年にノルウェーのスタヴァンゲル交響楽団のそれぞれ「コンダクター・イン・レジデンス」に指名されました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『C・P・E・バッハ 鍵盤独奏曲全集 第41集』
BIS CD 2397 classical

 
C・P・E・バッハ(1714–1788) 鍵盤用編曲集 第2集
 シンフォニア ハ長調 Wq.175(H.649)
 アレグロ・マ・ノン・トロッポ 変ホ長調 Wq.116/52(H.326)
 ポロネーズ 変ホ長調 Wq.116/44(H.318)
 行進曲 へ長調 Wq.116/45(H.319)
 メヌエット ト長調 Wq.116/48(H.322)
 協奏曲 ニ長調 Wq.43/2(H.472)
 アレグロ ホ長調 Wq.116/37(H.311)
 メヌエット へ長調 Wq.116/32(H.306)
 協奏曲 変ホ長調 Wq.43/3(H.473)
 メヌエット ト長調 Wq.116/30(H.304)
 シンフォニア 変ホ長調 Wq.179(H.654)
  ミクローシュ・シュパーニ(タンジェントピアノ)
 
録音 2022年8月10日–14日 十字架挙栄祭カトリック教会(キルルヴァイラー、ドイツ)

 
ミクローシュ・シュパーニ Miklós Spányi によるC・P・E・バッハの鍵盤独奏曲全集の第41集。前作につづき、C・P・E・バッハが別の楽器のために書いた作品を鍵盤用に編曲した作品が集められています。シュパーニは、オリジナルの資料をもとに演奏にもっとも適した楽器を選択。チェンバロ版の楽譜を弾いたシンフォニアも含め、このアルバムではタンジェントピアノが使われています。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『スロボデニューク+ストラヴィンスキー』
BIS SACD 2441 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882–1971)
 三楽章の交響曲(Symphony in Three Movements)(1942–45)
 管楽器のための交響曲(Symphonies d'instruments à vents)(1918–20)(原典版)
 交響曲 ハ調(Symphonie en ut)(1938–40)
  ガリシア交響楽団  ディーマ・スロボデニューク(指揮)
 
録音 2019年2月11日–15日、2023年6月18日–19日(管楽器) コルーニャ歌劇場(Palacio de la Ópera)(ア・コルーニャ、スペイン)
製作 イェンス・ブラウン、マリオン・シュヴェーベル(管楽器)
録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル

 
ディーマ・スロボデニューク Dima Slobodeniouk(1975–)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミーの出身。セーゲルスタム、ヨルマ・パヌラ、アッツォ・アルミラのクラスで指揮を学びました。2016年から2021年までラハティ交響楽団の首席指揮者を務め、『カレヴァラの情景』(BIS SA-2371)、歌劇《賭博師》やバレエ《石の花》の音楽などのプロコフィエフの管弦楽曲(BIS SA-2301)といったアルバムも録音しました。ガリシア交響楽団は2012年に初めて客演指揮、2013年/2014年のシーズンに首席指揮者に就任しました。
 
ディーマ・スロボデニューク指揮ガリシア交響楽団は、グリンゴルツの『ストラヴィンスキー ヴァイオリンのための音楽第2集』(BIS SA-2275)で《ヴァイオリン協奏曲》など3曲のセッションに参加。「ディーマ・スロボデニュークの指揮するガリシア交響楽団が、全体を通して細部までしっかり気を配っている」(”Gramophone”)と評されました。新しいアルバムでは、ストラヴィンスキーの3つのオーケストラ作品を演奏しています。
 
ニューヨーク・フィルハーモニックの依頼で作曲された《三楽章の交響曲》は、「さまざまな対照的な要素間のカウンタープレイを活用」した「3つの交響的楽章」。シカゴ交響楽団の委嘱作《交響曲 ハ調》は、「ハ長調」でも「ハ短調」でもない「古典的な精神、ベートーヴェンよりも簡潔な形式」の作品。「ストラヴィンスキーのユーモア」の際立った曲のひとつです。
 
《管楽器のための交響曲》は「C・A・ドビュッシー追悼の管楽器サンフォニー(Symphonies d'instruments à vents, in Memoriam C. A. Debussy)」が正式名称。1918年、音楽家仲間で友人のドビュッシーの死が出発点となった作品です。「Revue Musicale」のドビュッシー追悼特集号に寄せた50小節の「ピアノ・コラール」が最後の部分に使われ、形式としての「交響曲」ではなく、「共に響く」音楽として書かれています。1921年にロンドンで初演。演奏者を減らし、特殊な楽器を一般的な楽器に置き換える改訂が1940年に行われました。「典礼とロシア正教の教会音楽をより強く匂わせる」と、ストラヴィンスキーのスペシャリスト、マルコム・マクドナルドが書いた「23人の音楽家による3管編成、11の金管楽器」の「原典版」による録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ヴァンスカ+マーラー』
BIS SACD 2486 2SACD’s hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
グスタフ・マーラー(1860–1911)
 交響曲第3番 ニ短調(1893-96 rev.1902)
  ジェニファー・ジョンストン(メゾソプラノ)
  ミネソタ合唱団女声セクション ミネソタ少年合唱団
  ミネソタ管弦楽団 オスモ・ヴァンスカ(指揮)
 
録音 2022年11月14日–18日 オーケストラホール(ミネアポリス、ミネソタ州)
制作 ロバート・サフ
 
ミネソタ管弦楽団とオスモ・ヴァンスカによるマーラー交響曲全曲録音(第1番–第10番)の最終リリース。

 
価格 5,060円(税込価格)(本体価格 4,600円)

『プロコフィエフ』
BIS SACD 2617 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
 交響的協奏曲(Symphony-Concerto) Op.125(1951–52)
 (チェロと管弦楽ための)
 無伴奏チェロソナタ Op.134(ヴラディーミル・ブロク(1932–1996) 編曲)
 チェロソナタ Op.119(1949)
  クリスチャン・ポルテラ(チェロ)
  ラハティ交響楽団 アニヤ・ビールマイヤー(指揮)
  ユホ・ポホヨネン(ピアノ)
 
[楽器 Cello: Antonio Stradivari, Cremona 1711, ‘Mara’/Piano: Steinway D]
 
録音 2021年3月12日–13日 シベリウスホール(ラハティ、フィンランド)(交響的協奏曲)、2023年5月26日–28日 ライトシュターデル(Reitstadel)(ノイマルクト・イン・デア・オーバープファルツ、ドイツ)
制作・録音エンジニア ハンス・キプファー

 
クリスチャン・ポルテラ Christian Poltéra(1977–)は、ショスタコーヴィチの《チェロ協奏曲第2番》とマルティヌーの《チェロ協奏曲第2番》(BIS SA-2257)、ハイドンの2曲のチェロ協奏曲とヒンデミットの《葬送音楽》(BIS SA-2507)といった協奏曲アルバムを BIS Records に録音してきました。曲の核心の部分に焦点を当て、メランコリー、リリシズム、躍動、愉悦といった、作品の表情を誠実に表出した演奏が各国のメディアから高く評価されています。リリースされてまもないブラームスのソナタとシューマンの《民謡風の5つの小品》(BIS SA-2427)も、ドイツ・ロマンティシズムの美しさと深さを伝える瑞々しい演奏でした。新しいディスクでは、プロコフィエフがソビエト連邦共産党中央委員会のいわゆる「ジダーノフ批判」の対象にされる「暗黒の雲」の下に生きた時代の作品が演奏されます。
 
《チェロソナタ》は、1949年3月にロストロポーヴィチとリヒテルが初演したミャスコフスキーの《チェロソナタ第2番》に触発されて書かれたと推測されている作品です。プロコフィエフをはじめとする作曲家たちへの「形式の歪みと反民主的傾向」という中央委員会の非難への「良き回答」といわれ、非公開の演奏の後、1950年3月にロストロポーヴィチとリヒテルによって初演されました。2008年にシベリウス・アカデミーの修士課程を修了したユホ・ポホヨネン Juho Pohjonen(1981–)の共演による録音です。
 
《交響的協奏曲》は、1938年に完成した《チェロ協奏曲第1番》(Op.58)に大幅に手を入れて作られた作品です。「交響曲」と「協奏曲」の両方の性格をもつため “Sinfonia Concertante” や “Symphonic Concerto” ではなく “Symphony-Concerto” の曲名がつけられました。プロコフィエフの死後、1954年にロストロポーヴィチのソロ、トマス・イェンセン指揮デンマーク放送交響楽団の共演でコペンハーゲンで初めて演奏されました。2020年から2023年にかけて首席客演指揮者を務めたドイツのアニヤ・ビールマイヤー Anja Bihlmaier(1978–)とラハティ交響楽団が共演した録音です。
 
《無伴奏チェロソナタ》は、4楽章で構想された曲のアンダンテの第1楽章を、ヴラディーミル・ブロク Vladimir Blok がプロコフィエフの指示にしたがって完成させた作品です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Back Home with the Moon』
Evidence EVCD 106 classical

 
クリスチャン・シテンヘルム(1963–)
 Berceuse nauve(薄紫の子守歌) Valse naïve(素朴なワルツ)
 Simply Yes(イエスというだけ) Valse de rien(どうでもいいワルツ)
 Back Home with the Moon(月に連れられ家に帰る) Duo(デュオ)
 Roof and Sky(屋根と空) Alone(ひとり)
 A Bad E Could Be the Best After Me the Storm
 Zebra Piano(シマウマ・ピアノ) Stellar(星のような)
 The Algot Waltz(アルゴートのワルツ) Quadratures(求積法)
 Impression de liève(野ウサギの印象) Poéme de l’inutile(むだな詩)
 Levitation(空中浮揚)
  ペーテル・ヤブロンスキ(ピアノ)
 
録音 2020年6月4日、2022年1月13日 Palladium Concert Hall(パラディウム)(マルメ、スウェーデン)

 
スウェーデンのピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキ Peter Jabloski(1971–)の新作アルバム。クリスチャン・シテンヘルムが彼のために書いた「BGM によさそう」な小品を17曲、弾いています。
 
シテンヘルム Christian Schittenhelm は、フランスの作曲家。6歳の時からピアノを学び、12歳で最初の管弦楽曲を作曲しました。1998年、パリ市の《L’hymn Paris 2000(パリ2000年アンセム)》を作曲。ルーヴル美術館の支援で作曲したミュージカル・コメディ《ダ・ヴィンチの翼(Da Vinci : Les Ailes de la lumière)》のイベントが、パリ・プロダクションのプレヴューとして1999年にフジテレビで紹介されました。ピアノの協奏曲やソナタ、弦楽四重奏曲なども作曲。アンデルセン原作のミュージカル《マッチ売りの少女》は、フランスで400回以上上演され、アルフォンス・ドデーの小説に基づく《プディ・ショーズ(Le Petit Chose)》や《人魚姫》といったミュージカルも人気を博しています。
 
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)
 

『ブルース・ブロートン』
Naxos 8.559950 classical

 
ブルース・ブロートン(1945–)
 And on the Sixth Day(そして第六の日には)
 (オーボエと管弦楽のための協奏曲)
  Prologue: In the Beginning(プロローグ:初めに)
  Evening(夕べ) Morning(朝)
 String Theory(弦の理論)(弦楽オーケストラのための)
  Prelude, Theme and Variations I–VII
  Variations VIII–XIII Variations XIV–XVii, Finale 
 Concerto for Horn and Orchestra(ホルン協奏曲)
  With energy Slow and expressive Energetically
  ロンドン交響楽団 ジョナサン・ブロックスハム(指揮)
  オリヴィエ・スタンキエヴィチ(オーボエ)
  ウィリアム・ヴァミューレン(ホルン)
 
録音 2022年(2023年)7月16日、18日、19日 ヘンリー・ウッド・ホール(ロンドン、イングランド)

 
“American Classics” シリーズ。ブルース・ブロートン Bruce Broughton は、劇場映画とテレビのスコアからコンピュータゲーム、オーケストラのためのコンサート作品と、幅広いメディアで作曲を手がけてきました。西部劇映画の『シルバラード(Silvarato)』と『トゥームストーン(Tomestone)』や『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎(Young Ssherlok Holms)』のシンフォニックなスコア、『奇跡の旅(Homeward Bound: The Incredlble Journey)』の「アメリカーナ」や『ミリィ/少年は空を飛んだ(The Boy Who Could Fly)』の抒情も心に残ります。エミー賞にノミネートされた『The Dive from Clausen’s Pier』ではエレクトロニクスを使った音楽を書くなど、作品に最適なスタイルを選ぶ感覚が評価されており、「オスカー」に二度ノミネート、エミー賞を10回受賞しています。
 
《And on the Sixth Day(そして第六の日には)》は、『創世記』の第1章をテーマにした「オーボエ協奏曲」です。「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された……。神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である」(新共同訳)。この第六の日をオーボエが表情豊かに「語る」3つの楽章で書かれた作品です。ロンドン交響楽団の首席オーボエ奏者オリヴィエ・スタンキエヴィチ Olivier Stankiewicz のソロ、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に指名されたイギリスのジョナサン・ブロックスハム Jonathan Bloxham の指揮による録音です。
 
《String Theory(弦の理論)》は、「前奏曲、主題と17の変奏、終曲」で書かれた弦楽オーケストラの作品。《ホルン協奏曲》は、ヒューストン交響楽団とサンバレー音楽祭の委嘱作として書かれました。「急緩急」の古典的な形式をとった、プレーヤーの技術と音楽の試される力強いヴィルトゥオーゾ性と抒情性を併せもつ作品です。この作品を2022年3月に初演したヒューストン交響楽団の首席ホルン奏者ウィリアム・ヴァミューレン William VerMeulen のソロで演奏されます。
 
価格 1,760円(税込価格)(本体価格 1,600円)

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