March 2021

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『グラヴィティ・グルーヴ(Gravity Groove)』
Ars Produktion ARS 38569 contemporary/classical 

 
『グラヴィティ・グルーヴ(Gravity Groove)- アルト・サクソフォーンとピアノのための作品集』
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
 サクソフォーンとピアノのためのラプソディ
 (Rhapsodie pour saxophone et piano)(1901–08)
トゥオマス・トゥッリアゴ(1979–)
 アルト・サクソフォーンとピアノのためのソナタ
 《グラヴィティ・グルーヴ(Gravity Groove)》(2008/18)
ポール・モーリス(1910–1967)
 プロヴァンスの風景(Tableauex de Provence)(1959)
チャールズ・ウォリネン(1938–)
 アルト・サクソフォーンとピアノのためのディヴェルティメント(1982)
ヴァルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 K.498
 《ケーゲルシュタット》(アルト・サクソフォーンによる)
  ヨーナタン・ラウティオラ(アルト・サクソフォーン)
  マルコ・ヒルポ(ピアノ) バルボラ・ヒルポ(ヴィオラ)
 
録音 2018年9月 フィンランド

 
フィンランドのサクソフォーン奏者、ヨーナタン・ラウティオラ Joonatan Rautiola は、北欧のクラシカル音楽シーンで活動する新しい世代の管楽器奏者を代表するひとり。シベリウス・アカデミーでペッカ・サヴィヨキ、パリでニコラ・プロストとクリスチャン・ヴィルトに学び、2010年、北欧のプレーヤーとして初めて、パリ音楽院のクロード・ドラングルのクラスを卒業しました。ラトビア国立交響楽団、フィンランド放送交響楽団、デュッセルドルフ交響楽団などのオーケストラにソリストとして客演。パトリック・マルクラン、タピオ・トゥオメラ、オッリ・ヴィルタペルコをはじめとする現代の作曲家の作品を積極的に演奏しています。同じシベリウス・アカデミー出身のマルコ・ヒルポ Marko Hilpo と共演したアルバム。ドビュッシーの《ラプソディ》、フランスのポール・モーリス Paule Maurice がマルセル・ミュールのために書いた《プロヴァンスの風景》、アメリカのチャールズ・ウォリネン Charles Wuorinen が弦楽四重奏のために書いた自作を再作曲した《ディヴェルティメント》。アルバム・タイトル曲の《グラヴィティ・グルーヴ》は、フィンランドのピアニストで作曲家、トゥオマス・トゥッリアゴ Tuomas Turriago が、マンタ音楽祭の委嘱で作曲。2008年のフェスティヴァルでラウティオラとヒルポにより初演されました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『ヴァン・ディーメンズ・バンド(Van Diemen’s Band)』
BIS SACD 2079 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
ジョージ・フレデリック・ヘンデル(1685–1759)
 合奏協奏曲 Op.3
  合奏協奏曲第2番 変ロ長調 Op.3 no.2 HWV.313
  合奏協奏曲第3番 ト長調 Op.3 no.3 HWV.314
  合奏協奏曲第5番 ニ短調 Op.3 no.5 HWV.316
  合奏協奏曲第6番 ニ長調 Op.3 no.6 HWV.317
  合奏協奏曲第4番 へ長調 Op.3 no.4 HWV.315
  合奏協奏曲第1番 変ロ長調 Op.3 no.1 HWV.312 *
  ヴァン・ディーメンズ・バンド
  マルタン・ジェステル(指揮、オルガン *)
 
録音 2019年10月29日–11月2日 聖カニス教会(サンディ・ベイ、タスマニア州、オーストラリア)
制作 ハンス・キプファー

 
古楽アンサンブル「ヴァン・ディーメンズ・バンド(Van Diemen’s Band)(VDB)」は、2016年、オーストラリア最南端の島、タスマニア州に創設されました。レザール・フロリサン、アンサンブル・ピグマリオン、イル・ポモ・ドーロ、イングリッシュ・コンサート、18世紀オーケストラ、アムステルダム・バロック管弦楽団と共演、あるいはメンバーとして演奏したプレーヤーが集まり、芸術監督をメルボルン出身のバロック・ヴァイオリニスト、ジュリア・フレダズドーフ Julia Fredersdorf が務めています。ヘンデルの《6つの合奏協奏曲》(Op.3)を演奏した BIS の新作は、協奏曲やカンタータの録音に参加してきた VDB にとって事実上のデビュー・アルバムです。このアルバムで指揮を執るフランスのマルタン・ジェステル Martin Gester(1953–)は、ストラスブール大学と音楽院で文学と音楽を学び、卒業後、バロックと古典をレパートリーとするアンサンブル「ル・パルルマン・ド・ミュジーク」を創設。1998年からはポーランドの「アルテ・デイ・スオナトーリ」とコラボレーションを始め、BIS レーベルにヘンデルの《12つの合奏協奏曲》(Op.6)》を録音(BIS SA-1705)しています。《6つの合奏協奏曲》は、ヘンデルが1734年頃に作曲した、複数のソリストのアンサンブルとオーケストラの「トゥッティ」の対比を楽しむ「コンチェルト・グロッソ」の代表作のひとつ。ハンス・キプファー Hans Kipfer のプロデュースによる録音です。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ブランデンブルク・プロジェクト(The Brandenburg Project)- 12の協奏曲』
BIS SACD 2199 3SACD's hybrid (5.0 surround/stereo) classical/contemoporary

 
[Disc 1]
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調 BWV.1046
  モッテン・ラーション(第1オーボエ) リサ・アルムベリ(第2オーボエ)
  ダニエル・ビューシュテット(第3オーボエ)
  ミーケル・リンドストレム(ファゴット)
  テレーセ・ラーション(第1ホルン)
  ヨーラン・ヒュルフェシュ(第2ホルン)
  アンチェ(アンティエ)・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
  マハン・エスファハニ(チェンバロ)
マーク=アントニー・ターネッジ(1960–)
 Maya(マヤ)(2016)(独奏チェロ、2つのオーボエ、コールアングレ、
  コントラファゴット、2つのホルンと弦楽のための)
  マヤ・バイサー(チェロ)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調 BWV.1047
  ホーカン・ハーデンベリエル(トランペット)
  フィオーナ・ケリー(フルート)
  モッテン・ラーション(オーボエ)
  アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
  ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ)
スティーヴン・マッキー(1956–)
 Triceros(トリケロス)(2015)
 (ピッコロ・トランペット(フリューゲルホルン、C管トランペット持ち替え)、
  フルート(ピッコロ、アルトフルート持ち替え)、
  オーボエ(コールアングレ持ち替え)、独奏ヴァイオリン、
  弦楽とチェンバロのための)
  ホーカン・ハーデンベリエル(トランペット)
  フィオーナ・ケリー(フルート)
  モッテン・ラーション(オーボエ)
  アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
  ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ)
[Disc 2]
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV.1048
  ペッカ・クーシスト(第1ヴァイオリン)
  ウルバン・スヴェンソン(第2ヴァイオリン)
  ローゲル・オールソン(第3ヴァイオリン)
  ヨーラン・フロースト(第1ヴィオラ)
  リン・エルヴキュル(第2ヴィオラ) ケート・ペリー(第3ヴィオラ)
  マッツ・レヴィン(第1チェロ)
  アンドレーアス・テングベリ(第2チェロ)
  ライムンド・フォルマン(第3チェロ)
  セバスティアン・デュべ(コントラバス)
  マハン・エスファハニ(チェンバロ)
アンデシュ・ヒルボリ(1954–)
 Bach Materia(バッハ・マテリア)(2017)(ヴァイオリンと弦楽のための)
  ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)
  セバスティアン・デュべ(コントラバス)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV.1049
  ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン) ペール・グロス(第1リコーダー)
  カタリーナ・ヴィーデル(第2リコーダー)
  ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ)
オルガ・ノイヴィルト(1968–)
 Aello(アエロー)(ハインリヒ・シフ追悼)(2016–17)
 (独奏フルート、2つの弱音器つきトランペット、弦楽アンサンブル、
  キーボードとタイプライターのための)
  クレア・チェイス(フルート)
  アンデシュ・ヘムストレム(第1トランペット)
  マルギット・チェクメイ(第2トランペット)
  オスカル・エークベリ(キーボード) ラーシュ・ファーゲル(打楽器)
[Disc 3]
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調 BWV.1050
  フィオーナ・ケリー(フルート)
  アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン)
  マハン・エスファハニ(チェンバロ)
ユリ・ケイン(1956–)
 Hamsa(ハムサ)(2015)
 (フルート、ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための)
  フィオーナ・ケリー(フルート)
  アンチェ・ヴァイトハース(ヴァイオリン) ユリ・ケイン(ピアノ)
ブレット・ディーン(1961–)
 Approach - Prelude to a Canon(アプローチ - カノンへの前奏曲)(2017)
 (2つのヴィオラ、3つのチェロ、コントラバスとチェンバロのための)
  タベア・ツィンマーマン(第1ヴィオラ)
  ブレット・ディーン(第2ヴィオラ)
  ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調 BWV.1051
  タベア・ツィンマーマン(第1ヴィオラ)
  ブレット・ディーン(第2ヴィオラ)
  ハンナ・トレル(チェロ、第1ガンバ)
  アンドレーアス・テングベリ(チェロ、第2ガンバ)
  マッツ・レヴィン(チェロ) ペーテル・ニッチェ(コントラバス)
  ビョーン・イェーヴェット(チェンバロ)
  スウェーデン室内管弦楽団 トマス・ダウスゴー(指揮)
 
録音 2017年5月(ヒルボリ) オレブルー・コンサートホール(オレブルー)、2017年8月(ケイン、マッキー)、2018年3月(ディーン、ノイヴィルト、第6番)、2018年7月(ターネッジ、第5番、第1番(部分))、9月(第1番(部分)、第2番-第4番) オレブルー大学音楽劇場芸術学部コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)
制作 マルティン・ナゴルニ
録音 クリスティアン・シュタルケ、ファビアン・フランク、バスチアン・シック

 
「音楽作品は、慣れ親しむと、私たちの生活のなかの快適な仲間になってしまう危険がある。世間の人々、周辺のこと、書物、思考と同じように、どれほど特別に優れたものであろうと、それに慣れっこになり、あたりまえのこととさえ思ってしまいがちだ……」(トマス・ダウスゴー)。『ブランデンブルク・プロジェクト』は、2001年、スウェーデン室内管弦楽団の首席指揮者だったダウスゴー Thomas Dausgaard が、芸術面の運営を担当するグレゴル・スビスキーGregor Zubicky とこの問題について話し合ったことから生まれました。スウェーデン室内管弦楽団は、「聴衆に知られ広く愛されている」バッハの《ブランデンブルク協奏曲》と対になる作品を、それまでにコラボレートしたことのある作曲家を中心に6人の作曲家に委嘱。《ブランデンブルク協奏曲》の6曲に共通する楽器編成による6つの「協奏曲」が作曲されました。
 
マーク=アントニー・ターネッジ Mark-Anthony Turnage が、チェリスト、マヤ・バイサー(ベイザー) Maya Beiser の名を曲名に作曲した《Maya(マヤ)》。ハーデンベリエル(ハーデンベルガー) Håkan Hardenberger が演奏するトランペットの3種類の楽器(ピッコロ・トランペット、フリューゲルホルン、C管トランペット)にちなむ曲名がつけられたスティーヴン・マッキー Steven Mackey の《Triceros(トリケロス)》(3つの角)。スウェーデンのアンデシュ・ヒルボリ Anders Hillborg が、即興演奏の好きなヴァイオリニスト、フィンランドのペッカ・クーシスト Pekka Kuusisto を念頭に置いて書いた《Bach Materia(バッハ・マテリア)》。オルガ・ノイヴィルト Olga Neuwirth が「ハインリヒ・シフ追悼(Heinrichi Schiff in memoriam)」の作品として作曲、ギリシア神話から曲名を採った「万有機械論的バレエ(Ballet mécanomorphe)」《Aello(アエロー)》。アラビア語の「5」を曲名とするユリ(ウリ)・ケイン Uri Caine の《Hamsa(ハムサ》。ブレット・ディーン Brett Dean が、《ブランデンブルク協奏曲第6番》の「導入」として作曲した《Approach - Prelude to a Canon(アプローチ - カノンへの前奏曲)》。
 
それぞれの曲は、2015年から2018年にかけて逐次初演され、2018年、ロイヤル・アルバート・ホールで行われた BBC Proms で新旧とりまぜた「12曲」が一日で演奏されました。バッハの音楽の特質をあらためて知り、「今」の作曲家たちの音楽と一緒になって創られた「宇宙」を楽しむプロジェクト。マルティン・ナゴルニ Martin Nagorni がアルバムの制作を担当。ダウスゴーが寄稿した「バッハと仲間」の作品についての詳しいノーツ(英語、ドイツ語、フランス語)がブックレットに掲載されています。
  
価格 7,150円(税込価格)(本体価格 6,500円)

『Russian Spectacular』
BIS SACD 2412 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
モデスト・ムソルグスキー(1839–1881)(ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844–1908)編曲)
 交響詩《禿山の一夜》
モデスト・ムソルグスキー(1839–1881)(モーリス・ラヴェル(1875–1937)編曲)
 組曲《展覧会の絵(Tableaux d’un exposition)》
ミリー・バラキレフ(1837–1910)(セルゲイ・リャプノフ(1859–1924)編曲)
 イスメライ
アレクサンドル・ボロディン(1833–1887)(ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844–1908)、アナトーリ・リャードフ(1855–1914)編曲)
 ダッタン人の踊り(管弦楽と合唱のための)
 (歌劇《イーゴリ公》第2幕 第17番)
  序章(アンダンティーノ) 娘たちの踊り(アンダンティーノ)
  男たちの踊り(アレグロ・ヴィーヴォ) 全員の踊り(アレグロ)
  少年たちの踊りと男たちの踊り(プレスト)
  娘たちの踊り(モデラート・アラ・ブレーヴェ)
  少年たちの踊りと男たちの踊り(プレスト)
  全員の踊り(アレグロ・コン・スピリート)
  シンガポール交響楽団 ラン・シュイ(指揮)
  シンガポール交響楽団合唱団 シンガポール交響楽団ユース合唱団
 
録音 2018年7月 エスプラネード・ホール(シンガポール)
制作・録音・編集・ミクシング インゴー・ペトリ

 
リヒャルト・シュトラウスの管弦楽作品集(BIS SA-2342)をリリースしたシンガポール交響楽団と、2019年に音楽監督を退任し、桂冠指揮者に就任したラン・シュイ Lan Shui(1957–)が2018年に録音した「ロシア音楽のスペクタクル」。ロシア音楽のいわゆる「五人組」のムソルグスキーとボロディンの作品、リムスキー=コルサコフの編曲作品、五人組の作曲家たちを「父親のような存在」「指導者」「革新者」とみなしたバラキレフの作品で構成したアルバムです。ムソルグスキーの《禿山の一夜》と《展覧会の絵》は、それぞれ、リムスキー=コルサコフとラヴェルの編曲によりオーケストラのスタンダード・レパートリーとして定着。バラキレフが、コーカサスの民俗舞曲を基に華麗な技巧と「愛の歌」のメロディをもつピアノ曲に作った《イスメライ》は、リャプノフが編曲、キーロフ歌劇場管弦楽団(現、マリインスキー劇場管弦楽団)とゲルギエフが演奏して一般的に知られるようになりました。ボロディンの歌劇《イーゴリ公》は、作曲者の死後、リムスキー=コルサコフとグラズノフが完成。1890年、サンクトペテルブルクで初演され、美しい幻想的なメロディと荒々しさを併せもつ第2幕フィナーレの『ダッタン人の踊り』は、リムスキー=コルサコフとリャードフが編曲、単独の管弦楽作品として演奏されてきました。インゴー・ペトリが制作、録音を担当した、シンガポールのエスプラネード・ホールでのセッション録音。「音の美しさ」がいかに大切かということを実感させるアルバムです。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ロープ・ダンス(Rope Dance)』
BIS SACD 2453 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical  

 
ヨーリス・ルロフス Joris Roelofs(1984–)
 ロープ・ダンス:みんな、そして、いない人のための足取り軽い音楽
 (Rope Dance: Light-footed Music for All and None)(2015–20)
  Beware the Buffoon!(おどけ者に気をつけろ!)
  Sweet Superman(優しい超人) Rope Dancer(ロープ・ダンサー)
  Are Your Feet Light Enough?(踊れるほど足は軽いか?)
  If You Gaze Long into an Abyss…(深淵をずっと覗きこんでいると…)
  Off Balance(姿勢を崩し)
  Eternal Recurrence(永劫回帰)
  The Three Metamorphoses(三段の変化)
  …The Abyss Will Gaze Back into You(…深淵が覗きかえしてくる)
  The Master Can’t Dance(師匠は踊れない)
  The Convalescent(病みあがりの者) The Laughing Child(笑う子供)
  ブラム・ファン・サムベーク(ファゴット)
  ヨーリス・ルーロス(バス・クラリネット、クラリネット)
  ブラム・ド・ローズ(ピアノ)
  クレメンス・ファン・デル・フェーン(コントラバス)
  マルテイン・フィンク(ドラム)
 
録音 2020年1月 放送音楽センター第2スタジオ(ヒルフェルスム、オランダ)
制作 ヨーリス・ルロフス
録音 ミシャ・デ・カンテル

 
オランダのミュージシャンたちが結成した「一風変わった」ロックバンドの音楽『ORBI – the Oscillating Revenge of the Background Instruments(陽の目を見ない楽器たちの動揺する仕返し)』(BIS-2297)を作った BIS Records が、また、ユニークなアルバムをリリースします。『ロープ・ダンス』。オランダのヨーリス・ルロフスが、主に、ニーチェの哲学、とりわけ『ツァラトゥストラはこう語った』のオープニングの「綱渡り芸人」のたとえ話からインスピレーションを得て作曲した音楽を「組曲」風にまとめ、5人のアンサンブルで演奏したアルバムです。
 
ヨーリス・ルロフス(ヨリス・ルーロス) Joris Roelofs は、クラリネット奏者で作曲家。アムステルダム音楽院で学び、コンセルトヘボウ・ジャズ・オーケストラとウィーン・アート・オーケストラで演奏。2008年からニューヨーク・シティで活動、アリ・ホーニグ、マット・ペンマン、アーロン・ゴールドバーグが参加したデビューアルバム「Introducing Joris Roelofs」などのアルバムを発表しました。近年は作曲活動も知られ、2019年には、オランダの基金から、ニーチェの哲学に基づく《Nietsche Serenade(ニーチェのセレナード)》と《Truth and Lies(真実と嘘)》の作曲を委嘱されています、現在、アムステルダム音楽院のジャズ・クラリネット科の教授として修士課程で音楽と哲学を教え、「ニーチェ、即興と自由の観念」を題材に博士論文に取り組んでいます。シュトゥットガルトの国際ニーチェ研究グループのメンバーです。
 
[プレーヤー・プロフィール]
 
ブラム・ファン・サムベーク Bram van Sambeek(1980–)。オランダのファゴット奏者。ロッテルダム・フィルハーモニックの首席奏者を務めた後、ハーグ王立音楽院で教え、室内楽奏者、ソリストとして活動しています。「ORBI」のメンバー。オランダ音楽賞とボルレッティ=ブイトーニ賞の受賞歴があります。
 
ブラム・ド・ローズ Bram de Looze(1991–)は、ベルギー出身のピアニスト。「LABtrio」のピアニストとして名を知られ、ニューヨークでジャズとコンテンポラリーミュージックを学び、7人の国際的メンバーによるバンド「Septych」を結成しました。
 
クレメンス・ファン・デル・フェーン Clemens van der Feen(1980–)。アムステルダム音楽院とデトモルト音楽大学でジャズとクラシカルのベースを学び、王立コンセルトヘボウ管弦楽団と十八世紀オーケストラで演奏した後、ジャズと即興音楽のプレーヤー、バンドリーダーとして活動。オランダ管楽アンサンブルなどのクラシカル音楽グループとも共演しています。
 
マルテイン・フィンク(マタイン・ヴィンク) Martijn Vink(1974–)。「Bojan Z Trio」「Jasper Blom Quartet」「Jazz Orchestra of the Concertgebouw」をはじめとするアンサンブルのドラマーとして、オランダのジャズシーンを中心に活動。デイヴ・リーブマン、ケニー・ワーナー、クリス・ポッターたちアメリカのジャズ・プレーヤーとも共演してきました。アムステルダム音楽院で教えています。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『サン=サーンス 初期の交響曲』
BIS SACD 2460 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical  

 
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 交響曲 イ長調(c.1850) 交響曲第1番 変ホ長調 Op.2(1853)
 交響曲第2番 イ短調 Op.55(1859)
  リエージュ王立フィルハーモニック管弦楽団
  ジャン=ジャック・カントロフ(指揮)
 
録音 2019年4月、12月 サル・フィルハルモニーク(リエージュ、ベルギー )
制作 イェンス・ブラウン
録音 インゴー・ペトリ

 
BIS Records は、タピオラ・シンフォニエッタと芸術監督ジャン=ジャック・カントロフによるサン=サーンスのアルバムを1997年の交響曲第2番交響曲ヘ長調《首都ローマ》(BIS-790)を皮切りに継続して制作してきました。サン=サーンスの没後100年を記念する2021年、カントロフがリエージュ王立フィルハーモニックを指揮して録音した初期の3つの交響曲アルバムがリリースされます。イ長調の作品は、彼がパリ音楽院で学んでいた16歳のころに作曲した、モーツァルトやシューベルトの香りを漂わせる4楽章の交響曲。交響曲第1番は、17歳の時の作品。〈アダージョ – アレグロ〉〈行進曲 – スケルツォ:アレグレット・スケルツァンド〉〈アダージョ〉〈アレグロ・マエストーゾ〉の4楽章で書かれ、1853年にパリで初演されると、ベルリオーズとグノーから称賛されたことが伝えられています。1859年夏に作曲されたイ短調の第2番は、「フーガ」に基づく第1楽章、「アダージョ」の第2楽章、プレストの〈スケルツォ〉の第3楽章、「プレスティッシモ」の終楽章で構成された作品です。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『オルフェオ』
BIS SACD 2519 2SACD's hybrid (5.0 surround/stereo) early music  

 
クラウディオ・モンテヴェルディ(1567–1643)
 歌劇(音楽による寓話)《オルフェオ(L’Orfeo)》 SV.318(1607)
  アンサンブル・ルンダバロック
   ユーハン・リンデロート(テノール、オルフェオ)
   クリスティーナ・ヘルグレーン(ソプラノ、ムジカ、プロセルピナ、合唱)
   クリスティーネ・ノンボー・アナセン
   (ソプラノ、第1のニンフ、エウリディーチェ、合唱)
   マリア・フォシュストレム(メゾソプラノ、使者、合唱)
   アンナ・サンデル
   (メゾソプラノ、第1の羊飼い、スペランツァ(希望)、合唱)
   エーダム・リース(テノール、第2の羊飼い、アポロ、エコー、合唱)
   ダニエル・オーベリ(バリトン、第3の羊飼い、第2の冥界の精霊、合唱)
   ステフェン・ブルーン(バス、渡し守カロンテ)
   カール・ペーテル・エーリクソン
   (バリトン、第4の羊飼い、冥界の王プルトーネ、合唱)
   アン=マルグレート・ニューベリ(ソプラノ、第2のニンフ、合唱)
   ラスムス・グラーヴァス・ニルセン(テノール、第1の冥界の精霊、合唱)
   スタファン・アルトヴェーグ(バス、第3の冥界の精霊、合唱)
   ヘッドヴィグ・フォン・シャンツ(ソプラノ、合唱)
   スタファン・スレーン(テノール、合唱)
   ペッテル・オストベリ(テノール、合唱)
  ホール・バロック
  アンサンブル・アルタプンタ
  フレードリク・マルムベリ(指揮、オルガン)
 
録音 2019年7月、8月 エースレーヴ教会(ルンド、スウェーデン)
制作 トーレ・ブリンクマン
録音 インゴー・ペトリ、トーレ・ブリンクマン

 
 
モンテヴェルディが1607年に作曲した「音楽による寓話」《オルフェオ》は、5幕という構成、登場人物の多さ、明確なオーケストラの書法、後の時代のオペラと同様に古典的神話に基づく台本といったことから、真の意味での最初の歌劇と言われています。1607年の初演の後、長い空白の期間を経て、1904年、パリのスコラ・カントルムでの演奏会形式での上演をきっかけに演奏機会が次第に増え、21世紀までにはスタンダードのレパートリーとして定着しました。
 
BIS レーベルがリリースする新しい録音は、スウェーデン南部の3つのアンサンブルのコラボレーションから生まれました。テノール歌手ユーハン・リンデロート Johan Linderoth をはじめ、ソプラノのクリスティーナ・ヘルグレーン Kristina Hellgren、クリスティーネ・ノンボー・アナセン Christine Nonbo Andersen、マリア・フォシュストレム Maria Forsström たち、ルネサンスや初期バロックの声楽作品の経験豊富な歌手が集まった、大学都市ルンドの古楽シーンで活動するヴォーカルグループ「アンサンブル・ルンダバロック(Ensemble Lundabarock)」。2012年から毎夏、ホールの町で開催される「ホール・バロックフェスティヴァル」のアンサンブル・イン・レジデンスとして結成された「ホール・バロック(Höör Barock)」は、2016年に『テレマン、コレッリ、J. S. バッハの組曲と協奏曲』(BIS SA-2235)をリリース。ルーマンの《ゴロヴィンの音楽》(BIS SA-2355)でスウェーデン・グラミー賞を獲得しました。そして、金管楽器のグループ「アンサンブル・アルタプンタ(Ensemble Altapunta)」。3つのアンサンブルをまとめるフレードリク・マルムベリ Fredrik Malmberg は、マルメ音楽大学で学び、現在、王立ストックホルム音楽大学の合唱指揮の教授とエーリク・エーリクソン室内合唱団の首席指揮者を務めています。
 
この録音に参加したアンサンブルには、アンサンブル・アルタプンタでトロンボーンとコルネットを担当するオーレ=クリスチャン・アンデシェン Ole-Kristian Andersen のように、《オルフェオ》の上演と録音を何度となく経験したプレーヤーも多数含まれています。2019年夏、ルンドのエースレーヴ教会でのセッション録音です。 
 
価格 5,500円(税込価格)(本体価格 5,000円)

『ミサ曲 ロ短調』
Claves 50 3014/15 2CD’s classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ミサ曲 ロ短調 BWV.232
  リ・アンジェリ・ジュネーヴ
  ソロ:
  アレクサンドラ・レヴァンドフスカ(ソプラノ)
  ゾーエ・ブルックショー(ソプラノ)
  マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)
  アレックス・ポッター(アルト)
  ヴァレーリオ・コンタルド(テノール) ステファン・マクラウド(バス)
  リピエーノ:
  アン=キャスリン・オルセン(ソプラノ) クリステル・モネイ(アルト)
  オリヴィエ・クワフェ(テノール) ヤロミール・ノセック(バス)
  オーケストラ:
  アレクシス・コセンコ(トラヴェルソ)
  エマニュエル・ラポルト(オーボエ)
  オリヴィエ・ピコン(ホルン) ギー・フェルベ(トランペット)
  リーラ・スケイフ(ヴァイオリン)
  ロエル・ディールティエンス(チェロ)
  フランソワ・ゲリエ(チェンバロ) フランシス・ジャコブ(オルガン)
  ステファン・マクラウド(指揮)
 
録音 2020年10月 エルネスト・アンセルメ・スタジオ(ジュネーヴ)
芸術監督・録音・編集・マスタリング  マルクス・ハイラント

 
管弦楽と声楽のアンサンブル「リ・アンジェリ・ジュネーヴ Gli Angeli Genève」は、2005年、スイスのバス・バリトン歌手、ステファン・マクラウド Stephan Macleod(1971–)により創設されました。ピリオド楽器を使って演奏するアンサンブルにはバロック音楽の分野でキャリアを重ねるとともに幅広いジャンルで活動する音楽家が結集、取りあげる作品によって大きさと編成と大きさが自由に変えられます。創設当初からバッハの全カンタータのライヴ演奏を行い、声楽アンサンブルには、アメリカのゾーエ・ブルックショー Zoë Brookshaw、ノルウェーのマリアンネ・ベアーテ・シェラン Marianne Beate Kielland、イングランドのアレックス・ポッター Alex Potter をはじめとする国際的に活動する歌手が参加してきました。J. S. バッハが最後に完成させた作品とされる《ミサ曲 ロ短調》は、2020年10月にジュネーヴのスタジオで録音されました。COVID-19 の状況下でセッションが行われたこともありソロ歌手6人と4人のリピエーノによる声楽の編成を採用。声楽セクションと器楽セクションのプレーヤーが中央のマイクロフォンを円形に取り囲むスタイルで録音が進められました。「Kyrie eleison(主よ憐みたまえ)」「Christe eleison(キリストよ憐みたまえ)」「Gloria in Excelsis(天のいと高きところには神に栄光あれ)」…「Osanna in excelsis(天のいと高きところにホザンナ)」「Agnus Dei(神の子羊)」「Dona nobis pacem(われらに平和を与えたまえ)」。バッハ彼の音楽に敬意を払いながら、物知りぶらず、美しい音と響きの瑞々しい音楽を聴き手に届けます。 
 
価格 4,400円(税込価格)(本体価格 4,000円)

『J. S. バッハ 序曲(管弦楽組曲)』
cpo 555 346-2 classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 序曲第1番 ハ長調 BWV.1066
 序曲第2番 ロ短調 BWV.1067
 序曲第3番 ニ長調 BWV.1068
 序曲第4番 ニ長調 BWV.1069
  コンチェルト・コペンハーゲン
  ラース・ウルリク・モーテンセン(指揮)
 
録音 2019年11月20日–24日 ガーニソン教会(コペンハーゲン、デンマーク)

 
デンマークの国立バロックオーケストラ「コンチェルト・コペンハーゲン Concerto Copenhagen」(CoCo)は、1990年の創設以来、さまざまな古楽器プレーヤーが参加して創造性に富む演奏活動をつづけ、スカンディナヴィアを代表する古楽アンサンブルと呼ばれるまでに成長しました。CoCo の最新録音は、バッハの音楽。「管弦楽組曲」と通常呼ばれる、バッハ自身は「フランス風序曲から始まる作品」と称していたとされる4曲の《序曲》を、芸術監督モーテンセン Lars Ulrik Mortensen が長年研究した成果を反映した「オリジナル版」で演奏しています。この4曲は、確かな作曲時期がわからないものの、今日の研究によると、これまで想定されていたより以前のヴァイーマール、ないしケーテンの時代に作曲されたと推測されており、ティンパニやトランペットは、後年、ライプツィヒで演奏された際に追加された可能性が指摘されています。「深い精神的な知識を探る、あるいは、人間の魂の知られざる局面を開拓するバッハ」ではなく、「晴朗な、気分を高揚させる、優雅なダンスを踊る」バッハの姿がしのばれる24曲。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『王と代官(Drot og Marsk)』
Dacapo 6.200006 3SACD’s hybrid (Multichannel/stereo) classical 

 
ペーター・アーノル・ハイセ(1830–1879)
 歌劇《王と代官(Drot og marsk)》(1878)
  ペーター・ローデール(テノール、エーリク五世)
  ヨハン・ロイター(バリトン、代官スティー・アナセン)
  シーネ・ボンゴー(ソプラノ、代官の妻、レディ・インゲボー)
  ゲアト・ヘニング=イェンセン(テノール、インゲボーの甥ラーネ・ヨンセン)
  ソフィー・エルケーア・イェンセン(ソプラノ、炭焼き娘オーセ)
  モーテン・スタウゴー(バス、ハラン伯爵ヤコプ)
  シモン・ドゥース(バスバリトン、大執事イェンス・グラン)
  マティアス・モンラズ・ムラー(テノール、アーヴェズ・ベングトセン)
  タイト・カンストロプ(バリトン、伝令)
  王立デンマーク歌劇場合唱団 王立デンマーク管弦楽団
  ミケール・シュンヴァント(指揮)  
 
録音 2019年4月12日、5月22日、25日 王立オペラハウス(コペンハーゲン)(ライヴ録音)
制作・録音・ミクシング・マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
ペーター・ハイセ Peter Arnold Heise の《王と代官》は、「ロマンス」作家としての名を確立していた彼が、1878年に完成させた4幕の悲劇オペラです。ヴァルデマー二世「勝利王」が没し、デンマーク史上の「暗黒時代」が訪れた13世紀、実際に起きた不可解な事件に基づきクリスチャン・リカート Christian Richardt(1831–1892)が書いた台本に作曲されました。「1286年11月22日、デンマーク国王が、ヴィボー南西の町に近い教会の納屋で殺された。妻を陵辱されたことへの復讐か、それとも政治的な動機による殺人か? おそらく、その両方が絡んでいるのだろう。王の名はエーリク。財政が逼迫、王家の貨幣製造者が貨幣の一部を削り始めたことから、「クリピング(切り詰め」のあだ名で呼ばれていた。王の死骸がフィネロプの納屋で発見された時、その体には56ヶ所の刺し傷があったという」。1878年9月25日、王立デンマーク劇場で初演。ハイセの鋭いドラマ感覚と美しい抒情をもった作品は、成功を収め、以後、この劇場のレパートリーとして定着しました。2019年、コペンハーゲンの新しいオペラハウスで初めて、この作品が上演されました。エイミー・レインとカスパー・ホルテンの演出。王立デンマーク劇場の前音楽監督、「コペンハーゲン・リング」として話題になったホルテン演出の《ニーベルングの指輪》のミケール・シュンヴァント Michael Schønwandt が指揮を担当しました。Dacapo のアルバムは、王立オペラハウスのこの公演をライヴ収録して制作されました。シュンヴァントにとっては、デンマーク国立交響楽団を指揮した演奏(Chandos)に次ぐ二度目の録音です。
 
価格 5,830円(税込価格)(本体価格 5,300円)

『動物の宇宙(Animal Universe)』
Dacapo 8.224733 contemporary/classical 

 
『動物の宇宙(Animal Universe)- 12人の作曲家による12のピアノ・エチュード』
アナス・コペル(1947–)
 アナグマ(Grævlingen)(2018)
アナス・ノーオントフト(1957–)
 クモ(Edderkop)(2018)
  クモが散歩する(Edderkop spadserer en tur)
  クモが巣をはっている(Edderkop spinder sit spind)
  クモは巣を支配する(Edderkop hersker over sine vævninger)
ヨン・フランセン(1956–)
 カバ(Hippopotamus)(2018)
ペーター・ブルーン(1968–)
 カエル(Frø)(2018)
  思慮深いカエルが跳ねる(Tænksom frø tar springet)
  思慮深いカエルと用心深い鳥(Tænksom frø og forsigtig fugl)
  恐れたカエルが倒れる(Frygtsom frø falder)
エヴァ・ノア・コンドロプ(1964–)
  アザラシ(Sæl)(2018)
アナス・ブレズゴー(1955–)
 カメレオン変奏曲(Kamæleonvariationer)(2019)
  主題:人生の一コマ(Theme: A Day in the Life…)
  第1変奏:風景。母親と赤ん坊。空気中の何か
  (Var. I: Landscape. Mother and Baby.  Something in the Air)
  第2変奏:カメレオン・ラブコール(Var. II: Chameleon Love Call)
  第3変奏:アンコール:パリのカメレオン
  (Var.III: Encore: A Chameleon in Paris)
ビアギテ・アルステズ(1942–)
 カメが夢を見る…何?(Skildpadden drømmer - hvad?)(2019)
アンディ・ペイプ(1955–)
 小さなゾウ(Loxodóntula)(2019)
カーステン・フォンデール(1966–)
 渡り鳥(Trækfuglen)(2019)
アミール・マヤル・タフレシプール(1974–)
 ペルシャのチーター(Den persiske gepard)(2018)
  チーターの子が生まれた(En lille gepard er født)
  狩の経験(Jagtoplevelsen)
  チーターと人間(Geparden og mennesket)
モーウンス・クリステンセン(1955–)
 スピロッパー(Spillopper)(2019)
  跳ねるノミ(Hoppe-loppe) ノミの仕事(Loppetjans)
  ノミの踊り(Loppedans)
エーリク・ウーロム・フォン・スプレケルセン
 ミユビシギ(Sandløberen)(2019)
  クリスティーナ・ビャアケー(ピアノ)
 
録音 2019年8月2日–4日 デンマーク国立音楽大学(オーゼンセ、デンマーク)
制作・録音・編集・ミクシング・マスタリング ヴィゴ・マンゴ

 
「エチュード(スタディ)」への挑戦は、バッハとショパンから、後の音楽家たちの興味をそそり、インスピレーションを与えてきました。技術の向上のために考案された音楽が、それ自体、美的価値をもつことができるだろうか? デンマークのピアニスト、クヌーズオーウ・リスエーヤのピアノ作品集(Dacapo 8.226004)やカール・ニルセンのピアノ曲全集(cpo 777 412-3)などの録音が高く評価されたクリスティーナ・ビャアケー Christina Bjørkøe(1970–)は、この問いに対する、素晴らしい発想の答えを用意しました。彼女は、デンマークで活動する12人の作曲家に「動物」をテーマにした作品を委嘱。彼女が准教授を務めるデンマーク国立音楽大学の同僚、エーリク・ウーロム・フォン・スプレケルセンをはじめとする、それぞれに独自のスタイルをもつ作曲家たちから作品が届きました。チャーミングだったり、刺激的だったり、有益だったり、多彩な曲の集まった動物園。「ノミからカバまで、初心者からプロフェッショナルまで、誰にとっても何かがある」。 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『メディア/リューシストラテー』
Dacapo 8.226129 contemporary/classical 

 
マルク=アントワーヌ・シャルパンティエ(c.1643–1704)(ステイングリームル・ローロフ(1971–)編曲、再作曲)
 歌劇《メデア(Médée)》 H.491(1693)
 - 第3幕 第3場 アリア「なんというわが愛の代償(Quel grix de mon amour)」
ステイングリームル・ローロフ(1971–)
 メディアの5つの歌(Five Songs by Medea)(2019)
 (ペーター・ラウゲセン(1942–)によるテクスト)
 リューシストラテー(Lysistrata)(2015–16)
 (序曲とリューシストラテーの歌)
  トゥーヴァ・センミングセン(メゾソプラノ)
  ペーター・ラウゲセン(ヴォイス)
  エスビェア・アンサンブル
  ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指揮)
 
録音 2018年6月2日–3日、2019年6月20日–21日、2020年6月10日–11日 エスビェア音楽ホール(Esbjerg Musikhus)(エスビェア、デンマーク)
制作・録音・ミクシング・マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
古代ギリシャで劇に描かれたふたりの女性、メディアとリューシストラテーは、何世紀にもわたり、芸術家たちの創作意欲をかきたててきました。アイスランド系ドイツの作曲家ステイングリームル・ローロフ Steingrímu Rohloff もそのひとりです。彼は、パリのジェラ=ル・グリゼーの下で学び、自身の官能的で明晰なの「音楽の声」見つけたと言います。このアルバムでは、メディアとリューシストラテーの題材をデンマークの詩人ペーター・ラウゲセン Peter Laugesen がテクストにした2つの作品と、ローロフが編曲と再作曲を手がけたマルク=アントワーヌ・シャルパンティエの「抒情的悲劇」《メデア》のアリアが演奏されます。
 
《メディアの5つの歌》は、「Hvorfor fuglene synger(なぜ鳥は歌うのか)」「Skæbnen er en rotte(運命はネズミだ)」「Jasons kranie(イアソンの頭蓋骨)」「Jeg kan tænde vulkaner(わたしは火山に点火できる)」「Jeg slukker nu(始末をつけて)」。アリストパネスの戯曲『リューシストラテー(女の平和)』をラウゲセンが自由に編纂したテクストによる《リューシストラテー》は、「Ouverture(序曲)」と、「Lystrates plan(リューシストラテーの計画)」「Pyntesyge kvinder(派手に見せようとする女たち)」「Den slags pjat(あの手の愚かさ)」「Smerten(痛み)」「Glem(忘れなさい)」の5つの歌で構成されています。抒情性、悲劇と喜劇の劇性、高い表現性を備えた、「ポスト・モダン」の21世紀の音楽。ノルウェーのメゾソプラノ歌手、ノルウェー国立音楽大学とコペンハーゲンの王立オペラ・アカデミーで学び、1999年に王立デンマーク歌劇場でデビューしたトゥーヴァ・センミングセン Tuva Semmingsen のソロ。1967年に創設され、ローロフとは10年間、コラボレーションを行ってきたエスビェア・アンサンブル Esbjerg Ensemble が共演しています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『ランゴー ヴァイオリンとピアノのための作品全集 第3集』
Dacapo 8.226132 classical 

 
ルーズ・ランゴー(1893–1952)
 オーバード(朝の歌)(Aubade) BVN23(1907)
 ソナタ第2番《偉大なる主がおいでになる(Den store mester kommer)》
  BVN167(1920–21)(ヴァイオリンとピアノのための)
 「Facile elegante cattolica!」(第5部分の代替稿)(1920 rev.1948)
 夜警の歌(Vægtervers) BVN10(1906)
 ソナタ第3番 BVN312(1945–49)(ヴァイオリンとピアノのための)
  ゴンヴォ・シーム(ヴァイオリン)
  ベーリト・ヨハンセン・タンゲ(ピアノ)
 
録音 2018年5月18日、20日–21日(第2番)、2019年8月12日、14日–15日 王立デンマーク音楽アカデミー、コンサートホール、(コペンハーゲン)
制作 ティム・フレゼリクセン
録音・編集・マスタリング ラグンヘイズル・ヨウンスドウッティル

 
ルーズ・ランゴー Rued Langgaard の「ヴァイオリンとピアノのための作品」の第1集(8.226130)、第2集(8.226131)につづく第3集。《オーバード(朝の歌)》は、ランゴーが14歳だった1907年8月、一家が夏季休暇を過ごしたスウェーデン南西部、クッレン半島のアーリルド村で作り、叔父のアクセル・ゲーゼに献呈したサロン風の作品。《ソナタ第2番》は、1920年の前後、交響曲第6番《天を裂いて》やピアノソナタ《深淵の音楽》といった重要な作品が作られた時期に書かれました。第一次世界大戦がきっかけとなった黙示録的考えにつながる「生命哲学の音楽」の一作。B.S. インゲマンの賛美歌『偉大なる主(あるじ)がおいでになる』を引用、宗教性と精神性の強い音楽です。このアルバムでは、単一楽章で書かれた作品の第5部分の代替稿も演奏されます。《夜警の歌》は、デンマークの夜警たちが歌ってきた歌の歌詞に新しいメロディをつけ、低声、ヴァイオリンまたはチェロとピアノの作品として書かれました。《ソナタ第3番》は、1945年から1949年にかけて作曲された、回顧的な色彩と気分をもったロマンティックな作品です。ゴンヴォ・シーム Gunvor Sihm ベーリト・ヨハンセン・タンゲ Berit Johansen Tange の演奏。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『Octagonal Room(八角形の部屋)』
Dacapo 8.226594 contemporary/classical 

 
ラース・ヘゴー(1950–) ギターのための独奏曲と室内楽曲
 Four Rhythmical Pieces(4つのリズミカルな小品)(1999)
 (ギター・ソロのための)
 Trois Poème d’Arthur Rimbaud(アルチュール・ランボーの3つの詩)(2003)
 (ソプラノ・ソロとギターのための)
  Enfance(少年時代) Veillées(眠らない夜) Départ(出発)
 Rituals(儀式)(2003)(ギターとアンサンブルのための)
 Points of Disappearance(消失点)(2002)
 (ギターとチェロのための5つの習作)
 Configurations(形態)(1988)(ヴィオラとギターのための)
 Octagonal Room(八角形の部屋)(1999)
 (ギター・ソロと弦楽四重奏のための)
  イェスパー・シーヴェベク(ギター)
  シーネ・アスムセン(メゾソプラノ)
  セシーリェ・バリング(ヴァイオリン)
  ミカル・ハリング(チェロ) アナ・アンゲロフスカ(フルート)
  エドゥアルド・サンチェス(クラリネット)
  シャオ=トン・ユエン(打楽器)
  フィリップ・シュトラウフ(ピアノ) マクス・アートヴェズ(指揮)
  モーテン・ソイテン(チェロ) ティム・フレゼリクセン(ヴィオラ)
  アルバ弦楽四重奏団
 
録音 2015年(消失点、ランボー、リズミカルな小品)、2017年(儀式、形態)、2019年(八角形) 王立デンマーク音楽アカデミー、コンサートホール、(コペンハーゲン)
制作 トミ・カンプ・ヴェスタゴー、ラース・へゴー
録音・編集・マスタリング トミ・カンプ・ヴェスタゴー

 
デンマークのラース・ヘゴー Lars Heggard は、数々の賞を受け、40年以上に渡ってデンマークの音楽生活にとって重要な表現者としての活動を続けてきました。作曲者自身の楽器、ギターに焦点をあてたこのアルバムでは、彼が小グループのために作曲した作品から、もっとも重要な6曲が演奏されます。「ソロ楽器」としてのギターの可能性が、洗練された「モダニスト」の表現性によって鮮やかに描かれます。イェスパー・シーヴェベク Jesper Sivebæk は、西ユラン音楽院(現、デンマーク国立音楽演劇アカデミー)でヤーアン・ビャアスレウ、マルメ音楽大学でペール=オーロフ・ユーンソンに学びました。ソリスト、室内楽奏者、共同創設したスカンディナヴィア・ギター・デュオのプレーヤーとして活動。カール・オーウ・ラスムセン、ラース・へゴー、ウルリク・ノイマン、アナス・コペル、ポウル・ルーザスの協奏曲の初演も彼が手がけました。 
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円) 

『スヴァイン・フンスネス ピアノ作品集 第2集』
Grand Piano GP843 classical 

 
スヴァイン・フンスネス(1951–)
 ピアノソナタ第2番(2017–19)
 冬の踊り(Vinterdanser)(2017–19)
 光の陰影(Nuances de lumière)
  火を手にするジョグラーたち(Jongleurs de feu)
  前奏曲と子守歌(Prélude et Berceuse)
  影の踊り(La Danse des Ombres)
  ドゥケサの午後(Une après midi à la Duquesa)
  ラウラ・ミッコラ(ピアノ)
 
録音 2020年8月11日–13日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)

 
スヴァイン・フンスネス Svein Hundsnes(1951–)は、調性のある音楽から無調の音楽、ジャズ、ロックからファンクと、さまざまなジャンルの間を自在に動く作風で知られ、ノルウェーでもっともユニークなスタイルの作曲家のひとりに挙げられます。最初のアルバム(GP800)で第1番が演奏された《ピアノソナタ》の第2番。《冬の踊り》は、フンスネス一流のユニークなリズムを駆使した、「Molto animato(きわめて速く)」「Alegretto con grazia(気品をもってやや速く)」「Esitante(ためらいながら)」「Con moto(動きをつけて)」「Moderato con anima(生き生きと中庸の速さで)」の5楽章の作品。《光の陰影》では、自然界のさまざまな現象が「音」に描かれています。第1集と同じ、フィンランドのピアニスト、ラウラ・ミッコラ Laura Mikkola による録音です。 
 
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)

『ベートーヴェン 交響曲第3番』
Harmonia Mundi HMM 902421 classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 交響曲第3番 変ホ長調 Op.55 《エロイカ(Eroica)》
エティエンヌ・ニコラ・メユール(1763-1817)
 歌劇《アマゾネス(Les amazones)》序曲
  レ・シエクル フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
 
録音 2020年3月 レイモン・ドゥヴォス市立劇場(トゥルコワン、フランス)(ベートーヴェン)、2月 セーヌ・ミュジカル(ブローニュ=ビヤンクール、フランス)(メユール)
芸術監督・録音 イジー・ヘーガー

 
Harmonia Mundi レーベルが、ベートーヴェンの生後250年の2020年から没後200年の2027年にかけて彼の作品を新しい録音でリリースする「エディション」は、1970年代ないし1980年代からヨーロッパを中心に興った、「音楽」と「音楽史」を再考する動きを反映して制作されています。ベルリン古楽アカデミーの交響曲第6番とクネヒトの《自然の音楽による描写、あるいは大交響曲》(HMM 902425)、レ・シエクルとロトによる交響曲第5番とゴセックの《交響曲 ヘ長調》(HMM 902423)、ルネ・ヤーコプスとフライブルク・バロック・オーケストラ(FBO)の《ミサ・ソレムニス》(HMM 902427)、ゴットフリート・ヴォン・デア・ゴルツと FBO の交響曲第7番と《プロメテウスの創造物》(HMM 902446.47)と、いずれも、ベートーヴェンの作品を「生まれたばかり」の「音」と「響き」による新鮮な音楽として示してきました。
 
レ・シエクルとロトによる新作は、第3番の交響曲《エロイカ》にメユールの歌劇《アマゾネス》の序曲を組み合わせて制作されました。エティエンヌ・ニコラ・メユール Étiienne Nicolas Méhul(1763-1817)は、フランス革命の時代とナポレオン時代でもっとも重要なオペラ作曲家に挙げられ、「ロマンティシズム」と称される最初期のひとりといわれています。ギリシア神話に基づく3幕の歌劇《アマゾネス、または、テーバイの建国(Les amazones, ou La fondation de Thèbes)》は、1811年12月17日、皇帝ナポレオンと新妻マリー=ルイーズの臨席の下、パリ・オペラ座で初演された作品です。この初演は、劇作家ドジュイの書いた台本の弱さがもとで失敗。作曲者メユールは、結核を患っていた身に決定的な精神的打撃を受け、しばらくの間、舞台作品の作曲から遠ざかってしまいました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

『思いがけない歌(Unexpected Songs)』
LAWO Classics LWC1204 contemporary/classical

 
アルネ・ヌールハイム(1931–2010)
 3つの思いがけない歌(Three Unexpected Songs)
 (トルクァート・タッソ(1544–1495)の詩)
  ただ美しいがゆえにあなたを愛する(Io v’amo sol perchè voi siete bella)
  時よ、動きを止めよ(Ore, fermate il volo)
  波が押し寄せてくる(Ecco mormorar l’onde)
 はじめての蝶々(Den førstte Summerfugl)
 (ヘンリク・ヴェルゲラン(1808–1845)の詩)
コンラード・バーデン(1908–1989)
 賛歌(Hymnus)
 (ヴェナンティウス・フォルトゥナトゥス(c.530–c.609)の詩)
エギル・ホーヴラン(1924–2013)
 マニフィカト(Magnificat)(『ルカによる福音書』)
シェル・モルク・カールセン(1947–)
 ミサ・ブレヴィス(Missa Brevis)(『通常ミサ』典礼文)
 神に、わたしの魂は渇く(My soul thirsts for God)(『詩編42番』)
  ダニエル・セーテル(カウンターテナー)
  カロリーネ・アイステン・ダール(リコーダー)
  リュネッタ・テイラー・ハンセン(フルート)
  マリアンネ・スヴェンニング(オーボエ)
  イーダ・ブリューン(ヴィオラ)
  アンネ・スティーネ・ダール(チェロ)
  ヘンリッケ・G・リュンニング(ガンバ)
  ヴェーガル・ルン(テオルボ)
  ビルギッテ・ヴォラン・ホーヴィーク(ハープ)
  ラーシュ・ヘンリク・ヨハンセン(チェンバロ)
  アンデシュ・アイステン・ダール(オルガン)
 
録音 2019年2月25日–3月1日 ブラゲルネス教会(ドランメン、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ノルウェーの歌手、ダニエル・セーテルのデビュー・アルバム『思いがけない歌』。バロック音楽や「髪粉をつけたかつら」と結びつけられがちな「カウンターテナー」の声で20世紀ノルウェーの作品を歌ったアルバムです。セーテル Daniel Sæter は、イギリスの王立バーミンガム音楽院、オランダのハーグ王立音楽院で学び、カウンターテナー歌手としてアーリーミュージックと現代音楽をレパートリーに2011年から各国のコンサートとオペラに出演。2019年の秋にはノルウェー国立劇場がジョン・マッデン監督の映画に基づいて上演した『Forelska i Shakespeare(恋におちたシェイクスピア)』に出演しました。
 
このアルバムの作品の多くは、『旧約聖書』の『詩編42番』(涸れた谷に鹿が水を求めるように)、『新約聖書』『ルカによる福音書』の「マリアの賛歌」、『カトリック・ミサ』といった宗教的性格のテクストに作曲され、アルネ・ヌールハイムの《3つの思いがけない歌》はイタリアの詩人トルクァート・タッソ Torquato Tasso の詩、ヌールハイムが書いたもっとも簡素で美しい歌曲《はじめての蝶々》はノルウェーの作家ヘンリク・ヴェルゲラン Henrik Wergeland の詩が、それぞれテクストに使われています。『ブラックバード』(LWC1069)のカロリーネ・アイステン・ダール Caroline Eidsten Dahl のリコーダー、フルートとオーボエ、現代と古い時代の弦楽器、ハープ、チェンバロとオルガン。幅広い表現とスタイルのプログラムに合わせた楽器が共演しています。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『キュームシュテット、ファン・エイケン、ロイプケ オルガンのための音楽』
LAWO Classics LWC1205 classical 

 
フリードリヒ・キュームシュテット(1809–1858)
 幻想曲(演奏会用小品)(Fantaisie(ein Concertstück)) Op.47
 大ソナタ(Grosse Sonate)(ト長調) Op.49
ヤン・アルベルト・ファン・エイケン(1823–1868)
 オルガンソナタ第2番(Sonate Nr.2 für Orgel) Op.15
ユリウス・ロイプケ(1834–1858)
 オルガンソナタ《詩篇94番》(Orgelsonate «Der 94, Psalm»)
  ハルゲイル・シャーゲル(オルガン)
 [ヘルマン・オイレ・オルガン工房のオルガン(Opus 677)]
 
録音 2019年4月23日–25日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音] 

 
ヨハン・ゴットロープ・シュナイダーの作品集『オルガンの王(Der Orgelkönig)』(LWC1090)、ドイツ・ロマンティシズム時代の音楽を集めた『神よ国王を守りたまえ(God Save the King)』(LWC1102)を録音したノルウェーのオルガニスト、ハルゲイル・シャーゲル Hallgeir Schiager(1955–)の LAWO Classics 第3作。19世紀ドイツのオルガン音楽を特徴づける「交響的」規模と性格をもった作品によるプログラムのアルバムです。
 
ダルムシュタットでクリスチャン・ハインリヒ・リンク、ヴァイマールでフンメルに学んだオルガニスト、作曲家、フリードリヒ・キュームシュテット Friedrich Kühmstedt(1809–1858)の作品が2曲。リューベックの聖マリア教会に新しく設置されたシュルツェ・オルガンを聴いた後に作曲された、自由な構造の5つの部分から成る《幻想曲》。同一主題を使った3つの楽章の《大ソナタ》は、作曲者の死後出版された作品です。ヤン・アルベルト・ファン・エイケン Jan Albert van Eyken(Eijken)(1823–1868)は、ライプツィヒ音楽院で学んだオランダのオルガニスト、作曲家。《オルガンソナタ第2番》は、ふたつの「アレグロ」の楽章が抒情的な「アダージョ」の楽章をはさむ、古典的な構成で書かれた作品です。フランツ・リストに学んだユリウス・ロイプケ Julius Reubke(1834–1858)の《オルガンソナタ》は、『詩篇94番』「主よ、報復の神として 報復の神として顕現し 全地の裁き手として立ち上がり」のテクストを背景とする、彼の傑作のひとつに挙げられている作品です。ドイツのヘルマン・オイレ・オルガン工房 Hermann Eule Orgelbau が製作した、19世紀ドイツのオルガンに倣った響きと音色をもつ、ソフィエンベルグ教会のオルガンによる演奏。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『白の度数(Grader av hvitt/Degrees of White)』
LAWO Classics LWC1206 2CD's contemporary/classical 

 
ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960–)/ヨハン・ハーシュタード(1979–)
[Disc 1]
 白の度数(Grader av hvitt)(ノルウェー語版)
[Disc 2]
 白の度数(Degrees of White)(英語版)
  ライラ・グッディ(ノルウェー語ナレーション)
  ペトロネッラ・バーカー(英語ナレーション)
  ノルウェー放送管弦楽団 クリスチャン・エッゲン(指揮)
  ハーラル・オードラン(ヴァイオリン) ヴィリ・オーセ(ヴァイオリン)
  ヨン・ヴィーン・ソンステボー(ヴィオラ) エメリ・カルダス(チェロ)
  ラッセ・マルハウグ(エレクトロニック・サウンド)  
  
録音 2017年2月20日–23日(音楽)、2018年2月22日、2019年5月14日(ナレーション) NRK(ノルウェー放送)大スタジオ(コンサートホール)(オスロ)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
作家、劇作家のヨハン・ハーシュタード Johan Harstad(1979–)が、女の人格のさまざまな層をめくってゆく辛辣なテクストを書く。作曲家、オルガニストのニルス・ヘンリク・アスハイム Nils Henrik Asheim(1960–)が、無数の層で構成した「音風景」を作る。異なる段階の「凍傷」を経験してゆく女を彼女の声とオーケストラによって描いた『白の度数(Grader av hvitt/Degrees of White)』は、ノルウェーの芸術家ふたりのコラボレーションから生まれた作品です。「とても静かなところね。わたしたちは、グリーンランドにいるの。近くだと思うけど、どこかに主人のアンドレーアスがいるはず。上着を脱ぎ、その上に腰をおろした。もう、凍えて死にそうだわ……」。ハーシュタードとアスハイムのアイデアは、年月をかけて練り上げられ、2017年2月、クリスチャン・エッゲン Christian Eggen 指揮のノルウェー放送管弦楽団の演奏で録音。「COVID-19」の年、別セッションで録音されたノルウェー語と英語のナレーション、エレクトロニクスによるサウンドのミクシングが行われ、「シンフォニー、モノドラマ、ラジオ劇、サウンドアート」の要素をもつ「冷たく荒廃した世界」の4部のドラマが完成します。アルバムは、2枚のCDで構成され、[Disc 1]に「ノルウェー語ナレーション」、[Disc 2]に「英語」の版が収録されています。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ニーダロス大聖堂にこだまするライプツィヒ(Echoes of Leipzig in Nidaros Cathedral)』
LAWO Classics LWC1208 classical  

 
フリチョフ・アンデシェン(1876–1937)
 序奏とフーガ(Introduksjon og fuge) へ短調
ライフ・ソールベルグ(1914–2016)
 オルガンのためのパストラール(Pastorale for orgel)
シーグル・イスランスモーン(1881–1964)
 トッカータとパッサカリア(Toccata og passacaglia) Op.63
 夜想曲(Nocturne)(《オルガン・ソナタ(Sonata for orgel)》 Op.50 から)
アーリル・サンヴォル(1895–1984)
 6つの即興曲(Seks improvisasjoner) Op.5
トマス・サルヴェセン(1915–1995)
 オルガンのためのパッサカリア(Passacaglia for orgel) Op.5
ライフ・ソールベルグ(1914–2016)
 前奏曲とフーガ(Preludium og fuge) ハ短調(1933)
フリチョフ・スパルデル(1896–1985)
 パストラール(Pastorale)(1930)
ルードヴィーグ・ニルセン(1906–2001)
 序奏とフーガ(Introduksjon og fuge) Op.6(1943)
  マグネ・H・ドローゲン(オルガン)
 [ニーダロス大聖堂のシュタインマイヤー・オルガン]
  
録音 2019年6月25日–27日 ニーダロス大聖堂(トロンハイム、ノルウェー)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音] 

 
作曲家エドヴァルド・グリーグがライプツィヒに留学した1850年代、ノルウェーの音楽教育はまだ黎明期にあったといわれます。ライプツィヒの音楽院は当時ヨーロッパでもっとも進歩的な音楽学校とみなされ、グリーグにつづくノルウェーの若い音楽家たちが多数、海を渡りました。19世紀から20世紀への変わり目には、音楽院で教えていた作曲家のマックス・レーガーとオルガニストのカール・シュトラウベの下で学ぶため、ノルウェーの学生が次々とライプツィヒに留学。彼らが、帰国後、クリスチャニア(現、オスロ)や各地の教会と大聖堂のオルガニストとして活躍することになります。ノルウェー国立音楽大学で学び、2012年からニーダロス大聖堂の音楽監督を務めるマグネ・H・ドローゲン Magne H. Draagen(1974-)の新しいアルバムでは、ライプツィヒ音楽院で学んだ、あるいは彼らに学んだ音楽家たちの作品が演奏されます。アーリル・サンヴォル Arild Sandvold(1895–1984)の《6つの即興曲》は、ノルウェー伝承の賛美歌「Herre Gud, ditt dyre navn og ære(主なる神よ、御名の讃えられんことを)」「Eg veit i himmerik ei borg(天の砦を知っている)」「Gud la oss i din kunnskap fremme(神よ、われらの知識を深めさせてください)」「Høyr, kor kyrkjeklokka lokkar(聞け、教会の鐘が誘ってくる)」「Overmåde fullt av nåde(神の恩寵の豊かさ)」「Hos Gud er idel glede(神とともにある真の喜び)」を素材にした作品です。北ヨーロッパで最大の教会オルガンのひとつ、ニーダロス大聖堂のシュタインマイヤー・オルガンを弾いた、『ニーダロス大聖堂のシュタインマイヤー・オルガン』(LWC1075)に次ぐ録音。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『雪のように静かに(Stille som sne)』
LAWO Classics LWC1209 classical  

 
カール・クリスチャン・ニコライ・バレ(1806–1855)(マーリト・トンデル・ボスベルグ・ヴァイデ(1981–)編曲)
 今一度クリスマスの鐘が鳴る(クリスマスを祝う鐘が鳴る)
 (Det kimer nå til julefest)
オプダール民謡(エギル・ホーヴラン(1924–2013)編曲)
 さあ鐘よ鳴れ(Kling no klokka)
ハーデナク・オト・コンラズ・スィンク(ハルトナハ・オットー・コンラート・ツィンク)(1746–1832)(メテ・オストビュー・カンペルハウグ 編曲)
 フィヨルドと岸辺から(Fra fjord og fjære)
スンフィヨルド民謡(イードゥン・ヴィンスポル(1986–)編曲)
 幼な子は喜ばしく(Et lite bån)
アイナル・トヴィンネライム(1904–1993)(マーリト・トンデル・ボスベルグ・ヴァイデ(1981–)編曲)
 静かに教会の鐘が鳴る(Stille kyrkjeklokka sler)
ヨハン・エーブラハム・ペーター・シュルス(1747–1800)(イードゥン・ヴィンスポル(1986–)編曲)
 子供たちよ、あなたたちのところに行きましょう(Her kjem me, dine arme smaa)
フランツ・クサヴァー・グルーバー(1787–1863)(ビョルン・アンドル・ドラーゲ(1959–)編曲)
 聖しこの夜(Stille natt)
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 クリスマスの歌「私には富も名声もいらない」(Gjev ikkje glans og gull og prakt) Op.1 no.4
トマス・ベック(1899–1963)(イードゥン・ヴィンスポル(1986–)編曲)
 祝福されたクリスマスイブ(Sæle jolekveld)
シーグル・リ(1871–1904)(オイスタイン・ソンメルフェルト(1919–1994)編曲)
 雪(Sne)
ペーデル・クヌーセン(1819–1863)(クヌート・ローケン(1944–)編曲)
 クリスマスイブは幸せな気持ちに(Jeg er så glad hver julekveld)
ヤコプ・ゲアハルト・マイデル(1778–1857)(イードゥン・ヴィンスポル(1986–)編曲)
 うるわしき青空(Deilig er den himmel blå)
スヴァイン・グンデシェン(1949–)(クリスティーネ・ヴィルヘルムセン(1986–)編曲)
 輝く星が東の空に(Den store stjerna)
トリグヴェ・ホフ(1938–1987)(マグヌス・フレムスタ(1995-)編曲)
 北ノルウェーのクリスマスキャロル(Nordnorsk julesalme)
シュレジェン民謡(アーネ・エミーリエ・ヴォル・ミケルソン(1991–)編曲)
 この世はうるわし(Deilig er jorden)
  オスロ大学女声合唱クラブ
  マーリト・トンデル・ボスベルグ・ヴァイデ(指揮)
  インゲル=リーセ・ウルスルード(オルガン)
 
録音 2020年3月6日–8日 ウラニエンボルグ教会(オスロ)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音 トマス・ヴォルデン [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
「オスロ大学女声合唱クラブ(Kvindelige Studenters Sangforening)(KSS)」(アカデミー女声合唱団、オスロ大学女声合唱協会)は、1895年に創設された、世界最古の学生の女声合唱グループです。現代ノルウェーの作品を歌った『姿をあらわす黄金色の太陽のように』(LWC1144)をリリースした彼女たちは、COVID-19 によって「普通の生活」が送れなくなった2020年、『貧しき地はクリスマスの静けさに』(2009)(LWC1009)に次ぐ2作目のクリスマス・アルバムを録音しました。ノルウェーで伝統的に歌われているキャロル、谷合で歌い継がれてたきた賛美歌。「大声で話される言葉や騒音を沈黙させる『雪』の純粋さと静けさ」をイメージしたプログラムが組まれました。シベリウス自身が女声四部合唱のために編曲した《クリスマスの歌》(1942年編曲)などをのぞき、メンバーによる編曲とクラブの友人たちが彼女たちのために手がけたの編曲で歌われます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『奉献誦(Offerto)』
Metier MSV28616 contemporary/classical

 
『奉献誦(Offerto) - ハブリジ・ハトルグリームソン ソロ・ヴァイオリンのための作品集』
ハブリジ・ハトルグリームソン(1941–)
 クレーのスケッチ(Klee Sketches) Op.32(2005–19)第1巻
  Klee practicing an accompaniment for a popular song
  And now for the art of string-crossing
  Klee experimenting with a new scale
  Klee takes a legato-line for a walk(version B)
  Do not neglect your pizzicato Herr Klee
  Frau Klee is sleeping(version B)
  Klee entertaining Kandinsky
 奉献誦(カール・クヴァーラン追悼)
 (Offerto(in memoriam Karl Kvaran))Op.13(1991)
  Written in sand(砂に書かれた)
  Lines without words(言葉のないくだり)
  The flight of time(時の飛翔) Almost a hymn(賛美歌まであと一歩)
 クレーのスケッチ(Klee Sketches) Op.32(2005–19)第2巻
  Klee the artist plays his violin
  Klee ‘sounds out’ an etching he is contemplating
  Frau Klee is sleeping(version A) Klee sketching a tree
  Klee performing at the grave of his father Klee observing a large butterfly
  Klee takes a legato-line for a walk(version A)
  Klee notates birdsong in the aviary
  ピーター・シェパード・スケアヴェズ(ヴァイオリン)
 
録音 2019年5月15日、7月3日、2020年11月30日、12月1日 セントマイケル教会(ハイゲート、ロンドン)

 
ハブリジ・ハトルグリームソン Hafliði Hallgrímsson(1941–)は、アイスランドの作曲家、チェリスト 。スコットランド室内管弦楽団で首席チェロ奏者を務め、作曲活動に専念するため1983年に退団し、2008年から2年間、アイスランド交響楽団のコンポーザー・イン・レジデンスとして作品を発表しました。1986年のNOMUS(北欧音楽委員会)賞を受けたヴァイオリンと弦楽オーケストラのための《ポエミ》が代表作に挙げられます。イングランドのヴァイオリニスト、ピーター・シェパード・スケアヴェズ Peter Sheppard Skæved(1966–)が、ハブリジが作曲した「画家」に因むソロ・ヴァイオリンのための作品集。ヴァイオリン演奏を嗜み、音楽への深い造詣をもっていたスイスの画家パウル・クレー Paul Klee(1879–1940)のさまざまな「姿」をイメージして「スケッチ」に描いた2巻の《クレーのスケッチ》。《奉献誦》は、ハブリジの親友だった画家、カール・クヴァーラン Karl Kvaran(1924–1989)を追悼する「エレジー」として作曲した作品です。幾何学的抽象主義の代表作家と言われたカールの描いた絵の題名をもち、それぞれのタイトルを反映した技法と音楽で書いた4つの曲で構成されています。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『インカ・トレール・コネクション(Inca Trail Connections)』
Naxos 8.574266 contemporary/classical 

 
『インカ・トレール・コネクション(Inca Trail Connections)』
アレハンドロ・トバル(1907–1975)
 カラマリ(Kalamary)(1967)
アルフォンソ・レング(1894–1974)
 前奏曲第1番(Preludio No.1)(1912)
アルベルト・ウィリアムズ(1862–1952)
 演奏会序曲第1番(Primera obertura de concierto)
ホセ・カルロス・カンポス(1957–)
 田園舞曲(Danza rústica)(1981)
サントス・シフエンテス(1870–1932)
 『アイレス・トロピカレス』によるスケルツォ
 (Scherzo sobre Aires Tropicales)(1984)
セルソ・ガリード=レッカ(1926–)
 アンデス民俗舞曲(Danzas populares andinas)(1983)
エンリケ・ソロ(1888–1954)
 幻想的舞曲(Danza fantástica)(1916) 
フランシスコ・プルガル・ビダル(1929–2012)
 カスカイ(Cascay)
  ノルウェー放送管弦楽団 ミゲル・ハース・ベドジャ(指揮)
 
録音 2015年2月6日、2014年9月5日、2017年5月29日、2014年10月10日、2015年12月5日 ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(オスロ)

 
『旅(Journeys)- 五大陸のオーケストラ音楽』(8.574265)をリリースした、ノルウェー放送管弦楽団(KORK)と2020年まで首席指揮者を務めたミゲル・ハース・ベドジャ Muguel Harth-Bedoya(1968–)の新作。南アメリカ太平洋岸の国と人を結ぶ「Caminos del Inca(インカの道)」や「インカ・トレール(Inca Trails)」と呼ばれる道路網をアルバム・タイトルに、この地域の作曲家たちの管弦楽曲を演奏したアルバムです。コロンビアのアレハンドロ・トバル Alejandro Tobar(1907–1975)とサントス・シフエンテス Santos Cifuentes(1870–1932)、チリのアルフォンソ・レン Alfonso Leng(1894–1974)とエンリケ・ソロ Enrique Soro(1888–1954)、アルゼンチンのアルベルト・ウィリアムズ Alberto Williams(1862–1952)、ペルーのホセ・カルロス・カンポス José Carlos Campos(1957–)、セルソ・ガリド=レッカ Celso Garrido-Lecca(1926–)、フランシスコ・プルガル・ビダル Francisco Pulgar Vidal(1929–2012)。それぞれの音楽遺産、祖国の人々、土地そのものからインスピレーションを受けた音楽、後期ロマンティシズムの音楽、民俗舞踊、ポピュラー音楽の影響、ストラヴィンスキー風の原始スタイル、田舎の生活をとらえた素朴で美しい音楽と、スタイルも表情も多彩な音楽によるプログラムが演奏されます。 
 
価格 1,540円(税込価格)(本体価格 1,400円) 

『グラニャーニ、ギター・デュオのための作品』
Naxos 8.579090 classical 

 
フィリッポ・グラニャーニ(1768–1820)
 二重奏曲第2番 イ短調(2つのギターのための)
 二重奏曲第1番 ニ長調(2つのギターのための)
 二重奏曲第3番 ト長調(2つのギターのための)
  ヨルゲン・スコーグモー(第1ギター)
  イェンス・フランケ(第2ギター)
 
録音 2019年7月29日–31日 セント・マーガレット教会(メープルダーラム、オックスフォードシャー、イングランド)

 
アントワーヌ・ド・ロワイエの三重奏曲と四重奏曲(8.573575)とホセ・フェレの二重奏曲(8.574011)(1904)のアルバムをリリースしたノルウェーのギタリスト、ヨルゲン・スコーグモー Jørgen Skogmo とドイツのイェンス・フランケ Jens Franke のデュオの新作。フィリッポ・グラニャーニ Filippo Gragnani(1768–1820)は、イタリアのギタリスト、作曲家。リヴォルノのヴァイオリン製作者、アントニオ・グラニャーニの子に生まれました。ヴァイオリンを学んだ後、ギターに転向し、ヴィルトゥオーゾ演奏家として名を挙げていきます。19世紀初頭、ギターと室内楽の作品をミラノで出版。同じころドイツに旅し、1810年、パリに定住しました。ここで知り合ったギタリストのフェルナンド・カルッリと交友を結び、彼の下で学ぶとともに、作品を献呈しあっています。このアルバムで演奏される3曲の《二重奏曲》は、1809年から1810年ごろの作品。高い技術の求められる、明るいイタリア人気質の華麗さが特色とされる音楽です。
 
価格 1,540円(税込価格)(本体価格 1,400円) 

『エドゥアルダス・バルシス』
Ondine ODE 1358-2 classical 

 
エドゥアルダス・バルシス(1919–1984)
 ヴァイオリン協奏曲第1番(1954)
 弦楽オーケストラのための詩《海の反映(Juros atspindziai)》(1981)
 劇的フレスコ(Dramatines freskos)(1965)
 (ヴァイオリン、ピアノと交響楽団のための)
  ジェラルダス・ビドヴァ(ヴァイオリン)
  インドレ・バイクシュティテ(ピアノ)
  リトアニア国立交響楽団 モデスタス・ピトレナス(指揮)

 
エドゥアルダス・バルシス Eduardas Balsys は、リトアニアの第二次世界大戦後世代を代表する作曲家のひとり。ウクライナに生まれ。2歳の時に父の祖国リトアニアに移住。1938年にリトアニアのサッカー代表チームで選手として活躍した後、1940年に陸軍士官学校に入学。作曲をレニングラード音楽院(現、サンクトベテルブルク国立音楽院)の大学院で学びました。バルシスは、1960年から1984年にかけてリトアニア国立音楽院で作曲を教え、スターリンの死後、「穏健なモダニスト」としてリトアニア音楽の再興にもっとも強い影響力を及ぼしたとされています。バレエ、オペラ、オラトリオ、映画音楽、協奏曲など、規模の大きい作品を主に手がけ、独自のオーケストレーションも高く評価されました。このアルバムでは、バルシスの作曲スタイルの変化を示す3つの作品が演奏されます。伝統的手法による1954年の《ヴァイオリン協奏曲第1番》。《劇的フレスコ》は、戦争というテーマが作曲者の心に重くのしかかっていた冷戦時代の1963年に作曲が始められ、交響曲、協奏曲、詩の要素をブレンドして織りあげた「タペストリー」として1965年に完成されました。彼が初めて十二音技法を取り入れた作品です。晩年の作品のひとつ《海の反映》は、「序奏」と「トッカータ」の2つの部分をノスタルジックな旋律の音楽が橋渡しする、ネオクラシカルなスタイルの音楽です。 
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円) 

『なわばりの歌(Territorial Songs)』
OUR Recordings 6.220674 SACD hybrid (Multichannel/stereo) contemporary/classical 

 
ソンライフ・ラスムセン(1961–) リコーダー作品集
 FLOW(2012)(リコーダーと弦楽三重奏のための)
  ミカラ・ペトリ(リコーダー) エスビェア・アンサンブル
 “I”(2011)(リコーダーと室内合唱のための)
  ミカラ・ペトリ(リコーダー) デンマーク国立ヴォーカルアンサンブル
  スティーヴン・レイトン(指揮) [6.220605]
 悲しみと喜びの幻想曲(Sorrig og Glæde Fantasi)(2011)
 (リコーダー・ソロのための)
  ミカラ・ペトリ(リコーダー)
 冬のこだま(Winter Echoes)(リコーダーと13の独奏楽器のための)
  ミカラ・ペトリ(リコーダー) ラップランド室内管弦楽団
  クレメンス・シュルト(指揮) [6.220613]
 リコーダー協奏曲《なわばりの歌(Territorial Songs)》(2009)  
  ミカラ・ペトリ(リコーダー) オルボー交響楽団
  ヘンリク・ヴァウン・クリステンセン(指揮) [6.220609]
 
録音 2020年11月30日、12月1日 リーベ国立教育大学(Ribe Seminarium)(リーベ、デンマーク)(FLOW、幻想曲)、2011年8月 クリスチャン教会(コペンハーゲン)(”I”)、2015年2月19日 文化ホール「コルンディ」(ロヴァニエミ、フィンランド)(冬のこだま)、2014年6月14日15日 オルボー・コンサートホール(オルボー、デンマーク)(なわばりの歌)
制作 メテ・ドゥーウ、プレーベン・イーヴァン

 
交響曲第1番《海洋の日々》(Dacapo 6.220506)で北欧音楽委員会(NOMUS)賞を受けたフェロー諸島の作曲家ソンライフ・ラスムセン Sunleif Rasmussen(1961–)が、ミカラ・ペトリ Michala Petri のために書いた作品の集成。《FLOW》は、モーツァルトの《フルート四重奏曲 ニ長調》(K.285)と一緒に演奏するために作曲され。モーツァルトの名の “WOLF”gang を逆行させた曲名がつけられました。「アレグロ」「トランクイッロ」「ロンドー」の3楽章書かれています。全楽章を通じてリコーダー奏者は舞台の中央、チェロは聴衆の後ろに配置され、ヴァイオリンとヴィオラ奏者が楽章によって位置を変え、ホールの中をゆっくり歩くといった趣向を凝らした作品です。《悲しみと喜びの幻想曲》は、デンマークのバロック詩を代表する作品を残した詩人として知られる司教、トマス・キンゴ Thomas Kingo(1634–1703)の賛美歌《悲しみと喜び(Sorrig og Glæde)》を素材にリコーダー・ソロのために書かれています。この2曲は、初録音。他の3曲は、ペトリの過去のアルバムで紹介された作品です。インガー・クリステンセン Inger Christensen(1935–2009)の詩をテクストにしたリコーダーと混声合唱のための《“I”》(”私”)(6.220605)。2012年に亡くなった作曲家アクセル・ボーロプ=ヤーアンセンの追悼アルバム『北欧の響き』(6.220613)のために作曲された「アクセル・ボーロプ=ヤーアンセンへのオマージュ」《冬のこだま(Winter Echos)》。《なわばりの歌(領域の歌)》は、イタロ・カルヴィーノの小説『パロマー(Palomar)』の手法をヒントに作曲された、「自分のなわばり(領域)を守り、つがう相手の気をひこうとする鳥の歌」をインスピレーションとする「リコーダー協奏曲」。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『ベートーヴェン - ドミニク・メルレ』
Le Palais des Dégustateurs PDD 013 classical 

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 ピアノソナタ第13番 変ホ長調 Op.27 no.1
 ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27 no.2 《月光(Mondschein)》
 ピアノソナタ第17番 ニ短調Op.31 no.2 《テンペスト(Tempest)》
  ドミニク・メルレ(ピアノ)
 
録音 2016年10月10日、11日 Studio 4’33”(イヴリー=シュル=セーヌ、フランス)
アーティスティック・ディレクション アンヌ・ル・ボーゼク
録音エンジニアリング アラン・ガンドルフィ

 
ピアニスト、オルガニストのドミニク・メルレ Dominique Merlet は、1938年、フランスのボルドー生まれ。ロジェ=デュカス、ルイ・イルブラン、ナディア・ブーランジェに学び、パリ音楽院(パリ国立高等音楽・舞踊学校)のプルミエ・プリを獲得。1957年にジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位に選ばれ、コンサート・ピアニストしての活動を始めました。ベートーヴェンからロジェ=デュカスと、レコード録音も幅広く行い、ACC 賞、ディアパゾン・ドール、フランス・ディスク大賞などの賞を受けています。教育に対する強い責任感をもつ数少ない国際レベルのピアニストのひとりとして、国際的キャリアを重ねてゆく学生たちを数多く育ててきました。ソナタ第5番・第32番・《エロイカ変奏曲》(PDD003)、 ソナタ第4番・第23番《アパッショナータ》・《アンダンテ・ファヴォリ》・《サリエリの主題による変奏曲》(PCD005)につづく、Le Palais des Dégustateurs レーベルのベートーヴェン・アルバム。2016年10月、パリ南のイヴリー=シュル=セーヌの「Studio 4’33”」で録音セッションが行われ、パリ音楽院で教授として声楽伴奏を教えるピアニストのアンヌ・ル・ボーゼク Anne Le Bozec がアーティスティック・ディレクションを担当しました。 
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『ミサ・ソレムニス』
Swedish Society Discofil SCD1178 classical 

 
アンドレーアス・ハッレーン(1842–1925)
 ミサ・ソレムニス(Missa Solemnis)(1920–21)(合唱、オルガン、独唱、ピアノとチェレスタのための)
  エーリク・ヴェストベリ・ヴォーカルアンサンブル エーリク・ヴェストベリ(指揮)
  ピーア=カーリン・ヘルシング(ソプラノ) マリア・フォシュストレム(アルト)
  コニ・ティマンデル(テノール) アンドレーアス・E・オールソン(バス)
  ラーシュ・ニルソン(オルガン) ジェイムズ・ジェンキンズ(ピアノ)
  ラーシュ・ショーステット(チェレスタ)
 
録音 2019年10月11日–12日(キリエ、サンクトゥス)、2020年2月28日–3月1日(グローリア、クレド、アニュス・デイ) Studio Acusticum(ピテオー、スウェーデン)
制作 グンナル・アンデション
録音 ホーカン・エークマン

  
ユーハン・アンドレーアス・ハッレーン Johan Andreas Hallén(1842–1925)は、スウェーデン後期ロマンティシズム時代の重要な作曲家のひとりとしてスウェーデン音楽史に名を残しています。ワーグナーの楽劇の影響をうかがわせる《ヴァイキングのハーラル》や《ヴァルプルギスの夜》といったオペラが主に知られ、交響詩《死の島》は、この時代を代表する管弦楽曲のひとつとしてスウェーデン音楽アンソロジー(Musica Sveciae MSCD621)に収められました。指揮者としても活動、ワーグナーの《ヴァルキューレ》のスウェーデンでいち早く手がけ、バッハの《マタイ受難曲》やシュッツの《十字架上のイエス・キリストの七つの言葉》のスウェーデン初演を指揮しています。
 
《ミサ・ソレムニス》(荘厳ミサ曲)は、1920年から1921年にかけて作曲されました。〈キリエ〉〈グローリア〉〈クレド〉〈サンクトゥス〉〈アニュス・デイ〉のミサ通常文をテクストにした、合唱、4人の独唱者、オルガン、ピアノとチェレスタの編成による記念碑的な作品です。1923年、ストックホルムのエンゲルブレクト教会で初演され、その後はほとんど演奏されることがなかったと言われます。録音の記録もなく、スウェーデンを代表する合唱指揮者のひとり、エーリク・ヴェストベリと彼のヴォーカルアンサンブル Erik Westberg Vokal Ensemble によるこの演奏が初録音です。王立スウェーデン音楽アカデミーの支援する、スウェーデン音楽の隠れた宝を発掘、演奏を促進するプロジェクト「スウェーデン音楽遺産」の一環として制作されたアルバム。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『The Song Is You』
Double Moon DMRCHR71386 jazz 

 
『The Song Is You』
 If You Could See Me Now(Tadd Dameron/Carl Sigman)
 Up Jumped Spring(Freddie Hubbard)*
 My Foolish Heart(Victor Young/Ned Washington)
 Five Wild Geese(Lilly-Ann Hertzman) *
 Prelude to a Kiss(Duke Ellington/Irving Gordon/Irving Mills)*
 It Might as Well Be Spring(Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II)* 
 Scarborough Fair(trad.)* Lonely Woman(Ornette Coleman)*
 That Old Feeling(Sammy Fain/Lew Brown)*
 The Song Is You(Jerome Kern/Oscar Hammerstein II)
  リリー(ヴォーカル) ギラド・ヘクセルマン(ギター)
  カーク・クナフキ(コルネット)*
 
録音 2019年8月 ブルックリン(ニューヨーク)

 
デンマークの歌手、リリー Lilly(フルネーム:リリ=アン・ヘアツマン Lilly-Ann Hertzman)の歌う『Great American Songbook』。ヴィクター・ヤングとネッド・ワシントンの《My Foolish Heart》、リチャード・ロジャーズとオスカー・ハマースタイン二世の《It Might as Well Be Spring》、デューク・エリントンの《Prelude to a Kiss》……彼女が子供のころから口ずさんできた「懐かしい感じ(that old feeling)」の歌。前のアルバム『Tenderly』(2017)(Gateway Music)で共演したイスラエル出身のアメリカのギタリスト、ギラド・ヘクセルマン Gilad Hekselman(1983–)のギター。彼女が、3年前、コペンハーゲン・ジャズフェスティヴァルで共演したデンヴァー生まれのトランペット・プレーヤー、カーク・クナフキ Kirk Knuffke(1980–)が、7曲にコルネットで参加しています。2019年の夏、1日のセッションですべてのナンバーを録音し、「あの日の気持ちを表すのにうってつけ」という《The Song Is You》をアルバムのタイトルに選んでいます。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Vargtimmen(狼の時)』
Imogena IGCD 245 jazz 

 
『Vargtimmen(狼の時)』
 Dessa(Pär Eriksson)
 Brännvinsadvokaten(インチキ弁護士)(Pär Eriksson)
 Ingen kommer ihåg en fegis(臆病者は誰も覚えていない)(Pär Eriksson)
 Paddarm(Pär Eriksson) Trolla med knäna(Pär Eriksson)
 Tjall på linjen(Pär Eriksson) Dekadens(退廃)(Pär Eriksson)
 Orbit(Pär Eriksson) Och sen slutet(Pär Eriksson)
  カカフォニ(Kakafoni)
   ペール・エーリクソン(ピアノ、シンセサイザー)
   トビアス・グリム(ギター) マッティン・オールソン(ベース)
   ユーハン・ヤンソン(ドラム)
   ユーナタン・クルーネヴィーク(トランペット)
   ペッレ・ニルソン(サクソフォーン、クラリネット)
  スペシャル・ゲスト
   カール=フレードリク・カールソン(パーカッション)
   ビョーン・セーデルグレーン(バスクラリネット)
   ユリアン・サルトリウス(ビート=サンプル) 

 
(現在お取り扱いできません)

『Dark Lights』
Imogena IGCD 251 jazz 

 
『Dark Lights』
 Break the silence(Katrine Amsler)
 Dark Lights
 (Katrine Amsler/Johan Björklund/Thomas Gunillasson/Thomas Backman)
 Youth Country(Thomas Gunillasson)
 Quiet Music for Large Ensemble 4(Katrine Amsler)
 Ostbjörka Duby(Trad. arr. Thomas Gunillasson)
 Average Speed(Katrine Amsler)
 Minst(Johan Björklund)
 Khroma(Johan Björklund/Thomas Gunillasson)
 Displacements
 (Katrine Amsler/Johan Björklund/Thomas Gunillasson/Thomas Backman)
 Quiet Music for Large Ensemble 3(Katrine Amsler)
 Moonday(Thomas Gunillasson)
 Soft Transition into Dark Lights
 (Katrine Amsler/Johan Björklund/Thomas Gunillasson)
  タイムシフト(Thymshift)
   カトリーネ・アムスラー
   (キーボード、エレクトロニクス、ラップトップ、ヴォイス)
   ユーハン・ビョークルンド
   (ドラム、キーボード、パーカッション、ベース、トリートメンツ、ヴォイス)
   トマス・グニッラソン
   (ギター、ラップトップ、トリートメンツ、ヴォイス)
   トマス・バックマン(サクソフォーン、クラリネット、ヴォイス)

 
2010年に結成されたスウェーデンの「インプロ/ジャズ/ロック/エレクトロニック」のバンド。ゲストを加えてライヴ・コンサートを中心に活動し、2015年、アイスランドのギタリスト、ヒルマル・イェンソンを加えたデビュー・アルバム『Beyond Horizons』をリリースしました。2020年には、さまざまなゲストが参加するミニ・ビッグバンド「Thymeshift United」として活動しています。アルバム『Dark Lights』には、デンマークのキーボード・プレーヤー、カトリーネ・アムスラー Katrine Amsler が参加、エレクトロニックなインプロ・ミュージックを展開させていきます。 
 
(現在お取り扱いできません)

『Look for the Silver Lining(希望の光をさがして)』
Ladybird 79556857 jazz 

 
『Look for the Silver Lining(希望の光をさがして)』
 Look for the Silver Lining(Jerome Kern/Bobby DeSylva)
 Pick Yourself Up(Jerome Kern/Dorothy Fields)
 Climb Ev’ry Mountain(Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II)
 Fly Me to the Moon(Bart Howard/Kaye Ballard)
 It’s a Good Day(Peggy Lee/Dave Barbour)
 The Sound of Music(Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II)
 Dream(Johnny Mercer)*
 Singin’ in the Rain(Nació Herb Brown/Arthur Freed)
 The Folks Who Live on the Hill(Jerome Kern/Oscar Hammerstein II)
 Smile(Charles Chaplin/John Turner/Geoffrey Parsons)
 What a Wonderful World(George David Weiss/Bob Thiele)
  イサベラ・ルンドグレーン(ヴォーカル)
  カール・バッゲ(ピアノ)
  ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
  ダニエル・フレードリクソン(ドラム)
  弦楽四重奏
   ヘンリク・ナイマルク・メイエシュ(ヴァイオリン)
   ハンナ・ヘルゲグレーン(ヴァイオリン)
   ダーモン・タヘリ(ヴィオラ) フレード・リンドベリ(チェロ)
  ストックホルム・ヴォイセズ *
 
録音 2020年3月 アトランティス・スタジオ Atlantis Studio(ストックホルム)
ミクシング ポール・スヴェッレ 

 
スウェーデンのシンガーソングライター、イサベラ・ルンドグレーン(イザベラ・ラングレン) Isabella Lundgren が、COVID-19 が、2020年3月に録音したアルバム。「『「なぜ」生きるかを知っている者は「どうすればいいか」を耐えることができる』と、ニーチェは言ったけれど、私は、忍ばねばならない『どうすれば』にたびたび出くわし、あまりに辛いので、その辛さの向こう側に行けるのだろうか、と何度も思いました。でも、乗り越えました。たとえ、大きく口をあける底知れぬ深みのギリギリのところまで行くことがあっても…」(イサベラ)。新しいアルバムは、「元気を出そう」をテーマに作られました。
 
ジェローム・カーンがドロシー・フィールズの歌詞に作曲した《 Pick Yourself Up》(元気を出して)、アレサ・フランクリンやチェット・ベイカーも歌った《Look for the Silver Lining》(希望の光をさがして)、ロジャーズとハマースタインのミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の主題歌と《すべての山に登れ》、《雨に歌えば》、映画『街の灯』のためにチャップリンが書いた《スマイル》、ルイ・アームストロングが歌った《この素晴らしき世界》--「グレート・アメリカン・ソングブック」によるプログラムです。ピアノのカール・バッゲ Carl Bagge、ベースのニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist、ドラムのダニエル・フレードリクソン Daniel Fredriksson という、『家はどこにある』(79556842)と『鐘形ガラスの外へ - ボブ・ディランを讃えて』(79556846)のいつものメンバーに、ハンナ・ヘルゲグレーン Hanna Helgegren たちフリーランスのプレーヤーによる弦楽四重奏を加えてセッションが行われました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『SAH! Past Present Future(SAH! 過去、現在、未来)』
Losen Records LOS 221-2 jazz 

 
『SAH! Past Present Future(SAH! 過去、現在、未来)』
 Inner Urge(Joe Henderson) Angry Happy Drummer(Fredrik Sahlander)
 Ångermanlandsmorgon(Fredrik Sahlander)
 Horisont(Fredrik Sahlander) Hold Your Breath(Fredrik Sahlander)
 Newfus(Fredrik Sahlander)* Slow Kind(Fredrik Sahlander)
 Present Future(Fredrik Sahlander)
  フレードリク・サーランデル(ベース)
  ベルント・モーエン(キーボード)
  カーク・コヴィントン(ドラム)
  アンデシュ・ラングセット(ドラム)*
 
録音 2014年5月、2012年5月 * アグデル大学 スタジオ A(クリスチャンサン、ノルウェー)
制作 フレードリク・サーランデル
ミクシング・マスタリング スコット・キンジー、ローアル・ソースベルグ *

 
ジャズ・ミュージシャンのフレードリク・サーランデル Fredrik Sahlander は、ノルウェー、クリスチャンサンを本拠にベーシスト、作曲家として活動。アグデル大学の同僚たちが集まったガイル・オーゲ・ヨンセンのトリオでベースを担当、『1+1=3』(LOS232-2)『Second Time’s the Charm(二度目の正直)』(LOS249-2)の2枚のアルバムを制作しました。『SAH! Past Present Future』は、2012年からアグデル大学の博士課程で研究を始めた彼が、「ジャズ・インプロヴィゼーションとその方法論」をテーマにした博士論文の一環として作ったアルバムです。全8曲のうち《Newfus》は、2012年5月、アンデシュ・ラングセット Anders Langset のドラムで録音。その他のトラックは、この研究に関連して彼が、アメリカのベーシスト、ゲアリー・ウィリスに師事した後、2014年5月のセッションで録音されました。このセッションには、彼が「夢のドラマー」と呼ぶ、フュージョン・グループ「Tribal Tech(トライバル・テク)」のカーク・コヴィントン Kirk Covington が参加。アグデル大学で准教授として教え、ガイル・オーゲ・ヨンセンのトリオでピアノを弾くベルント・モーエン Bernt Moen がキーボードを担当しました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Tread Lightly』
Losen Records LOS 255-2 jazz 

 
『Tread Lightly』
 Flirt(Dag S. Arnesen) Partysvensken(Elisabeth Lid Trøen)
 Just Thinking(Dag S. Arnesen) Sarah’s Bounce(Dag S. Arnesen)
 Feline Dreams(Dag S. Arnesen) 
 Armadillo Dance(Elisabeth Lid Trøen) Interlid(Dag S. Arnesen)
 Tread Lightly(Dag S. Arnesen)
 I Remember This(Dag S. Arnesen) Denne(Dag S. Arnesen)
  トローエン=アルネセン・カルテット
   エリーサベト・リード・トローエン(サクソフォーン、フルート)
   ダーグ・アルネセン(ピアノ)
   オーレ・マリウス・サンドベルグ(ベース)
   シーグル・スタインコプフ(ドラム)
 
録音 2020年10月 Duper Studio(ベルゲン、ノルウェー)
制作 エリーサベト・リード・トローエン、ダーグ・アルネセン
録音・ミクシング ユングヴェ・セートレ
マスタリング イーヴェル・サンドイ

 
エリーサベト・リード・トローエン Elisabeth Lid Trøen(1992–)は、ノルウェー、ヴォス生まれ。ヴォスのジャズスクールで学び、20歳までにテリ・リン・キャリントン、ジョシュア・レッドマン、ティーネケ・ポストマ、アンディ・シェパード、トルド・グスタフセンといった国際的な顔ぶれのプレーヤーたちと共演して経験を積みました。2013年、エルレン・スレッテヴォル、スタイナル・ラクネス、エーリク・ニューランデルと組んだ「エリーサベト・リード・トローエン・カルテット」で「ヴォッサジャズ Vossa Jazz」に参加。以後、このフェスティヴァルに定期的に出演しています。『Tread Lightly』(そっと歩け)は、彼女の録音の第2作。ベルゲンのピアニスト、『ノルウェーの歌』(LOS 101-2, LOS 107-2, LOS 108-2)などのアルバムで知られるダーグ・アルネセン Dag S. Arnesen、1975年生まれのベーシスト、オーレ・マリウス・サンドベルグ Ole Marius Sandberg、グリーグ・アカデミーのジャズ科で学んだ若いドラマー、シーグル・スタインコプフ Sigurd Steinkopf と組んだカルテットによる演奏です。プログラムは、アルネセンとトローエンが作曲した10曲。ノルウェーの民俗音楽に漂うリリシズムを余韻として響かせる《Flirt》。「メロディ」素材を「歌」として表現する技術の求められる《Just Thinking》。ダイナミックな曲調の音楽を支配するドラムが「メロディ」楽器としてもクローズアップされる《Sarah’s Bounce》。プレーヤーたちの異なる「拍」による演奏がメロディ・モチーフの胚芽になる《Armadillo Dance》。《Interlid》は、リリカルなバラード。《Denne》(この)は、長かった一日をふりかえる「夜想曲」として作曲されたナンバーです。
 
[追記]
このアルバムのセッションは、2020年10月、エンジニアのユングヴェ・セートレたちが主宰するベルゲンの「デューパー・スタジオ」で行われました。ベルゲンの湾を望む建物にある、それほど大きくないスタジオです。ダーグ・アルネセンのこれまでのアルバムは、2010年の『Norwegian Song 3』(LOS 101-2)がオスロの「レインボー・スタジオ」、2017年の『Pentagon Tapes』(LOS 160-2)がベルゲンのレクステン・コレクションズ・ビルディングの「ペンタゴン・ルーム」で録音されていました。こうしたスタジオの違いからか、「カルテット」と「トリオ」という編成の違いのためか、あるいは、その他の理由からなのか、新しいアルバムは、これまでとはかなり違った音がします。4人のプレーヤーが同じスタジオの空間で演奏しているのに、「リモート合奏」で録音したのかと思ってしまうような一体感のない音です。そのため、ダーグ・アルネセンのきめ細かいテクスチュアと深い響きのピアノを期待していると、意外な感じを受けます。トローエンのサクソフォーンも、マイクロフォンを近づけて収録されているのか、フルートの時とも違った音がして、どことなく安定感にかける気がします。オーディオ環境によっては違って聞こえることもあるでしょうし、好みの問題かもしれません。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

 

『My Funny Quarantine』
Losen Records LOS 257-2 jazz 

 
『My Funny Quarantine』
 Super Mario(Runar Nørsett) Stumbling and Fumbling(Runar Nørsett)
 Song for a Summer Night(Runar Nørsett)
 Fooling Around(Runar Nørsett) No Exit!(Runar Nørsett)
 Where the Songs Have No Name(Runar Nørsett)
 Dønning(Runar Nørsett) West Goes East(Runar Nørsett)
 My Funny Quarantine(Runar Nørsett)
  ルーナル・ノーシェット・トリオ
   ルーナル・ノーシェット(ピアノ)
   フレードリク・サーランデル(ベース)
   トビアス・オイモー・ソールバック(ドラム)
 
録音 2020年10月 アグデル大学(クリスチャンサン、ノルウェー)
制作 ルーナル・ノーシェット、フレードリク・サーランデル、トビアス・オイモー・ソールバック
録音 フレードリク・サーランデル、トビアス・オイモー・ソールバック
ミクシング・マスタリング  ローアル・ロースベルグ

 
ノルウェー第5の都市クリスチャンサンで「医者で音楽家」として知られるルーナル・ノーシェットのトリオのアルバム第2作『My Funny Quarantine』。Losen Records への初めての録音です。
 
ルーナル・ノーシェット Runar Nørsett は、クラシカル音楽のピアニストになることを目指しながら、医学に転向。医者の仕事をしながらピアノと作曲を続けるうちに即興音楽とジャズに関心をもつようになり、自分の作曲した音楽を自分のトリオで演奏したいとずっと願っていたと言います。2017年、彼の夢が実現しました。親友ルーナルの「トリオ、トリオ…だが、無理だろうな」という口癖を聞き飽きた、スウェーデン出身のベーシスト、クリスチャンセンで活躍するフレードリク・サーランデル Fredrik Sahlander が、トリオの結成を提案してきました。ルーナルのピアノ、フレードリクのベース、そして、彼がアグデル大学で見つけた「若く、幅広い才能に恵まれた」学生、トビアス・オイモー・ソールバック Tobias Øymo Solbakk のドラム。春、リハーサルが開始されます。『1+1=3』(LOS232-2)を『Second Time’s the Charm(二度目の正直)』(LOS249-2)のガイル・オーゲ・ヨンセンのトリオで演奏するフレードリクの経験を活かし、自分たちのスタイルが作り上げられていきました。2018年1月、最初のコンサートを行い、翌年、最初のアルバム『From the Ashes』をリリースしました。2019年10月、クリスチャンサン交響楽団の拠点でもある大ホール、キルデン舞台芸術センターで行なったコンサートは「完売」。そして、2020年になり、セカンドアルバムの準備に取りかかった矢先、COVID-19 ですべてが一変。トリオ活動の休止を余儀なくされました。
 
2020年10月、ノルウェーのパンデミックの状況に変化がみられ、トリオのメンバーがアグデル大学に集結。ルーナルが2020年に書いたナンバーを中心に録音が再開されました。「心と知力に訴えかけ、聴く人がニッコリしたり泣いたり、聴く人の想像力を駆り立てる音楽」(ルーナル)。「スーパーマリオ」「つまづき、手探りしながら」「夏の夜の歌」「のらくら過ごす」「出口がない」「名前のない歌のあるところ」「波のうねり」「西が東へ行く」。『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』をもじった曲名の《My Funny Quarantine》(マイ・ファニー・クウォロンティーン(隔離))は、「(この状況を)ある部分で恐れ、幻滅を感じ、別の部分では楽観的で希望にみちた、不思議な気分の中で書いた」という、ピアノのソロで演奏される作品。内省的、温もりのある、心に残る音楽です。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

 

『Letters to My Little Girl』
Losen Records LOS 260-2 jazz 

 
『Letters to My Little Girl』
 Bear Can Dance(Svetlana Marinchenko)
 Hide ’n’ seek(Svetlana Marinchenko)
 Letters to My Little Girl(Svetlana Marinchenko)*
 The Threads(Svetlana Marinchenko)**
 Dive(Svetlana Marinchenko) Michael(Svetlana Marinchenko)
 Morning Alone(Svetlana Marinchenko)**
 Lighthouse(Svetlana Marinchenko)
 Release(Svetlana Marinchenko)*
  スヴェトラーナ・マリンチェンコ(ピアノ)
  ペーター・クーデク(ベース)
  オフリ・ネヘミヤ(ドラム) フィオナ・グロント(ヴォーカル)*
  エンジ・エルヘムバヤル(ヴォーカル)**
  マトイス・フォン・シュリッペ(エフェクト)
 
録音 2019年12月 Realistic Sound(ミュンヘン、ドイツ)
制作 スヴェトラーナ・マリンチェンコ
録音 フローリアン・エステルライヒャー
ミクシング  マトイス・フォン・シュリッペ

 
ジャズ・ピアニスト、スヴェトラーナ・マリンチェンコ Svetlana Marinchenko は、ロシア生まれ。サンクトペテルブルクのムソルグスキー音楽大学の学生のころ、彼女は作曲に興味を覚え、自身のバンド「スヴェタムジカ Svetamuzika」を結成しました。国内外のジャズ・フェスティヴァルとクラブに出演、2015年、ファーストアルバム『Present Simple』をモスクワでリリースしロシア各地をツアーで周りました。現在は、ドイツのミュンヘンに住み、活動の拠点としています。「わたしの『内なる子』に捧げるアルバム」と語る『Letters to My Little Girl(私のかわいい娘への手紙)』は、2019年12月、ミュンヘンのスタジオで録音されました。「私たちがずっと歩みつづいてゆく人生の道……そこには黒と白はありません。私の作品が、人生をもっと深く受け入れるため、信じるべき自身を見つけ、意識して思い出す方法を示すことを願っています」(スヴェトラーナ)。《熊だって踊れる》《かくれんぼ》など、それぞれにストーリーをもった曲はすべて、彼女の作品です。セッションに参加したオフリ・ネヘミヤ Ofri Nehemya は、アヴィシャイ・コーエンとシャイ・マエストロに学んだイスラエル生まれのドラマー。スロヴァキア出身のベーシスト、ペーター・クーデク Peter Cudek は、ロン・カーターに学びました。モンゴル出身のエンジ・エルヘムバヤル Enji Erkhembayar とスイスのフィオナ・グロント Fiona Grond のヴォーカルと、マトイス・フォン・シュリッペ Mattheus von Schlippe の担当するエフェクトを適度なバランスで配した、スリリングな、「今」の響きが美しいジャズ・アルバムです。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Ekkokammer 3.0』
MNJ Records MNJCD0022 contemporary/jazz 

 
『Ekkokammer 3.0』
 Ekkokammer 3.0
  トロンハイム・ヴォイセズ
   ミア・マーレン・ベルグ シリ・イェーレ
   カーリ・エスキル・ハーヴェンストレム アニタ・コースボル
   イングリ・ロード シセル・ヴェラ・ペッテシェン
   ハイディ・シェルヴェ トールン・セーヴィーク トーネ・オーセ
  マリアンネ・メーロイ(導入部朗読)
 
録音 2019年12月、2020年3月 オーラ・スタジオ(トロンハイム、ノルウェー)
制作 マヤ・S・K・ラトシェ、マリアンネ・メーロイ
録音・ミクシング ヨー・ランハイム
マスタリング マヤ・S・K・ラトシェ 

 
ヴォーカル・グループ「トロンハイム・ヴォイセズ(Trondheim Voices)」は、2001年、「Midtnorsk Jazzsenter(MNJ)(中部ノルウェー・ジャズセンター)」のクリスマス・コンサートのために組織され、その後、MNJ の支援するアンサンブルのひとつとして活動しています。あらゆる表現の可能性を秘めた「声」という楽器による即興的、実験的な作品の演奏に特化。さまざまなスタイルの音楽を試みる「モルデジャズ」にも定期的に出演しています。『Ekkokammer 3.0/Echo Chamber 3.0』は、2015年にステージ演奏された「Ekkolammer 2.0」に次ぐコンサートとして企画されました。この作品を手がけたマヤ・ソールヴェイ・シェルストルプ・ラトシェ Maja Solveig Kjelsrup Ratkje(1973–)は、作曲家、ヴォーカリスト、ヴァイオリニストをはじめとする多彩な活動で知られます。彼女は、メンバーにインタビューを行い、書き起こした発言をメンバーにフィードバック。マイク・オールフィールドの《Monnlight Shadow》、メンバーのミア・マーレン・ベルグの《Searching》、オイスタイン・ソンメルフェルトの編曲した《Bruremarsj fra Gudbrandsdalen(グーブランスダーレンの結婚行進曲)》、伝承曲の《Working on a building》の引用をコラージュ、「エコーチェンバー」で「声にによる表現」を示してゆきます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『The Night and the Music』 Selection
Prophone PCD 249 jazz

 
『The Night and the Music』
 Night and Day(Cole Porter)
 Let’s Face the Music and Dance(Irving Berlin)*
 Red Sails in the Sunset(Hugh Williams/Jimmy Kennedy)
 ‘Round Midnight(Thelonious Monk/Bernie Hanighen)
 Stardust(Hoagy Carmichael/Mitchell Parish)
 Dream a Little Dream of Me(Fabian Andre/Wilbur Schwandt/Gus Kahn)
 Sure on This Shining Night(Samuel Barber/James Agee)
 You and the Night and the Music(Arthur Schwartz/Howard Dietz)
 In the Wee Small  Hours of the Morning(David Mann/Bob Hilliard)
 Good Morning Starshine(James Rado/Gerome Ragni)
 I Like the Sunrise(Duke Ellington)*
  リーナ・ニューベリ(ヴォーカル)
  ダニエル・カールソン(ピアノ)
 
録音 ルンマロー・コンサートホール(ルンマロー、スウェーデン)、スタジオ・エピデミーン(Studio Epidemin)(ヨーテボリ、スウェーデン)*
制作 リーナ・ニューベリ、ダニエル・カールソン
録音 ヨーラン・ペッテション、ユハンネス・ルンドベリ *

 
1970年、ストックホルム生まれのリーナ・ニューベリ Lina Nyberg と、1973年、ヴェルムランドのクリスティンスハムン生まれのダニエル・カールソン Daniel Karlsson は、スウェーデンと世界のジャズシーンを舞台に輝かしいキャリアを築いてきました。もっとも成功したスウェーデンのジャズ・ミュージシャンのふたりが初めて共演するアルバム『The Night and the Music(夜と音楽)』。夕まぐれ、夜、朝まだき、と移りゆく「夜」の姿と思いを綴った歌から、リーナとダニエルのふたりで入念に選んだ11曲を歌うプログラムです。コール・ポーターの《Night and Day(夜も昼も)》、アーヴィング・バーリンがフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズの映画『Follow the Fleet(艦隊を追って)』のために作った《Let’s Face the Music and Dance》、プラターズのレコードがヒットチャートに載った《Red Sails in the Sunset(夕陽に赤い帆)》、セロニアス・モンクの《’Round Midnight》といったジャズの「エバーグリーン」、ミュージカル『Hair/ヘアー』の《Good Morning Starshine》。サミュエル・バーバーの《Sure on This Shining Night(この輝く夜にきっと)》は、彼が、《ノックスヴィル:1915年の夏》に先立ち、同じジェイムズ・エイジーの詩に作曲した作品です。継ぎ目なくつづく抒情のメロディに始まるこの歌は、優れたバリトン歌手でもあったバーバーが書いた100を超す歌曲の最良の一曲とされ、多くの歌手から愛されています。全ナンバーの編曲とプロデュースをリーナとダニエルが共同で手がけ、ストックホルム群島の島ルンマローのコンサートホールとヨーテボリのスタジオのセッションで録音しました。
 
[追記]
リーナ・ニューベリとダニエル・カールソンのデュオ・アルバム『The Night and the Music(夜と音楽)』を聴きました。良い知らせと悪い知らせがあります。
 
悪い知らせから。このところ Prophone Records の音の性格が、かつての「Prophone の音」からかなり変わってきました。楽器と声の姿とテクスチュアを自然に感じさせる音から、楽器や声の音とテクスチュアをダイレクトに聞かせる音に変わり、それが「Prophone のアルバム」のイメージにオーバーに言うと劇的な変化をもたらしました。いつごろからなのか。記憶をたどると、Nilent Studio のラーシュ・ニルソンが制作や録音を担当するようになった時期と重なっている気がします。このラーシュ・ニルソンは、他のレーベルでも仕事をしており、いずれも高い評価を得てきました。高い技術と音楽に対する独自の哲学をもっていると言われ、スウェーデンのピアニスト、ヤコブ・カールソンとは ACT Music のアルバムを共同で制作するなど、北欧の音楽家たちから信頼が寄せられています。ヨーラン・ペッテション Göran Petersson とユハンネス・ルンドベリ Johannes Lundberg がエンジニアリングを担当したこのニューベリの新作も、ニルソンのスタイルと同じ性格の音質で録音されています。かつての Prophone の音が懐かしい……。
 
そして、良い知らせ。『The Night and the Music』は、ニューベリとカールソンが共演を希望み、ずっと作りたいと思っていたというアルバムです。そのため、アルバムの制作にはふたりが共同であたりました。そのことを考えると、ペッテションとルンドベリが、カールソンのタッチと音、そしてニューベリの声を「リアル」に収録した音は、プロデュースしたふたりが意図したものとみなすのが自然でしょう。実際、この「音」に慣れてくると、ふたりが音楽を創造している、その空間に居合わせている気分になってきます。コンサートホールで収録されていながら、”intimate” な気分が漂い、ストックホルムかボストンか、大都市の片隅にでもあるクラブにいる気分です。《夕陽に赤い帆》の波を模したピアノのアルペッジョや《’Round Midnight》や《スターダスト》のちょっとしたフレーズににんまりする。《この輝く夜にきっと》を聴き、この後、バーバーの歌曲を聴こうかと思ってしまいます。
 
このアルバムのデータには、録音の場所は書かれていますが、時期の記載がありません。ただ、プレスリリースの情報から推測すると2020年の夏あたりの録音だと思われます。もしそうなら、COVID-19 がみんなと音楽家たちの生活と心に大きな影を落としている時期です。シンガーソングライターのイサベラ・ルンドグレーンは、『Look for the Silver Lining(希望の光をさがして』のアルバムで「元気を出そう」と歌いました。そしてニューベリとカールソンは、夜に物を思い、「COVID-19 の前」には戻れないことを知りながら、「わたしは夜明けが好き」と「新しい日」に希望を託しました。ため息のでるアルバムです。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Home(家)』
Prophone PCD 255 jazz

 
『Home(家)』
 Home(SE-Quartet) Give It Back(SE-Quartet)
 Early Spring(SE-Quartet) World Tune(SE-Quartet)
 Mary(SE-Quartet) A Walk in the Forest(SE-Quartet)
 Going to Church(SE-Quartet) August Vibes(SE-Quartet)*
 The Bear on the Brown Lawn(SE-Quartet)
 Third Movement(SE-Quartet)
 Four Seasons in a Changing Climate(SE-Quartet)
 Me & I(SE-Quartet)
  SE-カルテット
   ダーヴィド・エールリーン
   (ソプラノサックス、テナーサックス、バスクラリネット)
   ラスムス・H・トムセン(ピアノ)
   アンティ・オヤラ(ドラム)
   マッティン・スンドストレム(ベース)
  ヴィクトル・オーロフソン(ギター)*
 
録音 2020年10月–2021年1月 Nilento Studio(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作 SE-カルテット
録音 ミケール・ダールヴィド、ラーシュ・ニルソン

 
デンマークとスウェーデンのプレーヤーたちのグループ「SE-カルテット(SE-Quartet)」の新作。「北欧めざしてやってきた難民たち」に彼らが捧げた『Going North(北へ向かって)』(PCD167)は、2017年にリリースされ、ジャズを聴く習慣のある音楽ファンと新しいリスナーの双方に支持され、各国の批評家や放送局からも多くの賛辞が寄せられたと言います。アルバム第4作のテーマは「家」。COVID-19 の影響下、それぞれの家を仕事場にしていたメンバー4人が、日常生活からインスピレーションを得て作った曲を、彼らの「第二の家」になった「SE-カルテット」に持ち寄って演奏、編曲。《Give It Back(それを返せ)》《Early Spring(早春)》《A Walk in the Forest(森の散歩)》《Going to Church(教会へ行こう)》《The Bear on the Brown Lawn(枯れた芝の上の熊)》《Four Seasons in a Changing Climate(気候の変動する四季)》など12曲のアルバムに作り上げました。リズムの層をさらに深く掘り下げ、柔らかく、かつ透明な響きの抒情のページを交えながら、テーマと即興をバランスよく配分。これまでのアルバムと同様、ゴスペル、クラシカル音楽、ポップ・ミュージック、ヒップ・ポップといった異なる要素を巧みに織りこんだグルーヴィな音楽を展開させてゆきます。フォークミュージックからインスパイアされた《August Vibes(八月の気分)》のセッションには、長年の友人、ギタリストのヴィクトル・オーロフソン Victor Olofsson が参加、「とびきりの演奏」を聴かせました。隔絶した生活を余儀なくされている今、自分の音楽を信じるミュージシャンたちが、やることをやって作り上げた「普通」にいいジャズ・アルバム。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

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