February 2023

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『アシとガラテ(Acis et Galatée)』 Selection
Aparté AP 269 2CD’s early music/classical

 
ジャン=バティスト・リュリ(1632–1687)
 歌劇《アシとガラテ(アシスとガラテア)(Acis et Galatée)》 LWV 73
 [プロローグ]
  アンブロワジーヌ・ブレ(ディアーヌ)
  ベネディクト・トーラン(ラボンダンス(豊穣))
  ロベール・ジェチェル(コモス)
  シリル・オヴィティ(アポロン)
  デボラ・カシェ(ドリアード(森の妖精))
  フィリップ・エステフ(シルヴァン(森の精霊))
 [パストラル]
  シリル・オヴィティ(アシ)
  アンブロワジーヌ・ブレ(ガラテー)
  エドウィン・クロスリー=メルセル(ポリフェーム)
  デボラ・カシェ(アマント、ナイアス)
  ベネディクト・トーラン(シッラ、ナイアス)
  ロベール・ジェチェル(テレーム)
  エンゲラン・ド・イス(ティルシス、ジュノンの従者)
  フィリップ・エステフ(ネプチューン)
  ナミュール室内合唱団
  レ・タラン・リリク
  クリストフ・ルセ(指揮)
 
録音 2021年7月16日–18日 ジャン=バティスト・リュリ音楽院(ピュトー、イル・ド・フランス)
芸術監督 ニコラ・バルトロメ
録音エンジニア ニコラ・バルトロメ、イグナス・オヴィル

 
リュリ Jean-Bastiste Lullly が完成させた最後の歌劇《アシとガラテ(アシスとガラテア)》は、もっぱら悲劇を手がけた彼の数少ない牧歌的内容の作品です。ヴァンドーム公ルイ・ジョゼフが、ルイ14世の子ルイ(グラン・ドーファン)のために委嘱、リュリの通常の台本作家フィリップ・キノーに代わりジャン・ガルベール・ド・カンピストロン Jean-Galbert de Campistron が台本を執筆。1686年9月6日、アネ城の制約ある舞台で初演されて成功を収め、リュリの音楽は「fort jolie(とても美しい)」と言われ認められました。パリに戻ってからの「Académie Royale de Musique」(パリ・オペラ)での上演は評価が入り混じったというものの、18世紀に入ってから何度も再演されています。
 
「シチリアの若い羊飼いアシ(アシス)は、牧神パンとニンフの子。ネレウスとドリスに生まれた海のニンフ、ナイアスのひとり、ガラテー(ガラテア)に恋をしている。羊飼いたちが歌っていると、巨人ポリフェームが突如海から現れる。ガラテーに恋心をもつポリフェームは、若い恋人たちの姿に嫉妬、エトナ山からもぎ取った巨大な岩石をアシーに投げつける。岩の下から流れ出る血を見たガラテーがネプチューンに祈りを捧げると、血の流れが川に変わる。川は海に注ぎこみ、アシーとガラテーは結ばれる」。
 
リュリが「英雄的パストラル(pastorale héroïque)」と呼ぶ作品は、アネ城に集まったディアーヌや豊穣の神ラボンダンス、祝祭の神コモスたちが国王とグラン・ドーファン(大王太子)を讃え、これから始まる物語を予告する「プロローグ」と物語を描く「3幕」で構成。歌と歌の間にメヌエットやエアといった器楽曲もはさまれ、美しい旋律と繊細なオーケストレーションの音楽は、音楽的にも劇的にも彼の「音楽悲劇(tragédie en musique)」に匹敵する作品とみなされています。とりわけ第3幕第7場でガラテーが歌う嘆きと祈りのアリアは、リュリの巧みな感情表現が生み出した最良のページのひとつと言われます。
 
クリストフ・ルセ Christophe Rousset(1961–)と彼のアンサンブル「レ・タラン・リリク Les Talens Lyriques」に、シリル・オヴィティ Cyril Auvity、アンブロワジーヌ・ブレ Ambroisine Bré、エドウィン・クロスリー=メルセル Edwin Crossley-Mercer といった最前線で活躍する歌手たちと「ナミュール室内合唱団 Chœur de chambre de Namur」による録音は、マルク・ミンコフスキと「レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル」の録音(Archiv)に次ぐ、このオペラの2作目のCD。2021年7月、ピュトーのジャン=バティスト・リュリ音楽院で録音されました。
 
フランス語の歌詞と英訳を収めた120ページを超すブックレットをつけた、ブック仕様のアルバム。
 
価格 5,170円(税込価格)(本体価格 4,700円)

『ヴァンスカ+マーラー』
BIS SACD 2476 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical

 
グスタフ・マーラー(1860–1911)
 交響曲第9番 ニ長調(1909–10)
  ミネソタ管弦楽団 オスモ・ヴァンスカ(指揮)
 
録音 2022年3月21日–25日 オーケストラホール(ミネアポリス、ミネソタ州)
制作 ロバート・サフ

 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『レスピーギ』
BIS SACD 2540 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
オットリーノ・レスピーギ(1879–1936)
 組曲《鳥(Gli uccelli)》 P 154
  前奏曲(Preludio) 鳩(La colomba) 雌鳥(La gallina)
  ナイチンゲール(L’usignuolo) かっこう(Il cucù)
 リュートのための古い舞曲とアリア 第1番(Antiche danze ed arie Suite No.1) P 109
  『オルランド伯爵』による小舞踏曲(Balletto: Il Conte Orlando)
  ガリアルダ(Gagliarda) ヴィッラネッラ(Villanella)
  酔った歩みと仮面舞踏会(Passo mezzo e Mascherada)
 リュートのための古い舞曲とアリア 第2番(Antiche danze ed arie Suite No.2) P 138
  優雅なラウラ(Laura soave) 田園舞曲(Danza rustica)
  パリの鐘(Campanae parisienses) ベルガマスク(Bergamasca)
 リュートのための古い舞曲とアリア 第3番(Antiche danze ed arie Suite No.3) P 172
  イタリアーナ(Italiana) 宮廷のアリア(Arie di corte)
  シチリアーナ(Siciliana) パッサカリア(Passacaglia)
  リエージュ王立フィルハーモニック管弦楽団
  ジョン・ネシリング(指揮)
 
録音 2021年7月5日–9日 フィルハーモニーホール(リエージュ、ベルギー)
制作・編集・ミクシング インゴー・ペトリ
録音エンジニア ファビアン・フランク

 
ブラジルの指揮者ジョン・ネシリング John Neschling とリエージュ王立フィルハーモニック管弦楽団によるレスピーギ Ottorino Respighe のシリーズ第6作(サンパウロ交響楽団との『ローマ三部作』(BIS SA 1720)を含めると7枚目)。『ローマ三部作』に次いで親しまれている組曲《鳥》と3つの《リュートのための古い舞曲とアリア》の組曲。《鳥》は、ガロ、ラモー、パスクィーニたちの鍵盤楽器曲、《リュートのための古い舞曲とアリア》は、ヴィンチェンツォ・ガリレイやカローゾたちのリュート曲をモダンな和声とテクスチュアによって20世紀の音楽に再生。「レスピーギの管弦楽作品をひとりの指揮者が、これまでで最良の形で見渡してみせた」(BBC Music Magazine)と評されたシリーズの最後のアルバムです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ミッシー・マッツォーリ』
BIS SACD 2572 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical 

 
ミッシー・マッツォーリ(1980–)
 Dark with Excessive Bright(暗く明るすぎる)(2021)
 (ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための協奏曲)*
 Sinfonia (for Orbiting Spheres)
 (シンフォニア(軌道を周る天体のための))(2013)**
 These Worlds in Us(われらのうちにある世界)(2006)**
 Orpheus Undone(破滅したオルフェウス)(2021)**
  Part 1: Behold the Machine, O Death(見よ機械を、死神よ)
  Part 2: We of Violence, We Endure(われら暴力の、われら耐え忍ぶ)
 Vespers for Violin(ヴァイオリンのための晩祷)(2014)
 (ソロ・ヴァイオリンとエレクトロニック・サウンドトラックのための) ***
 Dark with Excessive Bright(暗く明るすぎる)(2021)
 (ソロ・ヴァイオリンと弦楽五重奏のための編曲)†
  ペーテル・ヘッレスタール(ヴァイオリン)*/***/†
  ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団 *
  ジェームズ・ギャフィガン(指揮)*
  アークティック・フィルハーモニック **
  ティム・ワイス(指揮)**/†
  アークティック・フィルハーモニック団員 †
   オガネス・ギルニヤン(第1ヴァイオリン)
   オイヴィン・メフース(第2ヴァイオリン)
   ナターリャ・ギルニヤン(ヴィオラ)
   メアリー・オナー(チェロ)
   イングリ・マリーア・メフース(コントラバス)
 
録音 2021年6月4日 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)*、2022年3月 ストルメン・コンサートホール(ボードー、ノルウェー)
録音エンジニア グンナル・ヘルライフ・ニルセン *、ホーカン・エークマン

 
アメリカの作曲家ミッシー・マッツォーリ Missy Mazzoli は、「黙示録的イマジネーション」(アレックス・ロス「The New Yorker」)と称賛され、インディロックの感覚とクラシカル音楽の流儀の混ざり合った精巧で神秘的なサウンド・ワールドの作品を作りつづけています。このアルバムには、アルネ・ヌールハイム、カイヤ・サーリアホ、ペア・ヌアゴーたちの音楽の「チャンピオン」として活動するノルウェーのヴァイオリニスト、ペーテル・ヘッレスタール Peter Herresthal(1970–)のための「協奏曲」を中心に彼女の管弦楽曲とソロ曲が収録されています。
 
《Dark with Excessive Bright》(暗く明るすぎる)は、オーストラリア室内管弦楽団とロンドンのオーロラ・オーケストラの委嘱で書いた「コントラバス協奏曲」をヘッレスタールの依頼で改作した作品です。曲名は、ミルトンの『失楽園』からとられました。「視力を奪われた者が神の衣を語ったシュールで刺激的な言葉が、ぼんやりとした、胸の張り裂けるような弦の響きにぴったり」(マッツォーリ)。「ソロ・ヴァイオリンと弦楽五重奏のための編曲」は、ヘッレスタール、アークティック・フィルハーモニックの指揮者ティム・ワイス Tim Weiss とオーバリン音楽院の共同委嘱で行われました。
 
《Vespers for Violin》(ヴァイオリンのための晩祷)は、《Vespers for a New Dark Age》(新たな暗黒の時代のための晩祷)を作り直したという作品です。ソロ・ヴァイオリンと、キーボード、古オルガン、声と弦楽器の「サンプリング」を「エレクトロニクス」処理した録音が共演。2014年に初演され、2019年のグラミー賞「コンテンポラリー・クラシカル作曲部門」にノミネートされています。
 
《Sinfonia (for Orbiting Spheres)》(シンフォニア(軌道を周る天体のための))は、「より大きな軌道の中で互いに巻きつくロココループの集合体」太陽系の形をした音楽。曲名は、楽曲の種類の「シンフォニア」と「ハーディ・ガーディ」を表す古いイタリアの用語の二重の意味を示しています。ロサンジェルス・フィルハーモニックの委嘱で作曲され、その後、ボールダー・フィルハーモニックのために改訂が行われました。
 
《These Worlds in Us》(われらのうちにある世界)の曲名は、第二次世界大戦で戦死した父に思いを巡らせたジェームズ・テートの詩『The Lost Pilot』からとられました。「音楽は、ひとつの音やジェスチャーだけで痛みと幸せの感情を移すことができるという考えが好き」(マッツォーリ)。ベトナム戦争に従軍した、彼女の父に捧げられた作品です。
 
《Orpheus Undone》(破滅したオルフェウス)は、「エウリディーチェの死を知った直後のオルフェウスの生の一瞬を16分の静止画」。〈Behold the Machine, O Death〉(見よ機械を、死神よ)と〈We of Violence, We Endure〉(われら暴力の、われら耐え忍ぶ)と、リルケの『オルフェウスへのソネット』の句をつけた2つの部分がつづけて演奏されます。マッツォーリがコンポーザー・イン・レジデンスを務めていたシカゴ交響楽団の委嘱で作曲されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『灰燼に帰す(Fallen to Dust)』
BIS SACD 2595 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ジョナサン・ダヴ(1959–)
 今夜眠るものはみな(All You Who Sleep Tonight)
ジョージ・バタワース(1885–1916)
 死者のための祈り(Requiescat)
レベッカ・クラーク(1886–1979)
 シールマン(海から来た男)(The Seal Man)
ジェラルド・フィンジ(1901–1958)
 歳月の時計(The Clock of the Years)
 花輪をささげよう(Let Us Garlands Bring)
  I. 来たれ、死よ(Come away, come away death)
  II. シルヴィアとは誰だ(Who is Silvia?)
  III. 照りつける太陽をもう恐れるな
  (Fear no more the heat o’ the sun)
  IV. おお、わが愛しの人よ(O Mistress Mine)
  V. 好いた同士が肩を寄せ(It was a lover and his lass)
ジョン・アイアランド(1879–1962)
 三羽のカラス(The Three Ravens)
アイヴァー・ガーニー(1890–1937)
 棺台の脇で(By a Bierside)
エドワード・エルガー(1857–1934)
 心からの願い(Pleading) Op.48 no.1
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872–1958)
 空は屋根の上にあって(The Sky above the Roof)
アーサー・サマヴェル(1863–1937)
 シュロプシャーの若者(A Shropshire Lad)
  I. こよなく愛しい木、桜がいま(Loveliest of Trees, the Cherry now)
  II. おれが21歳のとき(When I was one-and-twenty)
  III. いいかげんな連中が通っていく(There pass the careless people)
  IV. ブリードンの夏に(In summer-time on Bredon)
  V. 通りに兵士たちの足音が聞こえる
  (The Street sounds to the Soldiers’ tread)
  VI. 夏の暇な丘のうえで(On the idle hill of Summer)
  VII. 月明かりに白く照らされ、長い道がある
  (White in the moon the long road lies)
  VIII. もう考えるな、若者、笑って、陽気にやれ
  (Think no more, Lad, laugh, be jolly)
  IX. おれの心に命を奪う風が吹き込んでくる
  (Into my Heart an Air that kills)
  V. 若者たちが何百と集まり(The Lads in their hundreds)
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)(編曲)
 トム・ボウリング(Tom Bowling)
アイヴァー・ガーニー(1890–1937)
 最愛のあなた、私が死んでも(Dearest, when I am dead)
リザ・レーマン(1862–1918)
 ヘンリー王(Henry King)
エロリン・ウォレン(1958–)
 このあたりは(About Here)
ウォルズリー・チャールズ(1889–1962)
 緑色の目をした竜(The Green-eyed Dragon)
  ジェームズ・ニュービー(バリトン)
  ジョーセフ・ミドルトン(ピアノ)
 
[Piano: Steinway D274]
 
録音 2022年1月31日–2月3日 ゼンデザール(ブレーメン、ドイツ)
制作 エリーザベト・ケンパー
録音エンジニア ヴォルフガング・ヴィーゼ

 
「BBC New Generation Artists (2018–2022)」のひとりに選ばれたイギリスのバリトン歌手、ジェームズ・ニュービー James Newby(1993–)は、2020年、デビューアルバム『彷徨いながら不思議に思う(I wonder as I wander)』(BIS SA-2475)をリリース。「素晴らしく均質なバリトンの声は、ビロードのようになめらかで、ゆるぎない技術により全声域で安定している」(”Opera Today”)と好意的な評価を受け、共演のジョーセフ・ミドルトン Joseph Middleton のピアノとともに、「りっぱなデビューディスク」(”BBC Music Magazine”)と言われました。
 
アルバム第2作『灰燼に帰す(Fallen to Dust)』は、イギリスの作曲家たちの音楽によるプログラムで作られました。「2015年、姉妹のローラが亡くなった。それからというもの、何か彼女に捧げることをしたいと願ってきた。そして、彼女の葬儀でジェラルド・フィンジの《照りつける太陽をもう恐れるな》を歌ったことから、この曲の入った曲集《花輪をささげよう》をメインにしたプログラムがふさわしいのではないかと思った」(ジェームズ・ニュービー)。『十二夜』『ヴェローナの二人の紳士』『お気に召すまま』といったシェイクスピアの戯曲をテクストにしたフィンジの曲集とともに、A・E・ハウスマンの『シュロプシャーの若者』の10の詩に曲をつけたアーサー・サマヴェル Arthur Somervell の作品も「ハイライト」です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『瞑想 II(Meditatio II)』
BIS SACD 2618 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ダニエル・エルダー(1986–)
 エレジー(Elegy)(ダニエル・アダムズ・バタフィールドの《Taps》による)
アウズル・グヴズヨンセン(1975–)
 アヴェ・ヴェルム・コルプス(Ave verum corpus)(2019)
ガリーナ・グリゴリエヴァ(1962–)
 天国に(In paradisum)(2012)
フレイザル・インギ・ソルステインソン(1978–)
 ルクス・エテルナ(永遠の光)(Lux æterna)(2018)
ヘイクル・トウマソン(1960–)
 私たちの最後の日が(Vor hinsti dagur)(2004)
オーラ・ヤイロ(1978–)
 サンクトゥス:ロンドン(Sanctus: London)(2008)
ソウラ・マルテインスドウッティル(1978–)
 主よ、わたしの手を取りお導きください(Nú legg ég þér í lófa)(2011)
ポール・ミーラー(1975–)
 慈しみと愛のあるところ(Ubi caritas)(2011)
伝承曲(ハフステイン・ソウロウルソン Hafsteinn Þórólfsson(1977–) 編曲)
 ねんねん坊や(Sofðu, unga ástin mín)
ビョルン・ソーラレンセン Björn Thorarensen(1962–)
 アニュス・デイ(神の子羊)(Agnus Dei)
シーグルズル・セーヴァルソン(1963–)
 アヴェ・ヴェルム・コルプス(Ave verum corpus)(2018)
伝承曲(ジョン・ハーン(1937–) 編曲)
 谷は美しくとも(Fagurt er í fjörðum)
パヴェル・ウカシェフスキ(1968–)
 主よ、今こそあなたは(Nunc Dimittis)(2007)
パルト・ウースベリ(1986–)
 天国に(In paradisum)(2016)
エリック・ウィテカー(1970–)
 眠り(Sleep)(2000)
  レイキャヴィーク・スコラ・カントルム
  ホルズル・アウスケルソン(指揮)
 
録音 2021年9月23日–26日 スカウルホルト教会(スカウルホルト、アイスランド)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング イェンス・ブラウン

 
アイスランドの合唱団「レイキャヴィーク・スコラ・カントルム(Schola Cantorum Reykjavicensis)」(スコラ・カントルム室内合唱団)は、2016年、『瞑想(Meditatio)- 休息(Hvild)』(BIS SA-2200)と題したアルバムをリリースしました。このアルバムでは「諸聖人の祝日(万聖節)」と「死者の日(万霊節)」に毎年行われるコンサートで歌われる、死別の深い悲しみを希望と慰めととらえた、20世紀と21世紀の曲によるプログラムが組まれました。新しいアルバム『瞑想 II(Meditatio II)』も「死に対する人間の思考と感覚」をテーマにした曲によるプログラムで歌われます。
 
アメリカの作曲家ダニエル・エルダー Daniel Eldere が、アメリカ合衆国陸軍の葬儀や追悼式で演奏されるラッパ信号《Taps(葬送のラッパ)》にホレス・ロレンゾ・トリムが後につけた歌詞による《エレジー》。『グヴズルーンの第4の歌』(BIS-908)を作曲したアイスランドを代表する作曲家のひとり、ヘイクル・トウマソン Haukur Tómasson の《私たちの最後の日が》は、ノーベル文学賞受賞者ハトルドウル・ラクスネスの「愛と後悔、別離と死」を詠んだ詩による作品。ユリー・ハウスマンのドイツ語詩のシーグルビョルン・エイナルソによるアイスランド語訳をテクストにしたソウラ・マルテインスドウッティル  Þóra Marteinsdóttir の《主よ、わたしの手を取りお導きください》。ウェールズのポール・ミーラー Paul Mealor がグレゴリオ聖歌の歌詞に作曲した《慈しみと愛のあるところ》。ポーランドのパヴェル・ウカシェフスキ Paweł Łukaszewski の『ルカによる福音書』による《主よ、今こそあなたは》。エリック・ウィテカー Eeric Whitacre の《眠り》。
 
「死者のためのミサ」「ミサ通常文」による作品も歌われます。聖体拝領の讃美歌『めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことの御体よ』をテクストにしたアイスランドのアウズル・グヴズヨンセン Auður Guðjohnsen と、スコラ・カントルムのメンバーだったシーグルズル・セーヴァルソン Sigurður Sævarsson の《アヴェ・ヴェルム・コルプス》。ラテン語のアンティフォン「天使があなたを天国に運んでくださるように」によるウクライナのガリーナ・グリゴリエヴァ Galina Grigorjeva とエストニアのパルト・ウースベリ  Pärt Uusberg の《天国に》。スコラ・カントルムのメンバー、フレイザル・インギ・ソルステインソン Hreiðar Ingi Þorsteinsson の《ルクス・エテルナ(永遠の光)》とビョルン・ソーラレンセン Björn Thorarensen の《アニュス・デイ(神の子羊)》。アメリカ在住のノルウェーの作曲家オーラ・ヤイロ Ola Gjeilo の《サンクトゥス:ロンドン》は、単独の曲として作られた作品です。アイスランドの伝承曲《ねんねん坊や》と《谷は美しくとも》は、それぞれ、ハフステイン・ソウロウルソン Hafsteinn Þórólfsson とジョン・ハーン John Hearne の編曲で歌われます。
 
レイキャヴィーク・スコラ・カントルムの創設者ホルズル・アウスケルソン Hörður Áskelsson の指揮。アイスランドの南部、スカウルホルトの教会でのセッション録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ウィグモア・ソロイスツ』
BIS SACD 2707 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 七重奏曲 変ホ長調 Op.20
フランス・ベールヴァルド(1796–1868)
 七重奏曲 変ロ長調(1828)
  ウィグモア・ソロイスツ
   イザベル・ファン・クーレン(ヴァイオリン) 
   レイチェル・ロバーツ(ヴィオラ)
   エアドリアン・ブレンデル(チェロ)
   ティム・ギブズ(コントラバス)
   マイケル・コリンズ(クラリネット)
   ロビン・オニール(ファゴット)
   アルベルト・メネンデス・エスクリバーノ(ホルン)
 
録音 2022年5月27日–29日 セント・ジョーンズ教会(アッパーノーウッド、ロンドン、イングランド)
制作 レイチェル・スミス
録音エンジニア デーヴ・ローウェル

 
「ウィグモア・ソロイスツ Wigmore Soloists」のシューベルト《八重奏曲 ヘ長調》(BIS SA-2597)、モーツァルトたちの《クラリネット・トリオ》(BIS SA-2535)につづくアルバム第3作。ベートーヴェンが「クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバス」の楽器編成で作曲した「明るく軽快で温もりにみちた」《七重奏曲 変ホ長調 》と、スウェーデンのフランス・ベールヴァルド Franz Berwald がベートーヴェンの曲に倣った編成で書いた、「プレスティッシモ」の音楽を中間部にはさむ緩徐楽章が特徴的な《七重奏曲 変ロ長調》。音楽のユーモアをふりまく、ベールヴァルドの音楽を代表する作品のひとつです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『四月の手紙(Letter in April)』
Dacapo 8.226724 contemporary/classical 

 
ブリッタ・ビューストレム(1977–)
 四月の手紙(Letter in April)
 (クラリネット、ヴァイオリン、チェロとピアノのための)*
 街の木(Baum in der Stadt)(2014)(ヴァイオリン・ソロのための)**
 浮遊する世界の印象(Images from the Floating World)(2019)
 (弦楽四重奏のための)
  コン・モート *** リトミコ レッジェーロ グラツィオーゾ
  エネルジーコ コン・モート ***
 海辺の人物(Figures at the Seaside_(2020)
 (チェロと室内管弦楽団のための)†
  アネ・スー(ヴァイオリン)*/**/***
  マリーア・イサベル・エードルンド(チェロ)*/***/†
  アテラス・シンフォニエッタ
  アイリク・ハウコース・オーデゴール(指揮)†
  
録音 2021年10月16日–18日k、2022年3月31日、6月28日 コンサトキアケン(コペンハーゲン)
制作・録音、編集・ミクシング・マスタリング トーステン・イェセン

 
ブリッタ・ビューストレム Britta Byström は、1977年、スウェーデンのスンツヴァル生まれ。王立ストックホルム音楽大学で学び、卒業作品として管弦楽のための《Sera》(2002)を作曲しました。音楽で「ストーリー」を語ること、そして、明確で刺激的な素材を使って強固な構造物を作り上げることが彼女の作品の特色に挙げられています。草間彌生のアートからインスピレーションを得た「ヴァイオリン/ヴィオラ、コントラバスと管弦楽のための二重協奏曲」《Infinite Rooms(無限の部屋)》(2016)(BIS SA–2379)、デュオから大編成のオーケストラまで約20曲のシリーズの『Walks(散歩)』といった作品で近年、国際的に名前を知られるようになりました。
 
《四月の手紙》は、2011年にストックホルムで開催されたコンサート・シリーズ『Resounding Letters(鳴りひびく手紙)』の一作として委嘱された作品です。「愛と喪失のテーマ」。デンマークの詩人インガー・クリステンセンの詩集『Letter in April』に由来する曲名がつけられています。ドイツの画家パウル・クレーの絵に因む曲名の《街の木》。アイスランドの『ニャールのサガ(Njal Saga)』がインスピレーションに関係したという《浮遊する世界の印象》は、アイスランドの民謡やカール・ニルセンの《シンフォニア・エスパンシーヴァ》などの余韻をもつ音楽として書かれました。
 
パブロ・ピカソの絵画のタイトルを曲名にした《海辺の人物》は、オーフス王立音楽アカデミーのソリスト・クラスで学んだチェリストのマリーア・イサベル・エードルンド Maria Isabel Edlund の修了コンサートで演奏する予定で作曲された作品。2020年のコンサートが COVID-19 による活動制限でキャンセルされ、2021年10月17日、共同委嘱したアテラス・シンフォニエッタ Athelas Sinfonietta の共演でペンハーゲンのコンサトキアケン KoncertrKirken で初演されました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『J. P. E. ハートマン ピアノ作品集 第4集』
Danacord DACOCD 950 classical

 
J. P. E. ハートマン(1805–1900)
 ピアノソナタ ニ短調 Op.34/HartW 74(1841)
 練習曲(Etudes Instructives) Op.53/HartW 95(1851)
  第1曲 へ長調 第2曲 イ短調 第3曲 ホ長調 第4曲 変ロ長調
  第5曲 ト短調 第6曲 イ長調
 序奏とアンダンティーノ・レリジョーゾ
 (Introduction et Andantino religioso) Op.26/HartW 70(1840)
 3つの風俗的小品(Tre Genrestykker) HartW 69(1840)
  第1曲 ニ短調 第2曲 ハ長調 第3曲 ト短調
 ピアノの小品 ハ短調《1848年1月20日(Den 20de Januar 1848)》
  HartW 87(1848)
 ピアノの小品 変ホ長調《古い思い出(Gamle Minder)》 HartW 75(1842)
  トマス・トロンイェム(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Steinway Model D]
 
録音 2022年春 ホルステブロ音楽学校・音楽大学コンサートホール(ホルステブロ、デンマーク)
録音・マスタリング クラウス・ビューリト
編集 トマス・トロンイェム

 
デンマークのピアニスト、トマス・トロンイェム Thomas Tronhjem(1954–)が、J. P. E. ハートマン J. P. E. Hartmann の作品を体系的に録音するシリーズの第4集。《ピアノソナタ ニ短調》は、「アレグロ・アパッショナート」「ロマンス」「スケルツォ」「終曲」の4楽章。音楽出版社ユリウス・シューベルトが会長を務める北ドイツ音楽協会(Norddeutscher Musikverein)の作曲コンペティションに応募、第2位に選ばれたことから「Prissonaten(賞ソナタ)」と呼ばれています。《練習曲》は、「mine 6 navnløse Børn(私の名前をもたない子供たち)」「Caprices instructives(教則カプリース)」と曲集名を変え、最終的に「Etudes Instructives(練習曲)(教則エチュード)」の名で出版されました。《3つの風俗的小品》は、個別に作曲した3曲をまとめた曲集。「Op.26」として出版されることを望みライプツィヒのホフマイスターに送ったものの断られ、未出版のまま残されました。国王クリスチャン八世が没した1848年1月20日を副題にした《ピアノの小品(ピアノのための哀悼幻想曲)》。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『エミール・レーセンの芸術(The Art of Emil Reessen)』
Danacord DACOCD 958 classical

 
ニルス・W・ゲーゼ(1817–1890)
 バレエ《民話(Et folkesagn)》(1854)
 - ポロネーズ(Polonaise) 結婚ワルツ(Brudevalsen)
ハンス・クリスチャン・ロンビュー(ロンビ)(1810–1874)
 バレエ《アマー島の王の義勇兵たち(Livjægerne på Amager)》
 - フィナーレ=ギャロップ(Finale-galop)
 [録音 1929年][Columbia J50]
ハンス・エアンスト・クロイア(1798–1879) 
 愛らしき国あり(Der er et yndigt land)
ディトレウ・ルズヴィ・ローワト(1742–1813) 
 国王クリスチャン四世は高いマストのそばに立つ
 (Kong Christian stod ved højen mast) 
 [録音 1930年][Columbia DD116]
フリードリク・クーラウ(1786–1832)
 劇付随音楽《妖精の丘(Elverhøj)》 Op.100(1828)
  バレエ「アウネーテの夢(Agnetes drøm)」(第4幕)
   妖精の踊り(Elverdans)
  花冠の踊り(Kransedans)(第5幕) エコセーズ(Ecossaise)
 [録音 1930年][Columbia DD117]
P・E・ランゲ=ミュラー(1850–1926)
 劇付随音楽《昔むかし(Det var engang)》 Op.25(1884–86)
 - 前奏曲(Forspil)
 [録音 1930年][Columbia DD108]
ヨハン・シュトラウス(1825–1899)
 ワルツ《南国のバラ(Rosen aus dem Süden)》 Op.388
ヨーゼフ・シュトラウス(1827–1870)
 ワルツ《わが人生は愛と喜び(Mein Lebenslauf ist Lieb’ und Lust)》 Op.263
 [録音 1930年][Columbia DD118]
フリードリク・クーラウ(1786–1832)
 『妖精の丘』のポプリ(Potpourri from “Elverhøj”)*/†
 [録音 1935年][Polyphon S 630086]
P・E・ランゲ=ミュラー(1850–1926)
 メロドラマ《ルネサンス(Renaissance)》 Op.59(1901)
 - 前奏曲(Forspil)**
ニルス・W・ゲーゼ(1817–1890)
 バレエ《民話(Et folkesagn)》(1854)
 - ポロネーズ(Polonaise)** 結婚ワルツ(Brudevalsen)**
 [録音 1940年][Polyphon Z.S. 60103]
ハンス・クリスチャン・ロンビュー(ロンビ)(1810–1874)
 夢の絵姿(Drømmebilleder)**
 [録音 1940年][Polyphon Z.S. 60100]
カール・ニルセン(1865–1931)
 歌劇《仮面舞踏会(Maskerade)》 FS39(1904–06)
  序曲(Ouverture)** 若い雄鶏たちの踊り(Hanedans)**
 [録音 1940年][Polyphon Z.S. 60099]
 劇付随音楽《母(Moderen)》 FS94(Op.41)(1920)
  第7場への前奏曲(Forspill til 7. billede) 行進曲(March)
 [録音 1946年][Polyphon HM 80112]
ジェレマイア・クラーク(c.1674–1707)
 ヤーアン王子の行進曲(Prins Jørgens March)
 (トランペット・ヴォランタリー)*
 [録音 1945年][Polyphon X 61107]
ヤコブ・ゲーゼ(1879–1963)
 タンゴ・ツィガーヌ《ジェラシー(Jalousie)》(1925)
エメリッヒ・カールマン(1882–1953)
 喜歌劇《伯爵令嬢マリツァ(Gräfin Maritza)》
 - さあジプシー(Komm’ Tzigane)††
 [録音 1946年][Polyphon Z 60122]
  デンマーク国立放送交響楽団  王立デンマーク管弦楽団 *
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 **
  エミール・レーセン(指揮)
  エルセ・ブレムス(メゾソプラノ)†
  ホルガー・ビューリング(バス)†
  ヴァンディ・トヴォレク(ヴァイオリン)††
 
復刻 クラウス・ビューリト

 
作曲家で指揮者のエミール・レーセン E,mil Reesen(1887–1964)は、あらゆるジャンルとスタイルをマスターした、デンマーク音楽の注目すべき「何でも屋」でした。彼が重要だと考えたのは音楽の質だけだったと言われます。コペンハーゲンのミュージック・シアターのピアニストからキャリアをスタートさせ、指揮、編曲、オペレッタやレビューのための作曲を手がけていきました。第一次世界大戦前後の時代には、音楽学校の出身でなかったにもかかわらず、「街で一番」の指揮者と呼ばれる存在になっていました。このアルバムに収録されたデンマーク国立放送交響楽団、王立デンマーク管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した録音はすべて、今回が初めてのCD化です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。

『グリーグ+レントヘン=マイエル+レントヘン』
dB Productions DBCD 207 classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
(ユリウス・レントヘン(1855–1932)補筆完成)
 弦楽四重奏曲 ヘ長調 EG117/CW146(1891)
アマンダ・レントヘン=マイエル(1853–1894)
(B・トミー・アンデション(1964–)補筆完成)
 弦楽四重奏曲 イ長調
ユリウス・レントヘン(1855–1932)
 弦楽四重奏曲第12番 嬰ト短調
  シリアクス四重奏団
   セシリア・シリアクス(第1ヴァイオリン)
   ユリア=マリア・クレッツ(第2ヴァイオリン)
   ユルヴァリ・マクタイガート・シリアクス(ヴィオラ)
   カティ・ライティネン(チェロ)
 
録音 2022年8月16日–19日 イッテルヤーナ・クルトゥルフセット(Kulturhuset i Ytterjärna)(ヤーナ、セーデルテリエ、スウェーデン)

 
セシリア・シリアクス Cecilia Zilliacut が、アマンダとユリウスのレントヘン夫妻の音楽を紹介するシリーズ。
 
グリーグの《弦楽四重奏曲 ヘ長調》は、1870年代の初めに作曲に着手され、1891年までに完成された第1楽章と第2楽章で中断した作品です。「(ト短調の四重奏曲が)心臓の血が滴るように劇的で濃厚である一方で、弦楽四重奏曲へ長調はまったく違う声で歌う……抒情性にあふれ、旋律が豊かで、何よりも表情豊かなグリーグ……」(アーリング・ダール『グリーグ その生涯と音楽』 小林ひかり・訳(音楽之友社))。残る2つの楽章はスケッチだけが残され、リーヴォン・チリンギリアン Levon Chilingirian(1948–)とオイスタイン・ソンスタード Øystein Sonstad(1970-)がスケッチを基にそれぞれ補筆完成しています。チリンギリアンが「自筆譜を通読し、エドヴァルド・グリーグの本来の版にできる限り近づいた版を作った」(同上)版は、1998年のベルゲン国際フェスティヴァルで初演され、彼の四重奏団による録音(Hyperion CDH 55289)も行われました。シリアクス四重奏団のこの録音には、グリーグ夫妻と交流のあったユリウス・レントヘンが、作曲者の死後、第3楽章「アダージョ」と第4楽章「アレグロ・ジョコーゾ」を作曲して完成させた版が使われました。
 
アマンダ・レントヘン=マイエル Amanda Röntgen-Maier の《弦楽四重奏曲 イ長調》も、第2楽章「アンダンテ」と第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」だけ残され、未完成だった第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・グラツィオーゾ」と第4楽章「終曲:プレスト」をB・トミー・アンデション B. Tommy Anderrson が補筆完成させました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『シュトラウス+ドビュッシー』
LSO Live LSO 0833 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical 

 
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 交響詩《ツァラトゥストラはこう語った(Also sprach Zarathustra)》 Op.30
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
 バレエ《遊戯(Jeux)》(1912–13)
  ロンドン交響楽団 フランソ=グザヴィエ・ロト(指揮)
 
録音 2018年1月(ドビュッシー)、11月 バービカン・ホール(ロンドン、イングランド)(ライヴ録音)

 
レ・シエクルと録音(Harmonia Mundi HMM 905291)し、Harmonia との来日公演で演奏した《遊戯》。バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団との録音のある《ツァラトゥストラはこう語った》。ロトの得意とするレパートリーの2曲をロンドン交響楽団のコンサートから
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『詩編の書(Salmenes bok)』
LAWO Classics LWC 1232 contemporary/classical 

 
ニルス・ヘンリク・アスハイム(1960–)
 詩編の書(Salmenes bok)(合唱と2人のオルガニストのための)
  オスロ大聖堂合唱団 ヴィヴィアン・シュドネス(指揮)
  コーレ・ノールストーガ(オルガン)
  ニルス・ヘンリク・アスハイム(オルガン)
 
[楽器 Organ: Ryde & Berg, 1998]
  
録音 2020年1月24日–24日 オスロ大聖堂(オスロ)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ニルス・ヘンリク・アスハイム Nils Henrik Asheim は、作曲家、オルガニスト、ピアニストのほか、学芸員、プログラム制作や芸術面のコラボレーションの主導など、多面的に活動しています。《詩編の書》は、オスロ大聖堂に1998年に新しく設置された「リューデ&ベルグ(Ryde & Berg)」オルガンの竣工式のために作られた作品です。詩編1章「いかに幸いなことか」から詩編148章「ハレルヤ。天において酒を賛美せよ」と「シンバルを鳴らし」まで、『旧約聖書』の『詩編』の21章から採ったテクストに簡素で抒情的な音楽と複雑で混沌とした響きの音楽をつけた約1時間の作品。大聖堂のカントルと合唱団の芸術監督を務めるヴィヴィアン・シュドネス Vivienne Sydnes が指揮、大聖堂オルガニストのコーレ・ノールストーガ Kåre Nordstoga がクワイアオルガンを、アスハイムが主オルガンを弾きました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Places of Sounds and Words』
LAWO Classics LWC 1244 contemporary/classical 

 
ヘンリク・ヘルステニウス(1963–)
 Places of Sounds and Words(音と言葉のある場)(2014)
 (ソプラノ、アンサンブルとエレクトロニクスのための)*
  Things, places and People(物、場と人びと)
  Mutated Birds(変異した鳥) A Girl(少女)
  Lost in Life(生に当惑) Animals in the Forest(森の生き物)
  Places, People and Things(場、人びと、物)
  I Only See Forms(形だけが見える)
 Unfolded(畳まれていない)(2020)(ピアノ三重奏のための)**
 Instrument of Speech(話の道具)(2016–17)
 (アンサンブルとエレクトロニクスのための)***
  Bennett Talks(ベネットが語る) Readings(読むこと)
  Chomsky Lectures(チョムスキーが講義する) Babel(バベル)
  エリサベト・ホルメルツ(ソプラノ)
  チカーダ */**
   ビョルン・ラッベン(打楽器)
   ケンネト・カールソン(ピアノ)
   オッド・ハンニスダール(ヴァイオリン)
   トールン・スターヴセング(チェロ)
  asamisimasa ***
   エレン・ウゲルヴィーク(ピアノ)
   ターニャ・オルニング(チェロ)
   アンデシュ・フォリスダール(ギター)
   クリスティーネ・チョーゲシェン(クラリネット)
   ホーコン・モルク・ステーネ(打楽器)
  
録音 2021年1月22日–23日、3月12日 ソフィエンベルグ教会(オスロ) */**、2017年6月12日–13日 ヤール教会(バールム、ノルウェー)•••
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニアリング トマス・ヴォルデン [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ノルウェーの作曲家ヘンリク・ヘルステニウス Henrik Hellsteius は、オペラ、室内楽、管弦楽、エレクトロ=アコースティック・ミュージック、劇場や映画の音楽と、幅広い分野にわたり多様なスタイルの作品を作ってきました。オスロの現代音楽祭「ULTIMA」で初演された、劇作家セシーリエ・ローヴァイドとのコラボレーションによる歌劇《Ophelias: Death by Water Singing(オフィーリア:歌とともに水のほとりに死す)》(2005)は、ポーランドとドイツでも上演され、彼の代表作のひとつになりました。
 
新しいアルバムには、『Botschaft des Ridicolas(こっけいなメッセージ)』(LWC 1217)を作ったスウェーデンのソプラノ歌手エリサベト・ホルメルツ Elisabeth Holmertz も参加。オペラや劇場の作品を手がけながらヘルステニウスが興味をもったという「言葉とわれわれをとりまく世界の音」の関係に焦点をあてた作品が演奏されています。ジャンヌ・ド・サルツマン Jeanne de Salzmann の詩をテクストとする4曲をソプラノが歌う、7つの部分からなる《Places of Sounds and Words(音と言葉のある場)》。打楽器奏者ホーコン・モルク・ステーネ Hakon Mørch Stene とアンサンブル「asamisimasa」の「従来の音楽素材と日常環境から取られた音楽外素材の対話」を探るプロジェクト「Music with the Real」のために作られた《Instrument of Speech(話の道具)》。この2曲は、エレクトロニクス処理されたサウンドファイルが「共演」する作品です。「コードとサウンド・オブジェクトの余った素材」を使ったピアノ三重奏曲《Unfolded(畳まれていない)》は、アンサンブル「チカーダ Cikada」のために作曲されました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『マルメーレ/モルクゴンガ(Marmæle/Mørkgånga)』
LAWO Classics LWC 1246 contemporary/classical

 
LAWO Classics LWC 1245 
ヨン・オイヴィン・ネス(1968–)
 マルメーレ(Marmæle)(2015)(チェロと管弦楽のための)
 モルクゴンガ(Mørkgånga)(2014)(管弦楽のための)
  マリアンネ・ボードゥアン・リ(チェロ)
  トロンハイム交響楽団
  カイ・グリンデ・ミュラン(指揮)  
 
録音 2020年8月10日–14日 コンサートホール「オラヴホール」(トロンハイム、ノルウェー)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ノルウェーの音楽シーンでもっともユニークな音楽家のひとり、ヨン・オイヴィン・ネス Jon Øyvind Ness は、イギリスやアメリカのポピュラーミュージックとポップカルチャーに関心をもち、独自の着想による作品で知られ、人気を保ちつづけています。トロンハイム交響楽団とカイ・グリンデ・ミュラン Kai Grinde Myrann によるこのアルバムでは、ネスの比較的新しい作品が演奏されます。彼は、ヴァイオリン協奏曲《無鉄砲者がペラペラ》、チェロ協奏曲《湿ったブラパー・スープ》、ピアノ協奏曲《強烈な日の光》 、増幅したギターと管弦楽のための協奏曲《私の心をカトノサに埋めてくれ》、2つのトロンボーンと2つのアンサンブルのための協奏曲《獰猛なケンタッキーの運命の母たち》と、おもしろいタイトルの「協奏的」作品を数多く手がけ、2015年のチェロ協奏曲《マルメーレ》もそのひとつです。北欧民話の「人魚の男」が曲名。「海にちょっかいを出すな」をテーマにしたプログラム・ミュージックとして書かれました。オスロの周辺の森を曲名にとった《モルクゴンガ》もプログラム・ミュージック。「森にちょっかいを出すな」が底流のテーマです。
 
チェリストのマリアンネ・ボードゥアン・リ Marianne Baudouin Lie(1974–)は、オスロ生まれ。ロンドンの王立音楽アカデミー、ヨーテボリ音楽大学、バラット=ドゥーエ音楽学校、ノルウェー工科自然科学大学(NTNU)で学びました。アルパカ・アンサンブル、トロンハイム・シンフォニエッタ、トロンハイム・ジャズ・オーケストラ、トロンハイム・ソロイスツとのさまざまなプロジェクトに参加。ソリスト、室内楽奏者、研究者、プロデューサー、NTNU の音楽学部のシニア・レクチャラーとして活動しています。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ヴォスレフ 室内楽作品集 第8集』
LAWO Classics LWC 1246 contemporary/classical

 
シェティル・ヴォスレフ(1939–)
 弦楽四重奏曲第4番(Strykekvartett nr.4)
  リカルド・オドリオソーラ(ヴァイオリン)
  マーラ・ハウゲン(ヴァイオリン) イルゼ・クリャヴァ(ヴィオラ)
  ラグンヒル・サンネス(チェロ)
 オクトパス・レックス(Octopus Rex)(8つのチェロのための)
  ヨン・エーデ(チェロ) フィンレイ・ヘア(チェロ)
  マルクス・セーリクセン(チェロ)
  トビアス・オーライ・アイデ(チェロ)
  ラグンヒル・サンネス(チェロ) マリウス・ラーベルグ(チェロ)
  カルメン・ボベダ(チェロ) ミリカ・トスコフ(チェロ) 
 弦楽四重奏曲第1番(Strykekvartett nr.1)
  リカルド・オドリオソーラ(ヴァイオリン)
  マーラ・ハウゲン(ヴァイオリン) イルゼ・クリャヴァ(ヴィオラ)
  ラグンヒル・サンネス(チェロ) 
 ヴァイオリンとポップバンドのための協奏曲(Konsert for fiolin og popband)
  リカルド・オドリオソーラ(ヴァイオリン)
  アイナル・ロッティンゲン(ピアノ)
  ホーコン・ショーヴィク・オールセン(エレクトリック・ピアノ)
  ベンヤミン・カッレスタイン(エレクトリック・オルガン)
  ペーテル・デュブヴィグ・ソルアイデ(エレクトリック・ギター)
  トマス・ロッシウス(エレクトリック・ベース)
  シーグル・スタインコプフ(打楽器)
  
録音 2019年5月26日、6月18日–20日 グリーグ・アカデミー グンナル・セーヴィグ・ホール、6月20日 グリーグ・アカデミー スタイン・ロッカン・ハウス スタジオA(ベルゲン)、2022年6月21日 LAWO スタジオ(オスロ、ノルウェー)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ベルゲンの作曲家ヴォスレフ Ketil Hvoslef の「室内音楽」プロジェクトのアルバム第8作。弦楽器を中心にした「弦楽の海」をコンセプトにするプログラムです。アンリ・ラザロフの下で学んでいたロンドン時代の《弦楽四重奏曲第1番》は「二度とこのような音楽を書かないことを約束してくれ」と師から批評されたという作品。《弦楽四重奏曲第4番》は、「成熟した」ヴォスレフらしい、機知に富んだ仕掛けのある音楽。《オクトパス・レックス》は、8人のチェロ奏者によって演奏され、《フルート八重奏曲》(LWC 1081)に「会釈」してみせつつ、より鋭い表現による哀歌調の作品です。
 
《ヴァイオリンとポップバンドのための協奏曲》は、1979年に17歳になった、ヴォスレフの子トロン・セーヴェルーのために書かれた「若々しい音楽的文脈」の音楽。ポップ・ミュージックやジャズのバンドの楽器によりながらも「クロスオーバー」ではない「クラシカル」のコンセプトで作られた作品です。カルヴォイヤ音楽祭で行われた初演は、完全な成功とは言えなかったものの、その後、何度も演奏される作品になりました。録音は今回が初めてです。
 
ベルゲン大学グリーグ・アカデミーとベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団を中心にした音楽家たちによる演奏。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『たそがれ(Skumring)- アコーディオンのための音楽
LAWO Classics LWC 1247 contemporary/classical

 
スタファン・モッセンマルク(1961–)
 森の精(Skogsväsen)(1989)
トリュグヴェ・ブロスケ(1973–)
 フルドレスロット(Huldgeslatt)(2018)
イェスパー・コク(1967–)
 生きている花園(The Garden of Live Flowers)(2013)
 /赤の女王(The Red Queen)(2020)
 羊毛と水(Wool and Water)(2013)
 /ハンプティ・ダンプティ(Humpty Dumpty)(2020)
カレヴィ・アホ(1949–)
 黒い鳥(Mustat linnut)(1990)(アコーディオン・ソナタ第2番)
  光の鳥(Valkeuden linnut) 夜の鳥(Yön linnut)
  奇妙な鳥(Oudot linnut) 至福の鳥(Autiuden linnut)
  黒い鳥(Mustat linnut)
  イーダ・ローヴリ・ヒドレ(アコーディオン)
  
録音 2020年4月20日–22日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ノルウェーのアコーディオン奏者、イーダ・ローヴリ・ヒドレのソリストとしてのデビュー・アルバム。スウェーデンのスタファン・モッセンマルク Staffan Mossenmark の《森の精》。ノルウェーのトリュグヴェ・ブロスケ Trygve Brøske の《フルドレスロット》。「雰囲気ある描写によるモダニズム」と言われるデンマークのイェスパー・コク Jesper Koch の『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を題材にした曲を2曲ずつ組み合わせた《生きている花園/赤の女王》と《羊毛と水/ハンプティ・ダンプティ》。フィンランドのカレヴィ・アホ Kalevi Aho の「アコーディオンの音色の性格」を探求した《黒い鳥》。自然、とりわけ、フルドラや、人を誘惑する不思議な存在が棲む暗い森からインスピレーションを得て書かれたという共通点をもっています。
 
イーダ・ローヴリ・ヒドレ Ida Løvli Hidle(1987–)は、王立デンマーク音楽アカデミーのゲイル・ドラウグスヴォル、北京の中央音楽学院のシャオピン・ツァオ、ノルウェー国立音楽大学でフローデ・ハルトリ、トロンハイム音楽院のオイヴィン・ファルメンに学び、ソリストと室内楽奏者として活動しています。アンサンブル・アレグリア、オーフス・シンフォニエッタ、トロンハイム・ジャズ・オーケストラ、アークティック・フィルハーモニック・シンフォニエッタ、デンマーク・ユース・アンサンブルと共演してきました。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ブロウ+パーセル』
Opus Arte OABD 7308D Blu-ray/OA 1361 DVD early music

 
ジョン・ブロウ(1649–1708)
 歌劇《ヴィーナスとアドニス(Venus and Adonis)》
  イーダ・レンスレーヴ(ソプラノ、ヴィーナス)
  ベルント・オーラ・ボルングホーレン(バリトン、アドニス)
  ルパート・エンティクナップ(カウンターテナー、キューピッド)
  クリスティーナ・ラーション・マルムベリ
  (ソプラノ、ヴィーナスの侍女、第2のミューズ)
  リサ・カルリオト(ソプラノ、女羊飼い、第1のミューズ)
  マティルダ・シデーン・シルヴェル
  (アルト、女羊飼い、第1の猟師、第3のミューズ)
  ミーケル・ステーンベク(テノール、羊飼い、第2の猟師)
  アラシュ・アザルバド(バス、羊飼い、第3の猟師)
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
 歌劇《ディドーとエネアス(Dido and Aeneas)》
  イーダ・レンスレーヴ(ソプラノ、ディドー)
  ベルント・オーラ・ボルングホーレン(バリトン、エネアス)
  ルパート・エンティクナップ(カウンターテナー、妖婆)
  クリスティーナ・ラーション・マルムベリ(ソプラノ、ベリンダ)
  リサ・カルリオト(ソプラノ、第2の侍女、第1の魔女、廷臣)
  マティルダ・シデーン・シルヴェル
  (アルト、第2の魔女、精霊、廷臣)
  ミーケル・ステーンベク(テノール、水夫、廷臣)
  アラシュ・アザルバド(バス、廷臣)
  コンフィデンセン音楽祭管弦楽団
  オーロフ・ブーマン(指揮)
 
演出 ウィリアム・レルトン
振付 サラ・エークマン
美術 クリステル・ニルソン
照明 ソフィ・アンデション
衣装 アンナ・シェルスドッテル
映像監督 ユーナス・ヘルマンソン
 
録音 2021年8月18日 ウルリクスダール宮殿劇場(ソールナ、スウェーデン)
 
[Blu-ray: 16:9 Full HD PCM 2.0/DTS-HD MA5.1 97min Region All/DVD: 16:9 NTSC PCM 2.0/DTS 5.1 字幕 英語・ドイツ語・フランス語・日本語・韓国語]

 
ストックホルムの郊外、ソールナのウルリクスダール公園にあるウルリクスダール宮殿劇場(Ulriksdals slottsteater)は、1750年代に作られた、現存するスウェーデン最古のロココ様式の劇場です。20世紀後期に修復工事が行われ、夏の間、コンサート、演劇、オペラの会場として使われています。Opus Arte のアルバムには、2021年夏に開催された第3回コンフィデンセン音楽祭のメイン・プログラム、ジョン・ブロウ John Blow の歌劇《ヴィーナスとアドニス(Venus and Adonis)》とヘンリー・パーセルの歌劇《ディドーとエネアス》のライヴ映像が収録されています。スウェーデンのソプラノ、イーダ・レンスレーヴ Ida Ränslöv とノルウェーのバリトン、ベルント・オーラ・ボルングホーレン Bernt Ola Volungholen が、両作品のタイトルロールを歌い、2019年から音楽祭の音楽監督務めるオーロフ・ブーマン Olof Boman が古楽器アンサンブル「コンフィデンセン音楽祭管弦楽団」を指揮しています。
 
価格 4,620円(税込価格)(本体価格 4,200円)(Blu-ray)/3,850円(税込価格)(本体価格 3,500円)(DVD)

『この歌を聴いてくれ(Nimm sie hin denn, diese Lieder)』
Preiser Records PR 90845 classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 恋する男(Der Liebende) WoO.139
 希望に寄せて(An die Hoffnung) Op.94
 遥かなる恋人に(An den fernen Geliebten) Op.75 no.5
 追想(Andenken) WoO.136
 満ち足りた者(Der Zufriedene) Op.75 no.6
 恋人に寄せて(An die Geliebte) WoO.140
 異郷の若者(Der Jüngling in der Fremde) WoO.138
 私を忘れないで(Gedenke mein) WoO.130
 山の呼び声(Ruf vom Berge) WoO.147
 くちづけ(Der Kuss) Op.128
 ゲレルトの詩による6つの歌(Sechs Lieder von Gellert) Op.48
 星空の下の夕べの歌(Abendlied unterm gestirnten Himmel) WoO.150
 憧れ(Sehnsucht) Op.83 no.2
 新しい恋、新しい人生(Neue Liebe, Neues Leben) Op.75 no.2
 憧れ(Sehnsucht) WoO.146
 遥かなる恋人に(An die ferne GEliebte) Op.98
  ヴォルフガング・ホルツマイアー(バリトン)
  マルクス・フォルツェルナー(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Bösendorfer 1874]
 
録音 2022年2月2日–6日 ウィーン

 
オーストリアのバリトン歌手、ヴォルフガング・ホルツマイアー Wolfgang Holzmair(1952–)の新録音。歌曲集《遥かなる恋人に》は、イモジェン・クーパーと共演した『遥かなる恋人に - ベートーヴェン、ハイドン、モーツァルト』(Philips 4544752(1997年10月録音))に次ぐスタジオ録音。
 
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)

『四季(Gadalaiki/Seasons)』
Skani SKANI 137 2CD's contemporary/classical

 
ゲオルグス・ペレーツィス(1947–)
 ピアノ曲集《四季(Gadalaiki)》
  新年の音楽(Jaungada mūzika)(1977)
  秋の音楽(Rudens mūzika)(2011)
  冬の音楽(Ziemas mūzika)(2015)
  春の音楽(Pavasara mūzika)(2021)
  夏の音楽(Vasaras mūzika)(2017)
  新年ふたたび(Jaungads atkal klāt)(2018)
   リンダ・レイネ(ピアノ)
 
録音 2022年1月31日–2月5日 グレート・アンバー・コンサートホール(リエパーヤ、ラトビア)
制作・編集・ミクシング・マスタリング ヤーニス・ストラウメ

 
ゲオルグス・ペレーツィス Georgs Pelēcis は、1947年、リガ生まれ。エミールス・ダールズィンシュ音楽高校を卒業後、モスクワ国立音楽院でアラム・ハチャトゥリヤンに作曲を学びました。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにデビューした、ロアルド・ダールの『ジャックと豆の木』のための音楽で成功を収め、一躍注目されました。ペレーツィスの「創造宇宙」はきわめて広大で、底知れず深いとまで言われ、「耳に心地いい音調」の音楽は「ニュー・シンプリシティ」「新しい協和音の音楽」と呼ばれています。《四季》と題されたピアノ曲集は、1977年の〈新年の音楽〉から2018年の〈新年ふたたび〉まで、40年以上の間隔で書かれた6曲の作品です。「ペレーツィスの音楽は確実に私に語りかけ、何か特別な刺激をもたらす。とても幸せな気分にしてくれる」と語るラトビアのピアニスト、リンダ・レイネ Linda Leine の演奏。彼女は、ラトビアのイルゼ・トレイヤとアルニス・ザンドマニス、ハンブルクのリーリャ・ジルベルシュテインとブルクハルト・ケーリングたちに学び、ソリストと室内楽奏者として活動しています。
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)

『ヴォカリーズ(Vokalizes)』
Skani SKANI 144 classical

 
ヤーニス・イヴァノフス(1906–1983)
 ヴォカリーズ(Vokalizes)(1964–82)
  祖国の風景(Dzimtenes ainava) 秋の歌(Rudens dziesma)
  前奏曲(Prelūdija) 積雲(Gubu mākoņi) 絵(Zīmējums)
  エレジー(Elēģija) 冬の朝(Ziemas rīts) 喜び(Jūsma)
  雨の日に(Lietainā dienā) 英雄たちを記念して(Varoņu piemiņai)
  霧(Migla) 前奏曲とフーガ(Prelūdija un fūga)
  渡り鳥(Gājputni)*
  カントゥス・モノディクス. グローリア(Cantus Monodicus. Gloria)
  ラトビア放送合唱団
  シグヴァルズ・クリャヴァ(指揮)
  レイニス・ザリンシュ(ピアノ)*
 
録音 2022年1月18日–2日 聖ヨハネ教会(リガ、ラトビア)
制作・編集・ミクシング ・マスタリング アグネセ・ストレイチャ

 
 ヤーニス・イヴァノフス Jānis Ivanovs(1906–1983)は、1960年代に実験的で表現的な第9番と第13番を含む交響曲を5曲作り、ラトビア音楽史上もっとも才能に恵まれた「交響曲」作家とみなされています。彼は同時に、規模の小さい作品も手がけ、ピアノや声楽のための作品を残しました。アカペラ混声合唱のための「ヴォカリーズ」は、1964年の《秋の歌》に始まる、「心なごむ温かいメロディや、古い羊飼いの歌の面影を残す、平行5度を含む深く呼吸するハーモニーのつづく」作品です。ラトビアを代表する合唱団のひとつ、グラミー賞受賞歴のあるラトビア放送合唱団とシグヴァルズ・クリャヴァ Sigvards Kļava(1962–)による演奏。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『オーレ・イェッレモー』
Sterling CDS 1128-2 CDR Norwegian Romantics classical

 
オーレ・イェッレモー(1873–1938)
 ヴァイオリン協奏曲(1933)
 ノルウェー・カプリース(Norsk Caprice)(1935)
 (ヴァイオリンと管弦楽のための)
 交響曲第2番 ロ短調(1922–26)
  マクリス交響楽団
  ヨルン・フォスハイム(指揮)
  クリストフェル・トゥン・アンデシェン(ヴァイオリン)
 
[楽器 Violin: G. B. Guadagnini, Milan 1753, on loan by Anders Sveaas’ Charitable Foundation]
 
録音 2022年4月22日–23日、25日 ザドゥジュビナ・イリエ・コラルカ(ベオグラード、セルビア)
制作 プレドラグ・ゴスタ
録音エンジニア ゾラン・マリンコヴィッチ、ミロシュ・マリンコヴィッチ
編集 ヨルン・フォスハイム

 
オーレ・イェッレモー Ole Hjellemo(1873–1938)は、ノルウェー中部、ドヴレ村の小作農の家に生まれました。父からフィドル演奏を教わり、隣村ドムボスの音楽隊でコルネットを演奏。1891年、20歳の時に首都クリスチャニア(現オスロ)に赴き、陸軍音楽学校に入学しました。イーヴェル・ホルテルたち当時を代表する音楽家と知り合い、国立劇場のヨハン・ハルヴォシェンの下でヴァイオリンとヴィオラを弾きました。フィルハーモニック協会のオーケストラに参加。1919年から1932年まで音楽院でヴァイオリンと和声学と作曲法を教えました。1932年の《交響曲第3番 イ長調》が代表作のひとつに挙げられています。
 
《ヴァイオリン協奏曲》は、1934年5月、ヨハン・シモンセンのソロ、イェッレモー指揮フィルハーモニック協会の共演で初演された作品です。「アレグロ」「アンダンテ」「アレグロ・コン・ブリオ」の3楽章で構成されています。《ノルウェー・カプリース》は、「ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド」の名で発表され、伝統の踊り「ハリング」のリズムと後期ロマンティシズムの語法で書かれています。作曲者の死後もたびたび演奏や録音が行われていいる作品です。ソリストのクリストフェル・トゥン・アンデシェン Christopher Tun Andersen は、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校とノルウェー国立音楽大学、ニューヨークのマンハッタン音楽学校で学んだ若いヴァイオリニストです。
 
《交響曲第2番 ロ短調》は4楽章の作品です。「牛飼いの娘のロック(牛寄せの声)」の即興が特徴的な第1楽章。「靄と日の光」の第2楽章。厳粛な気分のトリオをもつ「スケルツォ」の第3楽章。「丘を下り家路につく」第4楽章。1926年1月に初演され、聴衆に好評だったにもかかわらず、その後、ずっと放置されていました。ヨルン・フォスハイム Jørn Fossheim とマクリス交響楽団によるこの録音が96年ぶりの再演です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。

『Polarity(極性)』
2L 2L 145LP Vinyl LP Jazz

 
[Side A]
 Innocence Polarity The Elder Revamp
[Side B]
 Within Justice Euphoria Home
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)
  アンデシュ・ヨルミン(ベース)
  アウドゥン・クライヴェ(ドラム)

 
『Polarity(極性)』(2L 145SABD)の Vinyl LP(Clear Vinyl 180g)リリース。
 
価格 5,775円(税込価格)(本体価格 5,250円)

『HOME』
2L 2L 168LP Vinyl LP Jazz

 
[Side A]
 What Might Have Been Hike Magma
 Barndomsminne fra Nordland Kaskje
[Side B]
 Summertime Moon River Bruremarsj fra Beiarn Free Flow
 Meditatus
  ヤン・グンナル・ホフ(ピアノ)

 
『HOME』(2L 168SABD) の Vinyl LP(Clear Vinyl 180g)リリース。
 
価格 5,775円(税込価格)(本体価格 5,250円)

『Symphonized』
ACT Music ACT 6023-2 2CD’s jazz/classical
ACT Music ACT 6023-1 2 Vinyl LP’s jazz/classical

 
『Symphonized』
 Liberetto Symphonized
  Liberetto Passacaglia Africa ** Sacred Mind Lviv
  Nikita’s Dream * The Fifth Grade Yes to you *
 Double Concerto for English Horn/Oboe d’Amore, Contrabass/Cello and Orchestra
  I Afffetuoso II Elegi Intermedium III Le Bgatelle IV Scherzo **
  リベレット
   ラーシュ・ダニエルソン(ベース、チェロ)
   グレゴリー・プリヴァ(ピアノ)
   マグヌス・オーストレム(ドラム、パーカッション)
   ジョン・パリチェッリ(ギター)
  ヨーテボリ交響楽団
  ペーテル・ノルダール(指揮)
  カロリーナ・グリンネ(イングリッシュホルン、オーボエ)
  ゲスト・ミュージシャン
   アルヴェ・ヘンリクセン(トランペット)*
   パオロ・フレス(トランペット)**
  
録音 ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作・ミクシング・マスタリング ラーシュ・ニルソン
録音 ミーケル・ダールヴィド、ユーアル・ハルグレーン
追加録音 ブー・サヴィーク Tia Dia Music Studios(スウェーデン)

 
スウェーデンのラーシュ・ダニエルソン Lars Danielsson は、ベースとチェロによる即興の名匠として知られます。洗練された抒情的な歌うような即興のラインは、当面の表現の課題やテーマを解決するためのツールとして、編曲者、作曲者、バンドリーダーとしての彼の音楽にとっても有用なものとなっています。クラシカル音楽とジャズの両方を背景とする彼が、さらに一歩踏み出す場とするのが、ピアニストのグレゴリー・プリヴァ Grégory Privat、ドラマーのマグヌス・オーストレム Magnus Öström、ギタリストのジョン・パリチェッリ John Parricelli と組んだカルテット「リベレット」。オペラをはじめとする劇場のための音楽の台本「リブレット(Librretto)」とラテン語の「自由」ここでは「即興の自由」の「リベル(Liber)」を組み合わせた造語「リベレット(Liberetto)」をグループ名にしています。
 
『Cloudland』(ACT 9922-2)につづく「リベレット」の第5作アルバムは《Liberetto Symphonized》と、ヨーテボリ交響楽団とカロリーナ・グリンネ Carolina Grinne 共演の《Double Concerto for English Horn/Oboe d’Amore, Contrabass/Cello and Orchestra(イングリッシュホルン/オーボエダモーレ、コントラバス/チェロと管弦楽のための二重協奏曲)》。いずれもダニエルソンがクラシカル音楽の伝統とジャズを融合させて作った作品です。
 
価格(CD) 3,300円(税込価格)(本体価格 3,000円)
価格(LP) 5,060円(税込価格)(本体価格 4,600円)

『Trust』
Losen Records LOS 276-2 jazz

 
『Trust』
 Fly Me to the Moon(Bart Howard)
 Come Fly with Me(Jimmy Van Heusen/Sammy Cahn)*
 I Love Paris(Cole Porter)**
 Stay with Me(Jerome Moross/Carolyn Leigh)
 For Once in My Life(Ron Miller/Orlando Murden)***
 Stranger in the Night(Bert Kaempfert/Charles Singleton/Eddie Snyder)*
 Witchcraft(Ky Coleman/Carolyn Leigh)
 Young at Heart(Johnny Richards/Carolyn Leigh)*
 I’ve Got You under My Skin(Cole Porter)
 My Way(Jacques Revaux/Paul Anka)
  アイク・トリオ
   オーレ・フレードリク・ノルビュー(ピアノ)
   エリサベト・カシュテン(ヴォーカル)
   ヨン・ボルゲ・アスケラン(ベース)
  ゲスト・ミュージシャン
   ベンディク・ホフセット(テナーサックス)*
   ニルス・ペッテル・モルヴェル(トランペット)**
   ハイネ・ブッゲ(アコーディオン)***
 
編曲 オーレ・フレードリク・ノルビュー、ヨン・ボルゲ・アスケラン(Stay with Me)
録音 2021年5月 ムシクロフテ(Musikkloftet(アスケル、ノルウェー)
制作 アイク・トリオ
録音エンジニア ヴィーダル・ルンデン
ミクシング・マスタリング ウルフ・ホラン

 
ノルウェーのジャズ・アンサンブル「アイク・トリオ(Eik Trio)」のスタンダード・コレクション。《フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン》《カム・フライ・ウィズ・ミー》といった「ストーリーがいっぱいの古いメロディ」のナンバーを10曲、それぞれの歌の「いちばん大事なこと」を意識して自分たちの音楽にしたというアルバムです。それぞれの歌が語りたいことを三人が理解しトリオ内に醸し出される雰囲気を頼りに、ミクシングとマスタリングを担当した「伝統的サウンド・ウィザード」のウルフ・ホラン Ulf Holand の感覚に信頼を託す。そこから『Trust』のアルバム・タイトルがつけられました。
 
アイク・トリオのメンバーは、ベルゲン大学のグリーグ・アカデミーでジャズ・ピアノ学び、NLA大学カレッジとノルウェー国立音楽大学で教えるオーレ・フレードリク・ノルビュー Ole Fredrik Norbye(1985–)のピアノ、テレマルクのシーエンで生まれ、1999年にデビュー・アルバムをリリースしたジャズとポップミュージックの歌手でソングライターのエリサベト・カシュテン Elisabeth Karsten のヴォーカル、NLA大学カレッジのノルビューの同僚、ヨン・ボルゲ・アスケラン John Børge Askeland のベース。ノルビューが9曲、アスケランが《Stay with Me》を編曲しました。オスロ都市圏、アスケルのスタジオでセッションが行われ、ゲストとしてテナーサックス・プレーヤーのベンディク・ホフセット Bendik Hofsetn、トランペッターのニルス・ペッテル・モルヴェル Nils Petter Molvær、アコーディオン奏者のハイネ・ブッゲ Heine Bugge が参加しました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Momentum』
Losen Records LOS 278-2 jazz

 
『Momentum』
 B-flat(Olga Konkova)
 Trio Improvisation (Seagull)
 (Frederik Villmow/Olga Konkova/Gisle Johansen)*
 Ali Kurerer Gruff(Gisle Johansen)
 Duo Improvisaion (Long Ago and Now)
 (Gisle Johansen/Frederik Villmow)
 Drum Solo Improvisation (Kaiyõ)(Frederik Villmow)
 Momentum(Frederik Villmow)
 Eternity(Frederik Villmow)
 Drum Solo Improvisation (Leaves)(Frederik Villmow)
 Trio Improvisation (Let the Music Speak for Itself)
 (Frederik Villmow/Olga Konkova/Gisle Johansen)*
  フレーデリク・ヴィルモウ(ドラム)
  オルガ・コンコヴァ(ピアノ)
  ギスレ・ヨハンセン(テナーサックス、ソプラノサックス、ヴォーカル *)
  エルレン・ヴァンゲン・コングトルプ(テナーサックス、アルトサックス)
  ユリアン・ハウグラン(ベース)
 
録音 2022年7月22日、9月28日 ムシクロフテ(Musikkloftet(アスケル、ノルウェー)
制作・ミクシング フレーデリク・ヴィルモウ
マスタリング フローデ・ベルグ

 
ドイツのケルンで生まれ、オスロを本拠にドラマー、作曲家、バンドリーダーとして活動するノルウェーのフレーデリク・ヴィルモウ Fredereik Villmow(1993–)のアルバム第2作。前作の『Motion』(LOS 261-2)は、ベテランのピアニスト、ヴィーグライク・ストロースと、ベーシストのビョルン・マリウス・ヘッゲによるトリオで、新しいアルバムは、オルガ・コンコヴァ Olga Konkova のピアノ、ユリアン・ハウグラン・ビョロー julian Haugland のベース、ギスレ・ヨハンセン Gisle Johansen とエルレン・ヴァンゲン・コングトルプ Erlend Vangen Kongtorp のサックスという5人のアンサンブルでセッションを行いました。
 
2022年7月の最初のセッションでは、コンコヴァ、ヨハンセンとヴィルモウの曲が録音されました。プレーヤーに解釈の余地が大きく残されたヨハンセンの《Ali Kurerer Gruff》、テーマとソロ・セッションでの「即興」によるコード・スキームに基づいて作曲されたヴィルモウの《Momentum》と《Eternity》、わずかの口頭によるガイドラインだけでリード・シートなしに演奏するコンコヴァの《B-flat》。個々にさまざまな側面をもつ音楽家が、異なるアプローチで作曲した作品を「Momentum」(勢い、はずみ、推進力)のアルバム・タイトルの示す演奏を展開していきました。9月のセッションも同じ、オスロ市街をちょっと出たところにあるスタジオ「ムシクロフテ」の落ち着いた温もりのある雰囲気の中で行われました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Solace』
NXN Recordings NXN 1009 jazz 

 
『Solace』
 Prelude of the Ocean 1991 Void Desolation Hiræth
 After Sanctum Adagio Desiderium Nova Solace
 Droplets To Ashes No More
  クリスティーナ・サンセンゲン(ギター)
  フレドリク・ファルク(ピアノ、サウンドエフェクト)
  
制作 フレドリク・ファルク
録音エンジニア オーレ・タイゲン

 
ノルウェーのプレーヤー、クラシカルギターを学んだクリスティーナ・サンセンゲン Christina Sandsenge の作曲家としてのデビュー・アルバム。ノルウェーのフォークミュージックに似た音楽語法によるメロディの13のトラック。聴き手を闇から光、悲嘆、情熱、痛みと歩む個人的な音楽の旅に誘うことが意図されています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『The Distance』
NXN Recordings NXN 3002 jazz

 
『The Distance』
 Let Nothing Happen Unnamed Road Mirage
 The Distance between Us It”s Too Late The Screen You Look Upon
 It”s a Small World Last Song Cayambe Time Travel
 But Then Again A Stolen Moment
  ジャンゴ・ノヴォ(ヴォーカル) トーフ・ラムスタ(チェロ)
 
録音 (不明)

 
ジャズやブルースなど幅広く活動しているヴォーカリストのジャンゴ・ノヴォ Django Novo と、エレクトロニクスも使った活動を行なっているチェリストのトーフ・ラムスタ Tov Ramstad のコラボレーション。ふたりの多重録音を中心に、トランペット、ブルースハープ、キーボードを控えめに加えたサウンドによる、独特の世界観が示されたアルバム。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Opening』
Prophone PCD 311 jazz

 
『Opening』
 Opening(Karin Hammar)* Hook(Karin Hammar)
 Apart(Karin Hammar) The Key(Karin Hammar)
 Rest in Peace (and stay alive0(Karin Hammar)
 13(Karin Hammar) Nadar com tartarugas(Karin Hammar)
 Moset/The Cleanse(Karin Hammar) Prayer(Karin Hammar)
  リタ・マルコトゥッリ(ピアノ)
  Karin Hammar Fab 4(カーリン・ハンマル・ファブ4)
   カーリン・ハンマル(トロンボーン、バス・トロンボーン *)
   アンドレーアス・フルダキス(ギター)
   ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
   フレードリク・ルンドクヴィスト(ドラム、パーカッション)
 
録音 2022年4月11日–12日 RMV Studio(Riksmixningsverket)(ストックホルム、スウェーデン)
制作 カーリン・ハンマル
録音エンジニア リン・フィンヤル
編集・ミクシング・マスタリング ラーシュ・ニルソン、ミーケル・ダールヴィド、ユーアル・ハルグレーン

 
トロンボーン・プレーヤーのカーリン・ハンマル Karin Hammar(1974–)が主宰する「Karin Hammar Fab 4(カーリン・ハンマル・ファブ4)」は、2014年に活動を始めました。Prophohe Records の『Circles』(PCD 175)『Strings Attached(弦楽器に恋をして)』(PCD 230)など3枚のアルバムをリリース、アメリカの「Downbeat」やドイツの「Jazzthing」といった雑誌から好意的な評価を受けてきました。新作の『Opening』は、カーリンが長年のファンだというイタリアのピアニスト、リタ・マルコトゥッリ Rita Marcotulli(1959–)とのコラボレーションによるアルバムです。
 
マルコトゥッリは、サンタ・チェチーリア音楽院でクラシカル音楽を学び、プロとしてキャリアをスタートさせてからはパット・メセニー、ケニー・ホイーラー、ビリー・コブハム、チェット・ベーカーたちと共演しています。ロッコ・パパレオ監督の映画の音楽など作曲家としても活動。彼女の即興演奏は高く評価されています。
 
マルコトゥッリのピアノ・ソロに始まる《Opening》や《Nadar com tartarugas》(亀たちと一緒に泳ぐ)など9曲は、前作と同じく、すべてカーリンが作曲。アンドレーアス・フルダキス Andreas Hourdakis のギター、ニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist のベース、フレードリク・ルンドクヴィスト Fredrik Rundqvist のドラム、カーリンのトロンボーン。ギターがハーモニーの「ジェネレーター」として使われ、国際的に評価の高いグループで演奏してきたプレーヤーたちが、リリカルでメロディアスな北欧ジャズを「羅針盤」にしながらボサノバとブルースを思わせるサウンドも加えたオープンな音楽を展開していきます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Inside Looking Out』
Prophone PCD 315 jazz

 
『Inside Looking Out』
 New View(Håkan Nyqvist) Passwords(Håkan Nyqvist)
 Naima(John Coltrane) Episodes(Håkan Nyqvist)
 Abundance(Håkan Nyqvist) Inside Looking Out(Håkan Nyqvist)
 I’ve Seen(Lars Gullin) Seagulls(Håkan Nyqvist)
  ホーンクラフト
   ホーカン・ニュークヴィスト(ホルン)
   エヴァ=テーア・ルンドベリ(ホルン)
   エーリク・パルムベリ(トランペット、フリューゲルホルン)
   オリヤン・ヒュルテーン(ソプラノサックス、テナーサックス)
   スヴェン・ベリグレーン(トロンボーン)
   トゥールビョーン・ギュルス(ピアノ)
   フィリップ・アウグストソン(ベース)
   ヘンリク・イェーデルベリ(ドラム)
 
編曲 ホーカン・ニュークヴィスト
録音 2021年10月28日–29日、2022年2月2日 アトランティス・スタジオ(Atlantis Studios)(ストックホルム、スウェーデン)
ミクシング ポール・スヴェンレ
マスタリング トマス・エーベリエル

 
ホルンが音楽の彩色に重要な役割を担うユニークなジャズグループ、スウェーデンの「ホーンクラフト(Horncraft)」の新しいアルバム。グループを主宰するホーカン・ニュークヴィスト Håkan Nyqvist(1945–)は、スウェーデン放送ジャズグループ、ベルント・ルーセングレーンのビッグバンドとオクテット。ジェームズ・ラスト・オーケストラなどでプレー、プロフェッショナル音楽家として内外のアンサンブルで50年以上に渡って活動してきました。放送のグループでは、サド・ジョーンズ、メル・ルイス、ギル・エヴァンズ、ジョージ・ラッセル、ケニー・ウィーラーたちと共演、ラーシュ・グッリン、モニカ・セッテルルンド、ニルス・リンドベリといったスター・アーティストの録音に参加しています。
 
スウェーデンを中心とするジャズ・シーンの一線で活動するプレーヤーが集まった「ホーンクラフト」は、最初で唯一のアルバム『ホーンクラフト』(Phono Suecia PSCD 145)を2002年にスウェーデン音楽情報センターのレーベルでリリース。独特の色彩とハーモニーの音楽に国内と海外の新聞、雑誌から好意的な評が寄せられました。20年ぶりのアルバム『Inside Looking Out』は、ニュークヴィスト、ピアノのトゥールビョーン・ギュルス Torbjörn Gulz とベースのフィリップ・アウグストソン Filip Augstsson をのぞき、ギュルスとアウグストソンが参加した「オリヤン・ヒュルテーン・オリオン」(『Shifting Ground』(PCD 308))のオルヤン・ヒュルテーン Örjan Hultén をはじめとする新しいメンバーで録音されました。ジョン・コルトレーンの《Naima》とラーシュ・グッリンの《I’ve Seen》、ニュークヴィストの作曲した5曲。「音楽家たちの心から聴き手に向かって離陸していく」をモットーにセッションが行われました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『歌とハリングフェレ(Chant et Hardingfele)』
Ocora C 561157 traditional [再リリース]

 
『歌とハリングフェレ(Chant et Hardingfele)』
 Halling etter Gabriel Reed Springar etter Peder Straumen Kari, Kari
 Skraddarlåtten Halt Halvord Rotnheims-Knut Ja, Då e va litin
 Springar etter Ola Reiseshagen Store Gud og Frelsermand
 Ja, e huska vel ei gøng Springar etter Johannes Holsen
 Brureslått etter Peder Straumen Nattergalen
 Springar etteer Torger Hegge Liten va guten
 Springar av Vidar Underseth Kitte kitte
 Lydarlått etter Ola Okshovd Heimeisa Sørg aldri du min pike
 Gudvange, gangar etter Anders Sagen Hvad er det godt at lande
 Brureslått etter Abraham Melvær
 Hatlelien, springar etter Peder Straumen
 Rettno Kjerne Kult’n tå fjelle Ladgajordin Det sprang ein liten gut
 Halling etter Peder Straumen Hei, so dansa jenta mi
 Låtten Henne Ragnhild i Rolandsgarde Sjåheimen
  クリスティン・グルブランセン(歌)
  オーレ・オースタ・ブローテン(ランゲライク)
  トーレ・ボルスタ(ハリングフェレ)
  ヴィーダル・ウンデシェト(ハリングフェレ)
 
録音 2001年1月 ラジオ・フランス

 
2001年にリリースされた Radio France のワールドミュージック・シリーズの一枚の再リリース。ペーデル・ストラウメン、オーラ・ライセハーゲン、ヨハンネス・ホールセン、トルゲル・ヘッゲといったスペルマン(フィドラー)たちが弾いたハリング、スプリンガル、花嫁の歌(Brureslått)など伝承の踊りと歌。ノルウェーの民俗楽器ハリングフェレ(ハルダンゲル・フィドル)とランゲライク、クリスティン・グルブランセン Kristin Gulbrandsen の歌による31のトラックで構成されています。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

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