July 2021

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『慰め(Solacium)』  Selection
2L 2L 165SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.1 surround/stereo)  classical  

 
『慰め(Solacium)』
アンデシュ・ヨルミン(1957–)
 Sci vias domini(主の道を知れ)
オストラ(ノルウェー)伝承の賛美歌(歌集『Følgesvenner』)
 Nu rinder solen opp(今、陽が昇る)
エストニア・ノアローツィ(スウェーデン)伝承の賛美歌(アンナ・マリア・フリーマン 編曲)
 Abba, hjärtans Fader god(アッバ、優しき心の父よ)
エストニア・ノアローツィ(スウェーデン)伝承の賛美歌(アンナ・マリア・フリーマン 編曲)(イントロ:マッツ・アイレットセン)
 Nu haver denna dag(また一日が過ぎていった)
アンドルー・スミス(1970–)
 Ubi caritas(慈しみと愛のあるところ)
ナルヨルデ(ノルウェー)伝承の子守歌(リン・アンドレーア・フグルセット、トリグヴェ・サイム 編曲)
 Bysjan, bysjan(ねんねんころり)
ヴェストフォルのアンデブー(ノルウェー)伝承の賛美歌(トーネ・クローン、トリグヴェ・サイム、マッツ・アイレットセン 編曲)
 Ska vi ustridig hist(われら主の晩餐へ)
中世ドイツ・オーストリアの賛美歌(『ノルウェー賛美歌集』)(リン・アンドレーア・フグルセット 編曲)
 Krist er oppstanden(キリストはよみがえりぬ)
オステルダーレン(ノルウェー)伝承の子守歌(リン・アンドレーア・フグルセット 編曲)(イントロ:マッツ・アイレットセン)
 So ro, liten tull(おねむりわが子)
グーブランスダーレン(ノルウェー)伝承の子守歌(リン・アンドレーア・フグルセット 編曲)
 Bånsull(子守歌「太陽が谷間にしずんでゆく」)
エストニア・スール=パクリ(スウェーデン)伝承の賛美歌(リン・アンドレーア・フグルセット、トリグヴェ・サイム 編曲)
 Kom, helge Ande(来れ精霊よ)
伝承曲(トリオ・メディイーヴァル 編曲)
 Limu lima(リム・リーマ)
  Solbønn(太陽の祈り)(テレマルク(ノルウェー)伝承曲)
  Limu limu lima(リム・リム・リーマ)(スウェーデン伝承曲)
  Vysssa lulla(ヴュッサ・ルッラ)(おやすみ、かわいいわが子)
  (スウェーデン伝承の子守歌)
スウェーデン伝承の歌(オステルヨートランド・ヴレタ修道院)(アンナ・マリア・フリーマン、マッツ・アイレットセン 編曲)
 I hela naturen(この自然には)
エストニア・ノアローツィ(スウェーデン)伝承の賛美歌
 Pris vare Gud(神を讃えよ)
シニッカ・ランゲラン(1961–)(作詞・作曲)
 Lillebrors hjerte(弟のこころ)
アンデシュ・ヨルミン(1957–)(作詞・作曲)
 Nattens vingar(夜のつばさ)
  トリオ・メディイーヴァル
   アンナ・マリア・フリーマン
   リン・アンドレーア・フグルセット
   ヨールン・ロヴィーセ・フーサン
  マッツ・アイレットセン(ベース)
  トリグヴェ・サイム(サクソフォーン)
 
録音 2020年10月 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング・編集・ミクシング・マスタリング モッテン・リンドベルグ
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.1 multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM: MQA CD][Disc 2: Blu-ray: 5.1 Dolby TrueHD (24bit/192kHz), 7.1.4. Auro-3D (96kHz), 7.1.4. Dolby Atmos (48kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]

 
ノルウェーのヴォーカルアンサンブル「トリオ・メディイーヴァル(トリオ・メディーヴァル) Trio Mediæval」は、1997年に結成し、2001年のアルバム第1作『Words of the Angel』で一躍、国際的に知られる存在になりました。リン・アンドレーア・フグルセット Linn Andrea Fuglseth とアンナ・マリア・フリーマン Anna Maria Friman は創設メンバー。ヨールン・ロヴィーセ・フーサン Jorunn Lovise Fusan が、2018年に新たなメンバーとして加わりました。『慰め(Solacium)』は、ECM Records で8枚のアルバムを作ってきた彼らの初めての 2L レーベルへの録音です。
 
賛美歌と子守歌のコレクション。誰が最初に歌ったのか知る由もない伝承の歌、何について歌ったかも定かでない歌。「時代を超えた」これらの歌は、いつとも知れない過去とこれからの未来をつなぐ鎖として、わたしたちに「慰めとやすらぎ」を与えつづけます。このアルバムでは、スウェーデンのベーシスト、アンデシュ・ヨルミン Anders Jormin とノルウェーのトラッド・ミュージシャン、シニッカ・ランゲラン Sinikka Langeland の新しい子守歌も歌われます。どちらも自分たちの子供への「ちょっとした贈り物」として作られた作品です。オスロの教会で行われた録音セッションには、ベースのマッツ・アイレットセン Mats Eilertsen とサックスのトリグヴェ・サイム Trygve Seim という「父親ふたり」も参加しました。トリオ・メディイーヴァルとともに、COVID-19 の今、いろいろな垣根をとりはらい、共通する人間性への讃歌を歌いあげています。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『バルト海のために(Itämerelle)』
Alba ABCD 462 SACD hybrid (5.1 multichannel/stereo)  classical   

 
カール・ニルセン(1865–1931)
 弦楽四重奏曲第1番 ト短調 FS4(Op.13)
ヴィルヘルム・ステーンハンマル(1871–1927)
 弦楽四重奏曲第6番 ニ短調 Op.35
ロッタ・ヴェンナコスキ(1970–)
 Culla D’aria(アリアのゆりかご)(2003–04)
アンドレーア・タローディ(1981–)
 悲しみと喜び(Sorg och glädje)(ヴィオラとチェロのための)(2015)
  カムス四重奏団
   テルヒ・パルダニウス(第1ヴァイオリン)
   ユッカ・ウンタマラ(第2ヴァイオリン)
   ユッシ・トゥフカネン(ヴィオラ)
   ペトヤ・カイヌライネン(チェロ)
 
録音 2019年12月10日–12日 聖カタリナ教会(カルヤー、フィンランド)
制作・録音・編集 サイモン・フォックス=ガール

 
サロネン、リゲティ、ブリテンの作品を演奏した『ホムンクルス(Homunculus)』(ABCD 409)をリリースしたカムス四重奏団の第4作。「ステーンハンマルの第6番の弦楽四重奏曲を初めて聴いたとき、わたしたちは、唖然としました。なぜ、これほどの偉大な音楽をこれまで聴いたことがなかったのか。とにかく演奏しなければいけない」(カムス)。新作の『バルト海のために』では、このステーンハンマルの四重奏曲を中心に、デンマークのカール・ニルセン、フィンランドのロッタ・ヴェンナコスキ、スウェーデンのタローディという、北欧人が「われらが海(Mare Nostrum)」と呼ぶバルト海を囲む国々の作曲家の作品が演奏されます。
 
カール・ニルセン Carl Nielsen の《弦楽四重奏曲第1番 ト短調》は、彼の出世作となった《小組曲》と同じ1888年の作品です。1898年の公式初演に際して改訂、ピアノのための《ユモレスク・バガテル》などと一緒に演奏され好評を博しました。ヨハン・スヴェンセンに献呈された作品です。ステーンハンマル Wilhelm Stenhammar の最後の弦楽四重奏曲は、《交響曲第2番》や《セレナード》とともに、彼の対位法の研究が実を結んだ作品です。「禁欲的なまでに簡素な主題の素材、非情なまでにポリフォニックな第1楽章の展開、緩徐楽章の澄みきった穏やかな音楽は郷愁を誘う、荒々しく突進する無窮動の終曲」。ヴェンナコスキ Lotta Wennäkoski の《Culla D’aria(アリアのゆりかご)》は、クフモ国際室内楽コンペティションの委嘱で作曲され、カムス四重奏団が2003年からレパートリーにしているという作品です。最後は、アンドレーア・タローディ Andrea Tarrodi の《悲しみと喜び》は、ヴィオラとチェロのための「雰囲気のある」二重奏曲。バルト海の潮流のかかえる問題を改善したいという、カムズのメンバーの願いをこめて作られたアルバムです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ポルスカ=パンドルフィ(PolskaPandolfi)』
Alba ABCD 501 early music/traditional   

 
『ポルスカ=パンドルフィ(PolskaPandolfi)』
南オストロボスニアのポルスカとジョヴァンニ・アントニオ・パンドルフィ・メアッリ(1624–c.1687)のソナタ
[Track 1]
 Kuusi polskaa Vöyriltä ja Pedersörestä
 (ヴォユリ地区とペデルソレ地区の6つのポルスカ)
 G. A. パンドルフィ・メアッリ:
  ソナタ第4番《La Castella(ラ・カステッラ)》 Op.3 no.4
[Track 2]
 G. A. パンドルフィ・メアッリ:
  ソナタ第5番《La Cemente(ラ・クレメンテ)》 Op.3 no.5
 Lyyrinen polska(抒情のポルスカ)
 Ammesmäen Kreetan polska(クレータ・アンメスマキのポルスカ)
 Metsäpellon polska(森林のポルスカ)
 Haudanmaan morsiuspolska(墓地の婚礼ポルスカ)
[Track 3]
 Limärin polska(リマリのポルスカ)
 Tallarin neljäs(タッラリの4つめのポルスカ)
 Peli-Ussin polska(ペリ=ユッシのポルスカ)
 G. A. パンドルフィ・メアッリ:
  ソナタ第1番《La Bernabea(ラ・ベルナベア)》 Op.4 no.1
[Track 4]
 Taklax Gee(タクサクス=ギー)
 Kruununpudotuspolska(王位脱落のポルスカ)
 Bagg-Matts Polska(バッグ=マッツのポルスカ)
 G. A. パンドルフィ・メアッリ:
  ソナタ第3番《La Melana(ラ・メラーナ)》 Op.3 no.3
[Track 5]
 G. A. パンドルフィ・メアッリ:
  ソナタ第1番《La Stella(ラ・ステッラ)》 Op.3.no.1
 Rahapolska(金銭ポルスカ) Raharinki(ラハリンキ)
  クレータ=マリア・ケンタラ(バロック・ヴァイオリン)
  テア・ポルソ(チェンバロ)
 
録音 2020年6月9日–11日 カウスティネン教会(カウスティネン、フィンランド)
制作 クレータ=マリア・ケンタラ、テア・ポルソ、マルック・ヴェイヨンスオ
録音・編集・マスタリング マルック・ヴェイヨンスオ 

 
バロック・ヴァイオリニストのクレータ=マリア・ケンタラ Kreeta-Maria Kentala は、J. S. バッハの《無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ》の曲と「カウスティネンの舞曲」をならべて演奏したアルバム『Side by Side(ならべてみると)』(ABCD 388)をリリース。「バッハの舞曲ではない舞曲」と地元カウスティネンの伝承と新しい舞曲の「違い」と「つながり」をプレーヤーの視点から眺めた企画の新しさと「芸術音楽」としてのクオリティが高く評価され、フィンランド放送(YLE)の「2016年最優秀レコード」と「聴衆の選ぶ一枚」」に選ばれました。『ポルスカ=パンドルフィ』と題した新しいアルバムでは、17世紀イタリアの作曲家パンドルフィの「ソナタ」と「南オストロボスニアのポルスカ」をならべ、新たな「文脈(context)」で音楽はどう聴こえるか、という興味を再び追及してみせます。
 
ジョヴァンニ・アントニオ・パンドルフィ・メアッリ Giovanni Antonio Pandolfi Mealli(1624–1687)は、トスカーナ地方モンテプルチアーノ生まれ。オーストリア大公フェルディナント・カール大公のチロルの宮廷楽士を務め、大公の死後、シチリアのメッシーナに移りました。1660年出版の2巻の『ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ』(Op.3 と Op.4)と1669年出版の『トリオソナタ(Cioè Balletti)』が彼の現存する作品とされています。このアルバムでは、ポルスカと組み合わせるため、2つの曲集の5曲が選ばれました。宮廷オルガニストのアントニオ・カステッリ、宮廷カストラート歌手のクレメンテ・アントン、宮廷楽士長のアントニオ・メラーニをそれぞれ狙って書かれた《ラ・カステッラ》《ラ・クレメンテ》《ラ・メラーナ》、ジョセフォ・ベルナベイとベルナデット・ステッラ神父に献呈した《ラ・ベルナベア》と《ラ・ステッラ》。これらの曲では、当時の様式に従いながらもそこかしこで即興的な工夫が凝らされ、さらに、ドリア旋法、舞曲のリズム、民謡の旋律パターンとコードに共通点があることから、ポルスカと「ならべてみたら」という興味を誘われたといいます。
 
南オストロボスニアのペリマンニ(フィドル弾き)たちが結婚を祝う集まりなどで弾いたポルスカはすべて、ケンタラが「耳で覚えたこと」を頼りに演奏されました。ゆっくりしたテンポ、速いテンポ、突然の変化、思案げにみえたかと思えばただだらだらと、情熱的かと思えば怒り狂ったように。このアルバムのポルスカは、さまざまな表情で演奏されます。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ビーチ、シュトラウス』
Alba ABCD 502  classical   

 
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18(1888)
エイミー・ビーチ(1867–1944)
 ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.34(1896)
  エリーカ・マーリスマー(ヴァイオリン)
  エミール・ホルムストロム(ピアノ)
 
[楽器 Violin: Giuseppe Dall’Aglio, c,1800/Piano: Bösendorfer, 9698, 1882]
 
録音 2021年1月 ロカイネン(フィスカルス、フィンランド)
制作・録音 マルック・ヴェイヨンスオ

 
シベリウス・アカデミーで学んだエリーカ・マーリスマー Eriikka Maalismaa のヴァイオリンとエミール・ホルムストロム Emil Holmström のピアノのデュオ。『ピリオド楽器で弾くシューマンのヴァイオリン・ソナタ』(ABCD 438)につづくアルバム第2作は、リヒャルト・シュトラウスとエイミー・ビーチの「ヴァイオリン・ソナタ」によるプログラムです。「19世紀は、言ってみれば、ばかげた時代だった。合理性を誇らしく思い、なにかと抑制の多い啓蒙時代がちょっとばかり長すぎた後、それにとってかわった、あふれんばかりのロマンティシズムが人々に目を開かせた。分別だけではない、われわれには感情と呼ばれるものがあるではないか。その結果、音楽は恥ずかしげもなく極大化しスマートさを失う。オーケストラは肥大し、作品は長く、構想は膨張していった」(ミカエル・マッティラ)(ABCD 503 ライナーノート)。シュトラウスもビーチも、19世紀に生まれ、20世紀の半ばまで生きた作曲家です。「男らしさと遊び戯れる気分にみちた」シュトラウスの《ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調》と、古都ボストンの女性、エイミー・ビーチの作曲した情緒細やかな《ヴァイオリン・ソナタ イ短調》。「ヒット曲」と言われたシュトラウスの作品と、「これといった理由もなく壁際に追いやられてしまっていた」ビーチの作品の「コントラスト」を意識したというプログラムを、ジュゼッペ・ダラリオ製作のヴァイオリンとベーゼンドルファー・ピアノで演奏しています。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『セリヤ(Selja)』
Alba ABACD 25 contemporary/jazz   

 
『セリヤ(Selja)』
セッポ・カントネン(1963–)
 Tulonen(トゥロネン) Ääni(声) Portinvartija(門番)
 Avaruuden musiikin porteilla(スペースミュージックの戸口で)
 Tajuntani piirtää(無意識のスケッチ)
 Hän halusi paeta(彼は逃げたかった)
 Tuuli ei tiedä, ruoho ei muista(風は知らず、草は覚えておらず)
 Taivaan lentävät auttajat(羽ばたく助手)
 Lennä lintunen pesälles(鳥よ巣に帰っていけ)
 Elämän lähde(生命の源) 
  アンニマリア・リンネ(ヴォーカル、 朗読)
  セッポ・カントネン(ピアノ) ヴィッレ・ヘッララ(ベース)
  ヴィッレ・ピュンシ(ドラム)
  ラップランド室内管弦楽団 ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)
 
録音 2019年12月17日–18日 文化ホール「コルンディ」(ロヴァニエミ、フィンランド) 
制作 セッポ・カントネン、マルック・ヴェイヨンスオ
録音・ミクシング・マスタリング マルック・ヴェイヨンスオ

 
フィンランドのピアニスト、セッポ・カントネン Seppo Kantonen(1963–)は、長年にわたりフィンランドのジャズシーンでさまざまに活動を行ってきました。ヘルシンキのジャズオーケストラ「UMO」などのバンドで演奏、エーロ・コイヴィストイネンやユッキス・ウオティラといったプレーヤーたちと共演。自身のグループ「クラング・トリオ」と「トッカ・カルテット」の活動でも知られ、150を超す数の録音に参加しています。1985年、フィンランド・ジャズ連盟の「ユリヨ賞」を授けられました。
 
『セリヤ(Selja)』は、カントネンがフィンランドの詩人シルッカ・セリヤ Sirkka Selja(1920–2017)の詩に作曲した作品で作られたアルバムです。「初めて読んだ時から、私のなかで音楽としての命が芽生えた」と、カントネンは、彼女の詩からインスピレーションを授かったことを語っています。10曲のうち6曲のテクストは『Pisaroita iholla』(1978)から採られ、この詩集の題名が、ラップランド室内管弦楽団による初演コンサートのタイトルにも使われました。アンニマリア・リンネ Annemaria Rinne のヴォーカル、ヴィッレ・ヘッララ Ville Herrala のベース、ヴィッレ・ピュンシ Ville Pynssi のドラム、カントネンのピアノ。指揮者のヨン・ストゥールゴールズ John Storgårds は、コンテンポラリーとクラシカル、ジャズ、トラッド、タンゴと、幅広いジャンルを手がけることで知られます。録音セッションは、2019年12月19日の初演に先立ち、同じ「コルンディ」で行われました。ミュージカルのタッチとポップな雰囲気の漂うジャズ・アルバムです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『海洋(Oceano)』
BIS SACD 2324 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical   

 
セバスチャン・ファーゲルルンド(1972–)
 Oceano(海洋)(2011)(ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
 6つの小品《Fuel(燃料)》(2010)
 (クラリネット、チェロとピアノのための)
 Transient Light(瞬間の光)(2013)
 (ホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノのための)
 クラリネットとピアノのためのソナタ(2010)
 Scherzic(スケルツィック)(2008)(ヴィオラとチェロのための)
 弦楽四重奏曲第1番《Verso l’interno(内に向かって)》(2007)
  Meta4
   ミンナ・ペンソラ(ヴァイオリン)
   アンティ・ティッカネン(ヴァイオリン)
   アッテ・キルペライネン(ヴィオラ)
   トマス・ユープシェーバカ(チェロ)
  クリストフェル・スンドクヴィスト(クラリネット)
  パーヴァリ・ユンパネン(ピアノ)
  エルヴェ・ジュラン(ホルン)
 
録音 2017年4月17日–19日 カレヴィ・アホ・ホール(ラハティ、フィンランド)、2019年4月13日(Fuel)、9月17日–18日(Clarinet Sonata) ヤルヴェンパー・ホール(ヤルヴェンパー、フィンランド)
制作・録音 マルティン・ナゴルニ

 
フィンランドだけでなくヨーロッパの彼の世代を代表する作曲家のひとり、セバスチャン・ファーゲルルンド Sebastian Fagerélund(1972–)の新作。管弦楽作品集『ノマド・水の世界地図』(BIS SA-2455)につづき、彼が、代表作のひとつ、彼の才能が思う存分に発揮されたと定評のある《クラリネット協奏曲》(2006)の後、2007年から2013年にかけて作曲した室内楽の作品が紹介されます。「機械を思いわせるテクスチュアを機動力とする」といった、いくつかの共通する特徴も備わった作品群です。
 
弦楽三重奏のための《Oceano(海洋)》は、フィンランドのトゥルクからオーランド諸島を経由してストックホルムという、かつての郵便船の航路の都市で行われたココンサート・シリーズの委嘱作。「Sonore(朗々と響かせて)」「Agitato(激しく)」の2楽章で構成されています。クラリネット、チェロとピアノのための6つの小品《Fuel(燃料)》は、クフモ室内楽音楽祭の委嘱作。ホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノのための四重奏曲《Transient Light(瞬間の光)》は、フランスのホルン奏者、エルヴェ・ジュラン Hervé Joulain から依頼を受けて書かれた作品です。「メロディによる表現」を重視、曲名は「異なる強烈さとニュアンスで『時』を貫いて輝く光」をイメージしてつけられたといわれます。
 
《クラリネットとピアノのためのソナタ》は、《クラリネット協奏曲》(BIS SA-1707)を初演した、フィンランド放送交響楽団の首席クラリネット奏者、クリストフェル・スンドクヴィスト Christoffer Sundqvist のために作曲された作品です。「Meccanico con forza(力強くメカニックに)」「Lento misterioso(ゆっくりと神秘的に)」「Introduzione quasi libero - Esaltato(ほぼ自由な序奏 - 熱狂して)」の3楽章で構成されています。「スケルツォに似た、活発に動きまわる」を示す曲名の《Scherzic(スケルツィック)》は、Meta4 が大曲の合間に演奏する「間奏曲」として作られました。弦楽四重奏曲第1番《Verso l’interno(内に向かって)》は、6楽章で書かれた作品です。「トランクイッロ」の〈Pròlogo(プロローグ)〉と〈Eilogo(エピローグ)〉の間に「フェローチェ」「アジタート」「アジタート・カプリッチョーゾ」の3つの〈Danza(踊り)〉と「メスト」の〈Canto(歌)〉をはさむ構成をとっています。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

『管弦楽のための協奏曲』
BIS SACD 2378 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical 

 
ベーラ・バルトーク(1881–1945)
 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106 BB 114(1936)
 管弦楽のための協奏曲 Sz.116 BB 123(1943)
  ヘルシンキ・フィルハーモニック管弦楽団
  スサンナ・マルッキ(指揮) 
 
録音 2018年5月30日–6月1日(協奏曲)、2019年5月27日、28日、31日 ヘルシンキ・ミュージックセンター(ヘルシンキ、フィンランド)
制作 ロバート・サフ
録音・編集・ミクシング  エンノ・マエメツ

 
ヘルシンキ・フィルハーモニックと首席指揮者スサンナ・マルッキ Susanna Mälkki(1969–)の《かかし王子》《不思議なマンダリン》(BIS SA-2328)と《青ひげ公の城》(BIS SA-2388)につづくバルトークの第3作。バルトークの代表作のひとつ《弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽》は、バーゼル室内管弦楽団の10周年を記念するためパウル・ザッヒャーの委嘱で作曲されました。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスとハープの弦楽器群を2つのグループに分けて舞台の左右に配置、打楽器(木琴、スネアドラム、シンバル、タムタム、バスドラム、ティンパニ)とチェレスタを中央に置くという編成から生まれる「オーケストラの色彩」と立体感が、今なお斬新な作品です。《管弦楽のための協奏曲》は、バルトークがアメリカに亡命後の1943年、クーセヴィツキー財団の委嘱で書かれ、翌年12月1日、クーセヴィツキー指揮のボストン交響楽団により初演されました。オーケストラの楽器が「ソロ楽器」として扱われ、プレーヤーたちの「名人芸」を楽しむことのできる音楽として、バルトークのもっとも人気のある作品に挙げられています。シリーズを通してスサンナ・マルッキは、バルトーク作品の「現代音楽」の側面にウエイトを置き、ヘルシンキ・フィルハーモニックの輝かしい音色と深い響きを活かした演奏を展開してきました。彼らの音楽は、コンサートもCD録音も、「BBC Radio 3 Record Review」「The Gramophone」「Fanfare」をはじめとするメディアから高い評価を受けています。2018年と2019年、ヘルシンキ・ミュージックセンターでの録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

 

『Memento mori(メメント・モリ)』
BIS SACD 2566 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music/classical 

 
『Memento mori(メメント・モリ)』
作者不詳(14世紀)(クリングツォイク・バロックアンサンブル 編曲)
 トリスタンの哀歌
ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1620/23–1680)
 フェルディナント三世の死に寄せる哀歌
ラインバウト・デ・ヴァケイラス(13世紀 active 1180–1707)
 プラーニュ(哀悲歌)(即興)
ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー(1644–1704)
 4声の嘆きのバレット
ヘンリー・パーセル(c.1659–1695)
 ディドの嘆き
ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(1620/23–1680)
 嘆きのソナタ
ヨハン・ショップ(c.1590–1667)
 涙のパヴァーヌ
ジャコモ・アントニオ・ペルティ(1661–1756)
 2声のフーガ
ピエトロ・ロカテッリ(1695–1764)
 シンフォニア・フネーブレ
ヨハン・パッヘルベル(1653–1706)
 すべての人は死ななければならない
  クリングツォイク・バロックアンサンブル
   クラウディア・デラーゴ=ノルツ(バロック・ヴァイオリン)
   ルーカス・プラクスマーラー(バロック・ヴァイオリン)
   ナディーネ・ヘンリヒス(バロック・ヴィオラ)
   アンナ・タウシュ(バロック・チェロ、リコーダー)
   ヨハンネス・エツブルッガー(テオルボ)
   マルティン・リッカボーナ(オルガン、チェンバロ)
 
録音 2020年7月16日–18日 シュタムス修道院(シュタムス、オーストリア)

 
「クリングツォイク・バロックアンサンブル Klingzeug Barockensemble」は、2011年、オーストリアのインスブルックに創設されました。過去の芸術を広い視点と好奇心から眺め、現代の音楽に向ける耳も大切にしながら、バロック音楽の多彩な局面を明らかにしていくことを目指しています。BIS Records がリリースする『Memento Mori(メメント・モリ)』は、アンサンブルの創設10周年を記念して制作された、彼らのデビューアルバムです。「死を忘るなかれ」のラテン語の警句をアルバムのタイトルに採り、彼らのコンサート・プログラムのひとつ、13世紀からバロック時代にかけて数多く作られた「ラメント(哀歌)」を演奏しています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

 

『ハープのための作品集』
BIS SACD 2570 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
アントン・エドヴァルド・プラテ(1796–1875)
 グラン・コンセール(Grand Concert) ト短調(ハープと管弦楽のための)*
 スウェーデン民謡による主題と変奏曲(ハープ独奏のための)
 ロマンティック幻想曲《ノルウェーの思い出:山と谷から》
 (Fantaisie romantique《Souvenir de Norvège: Fra Fjell og Dale》
 (ハープ独奏のための)
  デルフィーヌ・コンスタンタン=レズニク(ハープ)
  ノルショーピング交響楽団 * ダニエラ・ムスカ(指揮)*
 
[楽器 Harp: Lyon and Healy, Style 23]
 
録音 2020年8月20日–24日 ルイ・ド・イェール・コンサートホール(ノルショーピング、スウェーデン)
制作 マリオン・シュヴェーベル
録音 インゴー・ペトリ(コンセール)、マリオン・シュヴェーベル(ソロ作品)

 
「アントン・プラテ」は、ハープ奏者と作曲家として、彼が生き、活動した19世紀には名の知れた存在だったと言われます。しかし、死後、彼の作品も音楽家としての名声も忘れられ、ノルショーピング交響楽団の首席ハープ奏者に就任したデルフィーヌ・コンスタンタン=レズニクが、ハープのための新しいレパトリーを探るうちに彼の作品に出会ったことから、プラテの名と音楽がふたたび日の目を見ることになりました。
 
アントン・エドヴァルド(アントワーヌ・エドゥアール)・プラテ Anton Edvard(Antoine Edouard)Pratté は、1796年、ボヘミアの旅回りの人形芝居の一家に生まれました。成人すると彼も公演に加わり、「ダビデの竪琴」と呼ばれる小型のハープを演奏して幕間に観客を楽しませたといいます。その後、紆余曲折を経て、彼はスウェーデンに渡り、ハープ奏者としての名を高めました。ノルウェーとフィンランドにツアー、1840年代にはヨーロッパを広く回り、ベルリン、ウィーン、プラハでも演奏しています。活動の範囲は広かったものの、ノルショーピングを中心とする地域でもっぱら活動し、裕福な地主の娘たちを教え、ノルショーピング交響楽団の前身、ノルショーピング管弦楽協会の指揮者も務めたこともあります。1875年5月23日、ノルショーピング西のレードベリの村で生涯を閉じました。彼の死は、ヘルシンキ、ヨーロッパの都市、遠くシカゴでも報じられたといわれます。
 
コンスタンタン=レズニクのこのアルバムでは、プラテの3つの作品が演奏されます。ハープと管弦楽のための《グラン・コンセール》は、雄大な「アレグロ・コン・スピリト」、誠実な心を伝える「アンダンテ・アリオーゾ」の〈ロマンツァ〉、民俗音楽からインスピレーションを得た「ポラッカ・ア・ラ・スヴェデーズ(スウェーデン風ポラッカ)」の〈ロンド〉の3楽章の作品です。このアルバムの演奏には、スウェーデン音楽アカデミーが2018年に出版した『スウェーデン音楽遺産(Levande Musikarv)』の版が使われています。《スウェーデン民謡による主題と変奏曲》は、『ラ・フォリア』を替え歌にして歌われることの多かった童謡《Katten och killingen(猫と子猫)》を主題にした「サラバンド」と7つの変奏の作品。《ノルウェーの思い出:山と谷から》は、《En liten Gut ifra Tistedal’n(ティステダーレンの少年)》《Å kjøre vatten og kjøre ved(川を越え、森を進み)》《I fjol gjett je gjeita(去年、山で山羊の番をしていると)》《Stusle Sundagskvelden(もの悲しい日曜の夕べ)》の4曲を素材にした「ロマンティック幻想曲」です。
 
フランスのハープ奏者、デルフィーヌ・コンスタンタン=レズニク Delphine Constantin-Reznik は、ブーローヌ=ビヤンクール国立音楽院とチューリッヒ音楽劇場大学でアニー・フォンテーヌとカトリーヌ・ミシェルに学びました。2008年からノルショーピング交響楽団で首席ハープ奏者として演奏、各国のオーケストラに客演しています。2019年、「プラテ・リヴァイヴァル」を記念してノルショーピングに「国際プラテ・ハープ音楽祭コンペティション」を創設、芸術監督を務めています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

 

『ウィグモア・ソロイスツ』
BIS SACD 2597 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical 

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 八重奏曲 ヘ長調 D.803 Op.166(1824)
  ウィグモア・ソロイスツ
   イザベル・ファン・クーレン(第1ヴァイオリン)
   ベンジャミン・ギルモア(第2ヴァイオリン)
   ティモシー・リダウト(ヴィオラ)
   クリスティーナ・ブラウマネ(チェロ)
   ティム・ギブズ(コントラバス)
   マイケル・コリンズ(クラリネット)
   ロビン・オニール(ファゴット)
   アルベルト・メネンデス・エスクリバーノ(ホルン)
 
録音 2020年12月11日–13日 ウィグモアホール(ロンドン、イングランド)
制作 レイチェル・スミス
録音 デーヴ・ローウェル

 
「ウィグモア・ソロイスツ Wigmore Soloists」のデビュー・アルバム。このアンサンブルは、2020年、イザベル・ファン・クーレンとマイケル・コリンズが中心となり、ロンドンのウィグモア・ホールのディレクター、ジョン・ギルフリー John Gilhooly とのコラボレーションによって創設されました。
 
ウィグモア・ホールは、1901年、ドイツのピアノ製造会社ベヒシュタインがウィグモア・ストリートのショールームの隣に作り、当初「ベヒシュタイン・ホール」と呼ばれていました。フェルッチョ・ブゾーニ、ウジェーヌ・イザイ、ヴラディーミル・デ・パッハマンをはじめとする著名な音楽家によるオープニングのガラ・コンサートが行われ、時代を経るにつれ、このホールのコンサートに出演することが「ステータス」とみなされるほどの名声を獲得してきました。
 
「ウィグモア・ソロイスツ」は、この歴史あるホールの名を冠した最初のグループです。メンバーを固定せず、ホールゆかりのベテランと次世代を担う若い音楽家をその都度集めるスタイルで運営されます。このシューベルトの《八重奏曲 ヘ長調》の演奏にも、ロンドンを中心に活動するトップ・プレーヤーたちが参加しています。室内楽奏者とソリストとして多彩な活動をする、オランダのヴァイオリンとヴィオラのプレーヤー、イザベル・ファン・クーレン Isabelle van Keulen。オランダ系アメリカのヴァイオリニスト、スコットランド室内管弦楽団とフィルハーモニア管弦楽団の共同コンサートマスターのベンジャミン・ギルモア Benjamin Gilmore。2019年から2022年の BBC New Generation Artists のひとりに選ばれたロンドン生まれのヴィオラ奏者、ティモシー・リダウト Timothy Ridout。彼は、若い才能を紹介する「Harmonia Nova」に『A Poet’s Love(詩人の恋)』(Harmonia Mundi HMN 916118)を録音、近日リリースされます。クリスティーナ・ブラウマネ Kristina Blaumane は、ラトビアのリガ生まれ。ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団の首席チェロ奏者を務め、ソリストとして新しい音楽の紹介に努めています。イギリスのプレーヤー、ティム・ギブズ Tim Gibbs は、フィルハーモニア管弦楽団の首席コントラバス奏者です。
 
イギリスのクラリネット奏者、マイケル・コリンズ Michael Collins は指揮者としても活動し、ヴォーン・ウィリアムズの《交響曲第5番》とフィンジの《クラリネットと弦楽のための協奏曲》(BIS SA-2367)を BIS Records に録音しました。フィルハーモニア管弦楽団の首席ファゴット奏者のロビン・オニール Robin O’Neill は、ヨーロッパ室内管弦楽団の創設メンバーのひとり。アルベルト・メネンデス・エスクリバーノ Alberto Menéndez Escribano はスペイン生まれ。BBCスコットランド交響楽団の首席ホルン奏者です。
 
《八重奏曲 ヘ長調》は、シューベルトが、弦楽四重奏曲の《ロザムンデ》と《死と乙女》と同じ時期の1824年、アマチュアのクラリネット奏者、フェルディナント・トロイヤーの委嘱で書いた作品です。ベートーヴェンの《七重奏曲 変ホ長調》に倣った6楽章の構成をとり、第1楽章は歌曲《さすらい人》に由来する主題をもち、第4楽章はジングシュピール《サラマンカの友人たち》の二重唱のメロディを主題にした「変奏曲」として書かれています。
 
この作品は、結成後まもない時期のコンサートで演奏される予定でした。しかし、COVID-19 の影響で延長になったため、録音のためのセッションが先に行われました。2020年の12月11日から13日の3日間。そして、2021年1月8日、ウィグモア・ソロイスツは、コンサート・デビューしました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円) 

『Remembering(忘れない)』
BIS CD 2602 contemporary/classical   

 
ペア・ヌアゴー(1932–)
 Between(ふたつの間で)(チェロ協奏曲第1番)(1985)*
カイヤ・サーリアホ(1952–)
 Notes on Light(光についての覚書)(2006)(チェロと管弦楽のための)**
ペア・ヌアゴー(1932–)(ヤコブ・クルベア(1976–)編曲)
 Remembering Child(子供を忘れない)(ヴィオラ協奏曲第1番)
 (チェロと管弦楽のための)(1986 adap.2013)†
  ヤコブ・クルベア(チェロ)
  BBC フィルハーモニック */** マイケル・フランシス(指揮)*
  ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)**
  シンフォニア・ヴァルソヴィア † シモン・ビヴァレツ(指揮)†
 
録音 2015年12月17日 *、2016年11月6日 ** フィルハーモニック・スタジオ(MediaCityUK、ソルフォード、イングランド)、2015年8月31日、9月1日 ヴィトルト・ルトスワフスキ・コンサートスタジオ(ワルシャワ、ポーランド)†
制作 ジェレミー・ヘイズ */**、ベアタ・ヤンコフスカ=ブルズィニュスカ †
録音 スティーヴン・リンカー */**、ユリタ・エマヌイウォヴ †
マスタリング マティアス・スピッツバルト [Original(24bit/96kHz)]

 
『ノルドセンディング(Nordsending)』(BIS-2269)の「トリオ・アリストス」のチェリスト、ヤコブ・クルベアの BIS Records 第2作。彼がコラボレーションをつづけるふたりの作曲家、デンマークのペア・ヌアゴーとフィンランドのサーリアホの「チェロ協奏曲」を「ソリスト」として演奏したアルバムです。
 
ヤコブ・クルベア Jakob Kullberg は、1976年、デンマークのオーフス生まれ。オーフス王立音楽アカデミーのハッロ・ラウセナールスに学んだ後、ドミートリー・フェルシュトマン、ヴァルター・デシュパリ、マッツ・リードストレム、コリン・カーに師事、コペンハーゲンの王立デンマーク音楽アカデミーのモーテン・ソイテンの指導を受けてソリスト・ディプロマを取得しました。ヨーロッパ各地のオーケストラとの共演、音楽祭への出演とつづき、2016年からはロンドンの王立音楽大学の教授も務めています。
 
ヌアゴー Per Nørgård の「チェロ協奏曲第1番」《Between(ふたつの間で)》は、3楽章の作品です。「内に秘めた感情の表現」(チェロ)と「外部要因」(オーケストラ)が対立、そこにソリストが巻き込まれる〈In Between(間にはさまれ)〉、ソリストが優位に立つ〈Turning Point(転換点)〉、ソリストとオーケストラが対等の関係になる〈Among(囲まれて〉。「人の成長」になぞらえた音楽ともみなされ、最後の楽章ではチェロが、ガムランの「スレンドロ」によるメロディを弾き、「ヒューマンタッチ」を加えます。クルベアが教わったソイテンも録音した作品です。
 
《Remembering Child(子供を忘れない)》は、東西冷戦の時代、核戦争に反対し、1985年に飛行機事故で亡くなった13歳のアメリカの少女、サマンサ・スミスへの「祈り」、そして、大人の愚行と戦っている「子供異端者」への「トリビュート」として書かれた作品です。2つの楽章で構成され、2曲のグレゴリオ聖歌も引用して書かれています。ミネソタ州のセントポール室内管弦楽団の委嘱で作曲されピンカス・ズッカーマンに献呈されました。クルベアは、この「ヴィオラ協奏曲第1番」をチェロのために編曲、作曲者の考えを求めながら「カデンツァ」も作曲しました。
 
フィンランドのサーリアホ Kaija Saariaho もクルベアが共同作業を行う作曲家のひとりです。《Notes on Light(光についての覚書)》は、ボストン交響楽団が委嘱、アンシ・カルットゥネンがソロを弾いてボストンとヘルシンキで初演した作品です。〈Translucent, secret(半透明、秘密)〉〈On fire(白熱して)〉〈Awakening(目覚め)〉〈Eclipse(蝕)〉〈Heart of Light(光の核心)〉の5楽章。「ソリストが重要なことを語ろうとすると、オーケストラは彼にスペースを開ける」。チェロの「技巧」を発揮させる書法で作曲され、スコアの最後、T. S. エリオットの詩『荒地』が引用されています。 
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『ヨハネ受難曲(Passio)』
BIS SACD 2612 SACD hybrid (5.0 surround/stereo)  classical  

 
アルヴォ・ペルト(1935–)
 ヨハネ受難曲(Passio)(1982)
 (独唱者、混声合唱、器楽奏者とオルガンのための)
  サンポ・ハーパニエミ(バリトン)(イエス)
  マルッティ・アンティラ(テノール)(ピラト)
  リンネア・スンファール・カサリー(ソプラノ)(福音史家)
  シルック・リンタマキ(メゾソプラノ)(福音史家)
  マッツ・リルハンヌス(テノール)(福音史家)
  ユッシ・リンナンマキ(バスバリトン)(福音史家)
  ヤン・レヘトラ(オルガン)
  ラウラ・ヴィークマン(ヴァイオリン)
  アンニ・ハーパニエミ(オーボエ)
  マルコ・ユロネン(チェロ)
  ミッコ=ペッカ・スヴァラ(ファゴット)
  ヘルシンキ室内合唱団
  ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
  
録音 2020年10月26日、27日、29日 聖パウロ教会(Paavalinnkirkko)(ヘルシンキ、フィンランド)
制作・録音 ハンス・キプファー

 
アルヴォ・ペルト Arvo Pärt の音楽は、古くからの宗教的伝統と結びつきながら、現代の精神性を言葉で表明することに大きな特徴があると言われます。彼は、1960年代にモダニスト・スタイルの作品から出発、1970年代を経たころから、禁欲的で内省的な作品を多く手がけるようになりました。その簡素化と黙考が頂点に達した作品が、1982年に完成された《ヨハネ受難曲》です。正式曲名「『ヨハネによる福音書』によるわれらがイエス・キリストの受難(Passio Domini Nostri Jesu Christi secumdum Joannem)」。この作品では、「受難曲」と結びつけられることが一般的な「ドラマ」と「感情の高ぶり」を避け、キリストの受難という物語は「厳粛な瞑想」の枠組みとしてだけ使われています。バリトンがイエス、テノールがピラトの言葉を歌い、ストーリーを語る福音史家は、ソプラノ、アルト(またはカウンターテナー、メゾソプラノ)、テノール、バスの四重唱が、ヴァイオリン、オーボエ、チェロとファゴットの合奏をともなって歌います。ペルトの音楽は、中世のモノフォニックなスタイルを顧みながら進み、キリストの磔刑で頂点を迎えます。
 
シュヴェケンディーク Nils Schweckendiek とヘルシンキ室内合唱団は、ラウタヴァーラの《ヴィジリア》(BIS-2422)を録音、「強烈な体験……誠実で人の心に強く訴えかける作品の素晴らしい新録音」と「MusicWeb Internationao」から評されました。
 
ペルトの《ヨハネ受難曲》は、2020年10月、ヘルシンキの聖パウロ教会でのセッション録音。バリトンのサンポ・ハーパニエミ Sampo Haapaniemi は、フィンランド国立オペラ・バレエに所属、テノールのマルッティ・アンティラ Martti Anttila は、ヘルシンキ室内合唱団でマネージャーとヴォイス・トレーナーを務めています。オルガニストのヤン・レヘトラ Jan Lehtola は、シベリウス・アカデミーの教会音楽科を卒業後、アムステルダム、シュトゥットガルト、リヨン、パリで学びました。サン=サーンスの《前奏曲とフーガ》と《幻想曲》を弾いたアルバム(Alba ABCD 225)をはじめとする多くの録音でも知られます。 
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『死ぬまで叩け!』
Dacapo 8.226706–07 2CD’s contemporary/classical   

 
ボー・ホルテン(1948–)
 歌劇《死ぬまで叩け!(Schlagt sie tot!)》(2017)
  ディートリヒ・ヘンシェル(バリトン、マルティン・ルター)
  トマス・フォッレ(テノール、フィリップ・メランヒトン)
  ヤコブ・ホーグストレム(バリトン、ゲオルク・スパラティン、
   マルティン・ブツァー)
  ラインハルト・ハーゲン(バス、ルーカス・クラナッハ)
  インガー・ダム=イェンセン(ソプラノ、バルバラ・クラナッハ)
  ベンクト・クランツ(バス、ザクセン選帝侯賢明王フリードリヒ、
   ヨハンネス・エコランパディウス)
  コニ・ティマンデル(テノール、ヘッセン方伯フィリップ一世)
  ステファン・ダールベリ(テノール、ロッテルダムのエラスムス、
   フルドリヒ・ツヴィングリ)
  マグヌス・ロフトソン(テノール、
   アンドレーアス・フォン・カールシュタット)
  エマ・リュレーン(メゾソプラノ、カタリーナ・フォン・ボーラ)
  マルメ歌劇場管弦楽団・合唱団 マルメ歌劇場児童合唱団
  パトリック・リングボリ(指揮)
 
録音 2019年5月9日、11日 マルメ歌劇場(マルメ、スウェーデン)(ライヴ)
制作 チェル・オスカション
録音 ブー・クリスチャンソン、ハンス・ラーション
編集・ミクシング ・マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
デンマークの音楽家ボー・ホルテン Bo Holten は、劇場作品を中心とする多作の作曲家として、そして、ヴォーカル・アンサンブル「ムシカ・フィクタ」と「アルス・ノーヴァ」の指揮者として国際的に知られます。2017年の歌劇《死ぬまで叩け!》は、宗教改革者マルティン・ルターを主人公に、根底からの変化と宗教的不寛容の時代を描いた作品です。台本は、ボー・ホルテンのオペラのいくつも手がけてきた、彼の夫人、スウェーデン出身の舞台美術家のエヴァ・ソンメスタード・ホルテン Eva Sommestad Holten が執筆。題材を歴史とイデオロギーの両面から広い視野で物語にまとめる才能を評価されてきた彼女は、この作品でも、ルターのカリスマ性と妥協しない性格を、時には憎々しく、たえず「内なる悪魔性」と戦う人物として描きあげています。500年前の出来事が、今の時代の政治の状況と似ていなくもないと思わせる「音楽ドラマ」。全曲は、2つの幕、25の場面で構成され、ドイツ語歌詞で歌われます。ドイツのバリトン、ディートリヒ・ヘンシェル Dietrich Henschel とテノールのトマス・フォッレ Thomas Volle、デンマークのソプラノ、インガー・ダム=イェンセン Inger Dam-Jensen をはじめとするキャスト。2017年にホルテンがオーフス交響楽団を指揮して第1幕だけを初演した後、2019年5月にパトリック・リングボリ Patrik Ringborg が指揮したマルメ歌劇場での全曲初演のライヴ録音です。英語とデンマーク語のライナーノート、ドイツ語歌詞と英語の対訳を掲載したブックレットが、2枚のCDと一緒にクラムシェル・スタイルのボックスに収められています。
 
価格 6,820円(税込価格)(本体価格 6,200円)

『Murder at the Symphony(シンフォニーホールの殺人)』
Euro Arts 20 65207 (CD)/20 65204 (Blu-ray) film music/classical 

 
『Murder at the Symphony(シンフォニーホールの殺人)』
 ドラマ『バビロン・ベルリン(Babylon Berlin)』
  - 灰は灰に、塵は塵に(Zu Asches, zu Staub)
 (ニッコ・ヴァイデマン、マリオ・カーミエン、トム・テュクヴァー 曲) 
 映画『めまい(Vertigo)』- プレリュード(Prelude)
 (バーナード・ハーマン 曲)
 映画『サイコ(Psycho)』- 殺人(Murder)(バーナード・ハーマン 曲)
 映画『野の薔薇の咲くところ(Where the Wild Roses Grow)』
 (ニック・ケイヴ 曲)
 映画『ゴッドファーザー(The Godfather)』 管弦楽組曲
 (ニーノ・ロータ 曲)
 映画『オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient Express)』
  - ワルツ(Waltz)(リチャード・ロドニー・ベネット 曲)
 映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(There Will Be Blood)』
  - オープン・スペース(Open Spaces)(ジョニー・グリーンウッド 曲)
 映画『ツイン・ピークス(Twin Peaks)』
  - Fire Walk with Me, Sycamore Trees(アンジェロ・バダラメンティ 曲)
 映画『ツイン・ピークス(Twin Peaks)』
  - ローラ・パーマーのテーマ(Laura Palmer’s Theme)
 (アンジェロ・バダラメンティ 曲)
 映画『ツイン・ピークス(Twin Peaks)』
  - ツイン・ピークスのテーマ(Twin Peaks Theme)
 (アンジェロ・バダラメンティ 曲)
 映画『特捜部Q Pからのメッセージ(A Conspiracy of Faith)』
 (ニクラス・シュミット 曲)
 映画『トゥルー・ディテクティブ(True Detective)』
  - Nevermind(レナード・コーエン 曲)
 映画『ダヴィンチ・コード(The Da Vinci Code)』
  - 聖杯の騎士(Chevaliers de Sangreal)(ハンス・ジマー 曲)
 ドラマ『ザ・ブリッジ(Broen)』
  - Hollow Talk(クワイアー・オブ・ヤング・ビリーヴァーズ 曲)
 マックス・ブルッフ《ヴァイオリン協奏曲》- 冒頭のソロ
 映画『シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)』
  - Discombobulate(ハンス・ジマー 曲)
  デンマーク国立交響楽団 サラ・ヒックス(指揮)
  クリスティーナ・オストラン(コンサートマスター、
   エレクトリック・ヴァイオリン)
  ゲスト
   クリスティーネ・ノンボ・アナセン(ソプラノ)
   キラ・スコウ(ヴォーカル) ミケール・ムラー(ヴォーカル) 
 
収録 2019年 DR(デンマーク放送)コンサートホール(コペンハーゲン)(ライヴ)
コンセプト・デザイン、制作総指揮 ニコライ・エーブラハムセン
 
[Blu-ray: 16:9 Full HD PCM stereo/DTS-HD MA5.1 80min Region All]

 
デンマーク国立交響楽団の「ガラコンサート」シリーズ。『GALAXYMPHONY』(20 65211/20 65214)『FANTASMPHONY』(20 652194 Blu-ray)『Agents Are Forever(諜報員は永遠に)』(20 67777/20 67774)『Divas and Diamonds』(20 65997 CD)につづく「映画」の音楽の新作。「危険なコンサート体験」と銘うって「殺人」を扱った映画とドラマの「血の滴る」音楽を特集した2019年コンサートの「ライヴ」が、CD と Blu-ray でリリースされます。
 
「黄金の1920年代」の政治的、社会的変動の震源地、ベルリンを舞台にしたドイツのクライム・ドラマ・シリーズ『バビロン・ベルリン』。バーナード・ハーマンが音楽を書いたアルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』と、同じく、「シャワールームの惨殺」が映画史に残るといわれる『サイコ』。『エレファントマン』『砂の惑星』のデイヴィッド・リンチ監督が、特異な雰囲気の村「ツイン・ピークス」で起きた若い女性の殺人を皮切りに次々と発生する奇妙な出来事を描いたドラマ・シリーズ。『オリエント急行殺人事件』は、シドニー・ルメットが監督した1974年の作品にリチャード・ロドニー・ベネットが書いた音楽が演奏されます。『バビロン・ベルリン』のテルミンは、打楽器のゲアト・サーアンセン Gert Sørensen が演奏、『シャーロック・ホームズ』の《Discombobulate》ではコンサートマスターのクリスティーナ・オストラン Christina Åstrand がエレクトリック・ヴァイオリンを弾いています。このコンサートには、シンガーソングライターのミケール・ムラー MIchael Møller、ソプラノのクリスティーネ・ノンボ・アナセン Christine Nonbo Andersen、ジャズ・ヴォーカルのキラ・スコウ Kira Skov といった「贅沢すぎる」アーティストたちが参加しました。
 
ケネス・ブラナー監督の『ナイル殺人事件』が、COVID-19 の影響で公開がのびのびになっているものの、第1作が好評だったライアン・ジョンソン監督の『Knived Out 2(ナイブズ・アウト2)』が、同じダニエル・クレイグの主演で撮影中という情報もあります。現実の殺人は願い下げですが、映画や小説の殺人は、いつの時代も恰好の話題です。
 
価格 3,080円(税込価格)(本体価格 2,800円)(CD)  4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)(Blu-ray) 

『Strings Attached(弦楽器に首ったけ)』  Selection
Harmonia Mundi HMN 916110 classical  

 
ウィリアム・バード(1543–1623)
 ロウランド、またはウィロビー卿のご帰還
 (Rowland, or Lord Willoughby’s Welcome Home)
アンナ=リーサ・エッレル(1988–)
 前奏曲(Prelude)(即興による)*
ジョン・ダウランド(1563–1626)
 ラクリメ(Lachrymae)
アンナ=リーサ・エッレル(1988–)
 後奏曲第1番(Postlude I)(即興による)*
ルイ・クープラン(c.1626–1661)
 前奏曲 二短調(Prélude ré-mineur)
ギヨム・ド・マショー(c.1300–1377)
 愛する女(ひと)よ、あなたの優しい姿(Dame, vostre doulz viaire)**
ジャン=フィリップ・ラモー(1683–1764)
 クラヴサン曲集 第1巻 - 前奏曲(Prélude) アルマンド(Allmande)
シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス(1687–1750)
 ロジ伯爵の死を悼むトンボー(Tombeau sur la mort de M. Comte de Logy)
ヘレナ・トゥルヴェ(1972–)
 Silmaja(観察者)
アンナ=リーサ・エッレル(1988–)
 間奏曲(Interlude)(即興による)
ジローラモ・フレスコバルディ(1583–1643)
 聖体拝領のためのトッカータ(Toccata cromatica per l' elevatione)
アンナ=リーサ・エッレル(1988–)
 後奏曲第2番(Postlude II)(即興による)
 ミューズたちの対話(L’entretien des Muses)
  アンナ=リーサ・エッレル(カンネル、電子カンネル、プサルテリウム)
 
[楽器 Kannel: Otto Koistinen, 2007/Electric kannel: Hannu Koistinen, 2011 */Psalterium: Peeter Talve, 1991 **]
 
録音 2019年1月–2月 ラ・クーロワ(アントレーグ=シュル=ラ=ソルグ、フランス)
アーティスティック・ディレクション アルバン・モロー
録音・ミクシング アルバン・モロー

 
Harmonia Mundi の「若い才能」を紹介する「Harmonia Nova」プロジェクトの一枚。エストニアの「カンネル」奏者、アンナ=リーサ・エッレルのはじめてのソロ・アルバムです。彼女が弾く、エストニアの楽器「カンネル」は、フィンランドのカンテレと同じく、バルト海沿岸地方の「バルト・プサルタリー」と呼ばれる撥弦楽器のひとつです。伝統的に演奏されながら、20世紀初頭ごろには一部の地方をのぞき、顧みられることも少なくなり、近年、フィンランドのカンテレの再興の影響もあり、ふたたび演奏されるようになったと言われます。アンナ=リーサ・エッレル Anna-Liisa Eller(1988–)は、エストニア音楽アカデミーの修士課程を最優秀で修了。リヨン国立高等音楽舞踊学校とトロッシンゲン州立音楽大学で学び、現在、アカデミーで博士課程の研究に携わっています。彼女は、アーリー・ミュージックとコンテンポラリー・ミュージックの創作に焦点を当てた活動を行い、「Supersonus」「Ensemble Kapsberger」といった古楽アンサンブルとも共同作業をつづけています。「カンネルの声(The Voice of Kannel)」の副題をもつアルバム『Strings Attached(弦楽器に首ったけ)』のプログラムにもそのことを反映させ、バードのヴァージナル曲から、ヴァイスのリュート曲、ラモーのクラヴサン曲まで、エストニアの作曲家ヘレナ・トゥルヴェ Helena Tulve の曲をのぞき、すべて彼女自身の編曲で演奏しています。
 
[追記] バードの《ロウランド》の最初の一音で部屋の空気が変わる、“haunting” と形容したくなる雰囲気をもったアルバムです。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
 

『A Poet’s Love(詩人の恋)』
Harmonia Mundi HMN 916118 classical   

 
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)(ヴァディム・ボリソフスキー(1900–1972)編曲)
 バレエ《ロミオとジュリエット》 Op.64(ヴィオラとピアノのための)
  前奏曲 街の目覚め 少女ジュリエット 騎士たちの踊り
  マキューシオ バルコニー・シーン ジュリエットの死
ロベルト・シューマン(1810–1856)(ティモシー・リダウト(1995–)編曲)
 歌曲集《詩人の恋(Dichterliebe)》 Op.48
  ティモシー・リダウト(ヴィオラ)
  フランク・デュプレ(ピアノ)
 
[楽器 Viola: Peregrino di Zanetto, c.1565–75]
 
録音 2020年7月 ラ・クーロワ(アントレーグ=シュル=ラ=ソルグ、フランス)
アーティスティック・ディレクション アルバン・モロー
録音・ミクシング アルバン・モロー

 
Harmonia Mundi の「若い才能」を紹介する「Harmonia Nova」の一枚。ティモシー・リダウト Timothy Ridout は、1995年、ロンドン生まれ。王立音楽アカデミーを最優秀(“Queen’s Commendation for Excellence”)で卒業、2016年のライオネル・ターティス・コンペティションで第1位、Young Classical Artists Trust(YCAT)に選ばれました。クロンベルク・アカデミーで今井信子の指導を受け、2019年、修士号を取得しました。2019年から2022年の BBC New Generation Artists のひとり。ウィグモア・ホールの出演、ロッケンハウスやベルゲン国際をはじめとする音楽祭に参加。2021年6月には東京の王子ホールのトランジット・シリーズに出演、2021年8月の「BBC Proms」では、ウォルトンの《ヴィオラ協奏曲》が、サカリ・オラモ指揮 BBC 交響楽団の共演で予定されています。ローザンヌ室内管弦楽団と共演したヴォーン・ウィリアムズ、マルチヌー、ヒンデミット、ブリテンの作品(Claves 50-3000)とヴュータンのヴィオラのための作品全集(Champs Hill CHRCD 130)が、彼のソリストとしての録音です。
 
アルバム『詩人の恋』では、彼がユース・オーケストラで演奏していたころ弾いた曲の中から、特に心に残ったという2つの作品を演奏しています。プロコフィエフの《ロミオとジュリエット》は、ヴァディム・ボリソフスキーの編曲。シューマンの《詩人の恋》は、リダウト自身の編曲による演奏です。単に歌のパートをヴィオラに置き換えた編曲ではなく、ヴィオラとピアノで「シューマンの世界」を表現するさまざまな試みが行われています。
 
共演のフランク・デュプレ Frank Dupree(1991–)は、ドイツのピアニスト。ジャズのパーカッション奏者としての教育を受け、ピアノ音楽の広く深い世界での活動に入ったと言います。とりわけ20世紀と「今」の音楽に関心を寄せ、ペーテル・エトヴェシュやヴォルフガング・リームとのコラボレーションが、高く評価されています。彼は指揮者としても活動、ラトルやロトのアシスタントを務めました。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)
 

『サミュエル・バーバーの歌』  Selection
Hyperion CDA 67528 classical   [未案内旧譜]

 
サミュエル・バーバー(1910–1981)
 そんなひばりはいない(There’s nae lark)(1927)
 物乞いの歌(The Beggar’s Song)(1936)
 暗い松林のなかで(In the dark pinewood)(1937)
 ベッシー・ボブテイル(Bessie Bobtail) Op.2 no.3(1934)
 隠者の歌(Hermit Songs) Op.29(1952–53)
  聖パトリックの煉獄で(At St. Patrick’s Purgatory)
  夜の教会の鐘(Church Bell at Night)
  聖イタの幻想(St. Ita’s Vision) 天国の饗宴(Heavenly Banquet) 
  キリストの磔刑(The Crucifixion) 海の略奪(Sea Snatch)
  行きずりの交わり(Promiscuity)
  修道僧と猫(The Monk and His Cat) 神の賛美(The Praises of God)
  世捨ての切望(The Desire for Hermitage)
 3つの歌(Three Songs) Op.10(1936)
  雨が降った(Rain has fallen) さあ眠れ(Sleep now)
  軍勢の響きが聞こえる(I hear an army)
 過ぎゆきしものの歌(Mélodies passagères) Op.27(1951)
  すべて過ぎゆくがゆえに(Puisque tout passe) 白鳥(Le cygne)
  公園の墓(Tombeau dans un parc) 鐘が鳴る(La cloche chante)
  出発(Départj)
 ひなぎく(The Daisies) Op.2 no.1(1927)
 悲しみをかかえ、わが心は(With rue my heart is laden) Op.2 no.2(1928)
 夜想曲(Nocturne) Op.13 no.4(1940)
 この輝く夜にきっと(Sure on this shining night) Op.13 no.3(1938)
 ドーヴァー海岸(Dover Beach) Op.3(1931)*
  ジェラルド・フィンリー(バリトン)
  ジュリアス・ドレイク(ピアノ)
  アロノウィツ・アンサンブル *  
 
録音 2005年12月、2007年2月 オールセインツ教会(イースト・フィンチリー、ロンドン、イングランド)
制作 マーク・ブラウン
録音 ジュリアン・ミラード

 
サミュエル・バーバーの歌曲は、彼の芸術が作り出したもっとも優れた業績のひとつとみなされています。文学に造詣が深く、イギリス・ジョージ王朝時代の詩人、アイルランドの吟遊詩人、ジェイムズ・ジョイス、彼と同時代のアメリカの詩人と、彼の選ぶ詩の質の高さには誤りがなく、奥深い抒情から生まれる気品あるメロディと相まって、「サミュエル・バーバーの歌」の世界を創りあげました。イギリスのバリトン歌手、ジェラルド・フィンリー Gerald Finley も文学をこよなく愛するといわれ、このアルバムでも、〈暗い松林のなかで雨が降った〉〈雨が降った〉〈さあ眠れ〉〈軍勢の響きが聞こえる〉といったジョイスの詩、ライナー・マリア・リルケの《過ぎゆきしものの歌》のフランス語の詩、A. E. ハウスマンの『シュロプシャーの若者』の〈悲しみをかかえ、わが心は〉、ジェイムズ・エイジーの〈この輝く夜にきっと〉と、さまざまなスタイルの詩に書かれた曲を「歌う」だけでなく、言葉の響きとリズムを尊重した「朗読」の趣きで聴かせます。バリトン(中声)と弦楽四重奏のために作曲され、バーバー自身による初録音も残されたマシュー・アーノルドの詩による《ドーヴァー海岸》は、アーノルドの悲観的な詩に寄せる作曲者の共感が深い印象を残す作品です。フィンリーとアロノウィツ・アンサンブルの演奏は、この曲の最良の録音のひとつです。
 
《4つの歌》(Op.13)の第3曲〈この輝く夜にきっと〉は、バーバーの歌曲のなかでももっとも広く歌われ、スウェーデンのジャズ・ヴォーカリストのリーナ・ニューベリは、「夜」を歌ったアルバム『The Night and the Music』(Prophone PCD 249)のプログラムにこの歌を組みこんでいます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『救援(Soccorsi)』
LAWO Classics LWC 1213 classical   

 
モッテン・アイデ・ペーデシェン(1958–2014)
 T. S. Eliot Impressions(T. S. エリオットの印象)
  Time and Bell have buried the Day [- at the still Point o f the turning World]
  Other echoes inhabit the garden.  Shall we follow?
  The light that fractures through unquiet water
  I know the voices dying with a dying fall/
   Beneath the music from a farther room
  In this brief transit where the dreams cross/Ash Wednesday
 Storyboard(ストーリーボード)*
 Soccorsi(救援)
 Slowness Studies - Framework I(遅さの研究 - フレームワーク I)
 When silence becomes singing(静寂が歌うようになると)
 Impossible Images(ありえないイメージ)
  シグネ・バッケ(ピアノ) ジェイムズ・クラッパトン(ピアノ)
  シェティル・モステル(サクソフォーン)
  BIT20 アンサンブル *
   ユッタ・モルゲンシュテルン(ヴァイオリン)
   マーティン・シュルツ(ヴァイオリン)
   リーネ・クラヴァ(ヴィオラ) アグネセ・ルゲヴィカ(チェロ)
  ルネ・ヴィーク(サクソフォーン) クレイグ・ファー(打楽器)
 
録音 2019年8月13日–16日 ベルゲン大学講堂(ベルゲン、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音] 

 
モッテン・アイデ・ペーデシェン Morten Eide Pedersen(1958–2014)は、オスロ大学で哲学と社会学を副科で学び、音楽学の修士号を取得した後、ノルウェー国立音楽大学で作曲を学びました。1989年からベルゲン大学「グリーグ・アカデミー」で作曲を教え、著作家、音楽学者としても活動しました。2014年に急死したペーデシェンの音楽は、一般の録音で紹介されておらず、個人的にも大学の同僚としても親しかったシグネ・バッケ Signe Bakke がピアノを弾く作品を中心とするこのアルバムが、彼の最初の作品集です。アルバム・タイトルにとられた《Soccorsi》(イタリア語の「救援、援助」)は、『Tagebücher』と名付けられた小品とスケッチの未完成のシリーズのひとつ。《Storyboard》を演奏したベルゲンの「BIT20 アンサンブル」の弦楽奏者をはじめ、ペーデシェンの音楽と強いつながりのあったプレーヤーによりセッションが行われました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『おお、ここではたくさんのものが(Å her møter mangt)』
LAWO Classics LWC 1214 classical   

 
ヨハン・クヴァンダール(1919–1999) 歌曲集
 追想(Attersyn) Op.9 no.9(1965)
 2つのガルボルグの歌(To Garborg-sanger)(1939)
 (『ハウグトゥッサ』から)
  糸を紡ぐヴェスレモイ(Veslemøy ved rokken)
  たそがれ(Kvelding)
 歌とピアノのための14の歌曲(14 Sanger for sang og piano)
  挨拶の声(Helsarmål) Op.9 no.1 心が遊ぶ(Hugen leikar) Op.9. no,2
  暗きは、わが魂(Mørk er min Sjæl) Op.9 no.3
  わがニオイアラセイトウの花に(Til min Gyldenlak) Op.9 no.4
  極夜に向かって(Mot mørketid) Op.9 no.5 不平(Klage) Op.9 no.6
 2つのフローディングの歌(To Fröding-sanger) Op.9
  わが星の歌 その1(Min stjärnas sånger nr.1)
  わが星の歌 その2(Min stjärnas sånger nr.2)
 ノルウェーのステーヴ調の歌(Norske stevtoner) Op.40
  わが歌(Mine visur) ぼくは子供だった時(Då eg va liti)
  グラドハイムの山に行き(Eg var meg ut på Gladheimsbergi)
  羊飼いの歌と呼び声(Hjuringvise og lokk)
  おお、わが心よ(Å hugen min)
  おお、ここではたくさんのものが(Å her møter mangt)
  リティ=モル(Liti-mor)
  わたしが小さかったころは走り回り(Då eg va liti eg sprang utivi)
  シューグルと妻(Sjugurd og kjerringi)
  おお、太陽と比べ合わせると(Å med soli kan eg)
  若者と娘(Guten og jenta)
 7つの歌(Syv sanger) Op.4
  フーグライク(Hugleik) ハドゥライカル(Hadultaikar)
  兵士と死神(Strindsmannen og Dauden)
  春の願望(つぐみが気むずかし屋に歌う)
  (Vårvon(Trosten synger til en grinebiter))
  『スキールニルの旅』から(Or Skirnesmål)
  『フンディング殺しのヘルギ』から(Or Helge Hundingsbane)
  子供の歌(Barnerim)
 7つの小さな子供の歌(7 Små barnesanger)(1946–47)
  灰色猫(Gråpus) 咳(Hosten) 隣のうちの犬(Naboens hund)
  ばった(Gresshoppen) 誕生日祝い(Fødselsdagsfest)
  子守歌(Vuggevise) 泥棒とがちょう(Tyven og Gjessene)
 2つの愛の歌(To kjærlighetssanger) Op.58
  ばら(En rose) 山の中で(I berget)
  イーサ・カタリーナ・ゲーリケ(ソプラノ)
  ヨアキム・クノフ(ピアノ)
 
録音 2018年5月28日–29日、2020年11月13日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ヨハン・クヴァンダール Johan Kvandal は、1919年、クリスチャニア、現在のオスロに生まれました。父ダーヴィド・モンラード・ヨハンセンは作曲家、母リッサ(アムンダ・ホルムセン)は芸術家という家庭で音楽、美術、詩、文学と、さまざまな芸術に触れながら子供時代を過ごしています。オスロの音楽大学で指揮とオルガン、ウィーン音楽大学のヨーゼフ・マルクス、パリのナディア・ブーランジェに作曲を学びました。管弦楽作品からテレビ・ドラマの音楽まで、幅広く作曲を行い、第二次世界大戦後のノルウェー音楽界でもっともめざましい活躍をした作曲家のひとりに挙げられています。
 
LAWO Classics のリリースする歌曲アルバムでは、クヴァンダールの文学への造詣をうかがわせる多様なスタイルの作品が歌われます。『歌とピアノのための14の歌曲』として出版された、オラヴ・アウクルストの詩による《追想》、ガルボルグの詩集『ハウグトゥッサ』から、グリーグが作曲していない《糸を紡ぐヴェスレモイ》と《たそがれ》、そして、イーヴァル・モッテンソン=エーグヌン、ヘンリク・ヴェルゲラン、ハーラル・ハムレ、マクシム・ゴーリキーの詩による6曲、アルヌルヴ・オーヴェルランの詩に作曲された《2つの愛の歌》。スウェーデンの詩人フローディングの2曲の〈わが星の歌〉。《ノルウェーのステーヴ調の歌》は、、テレマルク、セテスダール、シェルベルグ、ヴァルドレス、ソグンなど、ノルウェーの地方で受け継がれてきた、通常4行の短い即興詩「ステーヴ」をテクストにした作品です。《7つの歌》は、母リッサの詩、『エッダ』の2つの歌、民謡をテクストに採り、《7つの小さな子供の歌》は母の詩に作曲されました。アルバム『み使い』(LWC1120)をリリースしたノルウェーのソプラノ、イーサ・カタリーナ・ゲーリケIsa Katharina Gericke(1973–)と、クヴァンダールのソロ・ピアノの作品(Grand Piano GP739)を録音したヨアキム・クノフ Joachim Knoph(1979–)の共演による貴重なレパートリーのアルバムです。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『わたしたちの夏のなんと短い(Så kort ein sommar menneska har)』
LAWO Classics LWC 1220 contemporary/classical   

 
ギスレ・クヴェルンドク(1967–) 歌曲集
 Så kort ein sommar menneska har(わたしたちの夏のなんと短い)
 Likevel er du her(それでもあなたなここにいる)
 Spør ikke om kjærlighet(愛が耐えるかどうか問わないで)
 ルート・マイヤー追悼(Ruth Maier in memoriam)
  Impresjonistisk bilde(印象主義者の姿) Vårnatt(春の夜)
  Til en venninne(女友だちへ)
  Dagene blir lysere(毎日がもっと明るくなる)
  Tingene kommer meg nærmere nå(あらゆるものが詰めよってくる)
  Ordene(言葉) Ingenting er(なにも存在しない)
 Bare dragen er fri(ドラゴンだけが自由だ)
 (ミュージカル『八十日間世界一周』から)
 Vise(あこがれ) Song(歌)
 シェイクスピアのソネット(Shakespeare-sonetter)
  ソネット18番「きみを夏の一日にくらべたらどうだろう
  (Shall I compare thee…)」
  ソネット3番「鏡を見て、眼にうつる顔にお言いなさい
  (Look in thy glass…)」
  ソネット9番「きみが独身のままでむなしく一生をすごすのは
  (Is it for fear…)」
  ソネット128番「わが楽の音よ、おまえがあの幸せな
  (How oft, when thou…)」
  ソネット129番「恥ずべき放埒のあげくに(The expense of spirit…)」
  ソネット23番「未熟な役者が舞台にでてくると
  (As an unperfected actor…)」
  ソネット33番「私はこれまでに何度も見てきた(Full many a glorious…)」
  ソネット144番「慰安をもたらすのと、絶望に追いこむのと
  (Two loves I have…)」
 アヴェ・ヴェルム(Ave Verum)
  マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)
  ニルス・アンデシュ・モッテンセン(ピアノ)
 
録音 2019年6月11日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン

 
メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン(キーラント) Marianne Beate Kielland とピアニスト、モッテンセン Nils Anders Mortensen の共演によるノルウェー歌曲のシリーズ。新しいアルバムでは、主にオペラとミュージカルのための音楽で知られるギスレ・クヴェルンドク Gisle Kverndokk(1967–)の作品が取り上げられています。ノルウェーの詩人リヴ・ホルツスコーグの『わたしたちの夏のなんと短い』やヘルマン・ヴィルデンヴェイの詩による作品。第二次世界大戦中、オーストリアからノルウェーへ逃れ、アウシュヴィッツに送られたユダヤ人女性の日記に作曲された《ルート・マイヤー追悼》。クヴェルンドクがミュージカル『八十日間世界一周』のために作曲した音楽から《Bare dragen er fri(ドラゴンだけが自由だ)》。そして、多くの北欧の作曲家たちもインスピレーションを得た、ウィリアム・シェイクスピアが、愛、エロティシズム、嫉妬をテーマに謳った「ソネット」をテクストにした曲集。夏、光、愛、詩とメロディへのトリビュート・アルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『武装した男(L’homme armé)』
LAWO Classics LWC 1223 contemporary/classical   

 
シェティル・ヴォスレフ(1939–)
 カントゥス・ルトラ・ルトラ:溺れたラッコ追悼
 (Cantus Lutra Lutra: Til minne om en druknet oter)(2018)
 モッキングバード II(The Mockingbird II)(2015 rev.2019)
 (ミリタリーバンドのための)
 武装した男(L’homme armé)(2012/15)
  ノルウェー海軍音楽隊 インガル・ベルグビュー(指揮)
  ルネ・ヴィーク(サクソフォーン) クレイグ・ファー(打楽器)
 
録音 2019年10月21日–25日 Lungegaardens kurturarena(ルンゲゴーデン文化アリーナ)(ベルゲン、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音・マスタリング トマス・ヴォルデン  [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ノルウェー海軍音楽隊 Sjøforsvarets musikkorps(SFMK)(ノルウェー軍西部音楽隊)は、ノルウェー軍の擁する「プロフェッショナル」バンドのひとつです。港湾都市ベルゲンに本拠を置き、軍の音楽隊としてベルゲンの音楽生活に深く根ざした活動を行っています。ベルゲン在住の作曲家シェティル・ヴォスレフ Ketil Hvoslef とは長年にわたりコラボレーションをつづけ、新しく録音された『武装した男』は、その共同作業へのオマージュとして制作されたアルバムです。《カントゥス・ルトラ・ルトラ》は、アルトサックスと打楽器の奏者とジャニサリー・オーケストラのための「二重協奏曲」として作曲されました。ヴォスレフが設置したタラ捕りカゴにかかってしまったラッコ(Enhydra lutris)を追悼、「ビデオで観た、楽しそうに歌っているラッコの群れ」をアルトサックス、「罠にひっかかったラッコ」を打楽器が表しています。《モッキングバード II》は、ヴォスレフが、テキサスの小さなプールで泳いでいた時に聞いた「とても愛らしく独創的な鳥の歌声」からインスピレーションを得て作曲した、木管楽器群のための《モッキングバード》の改作。《武装した男》は、ルネサンス期の歌「武装した男(L’homme armé)」を素材にとり、対位法的に処理して作ったという作品です。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『転換の時代(Times of Transition)』
Naxos 8.574365  classical   

 
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714–1788)
 チェロ協奏曲 イ長調 Wq.172 H.439(1753)
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
 チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob.VIIb:1(1761-65)
 チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb:2(1783)
  アンドレーアス・ブランテリード(チェロ)
  コンチェルト・コペンハーゲン ラース・ウルリク・モーテンセン(指揮)
 
録音 2020年10月4日–6日 ガーニソン教会(コペンハーゲン)
 

 
価格 1,540円(税込価格)(本体価格 1,400円)

『夕まぐれのセレナード』
Naxos 8.579095  classical   

 
ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー(1914–1994)
 優雅なワルツ(Valse gracieuse)
ウーノ・クラミ(1900–1961)
 スケッチ(Esquisse)
ニルス=エーリク・フォウグステット(1910–1961)(ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー 編曲)
 愛撫(Caresse)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
エレメル・センティルマイ(1836–1908)(ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー 編曲)
 ジプシー(Mustalainen)(ヴァイオリンと管弦楽のための)
ユリヨ・グナロプロス(1904–1968)
 カンツォネッタ(Canzonetta)
ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー(1914–1994)
 ユモレスク(Humoresque)
ヘイノ・カスキ(1885–1957)
 情熱の幻想曲(Fantasia appassionata) Op.9
 (ヴァイオリンと管弦楽のための)
ハッリ・ベリストレム(1910–1989)
 ニスカヴオリのご婦人たち(愛のセレナード)
 (Niskavuoren naiset: Rakkausserenaadi)
 ロマンス 変ホ長調
ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー(1914–1994)
 夕まぐれのセレナード(Iltahämärän sävel)*
 穏やかな夜(Hiljainen yö)
エイノ・パルタネン(1915–2004)(ゲオルゲ・デ・ゴジンスキー 編曲)
 さようなら星の瞳(Näkemiin tähtisilmä)*
ヘイノ・カスキ(1885–1957)
 情熱の幻想曲(Fantasia appassionata) Op.9
 (ヴァイオリンとピアノのための)**
  リンダ・ヘードルンド (ヴァイオリン)
  ラ・テンペスタ管弦楽団 ユリ・ニッシラ(指揮)
  ヤンネ・タテノ(コンサートマスター、ヴァイオリン・ソロ *)
  エリサ・ヤルヴィ(ピアノ)**
  
録音 2019年8月4日–7日 ロイフヴオリ教会(ヘルトイエミ、ヘルシンキ)、2020年8月3日 Sound Team Godzinsky Ltd Studio(ヒントハーラ、ポルヴォ、フィンランド)**

 
フィンランド音楽のレパートリーには、ヴァイオリンとオーケストラのために作られた、演奏されなかったり出版されなかったりする「隠れた宝石」がたくさんあるとされています。『夕まぐれのセレナード』と題したアルバムは、1930年代から1960年代にかけて人気のあった、今では忘れられてしまった「ライト・クラシカル・ミュージック」スタイルの曲のコレクションです。フィンランドで作曲家、指揮者や編曲者として活躍したロシア生まれのゲオルゲ・デ・ゴジンスキー George de Godzinsky(1914–1994)の作品は、自作のほか、フォウグステットやハンガリーのセンティルマイの曲の編曲も収録されています。1997年のオウルンサロ音楽祭を機に設立されたラ・テンペスタ管弦楽団の演奏です。
 
価格 1,540円(税込価格)(本体価格 1,400円)

『今起きていること(Occurrence)』
Sono Luminous DSL 92243 CD+Pure Audio Blu-ray contemporary/classical   

 
ダニーエル・ビャルナソン(1980–)
 ヴァイオリン協奏曲 *
ヴェロニク・ヴァカ(1986–)
 Lendh(土地)
ヘイクル・トウマソン(1960–)
 In Seventh Heaven(第七天国にて)
スーリーズル・ヨウンスドウッティル(1967–)
 Flutter(フラッター)**
マグヌース・ブロンダル・ヨウハンソン(1925–2005)
 Adagio(アダージョ)(1980)
  アイスランド交響楽団 ダニーエル・ビャルナソン(指揮)
  ペッカ・クーシスト(ヴァイオリン)*
  マリオ・カローリ(フルート)**
 
録音 2019年12月17日–20日 Norðurljós Recital Hall(「北極光」リサイタルホール)(ダニーエル)、2020年3月4日–8日 Eldborg Concert Hall(エルドボルグ・コンサートホール)(ヴェロニク、スーリーズル)、2018年2月19日–22日  Eldborg Concert Hall(ヘイクル、マグヌース) ハルパ・コンサートホール(レイキャヴィーク、アイスランド)
 
[Disc 1: CD/Disc 2: Pure Audio Blu-ray: 5.1 DTS HD-MA (24bit/192kHz), 9.1 Auro-3D (24bit/96kHz), 2.0 LPCM (24bit/192kHz), 9.1 Dolby Atoms (24bit/48kHz) Region: ABC worldwide]

 
70年の歴史をもつ国立のオーケストラ、アイスランド交響楽団(ISO)が、近代アイスランドの作曲家の作品を演奏する「ISO プロジェクト」の第3作。このアルバムの指揮も務めているダニーエル・ビャルナソン Daníel Bjarnason(1980–)の《ヴァイオリン協奏曲》は、フィンランドのペッカ・クーシスト Pekka Kuusisto のために書かれた作品です。2017年にハリウッド・ボウルでの初演以来、作品の美点と魅力への評価が定着したと言われます。カナダ生まれの作曲家でチェリストのヴェロニク・ヴァカ Veronique Vaka(1986–)は、レイキャヴィークで修士課程を修了、アイスランド南部に住み、活動しています。《Lendh(土地)》は、首都から35キロ離れた「見事なほどぼこぼこした地熱地帯」クリースヴィークの印象を音楽にしたというオーケストラ曲です。
 
ヘイクル・トウマソン Haukur Tómasson(1960–)の《In Seventh Heaven(第七天国にて)》は、レイキャヴィークに新しく建設されたハルパ・コンサートホールのオープニングのために作曲されました。「ハルパの結晶構造の外壁に現れる光の予期せぬ動き」を音楽に作ったとされる作品です。フルート奏者でもあるスーリーズル・ヨウンスドウッティル Þuríður Jónsdóttir(1967–)の《Flutter(フラッター》は、「鳥の歌を音楽に織りこんだ」オリヴィエ・メシアンの生誕100年の委嘱作として書かれました。フルート・ソロとオーケストラに、バッタとコオロギの鳴き声の「チャーミング」なサンプリングが加わる作品です。マグヌース・ブロンダル・ヨウハンソン Magnús Blöndal Jóhansson(1925–2005)の《アダージョ》は、アイスランドで初めて十二音技法を取り入れ、アイスランドのエレクトロニック音楽の先駆者とされる彼が、10年ほどの「沈黙」の後に発表した「哀愁のリリシズム」の音楽。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『First Ladies - 3つのロマンティックなヴァイオリン・ソナタ』
Toccata Next TOCN 0013 classical   

 
エルフリーダ・アンドレー(1841–1929)
 ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調(1872)
メル・ボニ(メラニー・ボニス)(1858–1937)
 ヴァイオリン・ソナタ嬰ヘ短調 Op.112(1922)
エセル・スマイス(1858–1944)
 ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.7(1887)
  アネッテ=バルバラ・フォーゲル(ヴァイオリン)
  デュルヴァル・チェセッティ(ピアノ)
 
録音 2013年10月19日–21日 Facilities of the Film & Media/Music & Sound Programs at the Banff Centre(バンフ、アルバータ、カナダ)

 
19世紀に生まれ20世紀を生きた女性作曲家3人のヴァイオリン・ソナタ。エルフリーダ・アンドレー Elfrida Andrée(1841-1929)は、スウェーデン、ゴトランドのヴィスビューに生まれ、ストックホルムでルードヴィーグ・ノルマンに作曲、ニルス・W・ゲーゼの下で短期間、器楽法を学びました。オルガニスト、指揮者、作曲家として活躍。1867年、7人の男性オルガニストを相手にオーディションを勝ち抜け、ヨーテボリ大聖堂のオルガニストに就任。1929年に没するまでヨーテボリにとどまり、急進的リベラリズムで知られるヨーテボリの女性運動に参加しました。《ピアノ五重奏曲 ホ短調》《ピアノソナタ イ長調》《弦楽四重奏曲 二短調》と歌曲を演奏した『ハンメシュタ城の音楽』(Caprice CAP 21330)をはじめとするアルバムがリリースされ、愛されています。このアルバムの《ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調》は、初めて録音される作品です。メル・ボニ(メラニー・ボニス) Mell Bonis は、近年注目が高まっているというフランスの作曲家。イギリスのエセル・スマイス Ethel Smyth も、アンドレーと同様、女性解放運動に努めながら、ロマンティックな作風の音楽を発表しました。ソリスト、室内楽奏者として活動するドイツ出身のヴァイオリニスト、アネッテ=バルバラ・フォーゲル Annette-Barbara Vogel による録音。
 
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)

『カンテレタル(Kanteletar)』
Alba ABCD 465 jazz   

 
『カンテレタル(Kanteletar)』
 Sortunut ääni(そこなわれた声)(Mika Leppänen)
 Mipä paimenten olla?(おれたち羊飼いは)(Mika Leppänen)
 Veneelle tuultaVeneelle tuulta(風よ吹け、わたしの舟に)
 (Mika Leppänen)
 Miksi en väsyisi(ばてないわけがない)(Mika Leppänen)
 Katso, Kiesus, karjaistani(イエスよ、牛たちを見守ってください)
 (Mika Leppänen)
 Eriskummainen kantele(知りたがりのカンテレ)(Mika Leppänen)
 Tehkäme iloinen ilta(楽しく夜を過ごそう)
 (Ippe Kätkä/Mika Leppänen/Juuso Nordlund/Arto Piispanen/Jari Yliaho)*
  イマンドラ
   イッペ・カトカ(パーカッション)*
   ヴィッレ・レヘトヴァーラ(サーリ・ドラム、パーカッション)
   ミカ・レッパネン(ヴォーカル)
   ユーソ・ノルドルンド(ベース)
   アルト・ピースパネン(ピアノ、ハモンド・オルガン M-3、
    ミニモーグ Model D シンセサイザー、ローズ・スーツケース・ピアノ、
    Jen SM 2007 ストリングマシン)
   ヤリ・ユリアホ(ギター)
  ゲスト
   ペッコ・カッピ(ヨウヒッコ)
   マサ・オルパナ(クラリネット、テナーサックス、バリトンサックス)
 
録音 2020年 Studio JJ(タンペレ、フィンランド)
制作・アナログ録音・ミクシング ユーソ・ノルドルンド(Studio JJ)
編集 ユーソ・ノルドルンド、ミッコ・サーリネン

 
フィンランドのヴォーカリスト、ミカ・レッパネン Mika Leppänen が、「イマンドラ Imandra」を結成してから20年ほど経ちました。フィンランド音楽シーンの最前線で活動する音楽家たちが集結。フォーク・ミュージック、プログレッシヴロック、ジャズと、さまざまな要素を取りいれながら、多様なジャンルの音楽家たちと交流して経験を積みました。そうした彼らの音楽は、今なお新鮮さにあふれ、広く支持されています。
 
イマンドラの最新アルバム。叙事詩集『カレヴァラ』を編纂したエリアス・リョンロート(ロンロート) Elias Rönnrot(1802-1884)が、人々の間でンラ歌い継がれてきた詩を集めた『カンテレタル(Kanteletar)』からインスピレーションを得て作られた作品です。『カンテレタル』第1巻の「一般の歌」と「羊飼の歌」(『おれたち羊飼いは』『イエスよ、牛たちを見守ってください』)から、シベリウスとアーレ・メリカントがそれぞれ男声合唱曲を作った『そこなわれた声』と『楽しく夜を過ごそう』を含む7つの詩を採り、レッパネンのヴォーカルのテクストと主題に使っています。フィンランドの民俗楽器「ヨウヒッコ」を弾くペッコ・カッピ Pekko Käppi と、フィンランド・ジャズを代表するサックス奏者のマサ・オルパナ Masa Orpana がセッションに参加。2020年にタンペレのスタジオで録音されました。フィンランドの人たちの思い、生活、祈りの心を、太古から「今」まで、時空を超えてしのばせるアルバムです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Open Secret』
Losen Records LOS 244-2 jazz   

 
『Open Secret』
 Hymn for My Brother(Olga Konkova) Loved Before(Olga Konkova)
 All Sorts of Weird and Wonderful(Olga Konkova)
 Rest in Motion(Olga Konkova) Darwin’s Point(Olga Konkova)
 No Rules(Olga Konkova) The Man with the Van(Olga Konkova)
 Les Hommes des Sables(Olga Konkova)
 Open Secret(Olga Konkova) Grande Capitano(Olga Konkova)
 Discovering the Truth(Olga Konkova) Triste Realidad(Olga Konkova)
  オルガ・コンコヴァ・トリオ
   オルガ・コンコヴァ(ピアノ、フェンダーローズ)
   ペール・マティセン(ベース)
   ガリー・ハズバンド(ドラムズ)
 
録音 2020年3月13日 Musikkloftet(アスケル、ノルウェー)
制作 オルガ・コンコヴァ、ペール・マティセン、ガリー・ハズバンド
録音・ミクシング・マスタリング ヴィーダル・ルンデン 

 
ノルウェーのジャズシーンを中心に活躍するピアニスト、オルガ・コンコヴァ Olga Konkova が、夫君のペール・マティセン Per Mathisen とイギリスのパーカッション奏者ガリー(ゲーリー)・ハズバンド Gary Husband と組んだトリオの第2作。前作の『The Goldilocks Zone(ゴルディロックスゾーン)』(LOS 134-2)は、「人の心の内にある、美しい思考の生まれ育つ場所」の暗喩をタイトルに採って作られ、「ジャズの地平線」を広げた音楽が共感を呼びました。
 
新しい『Open Secret』も、その延長線上に作られたアルバムです。三人の音楽家は、それぞれのパートを演奏しながら音の減衰に神経を集中、次の瞬間の「沈黙の音」に耳を傾ける。そうした音楽づくりは、「音楽家たちの間の音楽による会話という次元にとどまらない、思考と夢と半ば忘れられた記憶の交換」として耳に届き、聴く者は、そうした彼らの音楽の中に誘いこまれていきます。「内省」から推進力のある激しさまで、「トリオ」の音の限界に挑戦する広い領域のなかで「形と色と模様が、いままでに聞いたことのない何かに向かってゆっくりと、とめどなく進化していく」。《Hymn for My Brother》(わが兄弟への賛歌)、《Loved Before》(好きだった)、《All Sorts of Weird and Wonderful》(ありとあらゆる気味悪く素晴らしいもの)、《Triste Realidad》(悲しい現実)(不愉快な真実)。それぞれに「背景」をもった12曲はすべて、コンコヴァの作曲した作品です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『See the Unseen』
Losen Records LOS 259-2 jazz 

 
『See the Unseen』
 Mola Mola(Christian Jormin) See the Unseen(Christian Jormin)
 Io(Christian Jormin) Sibilance(Christian Jormin)
 Lätta, sväva, inåt(Christian Jormin) Swan of Snow(Christian Jormin)
 Pantanal(Christian Jormin) Oceanos(Christian Jormin)
 Omsorg(Christian Jormin) In a Distance(Christian Jormin)
  クリスチャン・ヨルミン・トリオ
   クリスチャン・ヨルミン(ピアノ)
   マグヌス・ベリストレム(ベース)
   アダム・ロス(ドラム)
 
録音 2020年7月22日–23日 アッティステン「ショーストレムホール」(Sjöströmsalen, Artisten)(ヨーテボリ、スウェーデン)
制作・録音・ミクシング クリスチャン・ヨルミン
マスタリング クリストフェル・ヨーランソン

 
アンデシュ・ヨルミンの弟クリスチャン・ヨルミンの新作アルバムがリリースされます。ピアノと打楽器プレーヤーのクリスチャン Christian Jormin は、「フリー・インプロヴィゼーション」のソリスト、トリオのリーダー、フォーク・フュージョン・グループ『Den Fule』のメンバー、ダンス、劇場芸術、詩の朗読とのコラボレーションと、多岐にわたり活動。兄とともに参加したマッツ・グスタフソンのオーネット・コールマンへのトリビュート・アルバム『Opus Apus』(1996)、兄とのデュオ・アルバム『Proveance』(Footprint FR 063)、エーファ・クルーゼの『New Legend』(Prophone PCD 222)などの録音でも知られます。
 
クリスチャン・ヨルミン・トリオは、ベーシストのマグヌス・ベリストレム Magnus Bergström と長年にわたって共演した後、ドラマーのアダム・ロス Adam Ross との出会いがあって、結成されました。『See the Unseen』は、全員が「トリオ」としての音楽に手応えを感じ、強い衝動に駆られて録音したというアルバムです。録音セッションは、COVID-19 によるロックダウンの最中、2020年7月の22日と23日、ヨーテボリのアッティステンにあるコンサートホール「ショーストレムホール」で行われました。「インスピレーションが湧く」と彼が言う会場です。このアルバムのためクリスチャンは新曲を作り、「3人の音楽」で「ソーシャル・ディスタンス」の橋渡しをしながら、全10曲の録音を完成させました。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 

『Motion』
Losen Records LOS 261-2 jazz 

 
『Motion』
 Open Landscape Two(Frederik Villmow)
 December Waltz(Frederik Villmow)
 Slow Motion(Frederik Villmow) Blame It on My Youth(Oscar Levant)
 Like Someone in Love(Jimmy Van Heusen)
 A Lovely Way to Spend an Evening(Jimmy McHugh)
 Open Landscape One(Frederik Villmow)
  フレーデリク・ヴィルモウ・トリオ
   フレーデリク・ヴィルモウ(ドラム)
   ヴィーグライク・ストロース(ピアノ)
   ビョルン・マリウス・ヘッゲ(ベース)
 
録音 2020年12月19日 オーラ・スタジオ(Øra Studio)(トロンハイム、ノルウェー)
制作・ミクシング フレーデリク・ヴィルモウ
録音 キュッレ・ロースタ
マスタリング フローデ・ベルグ

 
フレーデリク・ヴィルモウ Fredereik Villmow は、ケルン・ビッグバンドのリーダーとして知られるサクソフォーン・プレーヤーのミヒャエル・ヴィルモウを父に、1993年、ドイツのケルンに生まれました。ジャズシーンで名声の高い、トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)ジャズ科で修士号を取得。オスロに住み、ドラマー、作曲家、バンドリーダーとして活動しています。幅広い人脈をもち、デンマークのトマス・フランク、カール・ヴィンター、イングランドのアラン・スキッドモアをはじめとするプレーヤー、スウェーデンのマッツ・ホルムクヴィスト・ビッグバンド、オランダのメトロポール・オーケストラといったアンサンブルと共演してきました。2019年、バンドリーダーとしての最初のアルバム、「ジャズハウス・モンマルトル」のライヴを収録した『Frederick Villmow Quartet feat. Tomas Franck - Live in Copenhagen』をリリース。日本の「Jazz Japan」「Jazz Life」を含む各国のメディアから高く評価されました。
 
『Motion』は、フレーデリクのアルバム第2作。トロンハイムのジャズシーンで共演を重ねてきたふたりのミュージシャン、ヴィーグライク・ストロース Vigleik Straas(1963–)とビョルン・マリウス・ヘッゲ Bjørn Marius Hegge(1987–)と組んだトリオによる初めての録音です。セッションは、2020年12月19日、COVID-19 で制約のある合間にトロンハイムのスタジオで行われました。プログラムは、フレーデリクが書いた8小節のメロディをベースに自由な即興によって作品を作り上げる《Open Landscape Two》と《Open Landscape One》をブックエンドとして使い、彼のオリジナル曲とスタンダード・ナンバーをはさむ構成です。作曲されたメロディを主題にした「ジャズ・ワルツ」の《December Waltz》、ビョルン・マリウスのベースがクローズアップされるバラード・スタイルの《Slow Motion》。この2曲につづき、3人がそれぞれ持参した気に入りのスタンダード・ナンバーが演奏されます。ヴィーグライクが選んだオスカー・レヴァントの《Blame It on My Youth》、フレーデリクの好きなジミー・ヴァン・ヒューゼンの《Like Someone in Love》、ビョルン・マリウスが楽譜を用意したジミー・マックヒューの《A Lovely Way to Spend an Evening》。フレーデリクのトリオは、経験ゆたかなヴィーグライクのピアノを中心に、音の数を節約して音楽を進め、透明な響きの空間を創造していきます。3人の演奏で聴くと、多くのシンガーたちが歌ってきたマクヒューの曲が「夜の素敵な過ごし方」として実感されます。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 

『Two Brothers』
NXN Recordings NXN 2007 jazz 

 
『Two Brothers』
 Transcribed Raindrops(Thomas Torstrup)*
 Uphill(Thomas Torstrup) First Solar Wind(Thomas Torstrup)
 Modes(Thomas Torstrup) Item(Thomas Torstrup)
 Learning to Play a Drum(Thomas Torstrup)
 Two Brothers(Thomas Torstrup)
 Second Solar Wind(Thomas Torstrup)
  トマス・トーシュトルプ(ピアノ)
  シメン・シール・ハルヴォシェン(トランペット、口琴 *)
  スチャン・アンデシェン(ベース)
  イーヴァル・アスハイム(ドラム)
 
録音 2019年8月 New Tone Studio(オスロ)
ミクシング アクセル・イェンセン
マスタリング モルガン・ニコライセン

 
トマス・トーシュトルプ Thomas Torstrup は、ノルウェー、スタヴァンゲル生まれのピアニスト、オルガニスト、作曲家です。トロンハイムのノルウェー工科自然科学大学(NTNU)で学び、修士号を取得。ジャズ・ピアニスト、サイドマン、教会コンサートの即興オルガニストとして活動、スタヴァンゲル大学で准教授として教えています。2019年8月、オスロの New Tone Studio で録音セッションを行った『Two Brothers』は、トーシュトルプの初めてのリーダー・アルバムです。全8曲はすべて、アメリカ・ジャズの伝統から、宗教音楽と「オリヴィエ・メシアンの宇宙」と、広範囲の音楽からインスピレーションを得て彼が作曲。雨だれや風といった自然の音からもヒントをもらいながら、「オリジナル・タッチといろいろなスタイルのパレットを広く使った、メロディックなジャズ」を展開したと言います。
 
価格 2,695円(税込価格)(税抜価格 2,450円) 

『1st Movement』
Prophone PCD 265 jazz   

 
『1st Movement』
 Voyage(Adam Forkelid) Gnossienne(Adam Forkelid)
 Nocturnal(Adam Forkelid) Eyes Open in the Dark(Adam Forkelid)
 Down and Up(Adam Forkelid) Ding Dong(Adam Forkelid)
 The Beat(Adam Forkelid) Lights(Adam Forkelid)
  アダム・フォルケリード(ピアノ)
  ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
  カール・モルネル・リングストレム(ギター)
  ダニエル・フレードリクソン(ドラム)
 
録音 Atlantis Metronome(ストックホルム、スウェーデン)
録音 ニクラス・リンドストレム

 
 
アダム・フォルケリード Adam Forkelid(1979–)は、スウェーデンのミュージシャン。ジャズ・ピアニスト、サイドマン、トリオとカルテットのリーダー、作曲家としてスウェーデンを中心にしたジャズ・シーンで活動しています。ヨアキム・ミルデル、カール=マッティン・アルムクヴィスト、マグヌス・リンドグレーン、ペーテル・アスプルンド、カーリン・ハンマル、ゲオルク・リーデル、リグモア・グスタフソンといったトップ・ミュージシャンたちと共演、2012年からはノルボッテン・ビッグバンドでメンバーとして演奏しています。
 
Prophone Records のリリースする『1st Movement』(「第1楽章」「最初の動き」)は、「時として、突然、すべてが整然と並び、自分の道がはっきりと見えることがある。このバンドで最初に演奏した時、まさにそうしたことが起きた」と彼が語る「カルテット」のアルバムです。ニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist のベース、カール・モルネル・リングストレム Carl Mörner Ringström のギター、ダニエル・フレードリクソン Daniel Fredrisson のドラム。すべて順調に進んだという2回のギグとリハーサルの後、ストックホルムの「アトランティス・メトロノーム」スタジオに行き、録音セッションが行われました。フォルケリードが、エリック・サティのピアノ曲から名前を「拝借」し「彼に献呈したい」と語る《Gnossienne(グノシエンヌ)》。ショパンの「夜想曲」を強く意識して作曲したという《Nocturnal》。「今は亡き、偉大な」チック・コリアに捧げられた《The Beat》。8曲すべて、フォルケリードの作曲です。 
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円) 

『Spirit Tree』
Stunt Records STUCD 21022 jazz 

 
『Spirit Tree』
 We Won’t Go Quietly In the End Dusty Kate Pick Me up
 Idea of Love Horses Tidal Heart Some Kind of Lovers
 Love Is a Force Deep Poetry Burn down the House
 Ode to the Poets Marie Lenny’s Theme
  キラ・スコウ(ヴォーカル)
  シラス・ティングレフ(ドラム、ギター)
  アナス・クリステンセン(ベース)
  オリヴァー・ホイネス(ギター、キーボード)
  マリア・イェーイト(ヴァイオリン)
  ニコライ・トープ(ピアノ) トビアス・ヴィークルンド(トランペット)
  ネッド・ファーム(サクソフォーン) マス・ヒューネ(トロンボーン)
  ボニー・”プリンス”・ビリー(ヴォーカル)
  スティーネ・グラン(ヴォーカル)
  ステーン・ヤーアンセン(ヴォーカル)
  ビル・キャラハン(ヴォーカル) メテ・リンベア(ヴォーカル)
  マーク・ラネガン(ヴォーカル) ジョン・パリッシュ(ヴォーカル)
  ジェニー・ウィルソン(ヴォーカル)
  マリーエ・フィスカー(ヴォーカル)
  リオネル・リミニャーナ(ヴォーカル) レニー・ケイ(ヴォーカル)
  
録音 2020年6月–2021年

 
デンマークのシンガーソングライター、キラ・スコウ Kira Skov が、「世界中をロックダウンに追いこみ、すべての人を孤立させた」COVID-19 のパンデミックをきっけに作った「デュエット」アルバム。「自分の音楽でみんなに働きかけずにはいられないという気持ち」から始めたプロジェクトに各国のヴォーカリストたちが賛同。コペンハーゲンでライヴ録音したベースとなるテープにアメリカ、イギリス、フランス、デンマークの歌手がヴォーカルを追加するという方法で録音が行われました。ボニー・”プリンス”・ビリー Bonnie ‘Prince’ Billy をフィーチャーした《We Won’t Go Quietly》と《Some Kind of Lovers》など「デュエット」の12曲を中心に、《Horses》は、ジェニー・ウィルソン Jenny Wilson とジョン・パリッシュ John Parish とキラの3人、《Love Is a Force》は、スティーネ・グラン Stine Grøn とビル・キャラハン Bill Callahan とのトリオで歌われます。メテ・リンベア Mette Lindberg とキラのデュエットで歌われる《Dusty Kate》は、ダスティ・スプリングフィールドとケート・ブッシュへのオマージュとして作られたという作品です。「180mm×137mm の紙ジャケット」スタイルのアルバム。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円)

『Back 2 Basics』
Stunt Records STUCD 21042 jazz 

 
『Back 2 Basics』
 How Deep Is the Ocean?(Irving Berlin)
 Walkin’(Richard Carpenter)
 Nature Boy(Eden Ahbez) Blood Ccount(Billy Strayhorn)
 It Could Happen to You(Jimmy Van Heusen/Johnny Burke)
 Edelweiss(Richard Rodgers/Oscar Hammerstein)
 Invitation(Bronislaw Kaper/Paul Francis Webster)
 Vem Kan Segla Förutan Vind(trad.)
 You Must Believe in Spring(Michel Legrand/Jacques Demy)
 You and the Night and the Music(Arthur Schwartz/Howard Dietz)
  トマス・クラウセン・トリオ
   トマス・クラウセン(ピアノ)
   トマス・フォネスベク(ベース)
   カーステン・バゲ(ドラム)
 
録音 2020年5月25日 コペンハーゲン

 
デンマークのジャズ・ピアニスト、トマス・クラウセン Thomas Clausen(1949–)は、2006年、ベーシストのトマス・フォネスベク Thomas Fonnesbæk とドラマーのカーステン・バゲ Karsten Bagge とトリオを結成しました。「どんな電気的増幅も介さない、ひたすらアコースティックな『ピアノ・トリオ』を結成するという長年もちつづけてきた夢の実現」と、彼は語り、8月にはアルバム『Back to Basics』(STUCD 07062)のためのセッションをコペンハーゲンの Sun Studio で行いました。「ふたりの若いデンマークの音楽家たち。ベースのフォネスベクは、真のヴィルトゥオーゾというばかりか、岩のように揺るぎない演奏でわれわれを支え、ドラムのヴィルトゥオーゾ、バゲは、気づかれないだけで、実にエレガントな演奏をする」。彼のいう「夢の実現」を表すかのようにアニメーション映画『シンデレラ』の《A Dream Is a WishYour Heart Makes》(「夢はひそかに」)に始まり、「basic」ナンバーとクラウセンの自作を演奏したアルバムは、「最良のアコースティック・ジャズ」の一枚といわれ、Stunt Records のカタログを飾っています。
 
あれから15年、トリオは、最初のアルバムの「続編」ともいうべき『Back 2 Basics』を録音しました。アーヴィン・バーリンの《How Deep Is the Ocean?》から、ビル・エヴァンズ、チェット・ベーカー、スタン・ゲッツ、ジュリー・ロンドン、レニー・ニーハウスたちも録音した《You and the Night and the Music》まで、『サウンド・オブ・ミュージック』の《エーデルワイス》や、フィンランドの自治領、スウェーデン系の人たちが多く住むオーランドの民謡といわれる《Vem Kan Segla Förutan Vind(風もなくて誰が船を出せるのか)》を交えたプログラムのアルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 
 

このアルバムには、Stuntの最新コンピレーション盤(SU91002)が、数量限定(STUM27012)で添付されます。

『Nine』
Stunt Records STUCD 21052 jazz 

 
『Nine』
 Bass Thing What About Some Love Three 4 U Now Time
 Through the Worm Hole Tears of Joy 3-6-9
 I Come from My Mother
  ミケル・ノアスー・バンド
   ミケル・ノアスー(ギター、シンセサイザー、beats、エレクトロニカ)
   ベン・ベシアコウ(ピアノ、オルガン)
   ペーター・ダンストロプ(ベース)
   オーレ・タイル(ドラム)
   エリエル・ラソ(パーカッション)
   ヤコブ・アナセン(パーカッション)
  カロリーネ・フランセスカ(ヴォーカル)
  アル・アガミ(ラップ)
  マティアス・ハイセ(ハーモニカ)
  イェンス・ホーク(サクソフォーン)
 
録音 2020年–2021年 Fifth Dimension Studio

 
ジャズ、ラテン音楽、フュージョン、ロックと多ジャンルの音楽を自由に取り入れた音楽でデンマークの音楽シーンを彩ってきたミケル・ノアスー Mikkel Nordsø は、個人名義の『Five Steps 2 Seven』(STUCD 10172)といったアルバムとともに、「ミケル・ノアスー・バンド」のアルバムを Stunt Records に録音してきました。新作の『Nine』は、COVID-19 のロックダウン下で作られたアルバムです。ゲスト・ミュージシャンは、ロックとポップのジャンルでも活動するベテランのサクソフォーン奏者、イェンス・ホーク Jen Haack をはじめとする4人。「ハーモニカ・ウィザード」とも呼ばれ、ヤーアン・エムボーの『Swan Songs』(STUCD 20052)でハンス・ウルリクたちと共演したマティアス・ハイセ Mathias Heise。アフリカ難民としてデンマークに渡り、ラッパーと俳優として活動するアル・アガミ Al Agami と “Shaque Lilli” の名でも活動するカロリーネ・フランセスカ Caroline Franceska は、『Diving in Space for 3 Decades』(STUCD 15132)に次ぐ共演です。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 

『Night Train to Copenhagen』
Stunt Records STUCD 21062 jazz   

 
『Night Train to Copenhagen』
 Have You Met Miss Jones?(Richard Rodgers/Lorenz Hart)
 Bags Groove(Milt Jackson)
 I Got It Bad (And That Ain’t Good)(Duke Ellington/Paul Francis Webster)
 Farewell Song(Niels Lan Doky)
 Quiet Nights of Quiet Stars(Corcovado)(Antonio Carlos Jobim)
 The Days of Wine and Roses(Henry Mancini/JOhnny Mercer)
 Goodbye J.D.(Oscar Peterson)
 Tranquility in the Wood(I slovens dybe stile ro)(Danish trad.)
 D & E(John Lewis)
 Georgia on My MInd(Hoagy Carmichael/Stuart Gorrell)
 Night Train(Jimmy Forrest/Lewis Simpkins/Oscar Washington)
 C Jam Blues(Barney Bigard/Duke Ellington)
 People(Bob Merrill/Jule Styne)
 Moten Swing(Bennie Moten)
 Some Other Time(Leonard Bernstein/Betty Comden/Adolph Green)
  アルヴィン・クイーン・トリオ
   カッレ・ブリックマン(ピアノ)
   トビアス・デール(ベース)
   アルヴィン・クイーン(ドラム)
 
録音 2021年3月22日–23日 Inner Adventures Studio(デンマーク)
制作・ミクシング ・マスタリング ニルス・ラン・ドーキー

 
アルヴィン・クイーン Alvin Queen は、1950年、ニューヨークのブロンクス生まれ。1960年代後半、ジャズシーンに登場。ホレス・シルヴァー、ランディとマイケルのブレッカー・ブラザーズ、ジョージ・ベンソン、トム・ハレルといったミュージシャンたちの気に入りのドラマーとして一気に名を広めました。オスカー・ピーターソン・トリオのリズム・アンカーとしても知られ、彼の加入によってピーターソンの音楽が新たな高みに達したとも言われます。オスカー・ピーターソンのアルバム『Midnight Train to Georgia』を連想させる名をもつ『Night Train to Copenhagen』は、スイス在住のアルヴィン・クイーンの Stunt Records の第2作アルバムです。タイトルの「コペンハーゲン」は、スタン・ゲッツ、オスカー・ペティフォード、デクスター・ゴートン、ベン・ウェブスター、エド・シグペン、ケニー・ドルー、サド・ジョーンズ、アーニー・ウィルキンズといった多くのアメリカのプレーヤーたちが住み着いたこの街へのオマージュです。新たな編曲によるオスカー・ピーターソンのかつてのレパートリーを中心にデンマークの伝承曲《深く静かな森の中で(I slovens dybe stile ro)》といったナンバーも演奏されます。デンマークの若いプレーヤーふたりと組んだ前作の『A Tribute to Oscar Peterson』(STUCD 18152)にならい、新作のトリオにもスカンディナヴィアのミュージシャン、スウェーデンのピアニスト、カッレ・ブリックマン Calle Brickman とデンマークのトビアス・デール(・ミケルセン) Tobias Dall Mikkelsen が起用されました。デンマークのピアニスト、ニルス・ラン・ドーキー Niels Lan Doky のプロデュースによるアルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Staying Tough』
Stunt Records STUCD 21072 jazz 

 
『Staying Tough』
 Spring Waltz
 Too Close for Comfort(Jerry Bock/Larry Holofcener/George David Weiss)
 Orphans * Take Five(Paul Desmond)
 The Streets of Berlin(Philip Glass/Martin Sherman) *
 The Long and Winding Road(Lennon-McCartney)
 How Deep Is the Ocean?(Irving Berlin)
 Just One of Those Things(Cole Porter)
 Round Midnight (Thelonious Monk)
 Those Who Were * The Dry Cleaner from Des Moines(Joni Mitchell)
  シネ・エーイ(ヴォーカル)
  トマス・フォネスベク(ベース)
  ストリングズ *
 
録音 2020年、2021年 コペンハーゲン

 
デンマーク放送ビッグバンドと共演した『We’ve Just Begun』(STUCD 19132)のヴォーカリスト、シネ・エーイ(シーネ・エイ) Sinne Eeg の新作。デンマーク音楽賞の「最優秀ヴォーカル・ジャズ・アルバム」に選ばれた『Eeg - Fonnesbæk』(STUCD 15082)につづく、トマス・フォネスベク Thomas Fonnesbæk とのデュオ・アルバム。ポール・デズモンド、レノン=マッカートニー、アーヴィング・バーリンたちのスタンダード・ナンバーのプログラム。 
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 
 

このアルバムには、Stuntの最新コンピレーション盤(SU91002)が、数量限定(STUM27012)で添付されます。

『Kapow Goodbye (tak & undskyld)』
Sundance Records SU 9101-2 jazz 

 
『Kapow Goodbye (tak & undskyld)』
 Der er intet sted i verden jeg hellere ville være end her
 Kapow Goodbye Ukendte gader Jag håber at solen vil skinne
 Hvis vi ikke taler om det Den, der liver stille
 En knytnæve gennem en mur Jannie Helt normalt Tak & undskyld
  クリスティーナ・ホルガセン(ヴォーカル、キーボード、コーラス)
  レオノーラ・クリスティーナ・スコウ(ヴォイス、コーラス)
  リーネ・フェリング
  (チェロ、シンセサイザー、パーカッション、ギター、コーラス)
  マス・ブリンク・ニルセン
  (シンセサイザー、ギター、ベース、ピアノ、パーカッション、コーラス)
  カスパー・コーエ(ギター、シンセサイザー、ピアノ)
  ミケル・ロイマト・ダムゴー(シンセサイザー、ピアノ)
  イェンス・ハイン(シンセサイザー)
  ヤコプ・フォンク(ギター)
 
録音 2021年2月–3月 Sauna Recording Studio(フレゼリクスベア、デンマーク)
制作 マス・ブリンク・ニルセン、リーネ・フェリング、クリスティーナ・ホルガセン
録音 マス・ブリンク・ニルセン

 
シンガーソングライターのクリスティーナ・ホルガセン Kristina Holgersen のアルバム第5作。デンマークの作家レオノーラ・クリスティーナ・スコウ Leonora Christina Skov とのコラボレーションで作られ、スコウの2つの著作、2018年の『Den, der lever stille(ひっそりと生きる人)』と2021年4月22日に出版された『Hvis vi ikke taler om det(そのことを話し合わなかったら)』から採った文章が歌のテクストに使われています。
 
価格 2,585円(税込価格)(税抜価格 2,350円) 

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