September 2024

『カレヴィ・アホ』
BIS SACD 2609 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
カレヴィ・アホ(1949–)
 弦楽四重奏曲第2番(1970)
 弦楽四重奏曲第3番(1971)
 弦楽四重奏曲第1番(1967)
  ステーンハンマル四重奏団
   ペーテル・オーロフソン(ヴァイオリン)
   ペール・オーマン(ヴァイオリン)
   トニー・バウアー(ヴィオラ)
   マッツ・オーロフソン(チェロ)
 
録音 2021年4月26日–28日(第2番)(ダンデリード、スウェーデン)、2022年5月23日–25日(第3番)、2023年6月3日–5日(第1番)(スウェーデン)
制作・録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル(第2番・第1番)、トーレ・ブリンクマン(第3番)

 
スウェーデンのステーンハンマル四重奏団は、ステーンハンマルを中心にしたロマンティシズム期の作品だけでなく、幅広い時代とスタイルの作品を手がけています。最新のアルバムでは、フィンランドのカレヴィ・アホが初期に作曲した四重奏曲を3曲、演奏しています。
 
《弦楽四重奏曲第2番》は、《第3番》や《オーボエ五重奏曲》(BIS-1036)とともに、ショスタコーヴィチの影響をうかがわせる彼の「ネオクラシカル期」の室内楽曲を代表する作品です。アホがシベリウス・アカデミーでラウタヴァーラに作曲を学んでいた時、1970年2月に完成。11月に学内で行われたフィンランディア四重奏団のデビューコンサートで初演されました。このコンサートは、アホにとっても作曲家としての作品が一般の場で演奏される初めての機会でもありました。フーガの構造に似たポリフォニックな3楽章の作品。「プロローグ」と「エピローグ」の役割を演じる、瞑想的でメランコリックな2つの「アダージョ」が、熱情的でヴィルトゥオーゾ的な「プレスト」をはさむ構成で書かれています。
 
《弦楽四重奏曲第3番》は、8つの短い楽章がつづけて演奏される構成で書かれています。ヴィヴァーチェ - アンダンテ - プレスト - アレグロ・ノン・トロッポ - プレスト - メノ・モッソ - アダージョ - アレグレット。3つの異なる主題が次から次へと受け渡されていく、「子供っぽいとも思える、素朴で無邪気な気分」に始まり「全体の展開のプロセスから悲劇的な結末」に向かう作品は、一部、「モダン」な語法も使われています。1971年の作曲。10月6日、フィンランディア四重奏団がヘルシンキで初演し、大きな成功を収めました。この曲を最初に録音したジャン・シベリウス四重奏団は、この四重奏曲をシベリウスの《内なる声》と組み合わせて演奏することがしばしばあったと言います。「アホの《第3番》は、シベリウスの古典的な曲を、損なうのではなく、はっきりした違いを示し、補完する」(ジャン・シベリウス四重奏団)。
 
《弦楽四重奏曲第1番》(当初は「弦楽四重奏団第2番」)は、アホが18歳だった1967年に書いた作品です。「モデラート」「アンダンテ - ヴィヴァーチェ - アンダンテ」「プレスト」「アンダンテ」の4楽章。前年に「弦楽四重奏曲第1番」として作曲した《弦楽四重奏曲第0番》とともに作曲者自身が作品を撤回。2019年6月にフィンランドのフォルッサで行われた「ムジカ・カレヴィ・アホ」フェスティヴァルでカムス四重奏団によって初演され、翌年、楽譜が出版されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Good Morning World』
Losen Records LOS 294-2 jazz

 
『Good Morning World』
 Logout(Emiliano Vernizzi)
 Cosmic Nirvana(Emiliano Vernizzi)*
 interlude: piano(Claudio Vignali)
 Liturgico(Emiliano Vernizzi)
 Rue Sedaine Métavers(Emiliano Vernizzi)
 interlude: oratio(Emiliano Vernizzi)
 Assange(Emiliano Vernizzi)**
 The Dawn of Algo-Rhythm(Claudio Vignali/Ruben Bellavia/Emiliano Vernizzi)
 Good Morning World(Emiliano Vernizzi)
  Pericopes+1
   エミリアーノ・ヴェルニッツィ(テナーサックス、
    エレクトロニクス)
   クラウディオ・ヴィニャーリ(ピアノ、フェンダーローズ、
    エレクトロニクス)
   ルーベン・ベッラヴィーア(ドラム)
  スペシャル・ゲスト
   アナイス・ドラーゴ(ヴァイオリン)*
   ローザ・ブルネッロ(ダブルベース)**
 
[楽器 Tenor saxophone: D’Addario Woodwinds and BG France/Piano: Fazioli F278 mk3/Drums: Istanbul Agop Cymbals, Gretsch drums and Vater Sticks]
 
録音 2024年2月、3月 アルテスオーノ録音スタジオ(Artesuono Recording Studios)(カヴァリッコ、ウーディネ、イタリア)
制作 エミリアーノ・ヴェルニッツィ
録音エンジニア ステファノ・アメリオ

 
イタリアのエミリアーノ・ヴェルニッツィ Emiliano Vernizzi の「クロスオーバー・ジャズ」のプロジェクト「Pericopes+1」は、スタートから10年が経ちました。この間、メンバーを変えながらイギリス、アメリカ、中国など、各国のフェスティヴァルとコンサートで演奏。「サックス、ピアノ、ドラム」というあまり一般的ではない編成による音楽は「パワーと意図を実証する」(「Downbeat」)などの評を得てきました。『Good Morning World』は、2020年の『UP』(LOS 225-2)に次ぐ Losen Records とのコラボレーションによる2作目のアルバムです。
 
「ここからスタート、怖がりながら」《Logout》 。「非協調主義者の幸せを探っていく」《Cosmic Nirvana》。「嵐のあとの静けさ」《interlude: piano》。「人の信仰。古いコラールをインスピレーションに」《Liturgico》。「ムッシュ=モワ(わたし)の膨らませた現実」《Rue Sedaine Métavers》。「フリー・プレッ=シャー」《interlude: oratio》。「ネットワークからネットワーストへの通り道」《Assange》。「1960年代の新事実」《The Dawn of Algo-Rhythm》。「笑顔を!いい方に向かっている」《Good Morning World》 。
 
メロディの展開に焦点を当てる「Pericopes+1」の原点に回帰。十二音音楽、ヨーロッパとアフリカ系アメリカのジャズ、ポストロックのサウンド、プログレ、アヴァンギャルドとさまざまなスタイルを手がかりにしながらイタリアの創造精神を発揮し、聖と俗を問わずインスピレーションを得たメロディと結びつけていったと言います。
 
クラウディオ・ヴィニャーリ Claudio Vignali のピアノ、ルーベン・ベッラヴィーア Ruben Bellavia のドラム、ヴェルニッツィのテナーサックス。ヴァイオリンのアナイス・ドラーゴ Anaïs Drago とダブルベースのローザ・ブルネッロ Rosa Brunello が、スペシャル・ゲストとして1曲ずつフィーチャーされています。前作と同じアルテスオーノ録音スタジオでセッションが行われました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Taxman』
Losen Records LOS 295-2 jazz

 
『Taxman』
 Things We Said Today(Lennon/McCartney/arr. Rubber Soul Quartet)*
 I Want to Hold Your Hand(Lennon/McCartney/arr. Bård Helgerud)*
 Taxman(George Harrison/arr. Bård Helgerud)*
 While My Guitar Gently Weeps(George Harrison/arr. Bård Helgerud)*
 I Will(Lennon/McCartney/arr. Håvard Fossum)
 Can’t Buy Me Love(Lennon/McCartney/adp. Rubber Soul Quartet)*
 Strawberry Fields Forever(Lennon/McCartney/arr. Bård Helgerud)*/**
 Doctor Robert/I’ve Got a Feeling(Lennon/McCartney/arr. Rubber Soul Quartet)*/**
 The Long and Winding Road(Lennon/McCartney/arr. Bård Helgerud)*
 Get Back(Lennon/McCartney/arr. Rubber Soul Quartet)**
  ラバー・ソウル・カルテット
   ボール・ヘルゲルー(ギター、バッキングヴォーカル)
   ホーヴァル・フォッスム(テナーサックス、バリトンサックス)
   アンドレーアス・ドライエル(ベース、エレクトリックベース)
   トシュタイン・エリングセン(ドラム、パーカッション)
   スティーナ・ステーネルー(ヴォーカル)*
   アンデシュ・オールム(フェンダーローズ)**
  
録音 2024年2月16日–19日 アスレティック・サウンド(Athletic Sound)(ハルデン、ノルウェー)
追加録音 2024年3月 クルットロイク(ガンスモーク)・スタジオ(Kruttrøyk Studio)(オスロ)
制作 ラバー・ソウル・カルテット
録音エンジニア ダーグ・エーリク・ヨハンセン、イェンス・フォッスム
ミクシング イェンス・フォッスム
マスタリング フローデ・ベルグ

 
オスロのバンド、ビートルズ好きが集まって活動する「ラバー・ソウル・カルテット Rubber Soul Quartet』の第3作。『Blackbird』(LOS 254-2)『Something』(LOS 275-2)とリリースされてきた「三部作」の最後のアルバムです。ボール・ヘルゲルー Bård Helgerud のギター、ホーヴァル・フォッスム Håvard Fossum のサックス、アンドレーアス・ドライエル Andreas Dreier のベース、トシュタイン・エリングセン Torstein Ellingsen のドラム。この作品では、アルバム『リボルバー』の《タックスマン》を出発点に、ビートルズの「ソウル=ファンク」の側面を探ることをめざし、ソウル=ファンクーブルースのヴォーカリスト、スティーナ・ステーネルー Stina Stenerud をゲストに招待。さらに、アンデシュ・オールム Andeers Aarum のフェンダーローズとホーヴァル・フォッスムのバリトンサックスによってラバー・ソウル・カルテットの「音楽の遊び場」に新たな色彩が付け加えられました。
 
《今日の誓い(Things We Said Today)》と《抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)》から《ゲット・バック》まで10曲。《タックスマン》は、ヘルゲルーがグラント・グリーン Gran Geeen のファンクなギターからインスピレーションを得て編曲。《キャント・バイ・ミー・ラヴ》と《ドクター・ロバート/アイヴ・ガッタ・フィーリング》は、それぞれ、「スケアリー・ポケッツ Scary Pockets」と「ファンキー・サックス」のメイシオ・パーカー Maceo Parker をインスピレーションにラバー・ソウル・カルテットが編曲しました。
 
ビートルズのコピーではなく、彼らの曲の「ブロック」を分解し、インプロヴィゼーションとスウィングを加え、楽しみながら「パズル」を組み立て直す。2024年冬の寒い4日間、ハルデンのスタジオでセッションが行われました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Here and Now』
Losen Records LOS 310-2 jazz

 
『Here and Now』
 Little B’s Poem(Bobby Hutcherson)
 Black Nile(Wayne Shorter)
 Crystal Silence(Chick Corea)
 My Friend Flora(Astrud Gilberto)
 Don’t Misunderstand(Gordon Parks)
 Tow for the Road(Henry Mancini)
 Portrait in Black and White(Antonio Carlos Jobim/Italian lyrics
  by Marilena Paradisi)
 Del Sasser(Sam Jones)
 Duke Ellington’s Sound of Love(Charles Mingus/text by William
  Shakespeare, adapted by Marilena Paradisi from
  “The Merchant of Venice”, act III scene II)
 Lawns(Carla Bley/lyrics by Marilena Paradisi)
 Chelsea Bridge(Billy Strayhorn)
 Never Will I Marry(Frank Loesser)
  マリレーナ・パラディージ(ヴォイス)
  ボブ・ニースク(ベース)
 
編曲 マリレーナ・パラディージ、ボブ・ニースク
録音 2024年5月21日 PBS Studios(ウェストウッド、マサチューセッツ州)
制作 マリレーナ・パラディージ
録音エンジニア ピーター・コントリマス
ミクシング・マスタリング クライヴ・シンプソン

 
イタリアのヴォーカリスト、マリレーナ・パラディージ Marilena Paradisi のアルバム第9作。彼女は、ジャズから現代音楽まで幅広いジャンルの即興スペシャリストとして知られ、エリオット・ジグムンド、実験音楽のギタリストのアルトゥーロ・タリーニといった最高レベルのプレーヤーたちとコラボレーションを行なってきました。ピアニストのカーク・ライトシーと共演した『Some Place Called Where』(LOS 187-2)につづく Losen Records 第2作もデュオ・アルバムです。パートナーは、アメリカのベーシストで作曲家のボブ・ニースク(ニースケ) Bob Nieske。ニューイングランド音楽院で学び、学士号と修士号を取得。自身のトリオを率い、ジミー・ジュフレ、イーザー/オーケストラ、ジョージ・ラッセル、ステファン・グラッペリ、リディアン弦楽四重奏団たちと共演、着実にキャリアを重ねきたプレーヤーです。
 
歌の「宝箱」に入れられたのは、ボビー・ハッチャーソン、ウェイン・ショーター、チック・コリア、アストラッド・ジルベルト、ゴードン・パークス、ヘンリー・マンシーニ、アントニオ・カルロス・ジョビン、サム・ジョーンズ、チャールズ・ミンガス、カーラ・ブレイ、ビリー・ストレイホーン、フランク・レッサーの曲。ジョビンの《Portrait in Black and White》とブレイの《Lawns》は、それぞれ、彼女がイタリア語と英語で書いた歌詞で歌われ、ミンガスの《Duke Ellington’s Sound of Love》にはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』から採った一節が当てられています。
 
ライナーノートを寄せた音楽ジャーナリストのジェルランド・ガットが「まるでライヴ・コンサートのような」と書いた録音セッションは、アメリカ、マサチューセッツ州ウェストウッドのスタジオで行われました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『American Opus』
Ondine ODE 1445-2 classical

 
ジョージ・ウォーカー(1922–2018)
 Address for Orchestra(1959 rev.1991)
ジョージ・クラム(1929–2022)
 A Haunted Landscape(1984)
シルベストレ・レブエルタス(1899–1940)
 バレエ《ラ・コロネラ(La coronela)》(1940)
  Los privilegiados Los desheredados
  La pesadilla de Don Ferruco El juicio final
  バスク国立管弦楽団 ロバート・トレヴィーノ(指揮)
 
録音 2023年8月28日–9月1日 Miramón(バスク国立管弦楽団ホール)(ドノスティア=サン・セバスティアン、スペイン)

 
メキシコ系アメリカの指揮者ロバート・トレヴィーノ Robert Trevino とバスク国立管弦楽団の新作。「アメリカとは何か」という問いへの答えのひとつとして彼が選んだ3人の作曲家の作品を演奏しています。
 
ジョージ・ウォーカー George Walker は、ホイットマンの詩に作曲した《Lilacs(ライラック)》でアフリカ系アメリカの作曲家として初めてピューリツァーの音楽賞を受けました。《Address for Orchestra》は、彼が手がけた最初の管弦楽曲です。1958年に作曲され、1959年にオーケストレーションが行われました。「ポコ・アダージョ」の序奏から、複雑なリズム・パターンとダンスのリズムによってペースを上げてゆく「モルト・ピウ・モッソ」の第1楽章。ひとつの主題を低音域の楽器が深い響きで演奏する「モルト・アダージョ」の第2楽章。「ドラマティコ」と指示されたパッサカリアの第3楽章。今日の人気を獲得する以前は、1968年に一部だけ演奏されました。
 
ジョージ・クラム George Crumb の《A Haunted Landscape》は、バルトーク、ドビュッシー、マーラーたちの「夜の音楽」のジャンルを極限まで押し進めたとされる作品です。クラムの生まれたウェストバージニアにかつて住んでいた先住民の亡霊……現代人の意識に入りこんでくる古代の歴史……「地球という惑星の特定の場所に染みついている神秘のオーラ」……。「景色」を見つめる時の「意識下にあるものと意識」の間の感覚とニュアンスが、音楽によって表現されます。
 
シルベストレ・レブエルタス Silvestre Revueltas は、メキシコの作曲家、ヴァイオリニスト。メキシコシティの国立音楽大学から、、テキサス州オースティンのセント・エドワーズ・カレッジとイリノイ州のシカゴ音楽大学で学びました。バレエ《ラ・コロネラ》は、ホセ・グアダルーペ・ポサダ José Guadalupe Posada(1852–1913)のエッチングをインスピレーションにしたバレエのための作品です。メキシコのマリアッチの音楽や民謡、ジャズ、実験音楽、セリエル音楽など、さまざまな素材とスタイルを融合して書かれています。
 
価格 2,530円(税込価格) (本体価格 2,300円)

『ALETHEIA』
Ondine ODE 1447-2 contemporary

 
ジブオクレ・マルティナイティーテ(1973–)
 アカペラ混声合唱のための作品
 ALETHEIA(アレテイア)(2022)
 Chant des Voyelles(母音による呪文)(2018)
 Ululations(号泣)(2023)
 The Blue of Distance(隔たりの青)(2010)
  ラトビア放送合唱団 シグヴァルズ・クリャヴァ(指揮)
 
録音 2023年11月24日–30日 聖ヨハネ教会(リガ、ラトビア)

 
ニューヨークを拠点に活動するリトアニアの作曲家ジブオクレ・マルティナイティーテ Žibuoklė Martinaitytė のアカペラ混声合唱のための作品集。
 
《ALETHEIA(アレテイア)》は、「unconcealedness(隠されていないこと」「revealing(露出している)」「unclosedness(閉ざされていないこと)」を意味するギリシャ語が曲名にとられました。「私たちが直面することを恐れる『真実』を明らかにする。言葉を習得する以前のコミュニケーションによってのみ直接的に表現することのできる真実」。言葉によるテクストではなく、母音と子音をさまざまに組み合わせて歌われます。ラトビア放送合唱団が「バルト音楽の日々2022」で初演する作品としてリトアニア国営放送 “LRT Klasika” が委嘱。彼女の内に深く根ざすリトアニアのアイデンティティを打ち砕いた2022年春のロシア軍によるウクライナへの侵攻に合わせて作曲が始められました。
 
《Chant des Voyelles(母音による呪文)》は、サンフランシスコの「ヴォルティ Volti」と芸術監督ロバート・ギアリの委嘱による作品です。母国語のリトアニア語と英語のどちらのテクストを使うか。2017年秋に彼女が住んでいたニューヨーク・シティのポカンティコ・センターに屋外展示されていた、キュビズムの彫刻家ジャック・リプシッツが母音だけで構成されるエジプトの祈りにちなんで名付けた作品の題を曲名にしました。《Ululations(号泣)》は、森で夜通し鳴くフクロウの声が、家族の男たちが戦場で戦い、死んだことを嘆く女や、愛する者を失った女が嘆くさまに重ねられます。《The Blue of Distance(隔たりの青)》もテクストのない作品です。レベッカ・ソルニットの『A Field Guide to Getthing Lost(迷うことについて)』の「青は、決して届くことの隔たりへの憧れの色」という一文をヒントにしたといいます。ラトビア放送合唱団の技術と精緻な表現を極限まで活かしたアルバムです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『スウェーデン歌曲とオペラの場面』
dB Productions DBCD 214 classical

 
エルフリーダ・アンドレー(1841–1929)
 歌劇《フリチョフのサーガ(Fritiofs saga)》(1898)
  前奏曲(Inledning) 秋になった(Nur är det höst)
  私を許してくれ(Förlåt mig)
ヒューゴ・アルヴェーン(1872–1960)
 花を乗せた舟が海へ漂っていく(En båt med blommor) Op.44(1925) 
 (バリトンと管弦楽のための)
ラウラ・ネッツェル(1839–1927)
 バラード(Ballad) Op.35(ソプラノのためのアリア)
ヘレーナ・ムンクテル(1852–1919)
 コミック・オペラ《フィレンンツェにて(I Firenze)》(1889)
  女がそれほど容易く忘れられると思うか
  (Tror ni en kvinna så lätt kan glömma)
  そんな告白は決して誰も忘れない
  (En sådan bikt man aldrig glömmer)
 氷の娘(北極の女王)(Isjungfrun)(Vision Polaire) Op.20(1889)
 (バリトンと管弦楽のためのバラード)
インゲボリ・フォン・ブロンサルト(1840–1913)
 歌劇《イェリとベーテリ(Jery und Bätely)》(1872)
  歌え、鳥よ、歌え(Singe, Vogel, singe)
  流れはざわめき(Es rauschet das Wasser)
テューレ・ラングストレム(1884–1947)
 歌劇《処女の花嫁(Kronbruden)》(1915–16)
  調査人の歌(Forskarlens sång)
  シェシュティン・アーヴェムー(ソプラノ)
  サビーナ・ビースホルト(ソプラノ)
  ユリア・スポルセーン(ソプラノ)
  ヴィクトル・ユーハンソン(テノール)
  カール=マスヌス・フレードリクソン(バリトン)
  ヨーテボリ歌劇場管弦楽団 パトリク・リングボリ(指揮)
 
録音 2023年6月13日–16日 ヨーテボリ歌劇場(ヨーテボリ、スウェーデン)

 
「歌の国」スウェーデンで19世紀から20世紀にかけて作曲された「声と管弦楽」のための歌曲、バラード、オペラの情景。
 
エルフリーダ・アンドレー Elfrida Andrée の歌劇《フリチョフのサーガ》は、セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlöv(1858–1940)がエサイアス・テグネールEsaias Tegnér(1782–1846)の叙事詩に基づいて書いた台本による〈前奏曲〉と3幕の作品。ストックホルムの新しい王立歌劇場の柿落とし作品のコンペティションに応募するため作曲されました。アルヴェーン Hugo Alfvén が、オスカル・レヴェッティン Oscar Levertin の詩に作曲した《花を乗せた舟が海へ漂っていく》。ラウラ・ネッツェル Laura Netzel の《バラード》(別名《修道院の鐘(Les cloches du Monastère)》)は、エーリク・ブーイ Erik Bøgh(1822–1899)のデンマーク語リブレットによる作品。ヘレーナ・ムンクテル Helena Munktell の《フィレンンツェにて》は、たわいのない恋の三角関係を描いたダニエル・ファルストレムの台本による1幕のコミック・オペラ。エンマ・スパッレ Emma Sparre(1851–1913)の詩によるバラード《氷の娘(北極の女王)》。サンクトペテルブルク生まれのフィンランド系スウェーデンの作曲家インゲボリ・フォン・ブロンサルト Ingeborg von Bronsart は、オペラを4曲書きました。《イェリとベーテリ》は、第2作。ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe(1749–1832)の台本による1幕の作品です。ラングストレム Ture Rangström がアウグスト・ストリンドベリの劇に作曲した《処女の花嫁》は、カール十五世時代のダーラナを舞台にした「スウェーデンのロメオとジュリエット」といわれる6場のオペラです。
 
ステーンハンマルのバラード(Naxos 8.572186)を録音したバリトンのカール=マグヌス・フレードリクソン Karl-Magnus Fredriksson をはじめとするスウェーデンを代表する歌手とパトリク・リングボリ Patrick Ringborg 指揮ヨーテボリ歌劇場管弦楽団の共演。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『作者不詳のヴァイオリン協奏曲』
Et’cetera KTC 1834 classical

 
作者不詳(『ストックホルム音楽演劇図書館』所蔵手稿譜)
 ヴァイオリン協奏曲 重変ロ長調
  アレグロ シチリアーナ アレグロ
 ヴァイオリン協奏曲 ハ長調
  アレグロ アダージョ アレグロ
 ヴァイオリン協奏曲 ト短調
  アレグロ アレグロ・スタッカート アレグロ
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調
  アレグロ アンダンテ アレグロ
  ラ・パヴィヨン・ド・ミュジーク
  アン・クノップ(ヴァイオリン、指揮)
 
録音 2023年10月

 
北欧の大国スウェーデンは、大北方戦争(1700–1721)を戦っていた1718年にカール十二世が没すると、絶対王政の弊害が言われるようになりました。敗北後スウェーデンは、経済的にも人口的にも疲弊し、「自由の時代」と呼ばれる擬似民主的システムにより、さまざまな産業の親交が推し進められていきます。ヨーロッパ大陸との交流、交易は、産業にとどまらず、大学都市ウプサラを中心とする地域や首都ストックホルムの文化にも大きな影響を与えました。レウヴスタ・ブリューク(ローヴスタブリューク)の「ルイ・ド・イェール」コレクションや「ストックホルム音楽演劇図書館(Musik-och Teaterbiblioteket)」の保有する出版譜や手稿譜の多くは、この時代からの遺産とされています。
 
「ラ・プティト・バンド」や「コンチェルト・フォスカリ」といった古楽アンサンブルのコンサートマスターを務めたベルギーのヴァイオリニスト、アン・クノップ Ann Cnop と、彼女が2020年に設立した「ラ・パヴィヨン・ド・ミュジーク La Vavillon de Musique」のアルバムでは、ストックホルムのライブラリーに手稿譜が保存されている「作者不詳」のヴァイオリン協奏曲が4曲、演奏されています。4曲はすべて3楽章で構成され、18世紀のギャラント・スタイルで書かれているものの、それぞれ個性と特徴が異なるため、別々の作曲者の手による作品と推測されています。
 
価格 2,475円(税込価格)(本体価格 2,250円)

『Purgatorium(煉獄)』
LAWO Classics LWC 1331 contemporary/classical

 
ホーコン・ダニエル・ニューステット(1980–)
 煉獄(Purgatorium)
  導入(Introduksjon)
  わたしの心のアモルが(Amor, che ne la mente)
  ホレーショ第1部(Horatio, del 1)
  ホレーショ第2部(Horatio, del 2)
  ポスト・ホレーショ間奏曲(Post Horatio Intermezzo)
  シティ I(City I) シティ II(City II) オルガノン(Órganon)
  ソネット(Sonett) サワロ(魂)(Saiwalō) コーダ(Coda)
オルヤン・マトレ(1979–)
 ディスタンスからの4つの小品(Four Pieces from a Distance)(2020)
 (金管五重奏のための)*
  前奏曲/サンクトゥス(聖なるかな)(Prelude / Sanctus)
  イエスの深き、深き愛よ/アニュス・デイ(神の子羊)
  (O the Deep, Deep Love of Jesus / Agnus Dei)
  トッカータ/わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって
  (Toccata / Chasma Magnum Firmatum)
  天の御父の子供たち/アーメン
  (Children of the Heavenly Father / Amen)
  オスロ室内合唱団
  ホーコン・ダニエル・ニューステット(指揮)
  アンデシュ・アイステン・ダール(オルガン)
  ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン(打楽器)
  トルゲイル・コッパング(ピアノ)
  シリエ・アーケル・ストレム(ソプラノ)
  ニューノシュク金管五重奏団 *
   エルレン・オーゴール=ニルセン(トランペット)
   ヨルゲン・アルネセン(トランペット)
   ダニエル・ヴァイセト・シェレスヴィーク(ホルン)
   インゲビョルグ・ブルーケット(トロンボーン)
   ベルゲル・イーヴェル・フェーデル(テューバ)   
 
録音 2022年2月12日–14日、5月15日 ブランゲルネス教会(ドランメン)、ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
ホーコン・ダニエル・ニューステット Håkon Daniel Nystedt は、ノルウェー国立音楽大学と王立デンマーク音楽アカデミーで指揮法を正式に学びました。北欧各国のオーケストラ、合唱団、オペラと吹奏楽団を指揮。ノルウェー放送管弦楽団賞(KORK-prisen)をはじめとする賞を受けてきました。LAWO Classics の新しいアルバムの《煉獄》は、作曲家と指揮者としての彼の最新作のひとつ。人間の苦しみ、救済を希望を複雑な和声と張り詰めた旋律によって探った合唱作品です。オルガン、打楽器、ピアノが共演、ダンテの『神曲』の『煉獄篇』の断片と、スウェーデンの詩人、台本作家のペーテル・ベクストレム Peter Bäckström に依頼した「ソネット」がテクストに使われています。金管五重奏のための《ディスタンスからの4つの小品》は、ノルウェーのオルヤン・マトレ Ørjan Matre が「ソーシャル・ディスタンス」の求められたCOVID-19 パンデミックの期間に書いた作品。ニルス・ヘンリク・アスハイムの作品集『ホーンフラワー』(LWC 1221)を録音した「ニューノシュク金管五重奏団 Nynorsk Messingkvintett」の演奏です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『シンディング ヴァイオリン・ソナタ』
LAWO Classics LWC 1332 classical

 
クリスチャン・シンディング(1856–1941)
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 ハ長調 Op.12(1892)
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ長調 Op.27(1895
 ヴァイオリン・ソナタ第3番 ヘ長調 Op.73(1905)
  マグヌス・ボイエ・ハンセン(ヴァイオリン)
  マティアス・ハルヴォシェン(ピアノ)
 
録音 2021年8月9日–12日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
バラット=ドゥーエ音楽学校でモッテン・カールセンとゲイル・インゲ・ロツベルグ、ベルリン芸術大学でアクセル・ゲルハルトに学び、ノルウェー放送管弦楽団のヴァイオリニスト、オスロ弦楽四重奏団のメンバーのマグヌス・ボイエ・ハンセン Magnus Boye Hansen。バラット=ドゥーエ音楽学校でイジー・フリンカ、ライプツィヒ音楽院でゲーラルト・ハウトに学んだマティアス・ハルヴォシェン Mathias Halvorsen。ともに1988年生まれのプレーヤーの共演です。シンディング Christian Sinding の3曲の《ヴァイオリン・ソナタ》は、ヴァイオリニストたちがレパートリーにしている《ロマンス ホ短調》(Op.30)《伝説曲》(Op.46)《古風な様式のソナタ》(Op.99)といった作品ほどには演奏機会のない作品です。ハンセンとハルヴォシェンは、シンディングが、「傑作」を作ることより自分の長所も短所もすべて音楽で表現することを考えた、という見方でこの3曲に取り組んだといいます。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Donna Barbara』
LAWO Classics LWC 1333 early music

 
バルバラ・ストロッツィ(1619–1677)
 L’Eraclito Amoroso(恋するヘラクレイトス)
 L’Amante bugiardo(うそつきの恋人)
 L’Amante consolato(慰められた恋人) Il Romeo(さすらう心)
 La fanciuletta semplice(素朴な娘)
 Per un bacio(愛しい人から奪ったくちづけだから)
 Tra le speranze e’l timor(希望と恐れにはさまれ)
 L’Amante segreto(秘密の恋人)
 Lilla crudele ad onta d’amore(残酷なリラは恋の恥)
 Begl’occh(美しい瞳) Chiamata a nuovi amori(新しい恋の呼び声)
 Non volete ch'io mi dolga?(不平を言ってほしくないの?)
 Lagrime mie, Lamento(わが涙よ、嘆きよ)
 Amor dormiglione(眠りたがりのアモル)
  ベーリト・ノルバッケン(ソプラノ)
  ソルムン・ニュースタバク(リュート)
 
録音 2023年1月24日–27日 NRK(ノルウェー放送)大スタジオ(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン

 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]
 
イタリア・バロック期の作曲家、歌手でもあったバルバラ・ストロッツィ Barbara Strozzi は、1644年の『マドリガル集第1巻 Op.1』から1664年の『独唱のためのアリア Op.8』まで、世俗曲としては当時のどの作曲家よりも多い、8巻の曲集を生前に出版しました。愛、憧れ、恋、人の心の複雑さ……さまざまな感情を呼び起こす歌詞と心をかき乱すメロディは、今なお、各国の女性歌手に愛され、演奏と録音が行われています。ノルウェーのソプラノ、「水晶の声をもつ」と言われるベーリト・ノルバッケン Berit Norbakken は、リュート奏者のソルムン・ニュースタバク Solmund Nystabakk と共演。ストロッツィの時代を超えた傑作を「単なるコンサートではなく、人間の感情の深みを通りゆく旅、心と魂に触れる音楽の尽きることのない力の証し」として歌い、演奏します。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『An die Musik(音楽に寄せて)』
LAWO Classics LWC 1334 classical

 
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 スケルツォ(Scherzo)
クララ・シューマン(1819–1896)(トゥールレイフ・テデーン 編曲)
 3つのロマンス(Drei Romanzen) Op.22(1853)
 (ヴァイオリンとピアノのための)
  アンダンテ・モルト(Andante molto)
  アレグレット:優しい語り口で(Alegretto: Mit zartem Vortrage)
  情熱をこめて速く(Leidenschaftlich schnell)
ロベルト・シューマン(1810–1856)(トゥールレイフ・テデーン 編曲)
 ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 Op.105(1851)
フランツ・シューベルト(1797–1828)(トゥールレイフ・テデーン 編曲)
 音楽に寄せて(An die Musik) D.547
 夜と夢(Nacht und Träume) D.827
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 『最後の葉』からの8つの詩(Gedichte aus “Letzte Blätter”) Op.10
  - 夜(Die Nacht)
 チェロソナタ へ長調 Op.6(1883)
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 子供の情景(Kinderszenen) Op.15 - トロイメライ(Träumerei)
  トゥールレイフ・テデーン(チェロ)
  マリアンナ・シリニャン(ピアノ)
 
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン
 
[DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
スウェーデンを代表するチェリストのひとり、トゥールレイフ・テデーン Torleif Thedéen(1962–)と、アルメニア生まれのデンマークのピアニスト、マリアンナ・シリニャン Marianna Shirinyan(1978–)の共演。クララ・シューマンの《3つのロマンス》とロベルト・シューマンの《ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調》をテデーンが「チェロ」のために編曲。ティーンエイジのリヒャルト・シュトラウスが、伝統的なドイツ音楽の外見をとりながら、明確に個性を散りばめてみせた《チェロソナタ へ長調》、シューベルトとシュトラウスの歌曲を加えたプログラム。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『シベリウス』
Chandos CHSA 5267 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47(1903-04 rev.1905)
 2つのユモレスク(2 Humoresques) Op.87(ヴァイオリンと管弦楽のための)
  ユモレスク(Humoresque) 第1番 ニ短調(1917 rev.c.1939)
  ユモレスク(Humoresque) 第2番 ニ長調(1917)
 4つのユモレスク(4 Humoresques)  Op.89(ヴァイオリンと弦楽のための)
  ユモレスク(Humoresque) 第3番 ト短調(1917)
  ユモレスク(Humoresque) 第4番 ト短調(1917)
  ユモレスク(Humoresque) 第5番 変ホ長調(1917)
  ユモレスク(Humoresque) 第6番 ト短調(1918)
 2つの荘重な旋律(Zwei ernste Melodien) Op.77
 (ヴァイオリンまたはチェロと管弦楽のための)
  頌歌「わが心の喜び」(Cantique "Laetare anima mea")(1914)
  献呈「わが心からの」(Devotion "Ab imo pectore”)(1915)
 2つのセレナード Op.69(ヴァイオリンと管弦楽のための)
  セレナード第1番 ニ長調 Op.69a(1912)
  セレナード第2番 ト短調 Op.69b(1913)
 組曲(Suite) ロ短調 Op.117(1929?)
 (ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための)
  田舎の景色(Country-scenery)
  セレナード、春の夕べ(Seranade. Evening in Spring)
  その夏に(In the Summer)
  ジェームズ・エーネス(ヴァイオリン)
  ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団
  エドワード・ガードナー(指揮)
 
録音 2023年8月14日–18日 グリーグホール(ベルゲン、ノルウェー)

 
価格 2,750円(税込価格)(本体価格 2,500円)

『フィドル弾きの最後の旅(En spelmans jordafärd)』
Sterling CDA 1873-2 CDR classical

 
リレ・ブルール・セーデルルンド(1912–1957)
 Min sång ska vara ljus(わたしの歌は軽くあるべきだ)
ダン・アンデション(1888–1920)
 Jungman Jansson(若者ヤンソン)
ペール・ソルマン(1946–)
 Till min Märta(わたしのメルタへ)
ダン・アンデション(1888–1920)
 Ett rus(陶酔)
ラグナル・オーグレーン(1907–1970)
 Spelmannen(フィドル弾き)
トーシュタイン・ベリマン(1942–2022)
 Gässen flytta(ガチョウが引っ越していく)
ダン・アンデション(1888–1920)
 Till min syster(わが妹へ)
アッラン・ペッテション(1900–1980)
 En visa i ensamhet(ひとりぼっちの歌)
ニルス・ビリエション(1940–)
 En visa till fiol(フィドルを弾いて歌う歌)
トーシュタイン・ベリマン(1942–2022)
 Minnet(思い出)
グンナル・テューレソン(1906–2001)
 Jag väntar(わたしは待っている)
 Om aftonen(夕暮れ時に)
ニッセ・ムンク(1932–2010)
 Nu mörknar min väg(わたしの道は暗くなってゆく)
エーヴェット・トーブ(1890–1976)
 En spelmans jordafärd(フィドル弾きの最後の旅)
スヴェン・ショーランデル(1860–1936)
 Till min Längtan(わが憧れの女(ひと)へ)
テューレ・ラングストレム(1884–1947)
 Till smärtan(痛みに)
 Den gamle(老いた人)
  トシュテン・モッスベリ(テノール)
  スティーナ・ヘルベリ・アイバック(ハープ)
  イェリ・アブドゥー(アコーディオン)
  ユーナス・イーサクソン(ギター)
  アンドレーアス・ニューベリ(ヴァイオリン)
 
編曲 ユーナス・イーサクソン、スティーナ・ヘルベリ・アイバック
録音 2023年4月25日、5月1日、24日、26日 シクラ・スタジオ(Sickla studio)(ナッカ、スウェーデン)
録音エンジニア・マスタリング ヨーラン・ステーグボーン

 
トシュテン・モッスベリ Torsten Mossberg は、麻酔科学と集中治療学の医師が本業です。エステル・ルールサイツ、エヴァ・ピラット、ビョーン・テューリンたちに声楽を学んだ彼は、ストックホルムのオスカル室内合唱団でマンバーとして歌いながら、テノールのソロとしても活動しています。ソロのアルバムは、『尊いもの - セーデルルンド歌曲集』(CDA  1657-2)、『セシリアに - スウェーデンの愛の歌』(CDA 1818-2)、『すべての丘と谷が』(CDA 1834-2)、『生まれたからには』(CDA 1841-2)、『向こうはとても静かだ』(CDA 1857-2)を Sterling レーベルからりリースしてきました。
 
新しいアルバムでは、ダン・アンデション Dan Andersson の詩による18曲を歌いました。アンデションは、1888年にダーラナのルドヴィーカで生まれ、プロレタリア文学を中心にしながら幅広い作品を作り、作曲も手がけました。地味な生い立ちにもかかわらず高度な教育を受けた彼は、ラドヤード・キプリングの著作やシャルル・ボードレールの詩のスウェーデン語訳も行うなど、将来を期待されていたものの、1920年9月16日、ストックホルムのホテルで事故に遭い32歳で亡くなりました。
 
セーデルルンド、ペッテション、ラングストレムといった作曲家として知られる人たちの他、作曲家でリュート歌手のニルス・ビリエション Nils Birgersson、スウェーデンの「国民的詩人」エーヴェット・トーブ Evert Taube、吟遊詩人のグンナル・テューレソン Gunnar Turesson、そして、シンガーソングライターのペール・ソルマン Per Sörman、トーシュタイン・ベリマン Thorstein Berman、ニッセ・ムンク Nisse Munck、スヴェン・ショーランデル Sven Scholander の曲も歌われます。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。プレーヤー/トランスポートの機種によってはCD-Rの読み取り、再生ができないことがあります。再生対応のメディアを機器の取扱説明書でご確認ください。

『エーリク・モッレシュトレム』
Sterling CDA 1874–1875–1876 3CDR's classical

 
[Disc 1]
フランシスコ・タレガ(1852–1909)
 アランブラの思い出(Recuerdos de la Alhambra)
 アラビア風カプリッチョ(Capricho árabe)
 ラグリマ(涙)(Lagrima)
 アデリータ(Adelita)
 マリエッタ(Marieta)
 マズルカ ト長調(Mazurka en sol)
 パバーナ(Pavana)
伝承曲(エーリク・モッレシュトレム(1940–2021) 編曲)
 愛のロマンス(Romance d’amour)
ジョアン・ペルナンブコ(1883–1947)
 ショーロ(Choro)
エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903–1982)
 泥棒の歌(Cancion del Lladre)(伝承曲の編曲)
 ハバネラ(Habanera)
 暁の鐘(Campanas del Alba)
イサーク・アルベニス(1860–1909)(アンドレス・セゴビア
 (1893–1987)/エーリク・モッレシュトレム(1940–2021) 編曲)
 伝説(Leyenda)
ジャック・マットソン(1954–2007)
 朝焼け(Morgonrodnad)(1975)(フルートとギターのための)
アグスティン・バリオス=マンゴレ(1885–1944)
 クリスマスの歌(Villancico de Navidad)
J・S・バッハ(1685–1750)(カール・シャイト(1909–1993) 編曲)
 メヌエット(Menuett)
ウルリク・ノイマン(1918–1994)(K・フリツェーン/K・オーマン 編曲)
 愛のワルツ(Kärleksvals)(フルートとギターのための)
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)(ルイ・モイーズ(1912–2007) 編曲)
 小舞曲(Little Dance)(フルートとギターのための)
ジャック・イベール(1890–1962)
 間奏曲(Entr’acte)(フルートとギターのための)
ルイス・ボンファ(1922–2001)
 オルフェの歌(La chanson d’Orphée)
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)(ルーランド・ベンクトソン(1916–2005) 編曲)
 セレナード(Serenad)(フルートとギターのための)
マウロ・ジュリアーニ(1781–1829)
 ロンド(Rondo) ハ長調 Op.71(フルートとギターのための)
オーサ・リンドストレム
 憂鬱のワルツ(Vals i vemod)(フルートとギターのための)
J・S・バッハ(1685–1750)
(エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ(1903–1982) 編曲)
 G線上のアリア(Air)
  エーリク・モッレシュトレム(ギター)
  オーサ・リンドストレム(フルート)
 [録音 1983年(Artemis CD 7116)(ギター・ソロ)
   1992年(Mån MC-008)(フルートとギター)]
[Disc 2]
スコット・ジョプリン(1868–1917)(メアリー・クリスウィック 編曲)
 エンターテイナー(The Entertainer)(ギター三重奏のための)
エーヴェット・トーブ(1890–1976)(ルイーズ・ラーシェン 編曲)
 岩礁の婦人(Skärgårdsfrun)(ギター三重奏のための)
エーヴェット・トーブ(1890–1976)
(エーリク・モッレシュトレム(1940–2021) 編曲)
 結婚ワルツ(Brudvals)(ギター三重奏のための)
 ペピータが踊る(Pepita Dansar)(ギター三重奏のための)
カール・ミーケル・ベルマン(1740–1795)
(ルーランド・ベンクトソン(1916–2005) 編曲)
 フレードマンの歌(Fredmans Sång)第21番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの手紙(Fredmans Epistel)第7番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの手紙(Fredmans Epistel)第42番(ギター三重奏のための)
 フレードマンの歌(Fredmans Sång)第60番(ギター三重奏のための)
スタンリー・マイヤーズ(1933–)(ジョン・ウィリアムズ(1941–) 編曲)
 カヴァティーナ(Cavatina)(ギター三重奏のための)
ゴトランド伝承曲(エリス・ハンソン 編曲)
 仕立屋のカドリーユ(Skräddarekandrilj)
 (ビューシュのフローシェン(Florsen i Burs)による)
 (ギター三重奏のための)
スコット・ジョプリン(1868–1917)(メアリー・クリスウィック 編曲)
 メープル・リーフ・ラグ(Maple Leaf Rag)(ギター三重奏のための)
ルイジ・ボッケリーニ(1743–1805)
(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編曲)
 メヌエット(Menuett)(ギター三重奏のための)
フランツ・シューベルト(1797–1828)
(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編曲)
 楽興の時(Moment Musicale)第3番(ギター三重奏のための)
 アンダンテ(Andante)(《ピアノソナタ第16番 イ短調》 D.845(Op.42)から)(ギター三重奏のための)
ピーター・ファン・デル・スターク(1930–2007)
 ギター三重奏のための3つの神話(Three Myths for Guitartrio)
  金髪のバルドル、春の神(Fair Baldur, God of Spring)
  ファラスクヴィル、愛の鳥(Falaskwil, The Bird of Love)
  フレイ、豊穣の神(Freyr, Lord of Fecundity)
 [録音 1978年 (Mariana, MMLP-08)]
ジョン・W・ドゥオーテ(1919–2004)
 《ヴェルムランドの歌》による変奏曲
  (Variationer över Värmlandsvisan) Op.84(ギター三重奏のための)
  第1曲と終曲
スコット・ジョプリン(1868–1917)(メアリー・クリスウィック 編曲)
 楽しいひととき(Pleasant moments)(ギター三重奏のための)
レオンハルト・フォン・カル(1767–1815)
 メヌエット(Minuet) Op.26 no.2(ギター三重奏のための)
メキシコ伝承曲(W・デュンネバイル 編曲)
 シエリト・リンド(Cielito Linto)(ギター三重奏のための)
  ストックホルム・ギター三重奏団
   ヨリエン・ロールビュー(ギター)
   エーリク・モッレシュトレム(ギター)
   ヨーラン・ヴィーストレム(ギター)
 [録音 1981年11月25日 スウェーデン放送(ストックホルム)
  (ランチコンサート)]   
ギレルモ・ギターラ
 スペイン舞曲第1番(Danza Española no.1)(チェロとギターのための)
 スペイン舞曲第2番(Danza Española no.2)(チェロとギターのための)
エンリケ・グラナドス(1867–1916)
(ペール=ウーラ・クローソン/エーリク・モッレシュトレム(1940–2021) 編曲)
 スペイン舞曲(Spanish Dance)第11番(チェロとギターのための)
 間奏曲(Intermedio)(チェロとギターのための)
フランツ・シューベルト(1797–1828)
(ヴァルター・ゲッツェ(1883z-1961) 編曲)
 3つのワルツ(Tre Valser)(チェロとギターのための)
  ワルツ ニ長調 D.783(Op.33) No.2
  ワルツ 変イ長調 D.365(Op.9A) No.2
  ワルツ 変イ長調 D.365(Op.9A) No.6
フェルナンド・ソル(1778–1839)
(ジョン・W・ドゥオーテ(1919–2004) 編曲)
 Point Counter(《練習曲 ロ短調》 Op.33 No.22)
  ペール=ウーラ・クローソン(チェロ)
  エーリク・モッレシュトレム(ギター)
 [録音 1984年 (Mån LP-003)]
[Disc 3]
フェルナンド・ソル(1778–1839)
 24の練習曲(24 Etyder) Op.35
 25の練習曲(25 Etyder) Op.60
 [録音 1984年(Mån LP-002)(Op.35)、1982年(Mån LP-001)(Op.60)]
 
エグゼクティヴ・プロデューサー ブー・ヒュットネル
マスタリング・編集 クット・カールソン

 
エーリク・モッレシュトレム Erik Möllerström は、1940年、ストックホルム生まれ。王立ストックホルム音楽大学でギターを教えていたルーランド・ベンクトソン Roland Bengtsson(1916–2005)に私的に教わり、1962年、スペインのバルセロナでエドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサ Edouardo Sainz de la Maza(1903–1982)に学びました。帰国後、オーランドの音楽学校やインゲスンド音楽大学で教えるなど、プロのギター奏者として活動。ヨリエン・ロールビュー Jörgen Rörby(1932–1988)とヨーラン・ヴィーストレム Göran Wiström(1941–)と結成したストックホルム・ギター三重奏団は、「ランチコンサート」をはじめとするスウェーデン放送の番組に出演するとともに、ロンドンのウィグモアホールやエクサンプロバンスのフェスティヴァルにも出演しました。ソロ活動も行い、2021年にストックホルムで没しました。
 
このアルバムには、フェルナンド・ソルの2つの練習曲集などのソロ録音、オーサ・リンドストレム Åsa Lindström のフルート、ペール=ウーラ・クローソン Per-Ola Claesson のチェロとのデュオ録音、ストックホルム・ギター三重奏団のスタジオと「ランチコンサート」の録音が収録されています。
 
価格 7,425円(税込価格)(本体価格 6,750円)
 

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『悪魔の取り分』
Sterling CDO 1133/1134-2 2CDR’s classical

 
ダニエル=フランソワ=エスプリ・オベール(1785–1871)
 オペラ・コミーク《悪魔の取り分、またはカルロ・ブロスキ
 (La Part du Diable, ou Carlo Broschi)》
  ジークリンデ・ツェーエトバウアー(ソプラノ、カルロ・ブロスキ)
  橋本嘉世(メゾソプラノ、カシルダ)
  ミヒャエル・ドウマス(バス、スペイン王フェルディナンド六世)
  ヴェロニカ・ブルガー(ソプラノ、女王)
  ジーモン・ヘルマンスドルファー(バス、大審問官修道士アントニオ)
  アンドレーアス・アグラー(バリトン、ヒル・バルガス)
  ジョージ・ヴィンセント・ハンフリー(テノール、ラファエル)
  エルレゼーネ・オペラ・e・v・ハルディング合唱団・管弦楽団
  ゲオルク・ヘルマンスドルファー(指揮) [ドイツ語歌唱]
 
録音 2023年3月4日 ローゼンハイム文化コンベンション・センター(Kultur-und Kongresszentrum Rosenhaim)(バイエルン、ドイツ)
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング トニ・シュティグホーファー

 
「フランス・ロマンティックス」シリーズの一作。『グランド・オペラ序曲集』(CDS 1039-2)につづき、「浅草オペラ」の時代から日本でも知られる《フラ・ディアヴォロ》など、オペラの作曲家として革命後のフランス市民を楽しませたダニエル=フランソワ=エスプリ・オベール(オーベール) Daniel-Françoiss-Esprit Auber の作品がリリースされます。
 
《悪魔の取り分、またはカルロ・ブロスキ》。カストラート歌手「ファリネッリ」として名を馳せたカルロ・ブロスキの身に起こったできごとを基にウジェーヌ・スクリーブが書いた台本による3幕のオペラ・コミークです。登場人物は、ミンストレルのカルロ・ブロスキと修道院に匿われている妹のカシルダ、スペイン王フェルディナンド六世、カシルダの恋人ラファエル・デストゥニガ、大審問官のアントニオ。1843年1月16日にパリのオペラ=コミークで初演されました。
 
ハルフィング「エルレゼーネ・オペラ・e・v」(”Erlesene Oper e.v.” Halfing)は、知られていなかったり忘れられてしまったりしたオペラを上演するため、2011年に設立されたオペラ協会です。バイエルン地域のアマチュアとプロフェッショナルのアーティストで構成され、上演には手稿譜から復元、再構成した楽譜が使われます。2023年3月4日にローゼンハイム文化コンベンション・センターで行われたドイツ語による上演の録音です。
 
価格 4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。プレーヤー/トランスポートの機種によってはCD-Rの読み取り、再生ができないことがあります。再生対応のメディアを機器の取扱説明書でご確認ください。

『レクイエム』
Harmonia Mundi HMM 902729/HMM 332729 limited 2 Vinyl LP’s classical

 
『レクイエム』
聖歌
 交唱「イン・パラディスム(In paradisum)(天国へ)」
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 二重カノン「ああ、われらが人生は余りに短し
 (Ach zu kurz ist unsers Lebens Lauf)」 K.228/515b
 わたしを憐れんでください(Miserere mei)(キリエ ニ短調) K.90
 レクイエム(Requiem) ニ短調 K.626
  入祭唱(Introitus) キリエ(Kyrie)(主よ、あわれみたまえ)
 モテット「Ne pulvis et cinis」 K.Anh.122
 レクイエム(Requiem) ニ短調 K.626
  セクエンツィア I(Sequentia I) 
   ディエス・イレ(Dies iræ)(怒りの日)
   トゥーバ・ミルム(Tuba mirum)(不思議なラッパの音)
   レックス・トレメンデ(Rex tremendæ)(おそるべき、みついの大王よ)
 ソルフェッジョ(Solfeggio) ヘ長調 K.393/385b no.2
 (オーケストレーション:ヴァンサン・マナク)
 レクイエム(Requiem) ニ短調 K.626
  セクエンツィア II(Sequentia II) 
   レコルダーレ(Recordare)(慈悲ふかい、イエスよ)
   コンフターティス(Confutatis)(のろわれた者が裁きをうけ)
   ラクリモーサ(Lacrymosa)(涙の日よ)&アーメン(Aamen)(補遺)
  奉献唱 I(Offertorium I)
   ドミネ・イェズ・クリステ(Domine Jesu Christe)
   (主イエス・キリスト)
 モテット「誰ぞ御身の広き心を知るや(Quis te comprehendat)」 K.Anh.110
 レクイエム(Requiem) ニ短調 K.626
  奉献唱 II(Offertorium II)
   オスティアス(Hostias)(主よ、賛美のいけにえと)
   サンクトゥス(Sanctus)(聖なるかな)
   ベネディクトゥス(Benedictus)(ほむべきかな)
 教会用歌曲「おお、神の子羊よ(O Gottes Lamn)」 K.343 no.1
 (オーケストレーション:ヴァンサン・マナク)
 レクイエム(Requiem) ニ短調 K.626
  アニュス・デイ(Agnus DeI)(神の子羊)
  コンムニオ(Communio)(聖体拝領)
聖歌
 交唱「イン・パラディスム(In paradisum)(天国へ)」
  ピグマリオン
  ラファエル・ピション(指揮)
  イン・ファン(ソプラノ) ベス・テイラー(アルト)
  ローレンス・キルズビ(テノール) アレックス・ローゼン(バス)
  シャディ・ラズレク(ボーイソプラノ)
  
録音 2023年9月 ナミュール・コンサートホール「グラン・マネージュ」(Grand Manège de Namur)(ナミュール、ベルギー)
芸術監督 アリーヌ・ブロンディオー
録音エンジニア ユーグ・デショー

 
ラファエル・ピション Raphaël Pichon(1984–)と「ピグマリオン Pygmalion」は、『マタイ受難曲」(HMM 902691)や『聖母マリアの夕べの祈り』(HMM 902710, HMM 932710)といったアルバムを Harmonia Mundi からリリース。「今」の感覚の音楽は、「古楽」にとどまらず広く世界の音楽シーンで高い評価と人気を獲得してきました。
 
新作は、モーツァルトの《レクイエム》です。「死と、人の命に対するモーツァルト自身の展望をつなぐ真の『契約の箱(ark of the covenant)』の姿をし、同時に、過去を思い起こさせるとともに未来のあらましを描いた音楽作品」(ピション)。ピグマリオンが音楽を担当して2019年のエクサン・プロヴァンス音楽祭で上演された、「現代でもっとも偉大な舞台詩人のひとり」とピションの言うロメオ・カステルッチ Romeo Castellucci が手がけた、演劇や舞踊の要素の入った舞台作品『レクイエム』を基に作られました。
 
この『レクイエム』は、カトリック典礼の『死者のためのミサ』の最後におかれる交唱「イン・パラディスム」(「天使が、あなたを天国へ運んでくださるように」)のボーイソプラノによる歌唱に始まります。4声の二重カノン「ああ、われらが人生は余りに短し」と《キリエ》K.90(詩篇51番「わたしを憐れんでください」)から、《レクイエム》の〈入祭唱〉と〈キリエ〉へ入っていきます。『エジプトの王タモス』の劇付随音楽から採られた《Ne pulvis et cinis》(汝、塵と灰なる者よ、誇らしげに振る舞うことなかれ)。「ニ短調という調性とこのページを《ドン・ジョヴァンニ》の血も凍りそうな騎士長の登場場面あるいは《魔笛》の夜の女王の暗い洞くつと結びつけないでいられるだろうか」という〈セクエンツィア〉。妻コンスタンツェのために書かれた『練習曲集』から、ヴァンサン・マナク Vencent Manac’h のオーケストレーションによる「アダージョ」の《ソルフェッジョ ヘ長調》。〈ラクリモーサ〉、そして、モーツァルトが16小節の声楽部だけを残した〈アーメン〉。《グラン・パルティータ》K.361 の「アダージョ」による天使のモテット「誰ぞ御身の広き心を知るや」。〈アニュス・デイ〉と〈コンムニオ〉のあと、ふたたび「イン・パラディスム」が歌われます。
 
《レクイエム》の部分は、「素材の展開や広がり、モーツァルトの天才を特徴づける自然さといったことを欠くものの、もっとも普遍的に親しまれている」ジュスマイアーの補筆完成版が「心の選択」で使われました。『聖母マリアの夕べの祈り』のスタッフが制作とエンジニアリングを担当。ナミュール・コンサートホールでのセッション録音です。
 
価格(CD) 3,300円(税込価格)(本体価格 3,000円)
価格(Vinyl LP) 6,875円(税込価格)(本体価格 6,250円)

『The Salvage Men』
BIS SACD 2599 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
サミュエル・バーバー(1910–1981)
 Reincarnations(生まれ変わり) Op.16(1939–40)
  Mary Hynes(メアリー・ハインズ)
  Anthony O’Daly(アントニー・オデイリー)
  The Coolin’(愛しいひと)
ジェフ・ビール(1963–)
 The Salvage Men(救助人)(2014)
  A Very Long Moment(ある種の長い瞬間) Spiderweb(クモの巣)
  Virga(尾流雲)* Age(年を取ると) Salvage(救助)
ダニエル・ネルソン(2023–)
 The New Colossus(新しい巨像)(2023)
エリック・ウィテカー(1970–)
 A Boy and a Girl(少年と少女)(2002)
 Three Songs of Faith(3つの信念の歌)(1999)
  i will wade out(わたしは、かきわけ行く)
  hope, faith, life, love(希望、信念、生、愛)
  i thank You God for most this amazing day
  (わたしは汝神に感謝する、この驚くべき日の礼に)**
  エーリク・エリクソン室内合唱団
  フレードリク・マルムベリ(指揮)
  ソフィア・ニクラソン(ソプラノ)*
  ロヴィーサ・シュデーン(ソプラノ)**
 
録音 2021年4月16日–18日(ビール)、2023年10月21日–22日 ナッカ講堂(Naxka Aula)(ナッカ、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング マッティアス・スピツバルト(ビール)、トーレ・ブリンクマン

 
エーリク・エリクソン室内合唱団 Eric Ericsons Kammarkör は、1945年、27歳だったエーリク・エリクソンによって創設され、スウェーデンと世界の音楽シーンで活動してきました。2012年にスウェーデンのフレードリク・マルムベリ Fredrik Malmberg が首席指揮者に選ばれ、エリクソンの後任として、各国の客演指揮者とともに合唱団を指揮しています。新しいアルバムでは、アメリカあるいはアメリカ生まれの作曲家の現代に作られた、近づきやすいスタイルのアカペラ作品によるプログラムを歌っています。
 
サミュエル・バーバー Samuel Barber は、「わたしのめざすのは、できるだけ多くの人にわかってもらえる、いい音楽を書くこと」と言い、《弦楽のためのアダージョ》《ヴァイオリン協奏曲》《ノックスヴィル:1915年の夏》といったポスト=ロマンティシズムの管弦楽作品を多く作りました。《Reincarnations(生まれ変わり)》は、アントワン・オ・ラフテリ Antoine Ó Raifteirí(1779–1835)のゲール語の詩をジェームズ・スティーヴンズ James Stephens(1880–1950)が現代英語に訳したテクストによる「トリプティク」です。「男心をときめかせる詩」〈メアリー・ハインズ〉、不当に断罪された英雄の死を悼む〈アントニー・オデイリー〉、首のうしろで髪が小さくカールしている〈愛しいひと〉。バーバーの親しまれている合唱作品のひとつです。 
 
ジェフ・ビール Jeff Beal は、ハリウッドでもっとも多くのフィルムスコアを手がけている作曲家のひとり。BIS Records のフォン・バール氏も気に入りの『ハウス・オブ・カード』(BIS SA-2299/KKC 4144/5)の音楽で国際的に知られるようになりました。《The Salvage Men(救助人)》は、彼が個人的に経験した痛みを背景に書かれた作品です。オスカー・ワイルド Oscar Wilde(1854–1900)と「エミリ・ディキンソンやマリアン・ムーアのように、癖のある独自のやりかたで論理と言葉を楽しんでいる」といわれるケイ・ライアン Kay Ryan(1945–)。「変質と、痛みに対するわたしたちの答えというテーマを考える、まったく新しい、今の時代の見方」とジェフ・ビールが考えた詩がテクストに使われています。
 
ダニエル・ネルソン Daniel Nelson は、メリーランド州ベセズダで生まれ、6歳の時にスウェーデンに家族と移住。スウェーデン作曲家協会に属し活動しています。《The New Colossus(新しい巨像)》は、エマ・ラザラス Emma Lazarus(1849–1887)が自由の女神像からインスピレーションを得て書いた同名のソネットに作曲されました。「Not like the brazen giant of Greek fame…(ギリシャの有名な堂々たる巨像とは違い…)」。女神像、台座内部の博物館にプロンズ銘板として設置されているラザラスのソネット、そして、社会的な包括性という考え方の「尊厳と美」を伝えることが意図された作品です。エーリク・エリクソン室内合唱団の委嘱作。世界初録音です。
 
各国の合唱団に親しまれている作曲家のひとり、エリック・ウィテカー Eric Whitacre は、2つの作品が歌われます。メキシコの詩人、オクタビオ・パス Octavio Paz(1914–1998)の詩をミュリエル・ルークアイザー Muriel Rukeyser(1913–1980)が英訳した《A Boy and a Girl(少年と少女)》。《Three Songs of Faith(3つの信念の歌)》は、ノーザン・アリゾナ大学の音楽学校の100周年記念に委嘱された作品です。ネオ=ロマンティックなハーモニーの歌、作曲者を眠れなくしたという詩に書いた歌、神に感謝する美しく陽気な歌。ウィテカーの個人的な信念と、霊的、不可知のものについての思いを共有するE・E・カミングズ E. E. Cummings(1894–1962)の詩がテクストに選ばれています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ホルン協奏曲』 Selection
BIS SACD 2635 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 ホルン協奏曲第1番 ニ長調 K.412/514/386b
  アレグロ(K.412)(1791)
  アダージョ(K.211)(1775)
  (編曲、オーケストレーション:アレック・フランク=ゲミル、
   スティーヴン・ロバーツ)
  ロンド. アレグロ(K.514)(1791)
  (補筆完成:スティーヴン・ロバーツ)
 ホルン協奏曲第2番 変ホ長調 K.417(1783)
 ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447(1787)
 ホルン協奏曲第4番 変ホ長調 K.495(1786)
 ホルン協奏曲第0番 変ホ長調 K.370b(1780)
  アレグロ K.370b(復元:スティーヴン・ロバーツ)
  ロンドー K.371(補筆完成:スティーヴン・ロバーツ)
  アレック・フランク=ゲミル(ホルン)
  スウェーデン室内管弦楽団 ニコラス・マギーガン(指揮)
 
[楽器 Alexander 90 Single B flat horn - gold brass]
 
カデンツァ、導入部(リードイン):アレック・フランク=ゲミル
 
録音 2023年5月22日–26日 オレブルー・コンサートホール(オレブルー、スウェーデン)
制作 トーレ・ブリンクマン
録音エンジニア ホーカン・エークマン

 
イギリスのホルン奏者、アレック・フランク=ゲミル Alec Frank-Gemmill(1985–)の『ブラームス 室内楽作品集』(BIS SA-2478)につづく BIS Records 第4作は、モーツァルトが、友人だったホルンの名手、ヨーゼフ・ロイトゲープ(1732–1811)のために作曲した協奏曲。『モーツァルトより前の初期ホルン協奏曲』(BIS SA-2315)につづくニコラス・マギーガン Nicholas McGegan 指揮スウェーデン室内管弦楽団の共演による録音です。
 
1783年作曲の《ホルン協奏曲第2番》、1787年の《第3番》、1786年の《第4番》。《第1番》は、「アレグロ」の第1楽章と「アレグロ」の第3楽章〈ロンド〉(K.514)の間に、フランク=ゲミルとスティーヴン・ロバーツ Stephen Roberts(1952–)が編曲した《ヴァイオリン協奏曲第2番》(K.211)からとった「アダージョ」をはさんで演奏。ロバーツは、「アレグロ」の楽章(断章)が草稿で残された《ホルン協奏曲 変ホ長調》(K.370b)を復元。モーツァルトがこの楽章と合わせて「ひとつの協奏曲」とすることを考えていたのではないかと言われるアレグロの《ロンドー》(K.371)を補筆完成した版と合わせて《ホルン協奏曲第0番》に作りました。
 
[追記]
ギルドホール音楽演劇大学の教授、ジョン・アーヴィング John Irving のライナーノートによると、ロイトゲープのための協奏曲は、ヴァルヴのない「ナチュラル」ホルンのために書かれた作品です。「協奏曲 K.495 は、モーツァルトの手書きによる作品目録に ”Ein Waldhorn Konzert für den Leutgeb” と1786年6月26日付で記入されている」(アーヴィング)。フランク=ゲミルのホルンは、スマートで美しく、時に、森に響き渡る「狩の角笛」を連想させます。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ブラームス、シューベルト』
BIS SACD 2660 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 ピアノソナタ第1番 ハ長調 Op.1(1852–53)
フランツ・シューベルト(1797–1828)/フランツ・リスト(1811–1886)
 さすらい人(Der Wanderer) D.489(《12の歌》 S.558 no.11)
 水車職人と小川(Der Müller und der Bach) D.795 no.19
 (《ミュラー歌曲集》 S.565 no.2)
 春の想い(Frühlingsglaube) D.686(《12の歌》 S.558 no.7)
 町(Die Stadt) D.957 No.11(《白鳥の歌》 S.560 no.1)
 海辺にて(Am Meer) D.957 No.12(《白鳥の歌》 S.560 no.4)
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 さすらい人幻想曲(Wandererfantasie) ハ長調 D.760
  アレクサンドル・カントロフ(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Steinway D]
 
録音 2023年2月4日–7日(セッション)、3月30日(ライヴ) ヌーシャテロワ芸術センター 音楽ホール(ラ・ショー=ド=フォン、スイス)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング イェンス・ブラウン

 
アレクサンドル・カントロフ Alexandre Kantorow(1997–)は、2024年7月26日、パリ・オリンピックの開会式に起用され、雨の中、ラヴェルの作品を演奏しました。《ラプソディ第1番》《ピアノソナタ第2番》(BIS SA-2380)《4つのバラード》《ピアノソナタ第3番》(BIS SA-2600)と録音してきたブラームスのシリーズ。《ピアノソナタ第1番》をシューベルトの《さすらい人幻想曲》とリストのトランスクリプションによる歌曲と組み合わせたプログラムで作られました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『秘密(Confidenza)』
BIS SACD 2695 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 アデライーデ(Adelaide) Op.46(c.1795)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき
 (Als Luise die Briefe ihres ungetreuenj) K.520(1787)
 夕べの想い(Abendempfindung) K.523(1787)
 クローエに(An Chloe) K.524(1787)
ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
 誠実(Fidelity) Hob.XXVIa:30(1794)
 人魚の歌(The Mermaid's Song) Hob.XXVIa:25(1794)
 牧歌(A Pastoral Song) Hob.XXVIa:27(1794)
 精霊の歌(The Spirit's Song) Hob.XXVIa:41(1801?)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 アダージョ(Adagjo) ロ短調 K.540(1788)(ピアノのための)
 寂しい森の中で(Dans un bois solitaire) K.308/295b(1777–78)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 愛する喜び(Plaisir d'aimer) WoO.128(1798–99)
 何と時は長く(Que le temps me dure) WoO.116(1793)(断片)
 希望に寄せて(An die Hoffnung) Op.94(1813–15)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 魔法使い(Die Zauberer) K.472(1785)
ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)
 ピアノソナタ第51番(旧61番) ニ長調 Hob.XVI:51(1794–95)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 愛しい人よ、私を愛していると言って(Dimmi, ben mio, che m’ami) Op.82 No.1
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)(ヨーゼフ・ミスリヴェチェク(1737–1781))
 静けさがほほえみながら(Ridente la calma) K.152/210a(1775)
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 この暗い墓の中で(In questa tomba oscura) WoO.133(1806–07)
 別れ(La Partenza) WoO.124(1795–96)
  ニコロ・バルドゥッチ(カウンターテナー)
  アンナ・パラディーゾ(フォルテピアノ)
 
[楽器 Grand piano: John Broadwood and Sons, London, 1802/Square piano: Matthias Peterr Kraft, Stockholm, 1797]
 
録音 2023年8月31日–9月3日 ロンナ教会(スウェーデン)
制作・録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル

 
イタリアのニコロ・バルドゥッチ Nicolò Balducci は、アンナ・パラディーゾ Anna Paladiso とダン・ラウリンに認められ、彼らが結成したバロック・アンサンブル「ドルチ・アフェッティ」の『カストラポリス』(BIS SA-2585)のソリストに起用されました。つづいて『愛の痛み』(BIS SA-2645)のアルバムにも参加しました。彼のアルバム第3作『秘密』では、ベートーヴェン、モーツァルト、ハイドンというウィーン古典時代の歌曲を歌っています。ベートーヴェンが新たなキャリアを求めてウィーンに来てしばらく経った1795年ごろに書いた《アデライーデ》。モーツァルトがガブリエーレ・フォン・バウンベルクの詩に作曲した劇的な《ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき》と同じ1787年の《夕べの想い》と《クローエに》。「モーツァルト作」とされていた、彼と親しかったヨーゼフ・ミスリヴェチェク Joseph Myslivecek のアリア《私の愛しい人(Il caro mio bene)》を編曲した《静けさがほほえみながら》。ハイドンが1794年に書いた《誠実》など3曲と晩年の《精霊の歌》。パラディーゾのソロによるモーツァルトの《アダージョ ロ短調》とハイドンの《ピアノソナタ第 ニ長調》を途中に挟むプログラムです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『パルムグレン ソロ・ピアノ作品全集 第8集』
Grand Piano GP 952 classical

 
セリム・パルムグレン(1878–1951)
 涙の向こうに見える太陽(Solsken genom tårat) SP 263(1946)
 3つのピアノの小品(Three Piano Pieces) Op.71(1920 or earlier)
  祝典前奏曲(Festpreludium) 霧の姿(Dimgestalter)
  カプリース・バルバレスク(Caprice barbaresque)
 六月(June) SP 120(1922 or earlier)
 ヘルシンキ・オールドボイーズ連隊栄誉行進曲
 (Helsingfors Oldboys Regementes Honnörsmarsch) SP 80(1919)
 切ない思いの練習曲(Kaihomielinen harjoitelma) SP 125(1937)
 速いパッセージの練習曲(Juoksutusharjoitelma) SP 123(1937 or earlier)
 陽気な練習曲(Hilpeä harjoitelma) SP 84(1937 or earlier)
 アレグレット(Allegretto) SP 2(1921)
 コン・ソルディーノ(Con sordino) SP 30(1921 or earlier)
 夢の歌(Drömvisa) SP 45(1921 or earlier)
 演奏会用練習曲(Étude de concert) SP 59(1938)
 無線技師(Gnistor) SP 71(1907)
 演奏会用練習曲(Concert-Etüde) SP 31(1894)
 田舎の踊り(Country Dance) SP 32(1922 or earlier)
 田舎のメヌエット(Country Minuet) SP 33(1922 or earlier)
 歌(3つのピアノの小品)(Kappaleet) Op.45(1914 or earlier)
  前奏曲(Preludium) 民謡調の間奏曲(Intermezzo i folkton)
  メヌエット(Menuett)
 10の小品 Op.79(1921–22)
  小前奏曲(Preludietto) フィンランド・バラード(Finnish ballade)
  「イ音」による練習曲(Study on A)
  ラウンドレイ(輪舞)(Roundelay) 日光(Sunbeams)
  即興曲(Improvisaatiot)
  バッソ・オスティナート(Basso ostinato) アリエッタ(Arietta)
  絞首台への行進(March to the gallows) 湖畔で(By the lake)
 4つの小品 Op.88(1928)
  クレッシェンド=オスティナート(Crescendo-ostinat)
  ダンツァンド(Danzando) アルモニオーソ(Armonioso)
  インプロヴィザツィオーネ(Improvisazione)
 3つの小品 Op.83(1924)
  トッカータ(Toccatat) ナシ湖の岸辺で(Näsijärven rannalla)
  ユモレスク(Humoreskit)
  ヨウニ・ソメロ(ピアノ) [Piano: Steinway & Sons Model D]
 
録音 2023年5月2日–3日 クーサーホール(クーサンコスキ、フィンランド)

 
ヨウニ・ソメロ Jouni Somero によるパルムグレン Selim Palmgren のシリーズ。作曲者自身が1950年にフィンランド放送のためにスタジオ録音した《涙の向こうに見える太陽》を以外の曲は、世界初録音の作品です。
 
価格 2,200円(税込価格)(本体価格 2,000円)

『ミハイル・ルディ』
Le Palais des Degustateurs PDD 038 classical

 
エドヴァルド・グリーグ(1843–1907)
 ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 *
フランツ・リスト(1811–1886)/リヒャルト・ワーグナー(1813–1883)
 イゾルデの愛の死(Isoldes Liebestod)
フレデリク・ショパン(1818–1849)
 夜想曲(Nocturne)第8番 変ニ長調 OP.27 no.2
クロード・ドビュッシー(1862–1918)
 12の練習曲(12 études pour piano)
 - 8本の指のための(Pour les huit doigts)(第6曲)
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
 10の小品(10 Pieces for Piano) Op.12 - 前奏曲(Prelude)(第7曲)
アレクサンドル・スクリャービン(1872–1915)
 8つの練習曲 Op.42 - 嬰ヘ長調j(第3曲)
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
 ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op.16 *
  ミハイル・ルディ(ピアノ)
  サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団 *
  マリス・ヤンソンス(指揮)*
 
録音 1990年代

 
ミハイル・ルディ Mikhail Rudy(1953–)。ウズベキスタン出身、モスクワ音楽院でヤコフ・フリエールに学び、1975年のロン=ティボー国際コンクールで第1位に選ばれました。当時のソ連から亡命後、フランスで活躍しています。長いキャリアにも関わらず録音の少ないミュージシャンのひとりです。マリス・ヤンソンス指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団と共演したグリーグとプロコフィエヴのピアノ協奏曲は、このオーケストラの定期演奏会の録音。ルディ自身の依頼で記録用に収録された音源によるアルバムです。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Almost in Your Arms』
Stunt Records STUCD 24062/STULP 24061 Vinyl LP jazz

 
『Almost in Your Arms』
 I Feel a Song Coming On This One's from the Heart
 Almost in Your Arms Apparently, I'm Fine Bitter with the Sweet
 The Art Teacher Train in the Desert This House Is Empty Now
 Water and Salt September Song Do You Ever Wonder?
  クレア・マーティン(ヴォーカル)
  マッティン・ショーステット(ピアノ)
  ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
  ダニエル・フレードリクソン(ドラム、パーカッション)
  ゲスト
   カール=マッティン・アルムクヴィスト(サクソフォーン)
   ジョー・ロック(ヴィブラフォーン) マーク・ハイメス(ギター)
   ニッキ・アイルズ(アコーディオン)
   チャーリー・ウッド(ヴォーカル)
   ジェイムズ・マクミラン(トランペット、フリューゲルホルン、
    キーボード、プログラミング)
 
録音 2024年1月24日–26日 Quiet Money Studios(イギリス)

 
クレア・マーティン Claire Martin が、今日世界でもっとも円熟した、飛び抜けて素晴らしいジャズ・シンガーのひとりだということは、ライター、批評家、放送関係者、リスナーとライヴの聴衆の一致した見方だと言われます。彼女の Stunt Records 第4作アルバムは、スウェーデンのマッティン・ショーステット Martin Sjöstedt とのコラボレーションで作られました。ニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist のベース、ダニエル・フレードリクソン Daniel Fredriksson のドラム。2019年のアルバム『Believin’ It』(Linn)で共演、ロンドン、スウェーデン、マドリードのコンサートとツアーでも一緒に演奏しています。このアルバムには、スウェーデンのサクソフォーン・プレーヤー、カール=マッティン・アルムクヴィスト Karl-Martin Almvist、アメリカのヴィブラフォーン・プレーヤー、ジョー・ロック Joe Locke、イギリスのギタリスト、マーク・ハイメス Mark Jaimes がゲスト参加。イギリスのピアニスト、ニッキ・アイルズ Nikki Iles がアコーディオンを弾き、アメリカのオルガンとピアノのプレーヤー、チャーリー・ウッド Charlie Wood がヴォーカル、セッションの行われた“Quiet Money Studios” を主宰するプロデューサーでミュージシャンのジェイムズ・マクミラン James McMillan がトランペットやキーボードを担当しています。映画で歌われた曲、キャロル・キング、フーファス・ウェインライト、マーク・ウィンクラー、タイ・ジェフリーズ、バート・バカラックとエルヴィス・コステロの共作《This House Is Empty Now》と、クレアとマクミランの《Apparently, I'm Fine》によるプログラム。
 
価格(CD) 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)
価格(Vinyl LP) 4,125円(税込価格)(本体価格 3,750円)

『Red Bossa』
Stunt Records STUCD 24082/STULP 24081 Vinyl LP jazz

 
『Red Bossa』
 Ton to Ton(Steen Rasmussen) Hymn To Life(Steen Rasmussen)
 Red Bossa(Steen Rasmussen) Home(Steen Rasmussen)
 Baiãozinho(Steen Rasmussen)
 Bossa Para Joyce(Steen Rasmussen)
 Manhã de Carnaval(Luiz Bonfá/Antônio Maria)*
 Happy Sadness(Steen Rasmussen)
 No Mais, Geraes(Steen Rasmussen)**
 Silence(Steen Rasmussen)
 [Bonus track except STULP 24081]
  Eu Sei Que Você Sabe(Steen Rasmussen)***
  ステーン・ラスムセン(ピアノ)
  カスパー・ヴァズホルト(ベース)
  セルソ・デ・アルメイダ(ドラム、パーカッション)
  ゲスト
   マリルダ・アルメイダ(ヴォーカル)*/**
   クララ・エミリー・ヴェスベア・ラスムセン(ヴォーカル)**
   リス・ヴェスベア(トロンボーン)***
   ヨーナス・クーラウ(ギター)***
 
録音 2023年7月 Village Recording(コペンハーゲン)

 
デンマークのピアニスト、ステーン・ラスムセン Stenn Rasmussen は、長年にわたりブラジル音楽も演奏してきました。『Red Bossa』と題した新作アルバムでは、デンマークのベーシスト、カスパー・ヴァズホルト Kaspar Vadsholt と、ブラジルでもっとも敬愛されているドラマーのひとり、セルソ・デ・アルメイダ Celso De Almeida と「Red Bossa」を組み、彼のオリジナル曲、映画『黒いオルフェウス』に使われたルイス・ボンファとアントニオ・マリアの《Manhã de Carnaval(カーニバルの朝)》のプログラムを演奏しています。北欧ジャズとブラジル音楽の出会いが生んだ、心地よいリズム、耳なじみのいいメロディ、ほのかな哀愁の「ジャズ・ボッサ」。Bonus Track の《Eu Sei Que Você Sabe》は、CDのみの収録です。
 
価格(CD) 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)
価格(Vinyl LP) 4,125円(税込価格)(本体価格 3,750円)