April 2023

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『An Old Hall Ladymass(オールドホール写本聖母ミサ)』
2L 2L 175SABD Pure Audio Blu-ray + SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music/contemporary

 

『An Old Hall Ladymass(オールドホール写本聖母ミサ)』
セーラム聖歌(『オールドホール写本』)
 キリエ(Kyrie)
アレン(fl.c.1400)(『オールドホール写本』)
 グローリア(Gloria)
ジョン・クック(c.1385–1442)(『オールドホール写本』)
 ステラ・チェリ(天の星)(Stella celi)(『オールドホール写本』)
マリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン(1971–)
 太陽は万人に輝く(Sol lucet)
作者不詳(early C15)(『オールドホール写本』)
 敬虔な母(Pia mater)
リオネル・パワー(c.1370–1445)(『オールドホール写本』)
 アヴェ・レジーナ・チェロールム(めでたし天の后)
 (Ave regina celorum)
フォンテインズ(fl.c.1400)(『オールドホール写本』)
 高貴なる家より出で(Regali ex progenie)
作者不詳(C15)(『オールドホール写本』)
 レジーナ・チェリ(天の后)(Regina celi)(詠唱)
作者不詳(C15)(『オールドホール写本』)
 レジーナ・チェリ(天の后)(Regina celi)
トマス・ダメット(c.1389–1437)(『オールドホール写本』)
 祝福されしマリア、神の母(Beata Dei genitrix)
カタリーナ・ビセンス(1983–)
 間奏(Interludium)
ジョン・クック(c.1385–1442)(『オールドホール写本』)
 アヴェ・レジーナ(Ave regina)
オリヴァー(early C15)(『オールドホール写本』)
 サンクトゥス(聖なるかな)(Sanctus)
トマス・ビュタリング(C15)(『オールドホール写本』)
 男を知らぬ処女の母は(Nesciens mater)
オリヴァー(early C15)(『オールドホール写本』)
 アニュス・デイ(神の子羊)(Agnus Dei)
リオネル・パワー(c.1370–1445)(『オールドホール写本』)
 祝福されし家系(Beata progenies)
デイヴィッド・ラング(1957–)
 アレルヤ(Alleluia) アーメン(Amen)
  トリオ・メディイーヴァル
   アンナ・マリア・フリーマン
   リン・アンドレーア・フグルセット
   ヨールン・ロヴィーセ・フーサン
  カタリーナ・ビセンス(オルガネット)
 
録音 2022年6月 ウラニエンボルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・バランスエンジニアリング・編集・ミクシング・マスタリング モッテン・リンドベルグ
共同制作 ジョン・ポッター
 
[DXD (24bit/352.8kHz) 録音]
[Disc 1: SACD hybrid (5.0 multichannel DSD/2.0 stereo DSD) RedBook PCM: MQA CD][Disc 2: Blu-ray: 5.0 DTS HDMA (24bit/192kHz), 7.0.4. Auro-3D (96kHz), 7.0.4. Dolby Atmos (48kHz), 2.0 LPCM  (24bit/192kHz), mShuttle: MQA + FLAC + MP3 Region: ABC worldwide]

 
『オールドホール写本(Old Hall Manuscript)』は、14世紀後期から15世紀初期のイギリスとフランスの宗教曲を収めた最大で最重要のコレクションです。19世紀末にカトリックの神学校にあることがわかるまで、400年という歳月の大部分、歴史から忘れられていました。この写本には、通常ミサに使われるポリフォニーや聖母マリアのアンティフォンといった曲が収められ、中世後期の宗教音楽の最良の源とみなされています。
 
ノルウェーのヴォーカルアンサンブル「トリオ・メディイーヴァル(Trio Mediæval)」の『慰め』(2L 165SABD)につづく 2L の第2作アルバムは、この『オールドホール写本』から選んだ曲と新しく書かれた曲による「聖母マリアのためのミサ曲」として作られました。写本からは、《キリエ》《グローリア》《アニュス・デイ》といったミサ通常文による曲とジョン・クック John Coocke の《ステラ・チェリ》やリオネル・パワー Leonel Power の《アヴェ・レジーナ・チェロールム》といった曲が選ばれ、トリオ・メディイーヴァルからノルウェーのマリアンネ・ライダシュダッテル・エーリクセン Marianne Reidarsdatter Eriksen とアメリカのデイヴィッド・ラング David Lang に新曲が委嘱されました。ラングの《アレルヤ》《アーメン》はユダヤ教とキリスト教に共通する言葉による「瞑想」、エーリクセンの《太陽は万人に輝く》はペトロニウスの『サテュリコン』の一節をテクストに使った作品です。
 
イマーシブ・オーディオのスペシャリスト、2L のモッテン・リンドベルグ Morten Lindberg のプロダクションによりオスロのウラニエンボルグ教会で録音セッションが行われました。チリ出身のカタリーナ・ビセンス Catalina Vicens(1983–)が参加、小型オルガン「オルガネット」を演奏しています。
 
価格 4,675円(税込価格)(本体価格 4,250円)
 

Pure Audio Blu-ray ディスクと SACD ハイブリッドディスクをセットにしたアルバムです。Pure Audio Blu–ray ディスクにはインデックスを除き映像は収録されていません。SACD ハイブリッドディスクはSACDブレーヤーとCDプレーヤーで再生できますが、Pure Audio Blu-ray ディスクはCDやDVDのプレーヤーでは再生できないので、Blu–ray プレーヤーもしくは Blu–ray 対応のPCをお使いください。

『ゴルトベルク変奏曲』
Alba ABCD 520 classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 ゴルトベルク変奏曲(Goldberg-Variationen) BWV 988
  ハンヌ・アラサーレラ(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Steinway & Songs D 514855, Hamburg 1990]
 
録音  2021年8月2日–3日 オウル・ミュージックセンター「トゥリンドベリ室内楽ホール」(オウル、フィンランド)
制作 キンモ・ピヒラヤマー
録音エンジニア・編集 ユッシ・ヘイッキネン
マスタリング ヤンネ・フオタリ

 
フィンランドのピアニスト、ハンヌ・アラサーレラのデビュー・アルバム。
 
アラサーレラは、8歳からピアノを学び始め、最初のころはピアノという楽器を自分なりに探り、即興をやってみたり、ちょっとした作曲を楽しんでいたといいます。そうした土台は後の彼の音楽に影響を及ぼし、「彼の演奏は、他の人たちとは違い、どんな伝統の流儀を示しているとも言えない」(YLE(フィンランド放送)」といった評価を得ることにつながりました。彼の演奏をメディアは「明るく、感受性が鋭い。透明度が高く、リズムが柔軟で生気にみちている」(「HS(ヘルシンキ新聞)」)「極めて洗練され、その優雅さは貴族的とさえいえる」(オウル「カレヴァ」紙)と評し、今後に期待を寄せています。
 
アラサーレラがオウルンサロ芸術学校時代に教わったキンモ・ピヒラヤマー Kimmo Pihlajamaa のプロデュースで録音した《ゴルトベルク変奏曲》は、そうしたメディアの指摘がすべて「音」と「音楽」に創られた演奏です。最初の「アリア」から第1変奏、第2変奏とつづき、最後の第30変奏と「アリア」の再現まで、バッハが二段鍵盤のチェンバロのために書いた音楽を、アラサーレラが独自のピアノ音楽に創りあげました。
 
アラサーレラの書いた『自然の法則としての和声』とピヒラヤマーの『バロックの天才による詩的ファンタジー』と題したライナーノート(フィンランド語・英語)がブックレットに掲載されています。
 
[プロフィール]
 
ハンヌ・アラサーレラ Hannu Alasaarela(1994–)。フィンランドのオウルンサロ生まれ。オウルンサロ芸術学校でキンモ・ピヒラヤマーとヨウコ・トッテルシュトレムに学びました。2014年からヘルシンキ大学シベリウス・アカデミーでトゥイヤ・ハッキラとイルモ・ランタのクラスで学び、エーリク・T・タヴァッシェルナ、リーサ・ポホヨラ、マッティ・ラエカッリオたちにも教わりました。2012年のレーヴィ・マデトヤ・ピアノ・コンペティションで第1位に選ばれたほか、多くのコンペティションに参加。音楽史全般の作品を幅広くレパートリーにもち、フィンランド、スウェーデン、バルト三国、ドイツ、スイスのコンサートで演奏してきました。自然科学、文学、哲学からインスピレーションを授かり、作曲家と編曲者としても活動しています。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『愛ってほんとうは(The Truth about Love)』
Alba ABCD 523 classical

 
ベンジャミン・ブリテン(1913–1976)
 キャバレー・ソング(Cabaret Songs)(1937–39)
  愛ってほんとうは何(Tell me the truth about love)
  哀悼のブルース(Funeral blues)
  ジョニー(Johnny)
  カリプソ(Calypso)
ヴィクトル・ウルマン(1898–1944)
 リカルダ・フーフによる5つの恋歌
 (5 Liebelieder nach Ricard Huch) Op.26a(1939)
  どこからその美しさすべてを手に入れたのか
  (Wo hast du all die Schönheit hergenommen)
  ピアノにて(Am Klavier)
  嵐の歌(Sturmlied)
  もしかつて美しいものを作ることができていたら
  (Wenn je ein schönes mir zu bilden glückte)
  おお美しい手よ(O schöne Hand)
オリヴィエ・メシアン(1908–1992)
 地と天の歌(Chants de terre et de ciel)(1938)
  ミとの契り(Bail avec Mi)
  沈黙のアンティフォナ(Antienne du silence)
  赤ちゃん=ピリュールの踊り(Danse du bébé-pilule)
  無垢の虹(Arc-en-ciel d’Innocence)
  真夜中の表と裏(Minuit pile et face)
  復活(Résurrection)
  イーダ・アントラ(ソプラノ)
  キリル・コズロフスキ(ピアノ)
 
録音 2021年5月27日–30日 ニューパヴィリオン(カウニアイネン、フィンランド)
制作 エドワード・アナニアン=クーパー
録音エンジニア マイヤ・トゥウネン、マルック・ヴェイヨンスオ
編集・ミクシング・マスタリング マルック・ヴェイヨンスオ

 
フィンランドのソプラノ歌手、イーダ・アントラのデビュー・アルバム。第二次世界大戦の前から戦中にかけて作曲された3つの歌曲集を歌っています。
 
ベンジャミン・ブリテン Benjamin Britten の《キャバレー・ソング》、ヴィクトル・ウルマン Viktor Ullmann の《リカルダ・フーフによる5つの恋歌》、オリヴィエ・メシアン Olivier Messiaen の《地と天の歌》。3人の作曲家は全員、戦争が彼らの人生に大きく関わっています。ブリテンは、開戦が近づくとアメリカに渡り、イギリスに戻ってからは良心的兵役拒否者の申請をしました。メシアンは、開戦とともにフランス陸軍の医療部隊に徴募され、ドイツ軍の捕虜となってから1年間を収容所で過ごしました。ウルマンは、ユダヤの家系だったため、1942年にテレージエンシュタットの収容所に送られたあと、1944年に移送先のアウシュヴィッツ強制収容所で殺害されました。こうした背景をもつ3つの歌曲集は「愛と希望の真実を伝えるもの」としてアントラの最初のアルバムのプログラムに選ばれました。
 
ブリテンの《キャバレー・ソング》は、友人のW・H・オーデン W. H. Auden(1907–1973)の詩集『Another Time(もうひとつの時代)』に収められていた4つの詩をテクストにした作品。ウルマンの曲集の詩を書いたリカルダ・フーフ Richarda Huch(1864–1947)は、言論の自由を擁護する代表的なひとりだったため、1933年にナチスが権力を握った時、彼らの教義を支持することを拒否。プロイセン芸術アカデミーの教職を辞任しました。《5つの恋歌》は、彼女が学生時代に書いた詩集『Neue Gedichte (Liebesgedichten)(新しい詩(愛の詩))』から選んだ詩に作曲されました。メシアンの《地と天の歌》は、最初の妻クレール・デルボス(「Mi」)との間に息子パスカル(愛称「ピリュール」)が生まれた一年後、1938年夏に作られた作品です。作曲者自身の書いたテクストは、彼の結婚と家庭生活は神の愛があってこそ、という信念の表明とみなされています。
 
イーダ・アントラの執筆した詳細なライナーノートが、ウルマンとメシアンの曲集の歌詞と英訳とともにブックレットに掲載されています。
 
[プロフィール]
 
イーダ・アントラ Iida Antola(1990–)は、台北に生まれ、そこで子供時代を過ごしました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーで合唱指揮とピアノを学び、ベルリン芸術大学の声楽クラスに進みました。フランスでも学び、フィンランドのカンガスニエミの声楽コンペティションで優勝したあと、フィンランド国立歌劇場の《魔笛》のパミーナ役でオペラ・デビュー。国立歌劇場で上演されたサーリアホの《Innocence(イノセンス)》の「Bride(花嫁)」にも起用されました。現在、アムステルダムに住み、コンサートと歌曲も重要なレパートリーとして活動しています。フィンランド語、英語、ドイツ語、フランス語を流暢に話します。
 
キリル・コズロフスキ Kirill Kozlovski(1981-)。ベラルーシのモギリョフ生まれ。ベラルーシ国立音楽アカデミー、ヘルシンキのシベリウス・アカデミー、ウィーン音楽演劇大学でピアノを学び、ヴァーサのノヴィア応用科学大学とシベリウス・アカデミーでバロック音楽とチェンバロ演奏を研究しました。ショスタコーヴィチの音楽に関する研究でアカデミーの博士号を取得。講師としてアカデミーで教え、ソロと室内楽のピアニストとし、活動しています。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『レベッカ&ルイーズ(Rebecca & Louise)』
Alba ABCD 524 classical

 
レベッカ・クラーク(1886–1979)
 ピアノ三重奏曲(1921)
ルイーズ・ファランク(1804–1875)
 ピアノ五重奏曲第1番 イ短調 Op30(1839)
 (ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスのための)
  ミルカ・ヴィータラ(ピアノ)
  レータ・マーリスマー(ヴァイオリン)
  アイノ・オクサネン(ヴィオラ)
  トゥイヤ・ランタマキ(チェロ)
  カティ・サロヴァーラ(コントラバス)
 
録音 2022年 マニッコサリ(Manikkosali)(クラウカラ、フィンランド)
制作・録音エンジニア・編集 マルック・ヴェイヨンスオ

 
「男性たちの陰で」と言われながら、実際のところは「男性作曲家たちをよそに」音楽を書いた女性作曲家ふたり、イギリスのレベッカ・クラーク Rebecca Clarke とフランスのルイーズ・ファランク Louise Farrenc の室内楽作品をフィンランドの「女性音楽家」たちが演奏したアルバム。後期ロマンティシズム期のソナタにドイツの伝統の影響を融合させた「境界を崩した、大胆で壮大な」と言われるクラークの《ピアノ三重奏曲》。アレグロ、アダージョ・ノン・トロッポ、プレストの〈スケルツォ〉、アレグロの〈終曲〉の4楽章で書かれたロマンティックなファランクの《ピアノ五重奏曲第1番》。
 
アンサンブルの中心のミルカ・ヴィータラ Mirka Viitala は、ソロ・ピアニストと室内楽奏者として活動。レータ・マーリスマー Reeta Maalismaa は、フィンランド放送交響楽団の第1ヴァイオリン奏者を務めた後。ヴィルトゥオーゾ・ディ・クフモなどで演奏しています。アイノ・オクサネン Aino Oksanen は、フィンランド放送交響楽団のヴィオラ・セクションで演奏し、トゥイヤ・ランタマキ Tuija Rantamäki とカティ・サロヴァーラ Kati Salovaara は、それぞれフィンランド放送交響楽団の第3ソロ・チェロ奏者とコントラバスのセクション・リーダーを務めています。
 
ヘルシンキ郊外クラウカラのホールでのセッション録音です。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『美しい水車屋の娘』
Alba ABCD 525 classical

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 歌曲集《美しい水車屋の娘(Die schöne Müllerin)》 D 795
  エーリク・ロウシ(バス・バリトン)
  ユスタス・スタセフスキー(ピアノ)
 
録音  2021年4月1日–4日 ニューパヴィリオン(カウニアイネン、フィンランド)
制作 マルユット・ハンヌラ
録音エンジニア・編集 マルック・ヴェイヨンスオ

 
フィンランドのバス・バリトン歌手、エーリク・ロウシとピアニストのユスタス・スタセフスキーは、ともに、ヘルシンキとウィーンで学び、2015年からコラボレーションをスタートさせました。歌曲集《美しい水車屋の娘》を歌ったこのアルバムは、シューベルト歌曲のスペシャリストと言われるようになったデュオの最初のシューベルト録音です。
 
「わたしたちは《美しい水車屋の娘》をできるだけ多くの『色』をもった、コンサートを彷彿とさせる録音に創りあげることを目標にしました。結果、セッション録音ではあっても、ストーリーテリングと感情表現を行き渡らせることができました」とロウシは語り、スタセフスキーは、高声のために書かれた歌を音程を下げて歌いながらも作品の求める若々しい情熱と緑あふれる明るさを保つことができた、と言います。
 
録音セッションは、カウニアイネンのニューパヴィリオン(Nya Paviljongen)で行われました。マルユット・ハンヌラ Marjut Hannula がプロデュース、マルック・ヴェイヨンスオ Markku Veijonsuo がエンジニアリングを担当。シューベルトの《冬の旅》を「24景の劇」のように歌ったジェームズ・ラザフォードとユージーン・アスティの《冬の旅》(BIS SA-2410)と同様、歌と歌の間の「空白の時」を巧みに設計したアルバム作りが行われています。
 
[プロフィール]
 
エーリク・ロウシ Erik Rousi(1987–)。フィンランドのバス・バリトン歌手。力強さと美しさを併せもった声で知られます。バロックから歌曲とロマンティック・オペラまで、幅広いレパートリーで国内外で活動しています。《フィデリオ》のロッコ、《フィガロの結婚》のフィガロ、《トスカ》のスカルピア、《ドン・カルロ》のフィリッポ二世、ワーグナーでは《さまよえるオランダ人》のダーラント、ヴォータンとさすらい人といった役を得意としています。フィンランドの「エウラヨキ・ベルカント」の芸術監督をバス歌手ミカ・カレスと共同で務め、リート歌手としてシューベルト、シューマン、ブラームスの作品を歌ってきました。
 
ユスタス・スタセフスキー Justas Stasevskij(1989–)。フィンランドのピアニスト。2004年から2016年にかけてシベリウス・アカデミーでエーリク・T・タヴァッシェルナとアンティ・シーララに学び、2012年からウィーン国立音楽大学(ウィーン音楽演劇大学)のアヴェディス・クユンチアンの下で室内楽の研究を始めました。シベリウス・アカデミーの室内楽ピアニストとクオピオの音楽院のピアノ科講師を務め、エーリク・ロウシとのデュオをはじめとする活動を行っています。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『シューマン ピアノ三重奏曲第2集』
BIS SACD 2477 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
ロベルト・シューマン(1810–1856)
 ピアノ三重奏曲第3番 ト短調 Op.110(1851)
 6つのカノン風小品(6 Studien in kanonischer Form) Op.56(1845)
 (テオドール・キルヒナー(1823–1903) 編曲によるピアノ三重奏版)
 ピアノ四重奏曲 ハ短調(1829)(ヨアヒム・ドライハム補筆補完版)*
  クングスバッカ・ピアノ三重奏団
   マーリン・ブルーマン(ヴァイオリン)
   イェスペル・スヴェードベリ(チェロ)
   サイモン・クロフォード=フィリップス(ピアノ)
  ローレンス・パワー(ヴィオラ)*
 
録音 2019年3月11日–13日 ポットンホール(サフォーク、イングランド)、2022年5月25日–26日 ベールヴァルド・ホール(ストックホルム)*
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング イェンス・ブラウン

 
クングスバッカ・ピアノ四重奏団によるロベルト・シューマンのピアノ三重奏曲集の第2作。ピアノ三重奏曲の第1番と第2番と《幻想小曲集》(Op.88)を演奏した第1作(BIS SA-2437)は、メルボルン国際室内楽コンペティションで最優秀賞に選ばれた彼らが、BBC Radio への出演など、ヨーロッパを中心とする活動を広げるきっかけになりました。《ピアノ三重奏曲第3番 ト短調》は、作曲の1851年にデュッセルドルフで試演が行われ、1852年にライプツィヒで公に初演されました。「Bewegt, doch nicht zu rasch(動いて、しかし急ぎすぎず)」「Ziemlich langsam(きわめてゆるやかに)」「Rasch(急速に)」「Kräftig, mit Humor(力強く、ユーモアをこめて)」の4楽章。ニルス・W・ゲーゼに献呈された作品です。オルガン(ペダル・ピアノ)のための《6つのカノン風小品》はテオドール・キルヒナー Theodor Kirchner(1823–1903)によるピアノ三重奏版。1829年の《ピアノ四重奏曲 ハ短調》は、一般のコンサート・レパートリーになっていない作品です。シューマン研究者のヨアヒム・ドライハム Joachim Draheiim(1950–)が、紛失したページもあるシューマンの署名稿とスケッチに基づいて補筆完成させた出版譜による演奏です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ピアノ協奏曲第3番』
BIS SACD 2532 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
エイノユハニ・ラウタヴァーラ(1928–2016)
 ピアノ協奏曲第3番 《夢の贈り物(Gift of Dreams)》(1998)
ボフスラフ・マルティヌー(1890–1959)
 ピアノ協奏曲第3番(1947–48)
  オッリ・ムストネン(ピアノ)
  ラハティ交響楽団 ダリア・スタセフスカ(指揮)
 
[楽器 Piano: Steinway D]
 
録音 2022年1月3日–8日 シベリウスホール(ラハティ、フィンランド)
制作・編集・ミクシング インゴー・ペトリ
録音エンジニア シュテファン・レー

 
フィンランドのラウタヴァーラ Einojuhani Rautavaara とチェコ生まれのマルティヌー Bohuslav Martinů。一見共通するところのなさそうなふたりは、インスピレーションの新たな源をみつけようと絶えず探求し、音楽の「ピューリタニズム」から解放される姿勢を保ちつづけたことで繋がっています。フィンランドのピアニスト、オッリ・ムストネンが、新たに首席指揮者に就任したダリア・スタセフスカの指揮するラハティ交響楽団と共演したアルバムでは、このふたりの作曲家の「ピアノ協奏曲第3番」が演奏されます。
 
ラウタヴァーラの《ピアノ協奏曲第3番》は、1994年の交響曲《光の天使》で彼が国際的に成功を収めた後、1998年の作品です。ネオロマンティックなスタイルをさらに押し進めた1969年の《第1番》とも、雑多な要素を合成した1989年の《第2番》とも異なる、ソリストがピアノを弾きながらオーケストラを指揮することのできる、ピアノ・オブリガート付き交響詩とでもいったスタイルで書かれています。「トランクィッロ」「アダージョ・アッサイ」「エネルジーコ」の3楽章の作品。男声合唱のために書かれた1978年の《4つのセレナード》の一曲、ボードレールの詩による〈貧しき者らの死〉に初めて現れた「le dons des rêves(夢の贈り物)」の言葉による音型がモチーフとして使われていることから《夢の贈り物》の副題がつけられました。
 
折衷的で多作のマルティヌーの《ピアノ協奏曲第3番》は、ロマンティシズム時代の協奏曲に共通する特徴を備えた作品です。ブラームスを思わせる交響的構造をモデルにした、ストラヴィンスキーの新古典主義の「余韻」の聞こえる第1楽章「アレグロ」。色彩的な第2楽章「アンダンテ・ポコ・モデラート」。「モデラート-アレグロ」の第3楽章には、チェコスロヴァキアに政変が起き共産党政権が成立した1948年という時代が反映され、カデンツァの後、好戦的ともいえる姿勢で曲が閉じられます。1949年11月20日、作品を献呈されたルドルフ・フィルクシュニーのソロ、ウォルター・ヘンドル指揮ダラス交響楽団によりテキサス州ダラスで初演されました。
 
ピアニストのムストネン Olli Mustonen(1967–)は、作曲家と指揮者としての活動でも知られ、内省と深い洞察による演奏は「再創造」とも呼べる新鮮な響きをもたらします。スティーヴン・イッサーリスと共演した3つの「チェロソナタ」(BIS SA 2042)に次ぐマルティヌー作品の録音です。
 
指揮者のダリア・スタセフスカ Dalia Stasevska(1984–)は、ウクライナのキーウ生まれ。エストニアのタリンを経て、5歳の時、フィンランドに移住しました。ヘルシンキに一年住んだ後、タンペレに移り、タンペレ音楽院でヴァイオリンと作曲を正式に学び始めました。ヘルシンキのシベリウス・アカデミーでヴァイオリンとヴィオラを学び、指揮に興味をもった20代、ストックホルム王立音楽大学でヨルマ・パヌラ、シベリウス・アカデミーでレイフ・セーゲルスタムたちに師事。2012年にシベリウス・アカデミーのディプロマを取得しました。BBC交響楽団の首席客演指揮者に就任した2019年7月、「BBCプロムス」で初めてロンドンの聴衆を前に指揮、翌年の「プロムス最終夜」の指揮者を務めました。2021/22年のシーズンにラハティ交響楽団の首席指揮者に就任しました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『橋(Bridges)』
BIS SACD 2563 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ボリス・パパンドプロ(1906–1991)
 瞑想(Medidation)(1987)(ヴァイオリンとピアノのための)
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1988)
ディオス・コンスタンティニデス(1929–2021)
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1971 rev.1977)
ディミトリー・テルツァキス(1938–)
 地獄のソナタ(Sonate infernale)(2008–09)
 (ヴァイオリンとピアノのための)
 風の中の言葉(Sprüche im Wind)(2009)
 (ヴァイオリンとピアノのための「10の小品」)
ヤニス・コンスタンティニディス(1903–1984)
 ドデカネス諸島のギリシャ民謡による組曲
 (Suite sur des mélodies populaires grecques du Dodécanèse)(1948)
 (ヴァイオリンとピアノのための)
  カルパトス島の旋律(Air de Karpathos)
  カリムノス島の牧歌(Chant pastoral de Kalymnos)
  ロドス島の歌と踊り(Chant et danse de Rhodes)
  レロス島の踊り(Danse de Leros)
  ロドス島の旋律(Air de Rhodes)
  ロドス島の結婚の歌と踊り(Chant nuptial et danse de Rhodes)
  ダナエ・パパマッテウー=マチュケ(ヴァイオリン)
  ウーヴェ・マチュケ(ピアノ)
 
[楽器 Violin: Carlo Ferdinando Landolfi, Milan 1760/Piano: Steinway D]
 
録音 2022年6月17日–20日 ゼンデザール(ブレーメン、ドイツ)
制作・録音エンジニア・編集・ミクシング ファビアン・フランク

 
このアルバムは、ギリシャの作曲家とギリシャをルーツにもつ作曲家によるヴァイオリンとピアノのための作品を紹介する目的で作られました。
 
ボリス・パパンドプロ Boris Papandopulo(1906–1991)は、ボンに近いドイツのホンネフ・アム・ラインに生まれた、ギリシャ系クロアチアの作曲家です。ザグレブ音楽アカデミーで学び、指揮者としても活動しました。《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》は、バルカン半島の民俗音楽の味わいをもち、《瞑想》は、アドリア海に面したダルマチア沿岸の美しい村トリブニで作曲された、哀愁的な気分の小品です。
 
ディオス・コンスタンティニデス Dinos Constanthinides(1929–2021)は、ギリシャ北部のイオアニナ生まれ。ニューヨークのイヴァン・ガラミアンやドロシー・ディレイたちにヴァイオリン、アテネのヤニス・パパイオアヌーとミシガン州のオーウェン・リードに作曲を学びました。《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》は、「厳格な十二音技法」で書かれた、「長く掃くような旋律」が特徴の3楽章の作品です。
 
アテネ生まれのディミトリー・テルツァキス Dimitri Terzakis(1938–)は、アテネのヤニス・パパイオアヌーとケルン音楽大学のベルント・アロイス・ツィンマーマンに学びました。その後「ダルムシュタット」のドグマを離れ、音色ではなく「メロディ」を重視する作曲を行うようになりました。《地獄のソナタ》は、ダンテの『神曲』からインスピレーションを得た3楽章の作品です。その直後、音と感情の世界で関連をもつ、短い旋律の楽想による格言的な曲集《風の中の言葉》が作曲されました。
 
ヤニス・コンスタンティニディス Yannis Constanthindis(1903–1984)は、アナトリアのスミルナ(現イズミル)で生まれました。ギリシャ=トルコ戦争の直前にアテネに移り、ベルリンでパウル・ユオンに作曲と理論を学んだ後、キャバレーや劇場のピアニストとして生計を立てました。帰国後、コスタス・ヤンニディスの別名で万能の音楽家として活動、経音楽の分野で大きな成功を収めました。《ドデカネス諸島のギリシャ民謡による組曲》は、スイスの民俗音楽研究家サミュエル・ボー=ボヴィの『ドデカネス諸島のギリシャ民謡』を基に作られた「オーセンティック」な歌と踊りの曲集です。
 
ダナエ・パパマッテウー=マチュケ Danae Papamattheou–Matschke は、将来を託されるギリシャの若い世代のヴァイオリニストのひとりです。アテネ生まれ。ザルツブルクのモーツァルテウムのイゴール・オジム、ハンブルク音楽演劇大学のターニャ・ベッカー=ベンダーに学び、テッサロニキのマケドニア大学の博士号を取得しました。ピアニストのウーヴェ・マチュケ Uwe Matschkek は、ベルリン生まれ。フランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学でユリアネ・レルヒェ、ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学でペーテル・ショイモシュたちに学びました。アテネに移り、2001年にマケドニア大学の音楽学部ピアノ科の教授に任命されました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『アンナ・ザシモワ+ショパン』
BIS SACD 2619 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
フレデリク・ショパン(1818–1849)
 マズルカ第1番 嬰へ短調 Op.6 no.1 マズルカ第2番 嬰ハ短調 Op.6 no.2
 マズルカ第7番 へ短調 Op.7 no.3 バラード第4番 へ短調 Op.52
 ノクターン第6番 ト短調 Op.15 no.3 マズルカ第43番 ト短調 Op.67 no.2
 3つのマズルカ Op.50 バラード第2番 へ長調 Op.38
 マズルカ第44番 ハ長調 Op.67 no.3 4つのマズルカ Op.41
 ワルツ第8番 変イ長調 Op.64 no.3 スケルツォ第4番 ホ長調 Op.54
 ワルツ ホ長調 ソステヌート 変ホ長調 カンタービレ 変ロ長調
 モデラート ホ長調
  アンナ・ザシモワ(ピアノ)
 
録音 2022年7月25日–28日 リストセンター(ライディング、オーストリア)
制作・録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル

 
アンナ・ザシモワ Anna Zassimova は、1976年、モスクワ生まれ。2002年からドイツに住み、活動しています。音楽学者、画家としても知られています。彼女が得意とするショパン。「マズルカ」「バラード」「スケルツォ」など作品番号のある曲に《ソステヌート》をはじめとする作品番号のない曲を加えた「ひねった」選曲によるプログラムを演奏しています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『シューベルト+』
BIS SACD 2650 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 ピアノソナタ第4番 イ短調 D.537(1817)
アルノルト・シェーンベルク(1874–1951)
 3つのピアノ小品(Drei Klavierstücke) Op.11(1909)
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 ピアノソナタ第20番 イ長調 D.959(1828)
  ジャン・チャクムル(ピアノ)
 
[楽器 Piano: Kawai SKEX (Shigeru Kawai Concert Grand)]
 
録音 2022年3月21日–26日 テスマー・トーンスタジオ(ハノーファー、ドイツ)
制作・録音エンジニア インゴー・ペトリ

 
アンカラ生まれのトルコのピアニスト、ジャン・チャクムル Can Çakmur(1997–) は、2019年1月3日、「第10回浜松国際ピアノ・コンクール」で優勝した数週間後、コンクールの行われた「アクトシティ浜松」に戻り、デビュー・アルバム『ジャン・チャクムル-ピアノ・リサイタル』(BIS SA-2430)を録音しました。このアルバムでは、ベートーヴェン、シューベルト、ハイドン、ファジル・サイ、バルトーク、佐々木冬彦の作品を弾き、翌年、リスト編曲のシューベルトの《白鳥の歌》とリストの《忘れられた4つのワルツ》(BIS SA-2530)をリリース。2年後の2022年にはバルトーク、ミトロプーロス、サイグン、エネスクの曲による『国境のないピアノ曲』(BIS SA-2630)が制作されました。BIS Records のこれらのアルバムは、各国の雑誌、メディアから高く評価され、『ジャン・チャクムル-ピアノ・リサイタル』が ICMA(International Classical Music Awards)の2020年の「独奏器楽」賞を受賞、チャクムルは、2021 ICMA の「Young Artist of the Year」に選ばれました。
 
BIS Records の第4作は、シューベルトの没後200年の2028年に向けてスタートする新しいプロジェクトの最初のアルバムです。『シューベルト+』。このシリーズでは、シューベルトの主要なピアノ曲とシューベルトの音楽に影響を受けた作曲家の曲がならべて演奏されます。「それぞれの作品に新たな魅力を感じてもらいたい」というチャクムルの思いから生まれた企画です。 
 
シューベルトの《ピアノソナタ第4番 イ短調》は、1817年に作曲された「アレグロ・モデラート」「アレグレット・クワジ・アンダンティーノ」「アレグロ」の3楽章の作品です。第2楽章の主題が最晩年の3つのソナタのひとつ、イ長調の最終楽章に使われたことから、この組み合わせで演奏されます。《ピアノソナタ第20番 イ長調》は「アレグロ」「アンダンティーノ」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の〈スケルツォ〉「アレグレット-プレスト」の〈ロンド〉の4楽章で書かれています。
 
シェーンベルクの《3つのピアノ小品》は、1909年に作曲された、彼の無調による初期の作品のひとつ。「Mässige(適度な)」の指示のある最初の2曲は、彼が伝統的調性の「最後の痕跡」を棄てた目印とされています。シェーンベルクとシューベルトは、表現方法に違いはありながらも「主観的表現」という点でつながっていることから、この作品がプログラムに組み込まれました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ヤナーチェク、パヴェル・ハース』
BIS SACD2670 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
レオシュ・ヤナーチェク(1854–1928)
 弦楽四重奏曲第1番 VII-9《クロイツェル・ソナタ》(1923)
 弦楽四重奏曲第2番 VII-13《ないしょの手紙》(1928)
パヴェル・ハース(1899–1944)
 弦楽四重奏曲第2番《猿山から(From the Monkdy Mountains/Z opičích hor)》
  Op.7(1925)(打楽器つき版)*
  エッシャー弦楽四重奏団
   アダム・バーネット=ハート(第1ヴァイオリン)
   ブレンダン・スペルツ(第2ヴァイオリン)
   ピエール・ラポワント(ヴィオラ)
   ブルック・スペルツ(チェロ)
  コリン・カリー(打楽器)*
 
録音 2022年2月19日–22日 ポットンホール(サフォーク、イングランド)
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング トーレ・ブリンクマン

 
メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲(全6曲)(BIS SA 1960/SA 1990/SA 2160)とドヴォルジャークたちの四重奏曲(BIS SA 2280)をリリースしたニューヨーク市のアンサンブル、エッシャー弦楽四重奏団 Escher String Quartet の『バーバーとアイヴズ』(BIS SA 2360)につづく新作。エッシャー弦楽四重奏団はメンバーの交代があり、第1ヴァイオリンのダム・バーネット=ハート Adam Barnett-Hart とヴィオラのピエール・ラポワント Pierre Lapointe は、創設以来のメンバー、チェロのブルック・スペルツ Brook Spletz は前作から、第2ヴァイオリンのブレンダン・スペルツ Brendan Speltz はこのアルバムで初めて録音に参加しました。
 
チェコ=モラヴィアの作曲家によるプログラム。ヤナーチェク Leoš Janáček がトルストイの小説『クロイツェル・ソナタ』からインスピレーションを得て作曲した《弦楽四重奏曲第1番》と、38歳年下の人妻への恋文を音にしたとされる《第2番》。
 
パヴェル・ハース Pavel Haas の《弦楽四重奏曲第2番》は、ヤナーチェクのマスタークラスで作曲を学んだ3年後、1925年の作品です。チェコ語で「猿山」のニックネームで呼ばれていたモラヴィア高地で過ごした夏の休日を回想して書かれました。「アンダンテ」の〈風景(Landscape/(Krajina)〉と〈馬車、御者と馬(Coach, Coachman and Horse/Kočár, kočí a kůň)〉、「ラルゴ・エ・ミステリオーゾ」の〈月と私…(The Moon and I…/Měsíc a já…)〉、民謡の旋律とジャズの要素をミックス、打楽器も加わる「ヴィヴァーチェ・エ・コン・フオコ」の〈あらしの夜(Wild Night/Divá noc)〉の4つの楽章で構成されています。最終楽章は、打楽器の加わる初稿とハース自身が打楽器を削った版があり、現代の演奏は初稿が一般的と言われます。この録音の打楽器は、カレヴィ・アホの協奏曲《シエイディ》(BIS SA 2336)のスコットランドの名手、コリン・カリー Colin Currie(1976–)が担当しました。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ランゴー 交響曲全集』
Dacapo 8.207002 7CD’s classical [仕様変更再リリース]

 
 
ルーズ・ランゴー(1893–1952)
[CD1]
 交響曲第1番《岩山の田園詩(Klippepastoraler)》 BVN32
 (1908–09 rev.1909–11)
[CD2]
 交響曲第2番《春の芽吹き(Vaarbrud(Vaarsange))》 BVN53
 (1912–14)(第1版)(ソプラノ・ソロと管弦楽のための)
 交響曲第3番《青春の叫び(Ungdomsbrus)》 BVN96
 (1915–16, rev. 1925–33)(ピアノ、管弦楽と合唱のための)
[CD3]
 交響曲第4番《落葉(Løvfald)》 BVN124(1916 rev.1920)
 交響曲第5番(第1版) BVN191(1917–18 ny version 1926)
 交響曲第5番《大草原の自然(Steppennatur)》(第2版) BVN216
 (1917–20 rev.1931)
[CD4]
 交響曲第6番《天を裂いて(Det Himmelrivende)》 BVN165(1919–20 rev.1928–30)
 交響曲第7番 BVN188(1925/26)
 交響曲第8番《アメリエンボーの思い出(Minder ved Amalienborg)》 BVN193
 (1926–28 rev.1929–34)(混声合唱、テノール・ソロと管弦楽のための)
[CD5]
 交響曲第9番《ダウマ妃の町から(Fra Dronning Dagmars By)》 BVN282(1942)
 交響曲第10番《向こうに見える雷の住みか(Hin Torden-Bolig)》 BVN298(1944–45)
 交響曲第11番《イクシオン(Ixion)》 BVN303(1944–45)
[CD6]
 交響曲第12番 《ヘルシングボリ(Hélsingeborg)》 BVN318(1946)
 交響曲第13番《驚異の確信(Undertro)》 BVN319(1946–47)
 交響曲第14番《朝(Morgenen)》 BVN336(1947–48 rev.1951)
 (混声合唱と管弦楽のための組曲)
[CD7]
 頌歌(エドヴァルド・グリーグの死にあたり)
 (Drapa(Ved Edvard Griegs Død)) BVN20(1907 rev.1909–13)
 音画《スフィンクス(Sfinx)》 BVN37(1909–10 rev.1910, 1913)
 ヴィズビェア頌歌(Hvidbjerg-Drapa) BVN 343(1948)
 (混声合唱、オルガンと管弦楽のための)
 ファンファーレ《デンマーク放送(Danmarks Radio)》 BVN351(1948)
 常軌を逸したこと!?(Res absurda!?) BVN 354(1948)
 (混声合唱と管弦楽のための)
 交響曲第15番《海の嵐(Søstormen)》 BVN375(1937/1949)
 (バスバリトン・ソロ、男声合唱と管弦楽のための)
 交響曲第16番 《太陽の氾濫(Syndflod af Sol)》 BVN417(1950–51)
  デンマーク国立交響楽団
  デンマーク国立ヴォーカル・アンサンブル
  デンマーク国立合唱団
  トマス・ダウスゴー(指揮)
  インガー・ダム=イェンセン(ソプラノ) ペア・サロ(ピアノ)
  ラース・ペータセン(テノール) ヨハン・ロイター(バリトン)
 
録音 1998年8月–2008年6月 デンマーク放送コンサートホール(コペンハーゲン)
制作 プレーベン・イーヴァン、ミケール・ペータセン(第5番-第7番、第9番、第11番)、クリス・ヘイゼル(第8番)
録音エンジニア ヤン・オルロプ、ヤーアン・ヤコブセン(第5番、第9番-第11番)

 
SACD hybrid リリースされたアルバム(6.200001)の「CD」による再リリース。
 
価格 7,260円(税込価格)(本体価格 6,600円)

『マリアによる福音書(The Gospel of Mary)』
Dacapo 8.224736 contemporary/classical

 
フーギ・グヴズムンソン(1977–)
 オラトリオ《マリアによる福音書(The Gospel of Mary)》(2021)
  ベーリト・ノルバッケン(ソプラノ)
  スコラ・カントルム・レイキャヴィチェンシス
  オーフス・シンフォニエッタ
  ホルズル・アウスケルソン(指揮)
 
録音 2022年6月15日–17日 ヘリンゴン教会(オーフス、デンマーク)
制作・ミクシング・マスタリング ラグンヘイズル・ヨウンスドウッティル
録音エンジニア ダニエル・ショアズ

 
アイスランドの作曲家フーギ・グヴズムンソン Hugi Guðmundsson(1977–)は、レイキャヴィーク音楽大学と王立デンマーク音楽大学で学び、コペンハーゲンを拠点に活動しています。《エントロピー》《ハウヴァマウルの歌 II》などの室内楽と声楽の作品を集めたポートレート・アルバム(Sono Luminus DSL 92259)が、去年、リリースされました。オラトリオ《マリアによる福音書(The Gospel of Mary)》は、1896年に見つかった『ベルリン写本(Berlin Codex)』と呼ばれる5世紀のパピルス本に断片のある、『マグダラのマリアによる福音書』として知られる『新約聖書』の外典を主なテクストとする作品です。フーギと、リブレットを執筆したニルス・ブロンセ Niels Brunse とニーラ・パーティ NIla Party は、フェミニストの立場からテクストを解釈することで、マグダラのマリアの使徒仲間での重みと重要性を際立たと言われます。作品は「Meditation I(瞑想 I)」「Praeludium(前奏曲)」から「Gospel Text VI(福音書 VI)」「Postludium(後奏曲)」の19の章で構成され、マリアの言葉がソプラノ・ソロ、男性たちの言葉が合唱によって歌われます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『enTmenschT』
Dacapo 8.224739 contemporary

 
リネ・チャアンホイ(1960–)
 enTmenschT(2018)(われらの時代のアートワーク)
  #manifet #innocuossouls #demagification #suicidal
  #puttetry * #explanaton ifwarisanindustryhowcantherebepeace
  #thebeastinside #joy #licht #throwbacks #lament
  シアター・オブ・ヴォイセズ
  ポール・ヒリアー(芸術監督、男の声)
  エルセ・トープ(ソプラノ) イーリス・オヤ(アルト)
  ポール・ベントリー=エンジェル(テノール)
  ヤコプ・スキョルボー(テノール)*
  ヤコプ・ブロク・イェスパセン(バスバリトン)
 
録音 2022年8月15日–18日 三位一体教会(コペンハーゲン)
制作・録音エンジニアリング・編集・ミクシング・マスタリング プレーベン・イーヴァン

 
デンマークの作曲家リネ・チャアンホイ Line Tjørnhøj(1960–)は、痛みをともなう残酷なテーマにした力強い声楽作品に取り組み、頭角を現してきました。そうした作品のひとつ《Art vox reportage - on civilisation 2.0》は、ポール・ヒリアーとアルス・ノヴァ・コペンハーゲンのアルバム『国境を超えて』(Dacapo 6.220626)でカール・ニルセンやホルムボーたちの作品とともに歌われました。「われらの時代のアートワーク」の《enTmenschT》は、ありのままの自分たちの謎めいた本質を深く掘りさげてゆく2組の不運なカップルのストーリーを精巧に織りあわせた作品です。ユダヤ人画家シャルロッテ・ザロモン、ドイツの歌の教師アルフレート・ヴォルフゾーン、オーストリアの画家オスカー・ココシュカ、オーストリアの作曲家アルマ・マーラーという4人の実在の人物に基づくリブレットはチャアンホイ自身が執筆しました。さまざまな歌唱と表現の技法により、20世紀の2つの大戦と破壊の混乱を背景とする「人間」の存在を探求した作品です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『パウル・フォン・クレーナウ』
Dacapo 8.224744 classical 

 
パウル・フォン・クレーナウ(1883–1946)
 ヴァイオリン協奏曲(1941)
 ピアノ協奏曲(1944))
 交響曲第8番(1942)
  ジユ・ヘ(ヴァイオリン)
  セーアン・ラストギ(ピアノ)
  シンガポール交響楽団
  ハンス・グラーフ(指揮)
 
録音 2021年10月14日–15日(交響曲)、2022年6月1日–3日 エスプラネード・ホール(シンガポール)
制作 ドミニク・シュトライヒャー
録音エンジニア ダニエル・タン

 
パウル・フォン・クレーナウ Paul von Klenau は、コペンハーゲン生まれ。オト・マリングに学び、19歳の時に旅したドイツにそのまま留まり、指揮者と作曲家としてキャリアを築きました。党員ではないものの、ナチスの考えに沿った見解を表明したことからデンマークの音楽界で物議を醸し、死後は彼も彼の作品も表舞台から消えてしまいました。《交響曲第9番》(8.226098–99)、『3つの弦楽四重奏曲』(8.226075)、《Die Weise von Liebe und Tod des Cornets Christoph Rilke》(6.220532)につづくアルバムには、デンマークがドイツの占領下にあった第二次世界大戦中にフォン・クレーナウが書いた初録音の3曲が収録されています。いずれも、彼が調性のある音楽と無調による音楽を熟知し、未踏の音楽領域に分け入る才能をもっていたことがわかる、内観的スタイルの作品と言われます。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Frozen Moments』
Dacapo 8.224745 contemporary/classical

 
メテ・ニルセン(1985–)
 String Quartet in One Movement(一楽章の弦楽四重奏曲)(2012)
 Alone(2021)(バセットクラリネット・ソロのための)
 Apart(2021)(弦楽四重奏のための)
 Kvartet til minde om en sang(ある歌の記憶の四重奏曲)(2016)
 (弦楽四重奏のための)
 Together(2021)
 (バセットクラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための)
 Forestilling om et fastfrosset øjenblik(凍った瞬間の気まぐれ)(2020)
 (弦楽四重奏のための)
  NOVO 四重奏団
   カヤ・カトー・ムラー(ヴァイオリン)
   ニコライ・ヴァシーリ・ネーザゴー(ヴァイオリン)
   ダニエル・シュレジンスキ(ヴィオラ)
   シーネ・エプストロプ・ビチュ(チェロ)
  ヨーナス・フレーロン(A管バセットクラリネット)
 
録音 2022年6月25日–26日 王立デンマーク音楽アカデミー 第2スタジオ(コペンハーゲン)、2021年6月10日 マルメ・コンサートホール(マルメ、スウェーデン)(Alone)
制作 ティム・フレゼリクセン
録音エンジニア ヨーナス・エリヤ・モンク=ハンセン、メテ・ドゥーウ(Alone)
編集・ミクシング・マスタリング ヨーナス・エリヤ・モンク=ハンセン

 
デンマークの若い世代の作曲家のひとり、メテ・ニルセン Mette Nielsen(1985–)の初めてのポートレート・アルバム。彼女は、コペンハーゲンの王立デンマーク音楽アカデミーでベント・サーアンセン、ハンス・エーブラハムセン、ニルス・ロシング=スコウたちに学び、声楽曲、器楽曲を問わず、歌と歌唱を重要な要素とする作品を書いてきました。このアルバムでは、彼女のこれまでの作曲家人生10年の「スナップショット」が、NOVO 四重奏団とヨーナス・フレーロン Jonas Frølund によって演奏されます。《Alone》《Together》《Apart》は、ペレ・グズモンセン=ホルムグレーンの「モジュラー技法」を実際に応用した、それぞれに関連をもった「三部作」です。「曲の真ん中で一時停止できたら、どんな感じがするだろう。時を止めて、すべての要素を見て回る」という発想による《Forestilling om et fastfrosset øjenblik(凍った瞬間の気まぐれ)》。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『シューベルト歌曲集』
Danacord DACOCD 961 classical

 
フランツ・シューベルト(1797–1828)
 さすらい人の月に寄せる歌(Der Wanderer an den Mond) D.870
 春に(Im Frühling) D.882
 船乗り(Der Schiffer) D.536
 双子座に寄せる船乗りの歌(Lied eines Schiffers an die Dioskuren) D.360
 夜の曲(Nachtstück) D.672
 漁夫の歌(Fischerweise) D.881
 シルヴィアに(An Silvia) D.891
 月に寄す(An den Mond) D.193
 小人(Der Zwerg) Op.771
 万霊節のための連祷(Litanei auf das Fest Allerseelen) D.343
 ます(Die Forelle) D.550
 恋する者のさまざまな姿(Liebhaber in allen Gestallten) D.558
 さすらい人の夜の歌(Wanderers Nachtlied) D.224
 セレナード(Ständchen) D.957/4
 ブルックにて(Auf der Bruck) D.853
 春のおもい(Frühlingsglaube) D.686
 夕映に(Im Abendrot) D.799
  マティアス・ヘーゼゴー(テノール)
  トーヴェ・レンスコウ(ピアノ)
 
録音 2021年11月15日–18日 ガーニソン教会(コペンハーゲン)
制作・録音エンジニア モーテン・モーウンセン

 
デンマークのテノール歌手マティアス・ヘーゼゴー Mathias Hedegaard(1978–)とベテラン・ピアニスト、トーヴェ・レンスコウ Tove Lønskov の共演による第2作アルバム。ヘーゼゴーは、彼の世代のデンマーク芸術歌曲のもっとも優れた歌い手として評価され、シューベルトの《冬の旅》を歌った前作(DACOCD 865)は、デンマーク放送(DR)P2 が選ぶ2021年の「最優秀クラシカル・アルバム」賞を獲得しました。新しいアルバムでは、ザイドルの詩に作曲した《さすらい人の月に寄せる歌》からカール・ラッペの詩による《夕映に》まで、「シューベルティアーデ」を偲ばせるプログラムを歌っています。
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)

『デンマークの偉大なピアニスト、ヴィクト・シューラー 第6集』
Danacord DACOCD 962–963 2CDR's classical

 
[Disc 1]
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770–1827)
 ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
  デンマーク放送交響楽団 アルベール・ヴォルフ(指揮)
 [録音 1966年5月29日(ライヴ放送)]
 ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
  デンマーク放送交響楽団 エーリク・トゥクセン(指揮)
 [録音 1949年5月10日(ライヴ放送)]
フェリクス・メンデルスゾーン(1809–1847)
 無言歌(Lied ohne Worte)
  アレグレット・グラツィオーソ《春の歌(Frühlingslied)》 Op.62 no.2
  アンダンテ・コン・モート《甘い思い出(Sweet Remembrance)》 Op.19b no.1
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
 [録音 1957年][HMV 7EGK 1083]
フランツ・リスト(1811–1886)
 愛の夢(Liebestraum) S541 no.3
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
[Disc 2]
ヨハネス・ブラームス(1833–1897)
 ピアノ協奏曲第2番 ロ短調 Op.83
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
  デンマーク放送交響楽団 カール・フォン・ガラグリ(指揮)
 [録音 1952年3月14日(ライヴ放送)]
パウル・ヒンデミット(1895–1963)
 クラリネット・ソナタ 変ロ長調
  イプ・エーリクソン(クラリネット)
   ヴィクト・シューラー(ピアノ)
カミーユ・サン=サーンス(1835–1921)
 ベートーヴェンの主題による変奏曲 Op.35(2台のピアノのための)
  ヴィクト・シューラー(ピアノ)
  ペーター・ヴェステンホルス(ピアノ)
 
トランスファー・エンジニアリング クラウス・ビューリト

 
1960年代のデンマークではテレビという新しいメディアがクラシカル音楽を普及させるツールのひとつとして音楽家から注目されました。ピアニストのヴィクト・シューラー Victor Schiøler(1899–1967)も「一般大衆」に近づく手段としてテレビ放送を活用し、彼がテレビのために収録したューベルトの《さすらい人幻想曲》が、シリーズの第4集(DACOCD 867–868)に収録されていました。この第6集で紹介されるサン=サーンスの《ベートーヴェンの主題による変奏曲》もテレビ放送の音源です。ベートーヴェンの《ピアノソナタ第18番 変ホ長調》の第3楽章「メヌエット」のトリオの旋律を主題に使ったこの作品は、2台のピアノのために書かれており、2人のピアニストが音楽を同期させることが求められます。シューラーは、生徒のペーター・ヴェステンホルス Peter Westenholz(1937–2008)を共演者に選び、「ホアノング&ムラー(Hornung og Møller)」コンサート・グランドが2台あるコペンハーゲンのシューラー宅で収録が行われました。ラジオ放送されたベートーヴェンとブラームスの協奏曲はすべて、初めて商用リリースされるアーカイヴ録音です。
 
価格 2,640円(税込価格)(本体価格 2,400円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。

『Hollywood Gala(ハリウッド・ガラ)』
Euro Arts 20 69221 Vinyl LP film music

 
『Hollywood Gala(ハリウッド・ガラ)』
[Side A]
 映画『ボディガード』- オールウェイズ・ラヴ・ユー(I Will Always Love You)
 (ドリー・パートン 作詞・作曲)
 映画『ムーラン・ルージュ』- ネイチャー・ボーイ(Nature Boy)
 (エデン・アーベ 作詞・作曲)
 映画『シェルブールの雨傘』- I Will Wait for You
 (ミシェル・ルグラン 曲/ジャック・ドミ 詞)*
 映画『グラディエーター』- ついに自由に(Now We Are Fress)
 (ハンス・ジマー 曲)
[Side B]
 映画『ハリエット』- スタンド・アップ(Stand Up)
 (シンシア・エリヴォ、ジョシュア・ブライアン・キャンベル 作詞・作曲)
 映画『アリー/スター誕生』- シャロウ(Shallow)
 (レディー・ガガ、ブラドリー・クーパー 作詞・作曲)
 映画『アルフィー』- メイン・テーマ
 (バート・バカラック 曲/ハル・デイヴィッド 詞)**
  デンマーク国立交響楽団 デンマーク国立ジュニア合唱団
  アンドレーア・ルゲ・ウーレンスレーヤー(ヴォーカル)
  ディルクシャンジャヤラトナ(ヴォーカル)
  ルートヴィヒ・ヴィッキ(指揮)
  クリスティーナ・オストラン(ヴァイオリン・ソロ)*
  ペーター・フールサング(サクソフォーン・ソロ)**
 
編曲 トマス・ブリュラ、マーティン・ニュゴー・ヤアアンセン、トミー・アンデション、アイリク・ベルゲ、クリスチャン・バルツァー
収録 2022年5月 DR(デンマーク放送)コンサートホール(コペンハーゲン)(ライヴ)
制作 ラース・C・ブルーン
録音エンジニア ミケル・ニュマン

 
Euro Arts がリリースするデンマーク国立交響楽団の「ガラコンサート」シリーズの第7作『Hollywood Gala(ハリウッド・ガラ)』の LP リリース。Blu-ray リリースされた「ライヴ」(20 29224)から選んだ8曲が収録されています。
 
『ボディガード』でホイットニー・ヒューストンが歌い、評価のわかれた映画をよそに世界でヒットしたドリー・パートン Dolly Parton 作詞作曲の《オールウェイズ・ラヴ・ユー》。バズ・ラーマン監督の『ムーラン・ルージュ』に使われた《ネイチャー・ボーイ》と《カム・ワット・メイ》。コンサートマスターのクリスティーナ・オストラン Christina Ästrand の素敵なヴァイオリン・ソロが聴ける、ミシェル・ルグラン Michel Legrand とジャック・ドミ Jacques Demy のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』の「駅の別れ」の場面で歌われる《I Will Wait for You》。ハンス・ジマー Hans Zimmer が作曲した『グラディエーター』の《ついに自由に》。バート・バカラック Burt Bacharach とハル・デイヴィッド  Hal David が主題歌を書いた、マイケル・ケイン主役の『アルフィー』では、デンマークのジャズシーンで活躍するペーター・フールサング Peter Fuglsang が、サクソフォーン・ソロを担当しています。アンドレーア・ルゲ・ウーレンスレーヤー Andrea Lykke Oehlenschlager とディルクシャンジャヤラトナ Diluckshan Jeyaratnam のヴォーカル。デンマーク国立ジュニア合唱団の少女たちの歌が、楽しい気分を盛り上げます。
 
価格 3,850円(税込価格)(本体価格 3,500円)

『ソフィア・コッポラ』
Euro Arts 20 69294 Blu-ray classical

 
ジュゼッペ・ヴェルディ(1813–1901)
 歌劇《椿姫(La Traviata)》
  フランチェスカ・ドット(ソプラノ、ヴィオレッタ)
  アントニオ・ポーリ(テノール、アルフレード・ジェルモン)
  ロベルト・フロンターリ(バリトン、ジョルジュ・ジェルモン)
  アンナ・マラヴァージ(メゾソプラノ、フローラ)
  アンドレア・ジョヴァンニーニ(テノール、ガストーネ子爵)
  ロベルト・アックールソ(バリトン、ドゥフォール男爵)
  アンドレア・ポルタ(バス、ドビニー侯爵)
  グラツィアーノ・ダッラヴァッレ(バス、グランヴィル医師)
  キアラ・ピエレッティ(ソプラノ、アンニーナ)
  ローマ歌劇場合唱団 ローマ歌劇場バレエ団
  ローマ歌劇場管弦楽団
  ヤデル・ビニャミーニ(指揮)
 
演出 ソフィア・コッポラ
衣装 ヴァレンティノ・ガラヴァーニ、ピエール・パオロ・ピッチョーリ、マリア・グラツィア・キウリ
美術 ネイサン・クロウリー
振付 ステファヌ・ファヴォラン
照明 ヴィニーチョ・ケーリ
収録 2016年5月 ローマ歌劇場(ローマ、イタリア)
 
[Blu-ray: 16:9 Full HD PCM stereo/DD5.1/DTS-HD MA5.0 142in Region All BD50 字幕:独英仏韓日]

 
2016年5月、ローマ歌劇場で上演され、オペラ界ばかりかファッションと映画の世界でも話題になった《椿姫》が Blu-ray 映像でリリースされます。
 
このプロダクションでは、ソフィア・コッポラの演出、ファッションブランド「ヴァレンティノ」を設立したイタリアのデザイナー、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ Valentino Garavani による衣装、クリストファー・ノーラン監督の映画『ダークナイト』で2009年アカデミー賞のアート・ディレクション部門にノミネートされたプロダクション・デザイナー、ネイサン・クロウリー Nathan Crowley の舞台美術が注目を集め、物語の時代を反映しながら現代の感覚で作り上げた舞台が高く評価されました。
 
演出のソフィア・コッポラ Sofia Coppola は、『ゴッドファーザー PART III』をはじめとする父フランシス・フォード・コッポラ監督の映画に女優として出演した後、監督を手がけるようになりました。ミュージック・ビデオや短編の演出を経験、2作目の長編、自作の脚本による2003年の監督作品『ロスト・イン・トランスレーション』で2004年のアカデミー・オリジナル脚本賞を受賞したしました。2006年の『マリー・アントワネット』も、独自の視点と美意識で描いた「女性」の姿が評価され、彼女の代表作のひとつと言われています。
 
このプロダクションの主役ふたり、ィオレッタ役のランチェスカ・ドット Francesca Dotto とアルフレード役のアントニオ・ポーリ Antonio Poli は、2018年のローマ歌劇場来日公演のキャストです。ソプラノのドットは、2012年にフェニーチェ歌劇場の《ボエーム》のムゼッタ役でオペラ・デビュー、パドヴァのヴェルディ劇場の《ルクレツィア・ボルジア》のタイトル・ロール、サッサリとバーリの歌劇場でヴィオレッタと、活躍の場を広げています。テノールのポーリは、2011年のザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭でリッカルド・ムーティ指揮で上演されたメルカダンテの《二人のフィガロ》のアルマヴィーヴァ伯爵を歌って一躍注目されました。
 
2023年9月に来日するローマ歌劇場のプログラムにも決まっているプロダクションです。
 
ちなみに、ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』では、ビル・マーレイの演じるハリウッド俳優の泊まる「パークハイアット東京」が主要な舞台として使われました。客室や屋内プールなどの施設と東京の夜景が美しくとらえられ、このホテルの国際的知名度を一気に高めたと言われます。
 
価格 4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)
 

 

『スペインの時』
Harmonia Mundi HMM 905361 classical

 
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
 歌劇《スペインの時(L’Heure espagnole)》 M.52(1907)
 ボレロ(Boléro) M.81(1928)
  イザベル・ドリュエ(メゾソプラノ、コンセプシオン)
  ジュリアン・ベール(テノール、ゴンサルベ)
  ロイク・フェリクス(テノール、トルケマダ)
  トマ・ドリエ(バリトン、ラミーロ)
  ジャン・デジャン(バス、ドン・イニーゴ)
  レ・シエクル フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
 
録音 2021年3月23日–24日 ラ・セーヌ・ミュジカル「RIFFX スタジオ1」(ブローニュ=ビヤンクール、フランス)
アーティスティック・ディレクション イジー・ヘーガー
録音エンジニア アリス・ラゴン)

 
歌劇《スペインの時》は、モーリス・ラヴェルの1907年の作品です。フラン=ノアン Franc-Nohain の笑劇(ファルサ)『スペインの時』を観て、この作品の作曲を思いついたといわれます。
 
「18世紀スペイン。時計職人トルケマダの店。ロバ曳きのラミーロがやってくる。闘牛士の叔父にもらった時計を修理してほしいという。トルケマダが時計を分解しはじめたところに妻のコンセプシオンが入ってきて、市役所の時計を調整するのを忘れたのかと、夫を叱りつける。明らかに夫を嫌っており、トルケマダが出かけようとするなり、こんどは、店のウィンドウにある大きな振り子時計2台を二階の部屋に運べと、わめきたてる。あんな重たいものを。トルケマダはため息をつき、出かけしなにラミーロに戻るまで待っていてくれという。コンセプションは、ラミーロが店にいると、具合がわるい。夫の留守に愛人と楽しもうとしていたのに……」。
 
チックタックと刻む音とともに始まる幕開けから幕切れまで、ラミーロをはじめとする人物が入れ替わり立ち替わり現れては、大時計を運んだり、時計の中に隠れたり、と、愉しい時間がつづく約50分の1幕の作品。オペラにするにあたっては、フラン=ノアンの了解のもと、劇の台本がそのまま作曲に使われました。ラヴェルは、1907年の夏いっぱいを作曲にあて、オペラのスコアとピアノ・リダクションを10月までに完成させました。1911年5月19日、フランソワ・ルールマンの演出によりパリのオペラ=コミック座で初演されたものの、9回の公演で打ち切り。1921年12月5日、ファニー・エルディがコンセプションを歌ったオペラ座の公演でラヴェルの音楽にふさわしい成功を収めました。
 
レ・シエクルとロトによるこの録音では、コントラファゴットで代用されるのが一般的なサリュソフォーンのパートがオリジナル通りに演奏されます。「楽器が揃ったら必ずやる」とロトが約束していたという、初録音の《ボレロ》では、スネアドラムに代わり「プロヴァンスの太鼓」タンブールがリズムを打ち続けます。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『パルティータ』
LAWO Classics LWC 1249 classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 パルティータ第6番 ホ短調 BWV 830
 パルティータ第5番 ト長調 BWV 829
 パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
  ニルス・アンデシュ・モッテンセン(ピアノ)
 
録音 2021年11月30日–2月1日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア トマス・ヴォルデン [DXD(24bit/352.8kHz)録音]

 
《フランス風序曲》《サラバンドとパルティータ ハ長調》《イギリス組曲第6番 ニ短調》(LWC 1174)につづくニルス・アンデシュ・モッテンセン Nils Henrik Mortensen(1971–)のバッハ録音。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『翼の音(The Sound of Wings)』
Ondine ODE 1417-2 contemporary/classical

 
トヌ・クルヴィッツ(1969–)
 翼の音(Tiibade hääl) TK 157(2022)
 (メゾソプラノ、ヴィオラ、混声合唱と弦楽オーケストラのための)
  Ülemereühenduses…(電話で…)(ソロ・ヴィオラと弦楽)
  I Taevas ja tundmatus(空とその彼方)(合唱)
  II Puutuda su kätt(あなたの手のぬくもり)(合唱と弦楽)
  III Vapruse vääringus(勇気の通用)(合唱と弦楽)
  IV Üks armastus(ひとつの愛)(メゾソプラノ・ソロ、合唱と弦楽)
  V Nõnda kõneleb süda(そう心が語る)(女声合唱と弦楽)
  VI Tuletorn(灯台)(合唱と弦楽)
  VII Tähistulv(星の流れ)(独唱アンサンブル、合唱と弦楽)
  VIII Üle peegelvee(清らな水面を越えて)(合唱と弦楽)
  Põhilõuna põhjatusse sööst(北へ南へと走り)
  (ソロ・ヴィオラと弦楽)
  IX Tiibade hääl ja hüüd(翼の歌の音)
  (ソロ・ヴィオラ、ソプラノ・ソロ、合唱と弦楽)
 日曜日の願い(Pühapäevasoov)(2020 arr.2022)
 (ソプラノ、高声と弦楽オーケストラのための)
  エストニア・フィルハーモニック室内合唱団
  タリン室内管弦楽団
  リスト・ヨースト(指揮)
  ラウル・エーンサル(ヴィオラ)
  チェ・イェナ(ソプラノ) トリーン・サケルマー(ソプラノ)
  マリリース・ティーテル(ソプラノ) マリアンネ・パルナ(アルト)
  マールヤ・ヘルステイン(アルト)
  
録音 2022年5月31日–6月3日 メソジスト教会(タリン、エストニア)

 
現代エストニアを代表する作曲家のひとり、トヌ・クルヴィッツ Tõnu Kõrvits(1969–)の音楽は、ロマンティックな曲想と北欧圏を思わせる繊細な響きをあわせもち、広く人気を集めてきました。《翼の音》は、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団、タリン室内管弦楽団、リスト・ヨースト Risto Joost による合唱三部作の《ムーアランドのエレジー》(ODE 1306-2)と《あなたは光と朝》(ODE 1363-2)につづく最後の作品です。
 
この作品は、1932年に女性として初めて大西洋単独横断飛行を成功させ、1937年に赤道上世界一周飛王に挑んで消息を絶ったアメリカの飛行士、アメリア・イアハート Amelia Earhart(1897–1937)に捧げられ、エストニアの詩人、ドリス・カレヴァ Doris Kareva(1958–)の書いたテクストに作曲されました。「メゾソプラノ、ヴィオラ、混声合唱と弦楽オーケストラ」の編成で書かれ、イアハートと彼女の「ロッキード・エレクトラ10E」の飛行をヴィオラ・ソロとオーケストラがさまざまな奏法によって表現する手法も使われています。
 
《日曜日の願い》もドリス・カレヴァがテクストを書いた「美しいケルトの祈り」のような作品です。2023年7月に開催される予定の「The Estonian Youth Dance and Song Festival」で演奏されることが決まっています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『教会の歌』
Ondine ODE 1428-2D 2CD’s classical

 
ヘンリク・ミコワイ・グレツキ(1933–2010)
 教会の歌(Pieśni kościelne) Op.84(1986)(アカペラ混声合唱のための)
  O Virgo Maria Sicut parvi amplectamur Veni, o mater terræ
  O mater semper alma Nunc avemus et laudemus
  Ave, carmina milia O stella cæli Sanctus, sanctus, sanctus
  Domine Deus Popule meus Pie Jesu, pastor alme
  Jesu Christe, frater noster Pater noster, omnipotens Deus
  Ave, lauderis Christi crux Jesus Christus resurrexit
  Beati qui elegunt Joseph Salve mater matris Jesu
  Jam conclamamus Audi clamantes, audi plorantes
  ポーランド室内合唱団 ヤン・ウカシェフスキ(指揮)
 
録音 2021年8月9日–13 Sanctuary of Divine Mercy(グダンスク、ポーランド)

 
《悲歌のシンフォニー》で世界的に知られるポーランドの作曲家ヘンリク・ミコワイ・グレツキ Henryk Mikołaj Górecki にとって宗教と音楽は切り離せないものと言われます。アカペラ混声合唱のための《教会の歌》は、ポーランドの宗教生活のルーツ、カトリック教会で歌い継がれてきた旋律と歌詞を素材に彼がアレンジして作った曲集です。静謐な祈りの曲から、伝統の踊りを思わせる気分の曲まで、20の多彩なスタイルの曲で構成されています。ポーランド室内合唱団とヤン・ウカシェフスキ Jan Łukaszewski による演奏は、ラテン語歌詞版の初めての録音です。
 
価格 3,410円(税込価格) (本体価格 3,100円)

『テレマン 無伴奏フルートのための12のファンタジア』
Resonus Classical RES 10312 classical

 
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681–1767)
 無伴奏フルートのための12のファンタジア TWV 40
  第1番 イ長調 TWV 40:2 第2番 イ短調 TWV 40:3
  第3番 ロ短調 TWV 40:4 第4番 変ロ長調 TWV 40:5
  第5番 ハ長調 TWV 40:6 第6番 ニ短調 TWV 40:7
  第7番 ニ長調 TWV 40:8 第8番 ホ短調 TWV 40:9
  第9番 ホ長調 TWV 40:10 第10番 嬰へ短調 TWV 40:11
  第11番 ト長調 TWV 40:12 第12番 ト短調 TWV 40:13
  サミ・ユンノネン(フルート)
 
[楽器 Flute: Muramatsu 24K, after 2000]
 
録音 2022年2月15日–17日 エリエル・スタジオ(Ayriel Studos)(ウェスタデール、ノース・ヨークシャー、イングランド)

 
フルート・ソロのための《12のファンタジア(Douze solos pour la flûte transversiere sans basse)》は、テレマンが1727年から1732年、1733年ごろ作曲したとされる作品です。「ヴィヴァーチェ-アレグロ」の第1番から「グラーヴェ-グラーヴェ-アレグロ-ドルチェ-プレスト」の第12番まで、古典的な形式のソナタと、舞曲などを織り交ぜた新しい形式のソナタをバランスよく配置した、ヴィルトゥオーゾ性の高いページも取り入れた曲集です。フィンランドのフルーティスト、サミ・ユンノネン Sami Junnonen(1977–)は、ヘルシンキのシベリウス・アカデミー、リヨン国立高等音楽舞踊学校、王立デンマーク音楽アカデミーで学び、2012年、ヘルシンキ・ミュージックセンターでデビュー・リサイタルを行いました。J・S・バッハのフルート作品集(Alba ABCD 469)を2022年にリリースしています。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『北極星に(To the North Star)』
Resonus Classical RES 10316 classical

 
ユーハン・ヘルミク・ルーマン(1694-1758)
 ソナタ第4番 ト長調 BeRI 204(フルートと通奏低音のための)
 ソナタ第10番 ホ短調 BeRI 210(フルートと通奏低音のための)
 アリア「Süße Zeiten eilet nicht」
 (《食卓の音楽のカンタータ(Cantata in einer Taffel-Music)》 HRV 601)
 ソナタ第8番 イ長調 BeRI 208(フルートと通奏低音のための)
 アリア「I eder bästa vår(あなたたちの最良の春に)」
 (《結婚の音楽(Rröllops Music)》 HRV 600)
 トリオソナタ第3番 ホ短調 BeRI 115
 (2つのヴァイオリンと通奏低音のための)
  フラウグィッシモ・デュオ
   フー・ユウェイ(フルート)
   ユーハン・ローヴィング(テオルボ、バロック・ギター)
  マグダレーナ・ロース=ヒル(ヴァイオリン)
  エミリ・アトキンソン(ソプラノ)
  ヘンリク・ペーション(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 
録音 2021年11月22日–24日 聖三位一体教会(Holy Trinity Church)(ウェストン、ハートフォードシャー、イングランド)

 
フー・ユウェイ Yu-Wei Hu とユーハン・ローヴィング Johan Löfving が2008年に結成した「フラウグィッシモ・デュオ Flauguissimo Duo」にヴァイオリンのマグダレーナ・ロース=ヒル Magdalena Loth-Hill、ソプラノのエミリ・アトキンソン Emily Atkinson、ヴィオラ・ダ・ガンバのヘンリク・ペーション Henrik Persson が加わったユーハン・ヘルミク・ルーマン Johan Helmich Roman の「音楽の夕べ」。対照的な3曲のソナタ、フルート・オブリガートのつく2曲のアリア、2つのヴァイオリンと通奏低音のための《トリオソナタ第3番 ホ短調》の編曲によるプログラムという、18世紀初頭にストックホルムの宮廷で行われたサロン・コンサートを偲ばせる企画のアルバムです。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル』
Sterling CDA 1864/1866-2 3CDR's classical

 
スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(1955–)
[Disc 1]
 ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調
 《ミュロスベッケンの夕べ(Afton vid Myråsbäcken)》
 ピアノ三重奏曲第2番 イ短調
 ピアノ三重奏曲第3番 ハ短調
 ピアノ三重奏曲第4番 イ長調《ノアクじいさん(Gubben Noak)》
 ピアノ三重奏曲第5番 ハ短調
 《そうだ、彼が生きるよう…(Ja må han leva…)》
 ピアノ三重奏曲第6番 ニ短調《火の踊り(Elddans)》
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(ピアノ)
  アンニカ・スタッティン(ヴァイオリン)
  ラーシュ・スタッティン(ヴィオラ)
 [録音 2019年6月 グスタフ・アドルフ教会(ボロース)]
 花咲く季節がやってきた(Den blomstertid nu kommer)
 (ピアノ・ソロのための編曲)
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(ピアノ)
 [録音 2021年3月 ビョルクルンド=ユッランデル・スタジオ]
 夏の牧歌(Sommarpastoral)(オルガンのための即興)
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(オルガン)
 [録音 2020年9月24日 グスタフ・アドルフ教会(ボロース)
  (ライヴ録音)]
 人類(Mänsklighet)(合唱、ピアノとフルートのための)
 書き手たちがいる(There are writers)
 (合唱、ピアノとフルートのための)
 母なる地球(Moder jord)(合唱、ピアノと独唱のための)
  ニコライ室内合唱団
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(ピアノ)
  ベアトリス・オルレル(歌) マデレイネ・B・ニルソン(フルート)
  クリスチャン・ユンググレーン(指揮)
 [録音 (ライヴ録音)]
[Disc 2]
 3楽章のピアノ協奏曲(Piano Concerto in three movements)
 (ピアノ・ソロとオルガンのための編曲)
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル
  (ピアノ、オルガン(第1・第3楽章))
  カール=グスタフ・エークストレム(オルガン)(第2楽章)
 [録音 ビョルクルンド=ユッランデル・スタジオ(第1・第3楽章)
   カローリ教会(ボロース)]  
 「オルガン即興の紹介(Presentation of the Organ Improvisation)」
  ヘンリク・トゥービン(紹介)
 オルガン即興(Organ Improvisation)
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(オルガン)
 [録音 2021年秋 ヨーテボリ・コンサートホール(ヨーテボリ)
  (新オルガン落成式ライヴ)]  
[Disc 3]
 教会オペラ《息子(Sonen)》
  スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル(ピアノ、オルガン)
  OPERAnerna 独唱者
 [録音 1998年6月–1999年5月 スタジオ・ネーヴォ(Studio Nevo)、
   スウェーデン放送(スンツヴァル)、スウェーデン放送(シューヘーラド)]
 
[楽器 Piano: Yamaha GT1/Organ Allen(Alnö parish)]
 
制作 スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル
録音エンジンニア クリステル・スヴェンソン、スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル、トゥーマス・カールソン、シェル・イェールランデル、ヨーテボリ・コンサートホール

 
スタファン・ビョルクルンド=ユッランデル Staffan Björklund-Jullander は、1955年、ストックホルム生まれ。王立ストックホルム音楽大学、イタリア、ハンガリーのリスト音楽院で学び、オルガニスト、ピアニスト、作曲家として活動。2000年からボロースのグスタフ・アドルフ教会の教会音楽家を務め、ピアノやオルガンのための作曲と即興も手がけています。
 
『即興、コンサート・エチュード、瞑想』(CDA 1824-1825-2)に次ぐ作品集。1楽章で書かれた6曲の短い《ピアノ三重奏曲》、王立ストックホルム音楽大学の学生だった時にピアノと管弦楽のために作曲した《3楽章のピアノ協奏曲》の「ピアノ・ソロとオルガンのための編曲」、ヨーテボリ・コンサートホールに設置された新しいオルガンの落成式に演奏した《オルガン即興》。《Sonen(人の子)》は、ビョルクルンド=ユッランデル自身がイエス・キリスト(人の子)の生涯を描いた台本による第1幕「不思議な夜(Den märkliga natten)」第2幕「洗礼(Dopet)」第3幕「復活(Uppståndelsen)」の3幕の教会オペラです。
 
価格 7,920円(税込価格)(本体価格 7,200円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。

『エレクトラ』
Sterling CDA 1867/68-2 2CDR's classical

 
リヒャルト・シュトラウス(1864–1949)
 歌劇《エレクトラ(Elektra)》
  ライラ・アンデション=パルメ(ソプラノ、エレクトラ)
  グニッラ・セーデシュトレム(メゾソプラノ、クリュテムネストラ)
  アニタ・スールド(ソプラノ、クリュソテミス)
  レッナールト・ストレゴード(テノール、エギスト)
  グンナル・ルンドベリ(バリトン、オレスト)
  アンデシュ・ロレンソン(バリトン、オレストの老僕)
  カリーナ・ムーリング(ソプラノ、クリュテムネストラの腹心の侍女)
  エヴァ・ピラト(ソプラノ、クリュテムネストラの裾持ち)
  ソンニ・ヴァレンティン(テノール、若い召使)
  ベンクト・リンドベリエル(バス、老いた従者)
  ヤドヴィガ・コーバ(ソプラノ、監督者)
  インゲル・ブルム(アルト、第1の侍女)
  アンナ・ラーション(メゾソプラノ、第2の侍女)
  カロリーナ・ベンクツドッテル・ユング(メゾソプラノ、第3の侍女)
  アイネタ・ルンドグレーン(ソプラノ、第4の侍女)
  ヒルデ・ライラン(ソプラノ、第5の侍女)
  王立スウェーデン歌劇場管弦楽団・合唱団員
  ジークフリート・ケーラー(指揮)
  
録音 1996年5月4日 王立スウェーデン歌劇場(ストックホルム)(ライヴ録音)
マスタリング・編集 クット・カールソン

 
スウェーデンの宮廷歌手ライラ・アンデション=パルメ Laila Ansersson-Palme(1941–)のアーカイヴ録音シリーズ。プッチーニの《トスカ》(CDA 1837/38-2)、リヒャルト・シュトラウスの《サロメ》(CDA 1843/44-2)、シクステン・エールリングが指揮したワーグナーの《ジークフリート》(CDA 1847/49-2)の王立スウェーデン歌劇場での公演をライヴ収録したアルバムがこれまでにリリースされました。
 
ギリシャ悲劇に基づくフーゴ・フォン・ホーフマンスタールの台本に作曲されたシュトラウスの《エレクトラ》もアンデション=パルメが王立歌劇場で歌ったオペラのひとつです。ビルギット・ニルソンがタイトルロールを歌った1965年の公演で侍女のひとりを歌ったのが最初。同じルドルフ・ハルトマンが演出した1979年と1980年の春の公演でエレクトラの妹クリュソテミスを6回歌ったあと、1993年から1996年5月4日に行われた彼女の告別公演までにエレクトラ役を11回まで歌いました。今回リリースされるのは、この告別公演の記録です。
 
グニッラ・セーデシュトレム Gunilla Söderström(1943–2004)のクリュテムネストラ、アニタ・スールド Anita Soldh(1949–)のクリュソテミス、レッナールト・ストレゴード Lennart Srtregård(1946–)のエギスト、グンナル・ルンドベリ Gunnar Lundberg (1958–)のオレスト。1990年に王立スウェーデン歌劇場の首席指揮者と音楽監督に任命され、1992年から2005年まで宮廷指揮者を務めたドイツのジークフリート・ケーラー Sieggried Köhler(1923–2017)の指揮。フォルケ・アベニウス Folke Abenius の演出による舞台です。
 
シュトラウスの最後の和音が消えると、花をいっぱいに積んだ2台の台車が舞台に運びこまれました。そして、オーケストラが伴奏する中、観客も含めた全員が、アリス・テグネールの《青いアネモネ》の「青い」を「白い」に変えた歌詞で歌い、王立歌劇場に別れを告げる宮廷歌手ライラに感謝を捧げました。
 
価格 4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)
 

高品質メディア(Sony DADC/Diamond Silver Discs)を使用した、レーベル・オフィシャルのCD-Rによるリリースです。

『ユーハン・ヨアキム・アグレル』
Swedish Society Discofil SCD 1189 early music

 
ユーハン・ヨアキム・アグレル(1701–1765) 管弦楽のための6つの作品
 シンフォニア ニ長調 SheA 111345
 シンフォニア 変ロ長調 Op.1 no.4 SheA 551533
 シンフォニア 変ホ長調 SheA 131511
 シンフォニア ハ長調 Op.1 no.2 SheA 531531
 シンフォニア ニ長調 SheA 135175
 シンフォニア ニ長調 SheA 171111
  ドロットニングホルム・バロックアンサンブル
  ニルス=エーリク・スパルフ(コンサートマスター)
 
録音 2021年7月4日–6日 Musikaliska Kvarteret(ストックホルム)
制作・ミクシング トーレ・ブリンクマン(Take5 Music Production)
録音エンジニア ホーカン・エークマン

 
ユーハン・ヨアキム・アグレル Johan Joachim Agress は、1701年、スウェーデンのオステルヨートランド地方、ロート教区の牧師の子に生まれました。高等教育を受けたのち、1721年にウプサラ大学に入学。彼の受けた音楽教育については知られていないものの、ユーハン・ヘルミク・ルーマンの学生だったと推測されています。彼は、ヴァイオリンとチェンバロの奏者として頭角を現し、ウプサラ城で行われたコンサートに臨席していたヘッセンのマクシミリアン公に認められたことからカッセルの宮廷に招かれました。1730年代はカッセルで活動を続け、1746年にニュルンベルク市の音楽監督に任命されました。1749年に歌手のマルガレータ・フェルチュと結婚。3年後、妻が亡くなってからもニュルンベルクに留まり、「愛する祖国スウェーデン」に帰ることもかなわず、1765年に没しました。
 
アグレルは、プレーヤーと楽士長として活動するかたわら、ルーマンとバロック期の様式、ドイツ、フランス、イタリア、イギリスの最新の音楽からインスピレーションを得ながら多くの音楽を作曲。少なくとも75のカンタータと宗教曲を書きながら、ほとんどの作品の楽譜が失われてしまいました。現在、ヴァイオリンやオーボエといった楽器のための25の協奏曲、《チェンバロ・ソロのための6つのソナタ》(Prophone PCD 004)、《2つのフルートとヴァイオリンのための2つのソナタ》などの室内楽曲などの作品によりアグレル研究が行われています。
 
ドロットニングホルム・バロックアンサンブルによる新しいアルバムでは、アグレルの「シンフォニア」が6曲、演奏されます。「アレグロ」「アンダンテ」「メルエットとトリオ」「アレグロ」「ラルゴ」「スケルツォ」の6楽章の《シンフォニア ニ長調》をのぞく5曲は、3つか4つの楽章で書かれています。「シンフォニア」3曲と《チェンバロとフルートのための協奏曲ロ短調》などを演奏したヘルシンキ・バロック管弦楽団とアーポ・ハッキネンのアルバム(Aeolus AE 10047)以来の貴重な録音です。
 
ドロットニングホルム・バロックアンサンブル Drottningholms Barockensemle は、17世紀から18世紀の音楽を当時の楽器(ピリオド楽器)で演奏する目的で1971年に創設されました。現在の団員は33名。ニルス=エーリク・スパルフ Nils-Erik Sparf がリーダーを務めています。モーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲全集』(第1番–第5番)(Swedish Society Discofil SCD 1158)など、60を超す数のアルバムをリリースしてきました。
 
注; “SheA” は、アグレル研究の先駆者、インディアナ州サウスベンド市のノートルダム大学のジャネット・モーゲンロス・シーリン Jeanette Morgenroth Sheerin(1952–2020)によるアグレル作品整理番号です。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『へレーナ・インシューランデル(Helena Insulander)』
GASON CD 769 jazz

 
『へレーナ・インシューランデル(Helena Insulander)』
 Saknad(郷愁) Vaggvisa(子守歌)
 Vi finns under samma himmel(わたしたちは同じ空の下に)
 Compassion(哀れみ)
 Jag vill aldrig se dig gråta(あなたが泣くのなんて見たくない)
 Visan om mina vänner(わたしの友人たちの歌) Imorron(明日)
 Jag lovade att bära dig(あなたを支えると約束した)
 Sommarö(ソンマルー)
 Du går icke ensam(君はひとりで歩んではいない)
  へレーナ・インシューランデル(ヴォーカル)
  マッティン・ランドストレム(キーボード)
  ニクラス・フェーンクヴィスト(ベース)
  ダニエル・フレードリクソン(ドラム) レオ・クレッペル(ギター)
  フレードリク・オスカーション(トランペット)
  マッツ・アイネリード(トロンボーン)
  クラース・トゥーレソン(テナーサックス)
  マッティン・ホーペル(ベース) ヨン・ペーション(ドラム)
  ヴォケーション

 
スウェーデンのヴォーカルグループ「ヴォケーション(Vocation)」のメンバー、へレーナ・インシューランデル Helena Insulander の初めてのソロアルバム。彼女のオリジナル曲と彼女がじっくり選んだというスウェーデンのソングライターたちの作ったジャズ・ナンバーによるプログラム。ベーシストのニクラス・フェーンクヴィスト Niklas Fernqvist は、クレア・マーティン、イサベラ・ルンドグレーン、ヴィヴィアン・ブチェク、ヨエル・リュサリデスたちと、ドラマーのダニエル・フレードリクソン Daniel Fredriksson は、ジョーイ・カルデラッツォやクレア・マーティンと共演。彼女の信頼するミュージシャンたちが参加したセッションで録音されました。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Second Occasion』
LJ Records LJCD 5262 jazz

 
『Second Occasion』
 Clear Sky Busy Space Froglike Unison Prayer Heavy Stroll
 Atonal Concept Second Occasion Singing Stillness Sound Stuff
 Strange Worlds Outer Space First Final Second Final
  サドン・ミーティング
   スサンナ・リンデボリ(キーボード、エレクトロニクス)
   トマス・ファントゥ(ベース、エレクトロニクス)
   ミーケル・アンデション(パーカッション、エレクトロニクス)
 
録音 2019年7月18日–19日 ヨンセレード、スウェーデン
録音エンジニア・ミクシング・マスタリング モンス・アブラハムソン

 
スウェーデンの LJ Records は、「インプロヴィゼーションによるアコースティックとエレクトロニックのコンテンポラリー・ジャズ」を看板に掲げ、1990年代から活動をつづけています。新作の『Second Occasion』は、それぞれに多彩なジャンルで活動をする西海岸のミュージシャンたちが「突然の出会い」による音楽を創造する場として作った「サドン・ミーティング Sudden Meeting」の「二度目」のセッションを録音したアルバムです。2014年に2枚組CDでリリースされた最初のアルバム『サドン・ミーティング(Sudden Meeting)』(LJCD 5257)は、「Mwendo Dawa」グループなどで一緒にプレーしてきたピアニストのスサンナ・リンデボリ Susanna Lindeborg とサックス・プレーヤーのウーヴェ・ユーハンソン Ove Johansson を中心とする音楽家たちの色彩的で力強い爽快な音楽が、好意をもって迎えられたと言います。この『Second Occasion』は、ウーヴェ・ユーハンソンが亡くなったため、スサンナ・リンデボリ、ベースのトマス・ファントゥ Thomas Fanto、パーカッションのミーケル・アンデション Michael Andersson の「トリオ」によるセッションで録音されました。13曲すべて3人の共作です。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Lullabies from an Unknown Time(未知の時代の子守歌)』
Losen Records LOS 267-2 jazz

 
『Lullabies from an Unknown Time(未知の時代の子守歌)』
 Solitary Perception(Lorenzo De Finti)*
 Will You Still Be There?(Lorenzo De Finti)*
 The Nightingale(Lorenzo De Finti)
 Close (as two stars)(Lorenzo De Fint/Dall’Ora)*
 Andante (from “Suite No.1 for Small Orchestra”)(Igor Stravinsky)*
 Crystal Silence(Chick Corea)
 Como Busca(Trad. Venezuelan villancico)*
 Emotional Landscape(Lorenzo De Finti)
 This Unknown Heart of Mine(Lorenzo De Finti)*
  ロレンツォ・デ・フィンティ(ピアノ)
  ファブリツィオ・ボッソ(トランペット)*
 
録音 Griffa Stutio(ミラノ)、Snokad Room di Seby Burgio(ローマ、イタリア)
制作 ロレンツォ・デ・フィンティ
録音エンジニア マルコ・ソラージオ、セビー・ブルジョ
ミクシング・マスタリング ステファノ・ダッローラ

 
イタリアのピアニスト、ロレンツォ・デ・フィンティ Lorenzo De Finti の Losen Records の4枚目のリーダー・アルバム。「四人の一体感から生まれるものを予感する」をテーマにカルテットで録音した前作『Love Unknown(まだ知らぬ愛)』(LOS 208-2)と同じく、このアルバムも一貫するコンセプトで作られています。『未知の時代の子守歌)』のタイトルが示すとおり、このアルバムでは「子守歌」がテーマにとられました。「少なくとも4000年の間、子守歌は、なんらかの形で歌われてきた。なだめ、おだてて子供を寝かしつけるためだったり、はるか昔には、怖がらせて寝かせることさえあった」。《Solitary Perception》(孤独感)《Will You Still Be There?》(まだそこにいてくれるかい?)《The Nightingale》(ナイチンゲール)など、時代を超えて伝わる深い内容の子守歌を基に新しい音楽として作られたオリジナル曲と、ストラヴィンスキーの《小管弦楽のための組曲第1番》の〈アンダンテ〉、チック・コリアの《クリスタル・サイレンス》、ベネズエラ民謡《コモ・ブスカ》を束ねたプログラムが、イタリアのトランペッター、ファブリツィオ・ボッソ Fabrizio Bosso(1973–)とのデュオ、デ・フィンティのソロで演奏されます。ボッソは、クラシカル音楽からスタート、ボストンのバークリー音楽大学で学んで1990年代にジャズの世界に入ったプレーヤーです。室内ジャズの感覚と「ECMサウンドから遠く離れてもいない」メランコリックな音風景。マルコ・ソラージオ Marco Sorasio とセビー・ブルジョ Seby Burgio のエンジニアリングによりミラノとローマで録音されました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Sounds of 3 Edition 3』
Losen Records LOS 274-2 jazz

 
『Sounds of 3 Edition 3』
 Birds’ Unrest(Per Mathisen) Weather Ahead(Per Mathisen)
 Calming Sea(Per Mathisen) On the Horizon(Per Mathisen)
 Silenced Sails(Per Mathisen) Infiltration(Per Mathisen)
 Navigating Stars(Per Mathisen)
 Free at Last(Per Mathisen/Nguyên Lê/Audun Kleive
  ペール・マティセン(アコースティックベース、
   エレクトリックベース、サウンドエフェクト)
  グエン・レ(ギター、サウンドエフェクト)
  アウドゥン・クライヴェ(ドラム)
 
録音 2023年2月 Klokkereint Studio(ヨーヴィーク、ノルウェー)
制作 アウドゥン・クライヴェ、ペール・マティセン
録音エンジニア スヴェン・アンドレーン
ミクシング アウドゥン・クライヴェ、スヴェン・アンドレーン
マスタリング スヴェン・アンドレーン

 
ノルウェーのベーシスト、ペール・マティセン Per Mathisen(1969–)の「3人の音(Sounds of 3)」シリーズ第3作。最初の『Sounds of 3』(LOS 147-2)(2016)ではフローデ・アルネスのエレクトリック・ギターとヒラルド・ピロートのドラム、『Sounds of 3 Edition 2』(LOS 213-2)(2019)ではウルフ・ヴァケーニウス(ワケニウス)のギターとゲーリー・ハズバンドのドラムと共演しました。どちらのアルバムも冒険心の絶えないプレーのから緊迫感のある「サウンド」が生まれ、好感をもって受けとめられました。
 
第3作のミュージシャンは、ベトナム系フランスのギタリスト、グエン・レ Nguyên Lê(1959–)と、ノルウェーのドラマー、アウドゥン・クライヴェ Audun Kleive(1961–)です。グエン・レは、バンド・リーダーとして活動しながら、サイドマンとしてランディ・ベッカー、ヴィンス・メンドーザ、カーラ・ブレイ、ペール・マティセンたちと共演してきました。ベース・ギターとギター・シンセサイザーのプレーヤーでもある彼は、グエン・レ・カルテットとしての『Streams』(ACT 9876-2)など多くのアルバムを ACT Music に録音しています。
 
クライヴェは、オスロのノルウェー国立音楽大学で学び、ジャズ=ロック・グループの「Lotus」と「Oslo 13」でプレー。1983年にリリースした最初のアルバム『Anti-therapy』で「オスロの『ニュージャズ』シーンの導きの灯のひとり」と評されました。アルヴェ・ヘンリクセン、ヤン・グンナル・ホフ、マリリン・マスア、テリエ・リプダールたちから信頼を寄せられるドラマーとして活躍しています。
 
スタジオ・ライブとして勧められた「素晴らしいミュージシャンふたり」とのセッションについてマティセンは、終始わくわくする体験だった、と語っています。水夫が天候の変化の兆しとみなす《Birds’ Unrest》(鳥たちの不安)から、ヴァイキングが航海の目印とした《Navigating Stars》(航行の星)までの7曲はマティソンが作曲。完全な自由即興による《Free at Last》(ついに自由だ)は、3人のプレーヤーが他のふたりの演奏を聴かないまま別々に録音。最初から最後まで編集もカットもせずにミックスして作られました。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Voyager』
Losen Records LOS 282-2 jazz

 
『Voyager』 
 Atlantis(Michael Aadal) Voyager(Michael Aadal)
 Aftermath(Michael Aadal) Red Sky(Michael Aadal)
 Longing(Aadal/Kassen/Ramo/Sæter)
 No Smoke without Fire(Michael Aadal)
 Lighthouse(Michael Aadal) Winescapes(Michael Aadal)
  オーダール
   ミケール・オーダール(ギター)
   アンドレ・カッセン(サクソフォーン)
   アウドゥン・ラモ(ベース)
   グンナル・セーテル(ドラム)
 
編曲 ミケール・オーダール
録音 2022年11月 The Lodge(クリスチャンサン、ノルウェー)
制作 ミケール・オーダール
録音エンジニア マイク・ハートゥング

 
ギタリストのミケール・オーダール Michael Aadal のバンド「ミケール・オーダール・グループ」は、『アビゲイル(Abigail)』(2013)(LOS 122-2)と『ポモナ(Pomona)』(2016)(LOS 158-2)の2枚のアルバムが以前、Losen Records からリリースされていました。『Voyager』は、メンバーをマイナーチェンジして「オーダール (Aadal)」のグループ名で再出発した彼らが。 Losen Records に戻って作る最初のアルバムです。アンドレ・カッセン André Kassen のサクソフォーン、アウドゥン・ラモ Audun Ramo のベース、グンナル・セーテル Gunnar Sæter のドラム、オーダールのギター。優しく爪弾くギターのコードに始まり、テーマをギターとサックスがユニゾンで演奏するアルバム・タイトル曲《Voyager》など、豊かなハーモニーとシンプルではないメロディが特徴のナンバーは、一曲をのぞきオーダールが作曲しました。メンバー4人が、主役になり脇役になり、これまでのアルバムと同様、ジャンルと境界を超越した音楽が展開されます。
 
価格 2,365円(税込価格)(本体価格 2,150円)

『Rodando』
NXN Recordings NXN 2017 jazz

 
『Rodando』
 Dirá A chave Stars Um dia Everything Não Bells Trees
 O mundo
  ガブリエラ・ガルボ(ヴォーカル、キーボード)
  ヨハンネス・オーゴール(ギター)
  カト・リュングホルム(ドラム)
  ニルス・ヘンリク・サグヴォーグ(ベース)
 
制作 ヴェトレ・ユンケル

 
ブラジル系ノルウェーのシンガー、ガブリエラ・ガルボ Gabriela Garrugo の初めてのアルバム。彼女は、素晴らしい声と、モダン北欧ジャズと80年代ブラジルの音楽とボサノヴァを美しく融合させたサウンドでノルウェーのライヴシーンに足跡を刻みました。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『Jan Allan Nonet/Octet at Village Jazz Club, Västerås Sweden』
Vax Records VaxCD 1068–1069 2CD’s jazz

 
『Jan Allan Nonet/Octet at Village Jazz Club, Västerås Sweden』
[Disc 1: Jan Allan Nonet]
 Come Rain or Come Shine Mox Nix Top Hat Friday the 13th
 Tangerine Anything Goes Little Hurricane  Take the A-Train
 Boogie Stop Shuffle Bilder från Norden I Don't You Know I Care 
 Could Write a Book Sister Sadie  Exactly Like You
 Don't Get Around Much Anymore
[Disc 2: Jan Allan Octet]
 Exactly Like You Sister Sadie Anything Goes Mox Nix
 Body and Soul Fine Together Boogie Stop Shuffle Indian Summer
 Friday the 13th Röd liten stuga, adjö
 How Are the Things in Glocca Morra? How High the Moon
 I'll Remember April Sometime Ago She's Just My Size
 Little Rootie Tootie I Can't Believe That You're in Love
 Black Nightgown
  ヤン・アッラン・ノネット/オクテット
   ヤン・アッラン(トランペット)
   ロルフ・ブルムクヴィスト(サクソフォーン)
   ハンス・オーケソン(クラリネット、サクソフォーン)
   エーリク・ニルソン(サクソフォーン)
   トールニー・ニルソン(トロンボーン)
   ラーシュ・バッゲ(ピアノ)
   ウーヴェ・ルンディン(ピアノ)
   ルネ・グスタフソン(ギター)
   ゲオルク・リーデル(ベース)
   ユーハン・ディーレマンス(ドラム)
 
編曲 ゲオルク・リーデル、カール=ヘンリク・ヌーリン、ラーシュ・ショーステン
 
録音 1991年 The Village Jazz Club(ヴェステロース、スウェーデン)

 
舞台生活70年を迎えたスウェーデンのトランペッター、ヤン・アッラン Jan Allan(1934–)へのトリビュート。彼のキャリアの初期、1950年代にマルメの「Folkets Park(フォルケツ・パルク)」で彼のバンドがどんな音楽を響かせたのかということの例として作られました。ヤン・アッランは、キャリアを通じてスウェーデンのジャズに影響を与えつづけ、ダンスレストラン「Nalen(ナーレン)」で彼が展開した、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、スタン・ケントンのバンドに倣った音楽は、スウェーデン・ビッグバンドのモデルともなりました。このアルバムには、1991年にヴェステロースの The Village Jazz Club で彼がノネットとオクテットで演奏したコンサートの未発表のライヴ録音が収録されています。
 
価格 5,280円(税込価格)(本体価格 4,800円)

『シルヴァ(Silva)』
ESP ESP 5081 new age

 
バウラ・ギースラドウッティウル(1989–)
 シルヴァ(Silva)
  バウラ・ギースラドウッティウル(コントラバス、サウンドエフェクト)

 
コペンハーゲンを拠点に作曲家とコントラバス奏者として活動するアイスランドのバウラ・ギースラドウッティウル Bára Gísladóttir(1989–)の新作。《Silva》は「瞑想的な凝縮性という独自の生活を送り、下向きに成長する森からインスピレーションを得てコントラバスのため」に作られた、演奏時間57分35秒の作品です。彼女の弾くコントラバスの音を素材に使い、さまざまに加工。ノイズの塊のように重ねて作られました。クラシカルと前衛の音楽ばかりでなく、オルタナティヴ、ヘビーメタル、ノイズ、テクノ、エレクトロニカといったジャンルにも関心をもって育ったバウラの音楽体験の「副産物」という音楽です。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『セードリング・セッション(Södling Sessions)』
Caprice CAP 21937 traditional

 
『セードリング・セッション(Södling Sessions)』
 Hej se på hur lustigt jag kan dansa(ごらん、僕はおもしろい踊りを踊れるよ)
 Kerstin stalldräng(馬丁のシェシュティン)
 Jag gick mig ut en aftonstund(僕は夕方でかけた)
 Kom nu och lossa bojorna(さあ、この束縛を解いてくれ)
 Unnabo klouffs Polska 199(ポルスカ199番)
 Herr Adelin(アーデリーン氏)
 Polska från Vrankunge(ヴランクンゲのポルスカ)
 Om alla backar vore spickemat
 Dina ögon mig dårat(君の目にまどわされる)
 Gossens vals(男の子のワルツ)
 O mildaste himmelj(いと優しき天よ)
 Med möda, sorger och besvär(困難と悲しみと面倒をかかえ)
  セードリング・セッション
   ウルリカ・グンナション(ヴォーカル)
   ミア・マリーン(ヴァイオリン)
   ティーナ・クアルテイ(パーカッション)
 
録音 2021年10月–2022年1月 ギュラ・スタジオ(Gula Studion)(マルメ、スウェーデン)
制作 セードリング・セッション
録音エンジニア ダーヴィド・カールソン

 
ヴォーカルのウルリカ・グンナション Ulrika Gunnarsson、ヴァイオリンのミア・マリーン Mia Marin、パーカッションのティーナ・クアルテイ Tina Quartey。スウェーデンのフォークミュージック・シーンでもっとも名を知られるプレーヤー3人が集まった『セードリング・セッション』では、スモーランド地方のフォークミュージック作曲家カール=エーリク・セードリング Carl-Erik Södling(1819–1884)の歌を新しい編曲で歌っています。スウェーデン・フォークミュージックの歴史に名を残すセードリングは、美しい旋律をもつ歌や軽快な歌、わくわくするようなバラードとウィットに富んだ歌を作り、地方に伝わる歌の収集にも努めました。このアルバムでは、彼が残した何百という手書きの楽譜の中から選んだ13曲が歌われ、演奏されます。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Familia』
Footprint Records FRCD 115 children

 
『Familia』
 Dripp-dropp-familj(ドリップ=ドロップ=ファミリー)
 Triptyk(三連作)
 Hur stora familjer kan man ha(どれほど大きな家族がもてるか)
 Liten och stor(小さく大きく) Stor och stark(大きく強く)
 Aman Hemligt ställe(秘密の場所) Shadi
 Vilse i Vintergatan(銀河に迷い) Ensam tvåsam(ふたりっきり)
 Hur många familjer kan man ha(どれほどたくさんの家族がもてるか)
 Jälåkkdågå Fullt av ord(ことばがいっぱい)
 Min familj(わたしの家族)
  ストローフ・ヴォーカル・ストリングズ
   オーサ・ユーハンソン(ヴァイオリン、ヴォーカル)
   フランシス・ショーネシー(ヴァイオリン、ヴォーカル)
   トビアス・エドヴァルドソン(ヴィオラ、ベース、パーカッション、
    ヴォーカル)
   サンナ・シェルマン(チェロ、パーカッション、ヴォーカル)
 
録音 2022年4月20日–23日 Sound Processing Studio
制作 ペール・ショーステン

 
「ストローフ Stråf」は、ヴォーカル・カルテットとストリング・カルテットをひとつにしたグループです。ヨーテボリの「ヴォーカルアンサンブル・アマンダ Sångensemblen Amanda」のメンバーだったヴァイオリンのオーサ・ユーハンソン Åsa B. Johansson とフランシス・ショーネシー Shaughnessy、ヴィオラのトビアス・エドヴァルドソン Tobias Edvardsson、チェロのサンナ・シェルマン Sanna Källman の4人が結成しました。
 
『Familia(ファミリア)』は、ストローフと振付師のマウド・カールソン Maud Karlsson のコラボレーションによる2018年のステージ・プロダクションです。このプロダクションにはヨーテボリに住む異なる年齢の子供のグループが参加してワークショップが行われ、もっとも広い意味での「家族」の概念が探られました。切なる思いや孤独感など、家族というものを多種多様な角度から見つめ、雨だれや海や星といったものを取り上げた歌も歌われます。《Aman》と《Shadi》はアーマッド・アルハティーブ Ahmad Al-Khatib、《Jälåkkdågå》と《Fullt av ord》はレーナ・ヴィッレマルク Lena Willemark、その他の曲はグループのメンバー4人の作詞作曲。《Vilse i Vintergatan》はスウェーデンの伝承曲、リュビューのラッセ Lasse の《ワルツ》により、メンバーが作りました。
 このプロダクションの「情景音楽」に基づいて制作されたアルバム。
 
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

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