June 2023

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『Voices from the Past(過去からの声)』
BIS CD 2629 contemporary/classical

 
イェスペル・ヌーディン(1971–)
 Röster(声)(管弦楽のための三部作)*
  Åkallan(呼びかけ)(2013)
  Ärr(傷跡)(2014)
  Öde(運命/荒廃した)(2015)
 3rd Retrospective(三度目の回顧)(2019)
 (5弦エレクトリック・ヴァイオリン、弦楽オーケストラと
  ライヴ・エレクトロニクスのための)**
  スウェーデン放送交響楽団 * ダニエル・ハーディング(指揮)*
  ムシカ・ヴィテ **
  マーリン・ブルーマン(5弦エレクトリック・ヴァイオリン、
   アーティスティック・ディレクション)**
  イェスペル・ヌーディン(エレクトロニクス)**
 
[Röster]
録音 2016年10月13日、14日 ベールヴァルドホール(ストックホルム、スウェーデン)(ライヴ録音)
制作 ヤン・B・ラーション(スウェーデン放送)
録音エンジニア スタファン・ショイエル(スウェーデン放送) [24bit/48kHz 録音]
編集・マスタリング  マッティアス・スピツバルト
[3rd Retrospective]
録音 2021年8月25日–26日 「ニューガータン 6(Nygatan 6)」(ヴェクショー、スウェーデン)
制作・録音エンジニア・編集・マスタリング イェンス・ブラウン [24bit/48kHz 録音]

 
イェスペル・ヌーディン Jesper Nordin は、ロック、即興音楽、民俗音楽といったジャンルを背景とする、強い情動効果のある音楽の作曲家として活躍しています。『Emerging from Currents and Wave(潮流と波浪の間から出現する)』(BIS SA-2559)につづくアルバムには、スウェーデン放送交響楽団が初演して注目された「管弦楽のための三部作」《Röster(声)》と、自身の過去の作品をさまざまな方法で「振りかえる」シリーズの《3rd Retrospective(三度目の回顧)》の2つの管弦楽作品が収録されました。
 
《Röster(声)》は、きわめてはっきりした「声」をもつ、スウェーデンの異なる種類の音楽に基づく「三部作」です。家畜を呼び寄せる「クルニング(kulning)」をベースにした〈Åkallan(呼びかけ)〉。ウーメオのエクストリーム・メタルバンド「メシュガー(Meshuggah)」の曲《Bleed》がインスピレーションになった〈Ärr(傷跡)〉。「運命」と「荒廃した」の2つの意味をもち、スウェーデンのオペラ歌手ふたり、ビルギット・ニルソンとユッシ・ビョルリングの残したいくつかの録音に基づく〈Öde(運命/荒廃した)〉。最初の2曲を作品を献呈されたヨーテボリ交響楽団とケント・ナガノと、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニック管弦楽団とバルドゥル・ブレンニマンが初演。ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送交響楽団が、〈Öde〉を加えた「三部作」として初めて演奏しました。このアルバムに収録されたのは、そのライヴ録音です。
 
《3rd Retrospective(三度目の回顧)》は、作曲者ヌーディンの父バッテ・サーリンが作ったコミュニティ・プレイ中で農夫の未亡人が歌う歌を素材に書かれた「ポルスカ」です。スウェーデンを代表する弦楽オーケストラのひとつ「ムシカ・ヴィテ(Musica Vitae)」と、スウェーデン放送交響楽団のリーダーでもあるマーリン・ブルーマン Malin Broman から委嘱を受けて作曲されました。
 
価格 2,805円(税込価格)(本体価格 2,550円)

『Reconnaissance』
BIS SACD 2662 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
カイヤ・サーリアホ(1952–2023)
 Nuits, adieux(夜、別れ)(1991)
 (4人の歌手とエレクトロニクスのための)*
  Nuits I(夜 I) Adieu I(別れ I) Nuits II(夜 II)
  Adieu II(別れ II) Nuits III(夜 III) Nuits IV(夜 IV)
  Nuits V(夜 V) Adieu III–V(別れ III–V)
 Horloge, tais-toi!(時計さん、黙って!)(2005)
 (女声合唱とピアノのための)**
 Écho1(エーコー!)(2007)(8声とエレクトロニクスのための)*
 Tag des Jahrs(一年の日)(2001)
 (混声合唱とエレクトロニクスのための)*
  Der Frühling(春) Der Sommeer(夏) Der Herbst(秋)
  Der Winter(冬)
 Überzeugung(確信)(2001)
 (3人の女声、クロタル、ヴァイオリンとチェロのための)†
 Reconnaissance(偵察/再認)(2020)
 (混声合唱、打楽器とコントラバスのための)†
  The First Martian in a Long Time(長い間で初めての火星人)
  Count Down(カウントダウン)
  Interlude: Intercepted Radio Transmission (Solaris)
  (合間:無線傍受(ソラリス))
  Green House(温室) Desert People(砂漠の民)
  Requiem(レクイエム)
 Nuits, adieux(夜、別れ)(1996)(アカペラ版)
 (4人の歌手と合唱のための)
  Nuits I(夜 I) Adieu I(別れ I) Nuits II(夜 II)
  Adieu II(別れ II) Nuits III(夜 III) Nuits IV(夜 IV)
  Nuits V(夜 V) Adieu III–V(別れ III–V)
  ヘルシンキ室内合唱団
  ニルス・シュヴェケンディーク(指揮)
  ティモ・クルキカンガス(ライヴ・エレクトロニクス、エレクトロニクス)*
  アンナ・クヴァヤ(ピアノ)**
  ウーシンタ・アンサンブル †
   イ=ハン・フー(打楽器)
   アレクシ・コティラ(ヴァイオリン)
   ヨアシャ・チェスラック(チェロ)
   エーロ・マルッティラ(コントラバス)
   
録音 2022年8月22日–25日、10月20日 ヴィヒティ教会(ヴィヒティ、フィンランド)
制作・録音エンジニア ハンス・キプファー

 
フィンランドの作曲家カイヤ・サーリアホ Kaija Saariaho は、1952年生まれ。シベリウス・アカデミーで、フィンランド・モダニズムの先駆的存在のパーヴォ・ヘイニネンに学び、マグヌス・リンドベリたちと進歩的グループ「コルヴァト・アウキ!(耳を開け!)」を結成して注目されました。1982年からパリの IRCAM で研究を始め、フランスを拠点に、ザルツブルク音楽祭のための歌劇《遥かなる愛》に代表される委嘱作を次々と手がけ、フィンランドを代表する作曲家のひとりとして活動をつづけています。
 フィンランドでは、彼女の70歳の誕生日を祝うコンサート・シリーズ「カイヤ・サーリアホ 70」が2022年10月を中心に行われ、舞台作品と世界初演の作品など多岐にわたる彼女の作品が演奏されました。ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディーク Nils Schweckendiek の『Reconnaissance』は、このシリーズの一環として行われたコンサートの作品によるアルバムです。
 
「エレクトロニクス付き」と「アカペラ」の2つのバージョンが演奏される《Nuits, adieux》は、眠る子供のためというより、この世に別れを告げる高齢者のための「子守歌」という作品。子供の合唱から思いついたという《Horloge, tais-toi!(時計さん、黙って!)》。《Écho1(エーコー!)》は、エーコーとナルキッソスの神話に基づくアレクシ・バリエールの詩的なテクストに作曲され、エレクトロニクス処理による「声」が「こだま」として使われます。人間の声、鳥、風、その他の自然音にまで「音世界」を広げた、ヘルダーリンの詩による《Tag des Jahrs(一年の日)》。ザルツブルク音楽祭の総監督を離れるジェラール・モルティエへのトリビュートとして音楽祭スタッフから依頼されたという、中世音楽の感覚による《Überzeugung(確信)》。英語の「偵察」とフランス語の「再認」の両方の意味をもつ曲名の《Reconnaissance》は「サイエンスフィクション・マドリガル」とでもいう作品。すべての作品でテクストが自由にアレンジして使われ、彼女独自の音楽表現に実現されました。《Nuits, adieux》と《Tag des Jahrs》をのぞき、世界初録音の作品です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)
 
追記 カイヤ・サーリアホが、2023年6月2日、パリで病気のため亡くなりました。70歳でした。残念です。心よりご冥福をお祈りします。

『ウィリアム・バードの名誉(The Honour of William Byrd) 』
BIS SACD 2663 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) early music/cassical

 
ウィリアム・バード(c.1540–1623)
 汝詩人の友よ(Thou poet’s friend)
 4声のイン・オミネ第1番(In nomine à 4 No.1)
 哀れなアルビヌス(Wretched Albinus)
 6声のファンタジー第2番(Fantasia à 6 No.2)*
 白百合とともに(With lilies whites) 
 5声のファンタジー:ブラウニング「木々の葉は青く」
 (Fantasia à 5: Browning ‘The Leaves be Greene’)
 この心地よく楽しい五月(This sweet and merry month of May)
 おお主よ、御身のしもべエリザベスを女王に
 (O Lord, make thy servant, Elizabeth)
 すべて海のように(All as a sea, the world no other is)
 5声のファンタジー(Fantasia à 5: Two Parts in One in the Fourth Above)
 悲しみよ、永遠にわれに来たれ(Come to me, grief, for ever)
 セレンジャーのラウンド(Sellenger’s Round)
 (arr. F. H. Mountney and Walter Bergmann)
 幸なるかな主を恐れる者(Blessed is he that fears the Lord)
 なぜ私は神とインクとペンを使うか(Why do I use my paper, ink and pen)
 6声のファンタジー第1番(Fantasia à 6 No.1)*
 ああ、おろかな魂よ!(Ah silly soul!)
 主に向かいて高らかに喜べ(Rejoice unto the Lord)
 4声のファンタジー第1番(Fantasia à 4 No.1)
 汝、聖なるミューズよ(Ye sacred Muses)
  チェリス・ヴィオール・コンソート
   イブラヒム・アジズ(トレブル・ヴィオール、テナー・ヴィオール)
   アリソン・キンダー(トレブル・ヴィオール、テナー・ヴィオール)
   ケイト・コンウェイ(テナー・ヴィオール)
   サム・スタドレン(テナー・ヴィオール、バス・ヴィオール)
   ジェニファー・ブロック(バス・ヴィオール)
  ハリー・バーコック(テナー・ヴィオール)*
  ヘレン・チャールストン(メゾソプラノ)
 
[楽器 Aziz: Treble viol by Shem Mackey 2017; Tenor viol by Trevor Skeggs 2008/Kinder: Treble viol by Robert Eyland 1988; Tenor viol by Michael Metcalfe 1984/Conway: Tenor viol by Renate Fink 2014/Stadlen: Tenor viol by Michael Heale; Bass viol by Jane Julier 2017/Bullock: Bass viol by Renate Fink 2007/Buckoke: Tenor viol by Agnieszka Nalazek 2021]
 
録音 2022年11月7日–9日 セント・マーティン教会(イースト・ウッドヘイ、ハンプシャー、イングランド)
制作 マシュー・ベネット
録音 デイヴ・ローウェル

 
「信仰と女王と国と友人たちを讃えた」イギリスの音楽家ウィリアム・バード William Byrd の没後400年の記念アルバム。イギリスを代表するプレーヤーを集めて結成されたアンサンブル「チェリス・ヴィオール・コンソート」(チェリス・コンソート・オブ・ヴァイオルズ)によるコンソート曲と、メゾソプラノのヘレン・チャールストンを加えたマドリガルなどの声楽曲が演奏されています。
 
このコレクションでは、バードの音楽とそれぞれの作品に反映された「人としてのバード」に焦点をあてることがめざされました。「献身的なカトリックの信仰をもちながら、その信仰を違法にしたプロテスタントの女王に気に入られ、深く考えることのできるまじめな性格でありながら、鋭いウィットとユーモアをもつ。師であり友であったトマス・タリスを失い、個人的な、深く心に訴える音楽を寄せた忠実な友人」。それぞれの音楽とその背景にある「誇り高きイギリス人」の姿が探られていきます。ライナーノート(英語、ドイツ語、フランス語)をメンバーのアリソン・キンダー Alison Kinder が手がけ、それぞれの曲とバードのつながりを述べています。
 
ソロを歌うヘレン・チャールストン Helen Charlston は、2018年のロンドン・ヘンデル歌唱コンペティションで第1位を獲得、2021年から2023年の「BBC ニュージェネレーション・アーティスト」のひとりに選ばれました。サンフランシスコのフィルハーモニア・バロック管弦楽団、ベルリン古楽アカデミー、ロンドンのガブリエリ・コンソート、スコットランドのドゥネディン・コンソートなど、イギリスと世界のクラシカル音楽シーンの最前線で活動。2022年に「BBC プロムス」にデビュー、ウィグモア・ホールのリサイタルも行っています。
 
『パーセル・ファンタジア』(BIS SA-2583)につづく、チェリス・ヴィオール・コンソート Chelys Consort of Viols の新録音です。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Citadel of Love(愛の砦)』
BIS SACD 2685 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) contemporary/classical

 
ジュロ・ジヴコヴィッチ(1975–)
 Citadel of Love(愛の砦)(2019–20)(室内アンサンブルのための)*
  Invocation(祈り) De profundis(深き淵より)
  Rejoice, o Michael!(喜べ、おおミカエル!)
  Peace, Bring Unto All(安らぎを、すべてのものに)
 I Shall Contemplate…II(じっくり考えよう… II)(2011/2019)
 (ヴィオラと室内アンサンブルのための)**
 Night Music(夜の音楽)(2014)(フルート、クラリネット、ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための)***
  Poème languide(やつれの詩曲) Danse languide(やつれの舞曲)
  Nuances(ニュアンス)
  Feuillet d’album n° 1(アルバムの綴り 第1)
  Feuillet d’album n° 2(アルバムの綴り 第2)
  Poème(詩曲)
  ノルボッテン NEO
   サラ・ハンマシュトレム(フルート)
   ローベット・エーク(クラリネット)
   ダニエル・ザウアー(打楽器、ウォータフォーン、テルミン)*/**
   モッテン・ランドストレム(ピアノ)
   セシリア・シリアクス(ヴァイオリン、プサルタリー)
   マルコ・フーシ(ヴィオラ)*
   ニコライ・シュガエフ(チェロ、ウォータフォーン)*
   マッツ・オーロフソン(チェロ)**/***
  フレードリク・ビューシュテット(指揮)
  リーカ・レポ(ヴィオラ)**  
 
録音 2021年11月17日–18日 *、2022年2月25日–26日 **/*** スタジオ・アクースティクム(Studio Acusticum)(ピーテオー、スウェーデン)
制作・録音エンジニア マリオン・シュヴェーベル *、トーレ・ブリンクマン **/***

 
セルビア系スウェーデンの作曲家ジュロ・ジヴコヴィッチ Djuro Živković は、ベルグラードで生まれ、2000年からストックホルムに住み活動しています。中央ヨーロッパの音世界と強いつながりをもちながら、自身の信仰に基づくインスピレーションと芸術的動機づけを尊重する作品を発表してきました。J・S・バッハやブルックナー、20世紀のソフィヤ・グバイドゥーリナ、オリヴィエ・メシアン、武満徹といった作曲家と同様、神秘性、信仰、信念を重視することが、彼の芸術と創作と切り離せないと言われています。フォークロアとビザンティン聖歌への早くからの関心を基に開発した「古代モード(Ancient Mode)」と呼ぶ、音階、和声、コード進行、声部連結(ヴォイス・リーディング)に関連する作曲技法を開発。自身の音楽語法として使っています。
 
2007年に設立された「ノルボッテン NEO(Norrbotten NEO)」の『アンデシュ・エリーアソンの室内楽作品』(BIS SA-2270)とクラス・トシュテンソンの『Lantern Lectures(ランタン・レクチャー)』(BIS SA-2516)につづく新しいアルバムでは、ジヴコヴィッチの「特徴的」な作品が3曲、演奏されます。
 
《Citadel of Love(愛の砦)》は、11世紀ギリシャの修道士ニキタス・スティタトス Nikitas Stithatos の同名の著作からインスピレーションを得て、「魂の道」をコンセプトに作曲されました。「Fluid, with watchfullness(流れるように、用心深く(Fluid, with watchfullness)」の〈Invocation(祈り)〉、「With Peace(安らかに)」の〈De profundis(深き淵より)〉、「Toccatoso」の〈Rejoice, o Michael!(喜べ、おおミカエル!)〉、〈Peace, Bring Unto All(安らぎを、すべてのものに)〉の4楽章。ウォータフォーン、テルミン、テナー・プサルタリー、金床とハンマー、大小の鐘、ゴング、木管楽器、さらには語りと歌と、多彩なオーケストレーションによる作品です。
 
《I Shall Contemplate…II(じっくり考えよう… II)》は、5世紀ビザンティウムの神学者、偽ディオニュシオス・ホ・アレオパギテー Pseudo-Dionysius the Areopagite をテクストにした2011年の「声とアンサンブル」の曲を「ヴィオラと室内アンサンブル」版に改訂した作品です。「Every-Thing Is Possible if it dwells in the Spirit(魂のうちにあるなら、あらゆることが可能だ)」と楽譜に書かれ、残されたテクストの一部がヴィオラのソリストによって語られます。
 
《Night Music(夜の音楽)》は、神秘的なスクリャービンの6つのピアノ曲を素材に使い、独自の発想と技巧的な器楽書法でつくった「きわめておもしろいクロスオーバー」作品です。
 
ノルボッテン NEO を指揮するフレードリク・ビューシュテット Fresrik Burstedt(1972–)は、ヨルマ・パヌラに指揮を学び、ダニエル・ハーディング、ステファン・ソリヨム、ユッカ=ペッカ・サラステにも教わりました。スウェーデンと北欧諸国、ヨーロッパのオーケストラとオペラで指揮。若い指揮者に贈られる王立スウェーデン歌劇場のシクステン・エールリング賞と、王立スウェーデン音楽アカデミーのヘルベルト・ブロムシュテット奨学金を受賞しています。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『ステンドグラス(Stained Glass)』
BIS SACD 2730 SACD hybrid (5.0 surround/stereo) classical

 
アルヴォ・ペルト(1935–)
 フラトレス(Fratres)(1977/1980)
モーリス・ラヴェル(1875–1937)
 ヴァイオリン・ソナタ ト長調(1923–27)
リリ・ブーランジェ(1893–1918)
 夜想曲(Nocturne)(1911)
セルゲイ・プロコフィエフ(1891–1953)
 ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 Op.94a(1943)
グラジナ・バツェヴィチ(1909–1969)
 ユモレスク(Humoresque)(1953)
 子守歌(Lullaby)(1952)
 スラヴ舞曲(Slavonic Dance)(1952)
 ステンドグラス・ウィンドウ(Stained Glass Window)(1932)
  ユーハン・ダーレネ(ヴァイオリン)
  クリスチャン・イーレ・ハドラン(ピアノ)
 
[楽器 Violin: Antonio Stradivarius, 1736/Piano: Steinway D]
 
録音 2022年11月14日–16日 ストックホルム・コンサートホール「グリューネヴァルトホール」(ストックホルム、スウェーデン)
制作・録音 イェンス・ブラウン

 
スウェーデンのヴァイオリニスト、2022年に『Gramophone』の “Young Artist of the Year” に選ばれたユーハン・ダーレネ Johan Dalene(2000–)の新作。『北欧ラプソディ』(BIS SA-2560)につづきノルウェーのピアニスト、クリスチャン・イーレ・ハドラン Christian Ihre Hadland(1983–)とのデュオで20世紀のヴァイオリンとピアノのための作品を演奏しています。ペルトの《フラトレス》に始まり、ラヴェルとプロコフィエフの《ソナタ》、リリ・ブーランジェの《夜想曲》。ポーランドのバツェヴィチの室内楽曲から《ユモレスク》など4つの小品というプログラムです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Overtures from Finland(フィンランドの序曲)』
Chandos CHSA 5336 SACD hybrid (Multichannel/stereo) classical

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 《カレリア(Karelia)》序曲 Op.10(1893)
ウーノ・クラミ(1900–1961)
 《荒野の靴職人(Nummisuutarit)》 序曲(1947)
エルッキ・メラルティン(1875–1937)
 祝典行進曲(Juhlamarssi)(序曲) Op.22 no.30
 (劇付随音楽《眠れる森の美女(Prinsessa Ruusunen)》 Op.22 から
レーヴィ・マデトヤ(1887–1947)
 コメディ序曲 (Huvinäytelmäalkusoitto) Op.53
アルマス・ヤルネフェルト(1869–1958)
 抒情的序曲(前奏曲)(Ouveture lyrique; Præludium)
エルンスト・ミエルク(1877–1899)
 劇的序曲(Dramaattinen alkusoitto) Op.6
セリム・パルムグレン(1878–1951)
 《シンデレラ組曲(Tuhkimo-sarja)》 Op.21(1903) - 序曲
ロベルト・カヤヌス(1856–1933)
 交響的序曲(Oveertura sinfonica)(1926)
ヘイノ・カスキ(1885–1957)
 前奏曲(Prélude) Op.7 no.1
  オウル交響楽団 ラモン・ガンバ(指揮)
 
録音 2022年5月30日–6月2日 マデトヤ・コンサートホール(オウル、フィンランド)

 
19世紀中期から20世紀初頭のフィンランドでは、ロシアの支配下という政治的状況を反映して、ナショナル・ロマンティシズムの芸術創造が音楽の分野を中心に広く行われました。このアルバムは「序曲」という角度から「シベリウスとその彼方」を眺望することをテーマに作られました。
 
シベリウスが、ヴィープリ地区教育支援祭典と宝くじのための情景音楽として作曲した『カレリアの音楽』の曲を単独で演奏する曲にした《カレリア》序曲。シベリウス以前のフィンランド音楽をリードしたひとり、ロベルト・カヤヌス Robert Kajanus の《交響的序曲》は、カヤヌスの作風を要約したとみなされる、後期の一作です。シベリウスの友人でクラスメートだったアルマス・ヤルネフェルト Armas Järnefelt は、後に妹アイノがシベリウスと結婚したためシベリウスの義兄としても知られます。指揮者として多忙だったことから、作品の数は多くはないものの、《抒情的序曲》に代表される美しい旋律が特徴的な作品を残しました。
 
後期ロマンティシズムのエルッキ・メラルティン Erkki Melartin が、フィンランド劇場で上演されるサクリス・トペリウスの『眠れる森の美女』のために書いた付随音楽から《祝典行進曲(序曲)》。シベリウスより早く「交響曲らしい」交響曲を書き、将来を期待されながら21歳で没したエルンスト・ミエルク Ernst MIelck の《劇的序曲》。この曲は、カヤヌスの指揮で初演されました。ピアニストで作曲家のセリム・パルムグレン Selim Palmgren は、イーストマン音楽学校の教授を務め、国際的な知名度の高い音楽家でした。《シンデレラ組曲》 の〈序曲〉は、エキゾティックな気分の作品です。ヘイノ・カスキ Heino Kaski は、主にピアノ教師として活動したため、残された作品の数は限られます。《前奏曲》は、もっとも人気のあったピアノ小品をオーケストレーションした作品です。
 
ウーノ・クラミ Uuno Klami は、パリとウィーンで勉強したことを反映し、このアルバムの作曲家のうち、もっともヨーロッパ・モダニズムに近い作曲家です。《荒野の靴職人》 序曲は、アレクシス・キヴィの同名の喜劇からインスピレーションを得て作曲されました。レーヴィ・マデトヤ Leevi Madetoja は、シベリウスが個人的に教えた数少ない作曲家のなかでもっとも才能に恵まれていたといわれます。「リヒャルト・シュトラウスの余韻」のある《コメディ序曲》は、推進力にみちた力作として、彼の代表作のひとつに挙げられています。オウル交響楽団(オウル・シンフォニア)と首席指揮者ラモン・ガンバによる演奏。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『グンナル・ド・フルメリ』
cpo 555 504-2 classical

 
グンナル・ド・フルメリ(1908–1987)
 クラリネット、弦楽、ハープと打楽器のための協奏曲 Op.51(1957–58)*
 九人のための音楽(Musica per nove)(九重奏曲) Op.75(1976)**
 古風な様式による組曲(Suite i gammal stil) Op.5b(1930)
 ピアノと弦楽オーケストラのための小協奏曲
 (Concertino for piano och stråkorkester) Op.78(1977)***
  ミュンヘン放送管弦楽団
  イヴァン・レプシッチ(指揮)
  トルステン・ヨハンス(クラリネット)*
  オリヴァー・トリンドル(ピアノ)**/***
  中村有人(ヴァイオリン)**
  ノルベルト・メルクル(ヴィオラ)**
  ヴラディーミル・シンケヴィチ(チェロ)**
  インゴ・ナウラ(コントラバス)**
  ベルタ・ベルメホ・モヤ(オーボエ)**
  フローリアン・アダム(コールアングレ)**
  エーベルハルト・クノブロッホ(クラリネット)**
  ティル・ハイネ(ファゴット)**
  マキオ・バッハウアー(トランペット)**
 
録音 2021年7月15日、2022年5月2日 バイエルン放送(BR)第1スタジオ(ミュンヘン、ドイツ)

 
グンナル・ド・フルメリ Gunnar de Frumerie は、ソロと室内楽のピアニスト、多ジャンルの作曲家として活躍、20世紀スウェーデンでもっとも慕われ、愛された音楽家のひとりです。音楽一家に生まれ、王立ストックホルム音楽大学で教育を受けました。ウィーンのエミール・フォン・ザウアーに教わったあと、パリでアルフレッド・コルトーにピアノ、レオニード・サバネーエフに作曲を学び、帰国後の1932年に彼にとって2作目の大曲の《ピアノと管弦楽のための変奏曲とフーガ》を作曲。ピアニスティックなタッチを散りばめたロマンティシズムとリリシズムの作風の音楽が時代に受け入れられ、コンサートのレパートリーとして定着しました。フルート、弦楽オーケストラとハープのための《田園組曲》、《チェロ協奏曲》《ホルン協奏曲》、ペール・ラーゲルクヴィストの詩による《心の歌》 《ラーゲルクヴィストの詩》《夕べの国》などの歌曲集といった作品は、スウェーデン各地のコンサートで演奏されています。
 
このディスクで演奏される「ブラームス的色彩の濃い」《九人のための音楽》は、演奏と録音の機会のもっとも多い彼の室内楽作品です。「協奏」の趣向による「アンダンテ・マエストーゾ - アレグロ・コン・ブリオ」「アンダンテ・トランクイッロ」「アレグロ・ミステリオーゾ」「アンダンティーノ・コン・ヴァリアツィオーネ」の4楽章で書かれています。《古風な様式による組曲》は、最初期の作品のひとつ。〈前奏曲(Praeludium)〉〈サラバンド(Sarabande)〉〈ガヴォット(Gavotte)〉〈ミュゼット(Musette)〉〈シシリエンヌ(Sicilienne)〉〈ジグ(Gigue)〉。ピアノのソロ曲が原曲です。《クラリネット、弦楽、ハープと打楽器のための協奏曲》は、トーレ・ヤンソンのソロ、シクステン・エールリング指揮ストックホルム・フィルハーモニックで1958年に初演、《ピアノと弦楽オーケストラのための小協奏曲》は、デンマークのアネ・ウーランがソロを弾いてヴェステロースで初演されました。
 
価格 2,860円(税込価格)(本体価格 2,600円)

『シベリウス』
Da Vinci Classics C 00739 classical

 
ジャン・シベリウス(1865–1957)
 ヴァイオリン・ソナタ イ短調 JS 177(1884)
 ソナタの楽章(アレグロ・コン・ブリオ) ニ長調
 (ヴァイオリンとピアノのための)
 ヴァイオリン・ソナタ へ長調 JS 178(1889)
 ソナティナ ホ長調 Op.80(1915)(ヴァイオリンとピアノのための)
  エマ・アリッツァ(ヴァイオリン)
  ステファノ・マルザンニ(ピアノ)
 
録音 2022年10月 チーゴレ(イタリア)

 
シベリウスは、ヴァイオリンが自身の楽器だったにもかかわらず、エドヴァルド・グリーグの3曲のソナタのように作曲者の音楽を代表するような「ヴァイオリンとピアノ」の作品を残しませんでした。しかし、「この曲がないとさびしい」《組曲 ホ長調》(JS 188)のようなチャーミングで美しい音楽は、主に個人的な集まりで演奏するために作曲しています。このアルバムでは、シベリウスが20代から30代に書いた2つのソナタ、ソナタの楽章、唯一生前に出版された《ソナティナ ホ長調》という、知られているかぎりすべての「ヴァイオリン・ソナタ」が演奏されています。
 
エマ・アリッツァ Emma Arizza は、イタリアのコモ生まれ。コモ音楽院のジャンルカ・フェボのクラスを卒業後、ロンドンの王立音楽大学で学び、優秀な成績で卒業。トリニティ・ラバン・コンセルヴァトワール・オブ・ミュージック・アンド・ダンスで藤川真弓に教わり修士号を取得しました。ソリストと室内楽奏者として活動、2018/2019年のシーズン「Fondazione la Società del Concerti di Milano」のアーティスト・イン・レジデンスを務めました。ピアニストのステファノ・マルザンニ Stafano Marzanni はブレーシャ生まれ。ルカ・マレンツィオ音楽院(ブレーシャ音楽院)のリッカルド・ベッティーニとロンドンの王立音楽大学のディナ・パラヒナに学びました。多ジャンルのピアニスト、キーボード・プレーヤー、アレンジャーとして活動しています。
 
聴き手に寄り添う音楽を聴かせるデュオによるシベリウス。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『サルヴェ・レジナ』
Footprint Records  FR 125 classical

 
ヒルディング・ルーセンベリ(1892–1985)
 トッカータ、アリア・パストラーレ、チャッコーナ
 (Toccata, Aria pastorale< Ciaccona)(1952)
 コラール前奏曲「おおキリスト、われらが光りたる御身
 (O Kriste, du som ljuset är)」(1927)
 コラール前奏曲「ある日われらの目の前に起こるだろう
 (En dag skall uppgå för vrå syn)」(1927)
アルベット・ルンベック(1894–1974)
 オルガンのための7つのコラール曲集(Sju koralbearbetningar för orgel)
  甘き喜びのうちに(In dulci jubilo)(1934, 1957)
  あなたの愛をあまねく世界へ(Den kärlek du till världen bar)(1964, 1967)
  われらの救い主イエス・キリスト(Jesus Krist, vår frälserman)(1965, 1972)
グスタフ・カールマン(1906–1958)
 主の御手にゆだねよ(Befall i Herrens händer)
 わが休息の時の音(Min vilotimma ljuder)
  トッカータ(Toccata) リチェルカーレ(Ricercare)
  チャッコーナ(Ciaccona)
ヒルディング・ルーセンベリ(1892–1985)
 オルガンのための前奏曲(Präludium för orgel) Op.58 no.1
トシュテン・ニルソン(1920–1999)
 オルガンのための序奏とパッサカリア(Introduktion und Passacaglia)(1963)
アルベット・ルンベック(1894–1974)
 サルヴェ・レジナ(Salve Regina)(1955)
トシュテン・ニルソン(1920–1999)
 サルヴェ・レジナ(Salve Regjina) Op.28 no.1(1969) 
  イェスペル・グランス(オルガン)
 
録音 2021年6月19日–20日 聖アンドレアス教会(マルメ、スウェーデン)
制作・録音エンジニア ペール・ショーステン

 
スウェーデン20世紀のオルガン音楽レパートリーから選んだ作品集。
 
ヒルディング・ルーセンベリ Hilding Rosenberg は、8つの交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ曲、歌曲と幅広く作曲した、20世紀スウェーデンでもっとも重要な作曲家のひとり。彼のもっとも長大なオルガン曲《トッカータ、アリア・パストラーレ、チャッコーナ》と、彼がストックホルム市庁舎で初演した4曲のコラール前奏曲から「おおキリスト、われらが光りたる御身」と《Dies irae(怒りの日)》に基づく「ある日われらの目の前に起こるだろう」。
 
ボースタード教会とフーヴ教会でオルガニストとカントルを務めたアルベット・ルンベック Albert Runbäck の  《オルガンのための7つのコラール曲集》の3曲と、聖母マリアを讃えるグレゴリオ聖歌に基づく幻想曲《サルヴェ・レジナ》。1947年から没するまでクリスチャンスタードの聖三位一体教会のオルガニストを務めたグスタフ・カールマン Gustaf Carlman は、『スウェーデン賛美歌集』の247番《主の御手にゆだねよ》によるコラールと、3楽章のコラール・パルティータ《わが休息の時の音》。
 
「モダニスト」としてスウェーデンの音楽シーン、とりわけ教会音楽の場でもっとも目を惹く個性を発揮したトシュテン・ニルソン Torsten Nilsson は、《オルガンのための序奏とパッサカリア》と《サルヴェ・レジナ》。いずれも未出版の作品です。
 
イェスペル・グランス Jesper Glans(1994–)は、2016年からマルメの聖アンドレアス教会のオルガニストを務めています。マルメ音楽大学で学び、教会音楽とオルガン演奏の修士号を取得しました。王立デンマーク音楽アカデミーでハンス・ファーギウスのソリスト・クラスに入り、レオ・ファン・ドゥセラールやオリヴィエ・ラトリたちのマスタークラスにも参加しました。
 
マルメの聖アンドレアス教会は、1959年の降臨節第1日曜日に献堂式が行われた比較的新しい教会です。メインのバルコニー・オルガンは、オランダのオルガン改革運動を主導したひとり、D・A・フレントロップが1961年に建造 した3段鍵盤とペダルの楽器です。2005年にリノベーションが行われました。クワイア・オルガンは、オステルオーケル教会の1926年製セッテルクヴィスト・オルガンを中心にスウェーデン各地の教会から集めたパーツを使って組み立てられ、2006年の受胎告知の日曜に設置されました。
      
価格 2,695円(税込価格)(本体価格 2,450円)

『Rolling River(流れゆく川) - アメリカの合唱音楽』
Harmonia Mundi HMM 905362 contemporary/classical

 
レナード・バーンスタイン(1918–1990)
 チチェスター詩篇(Chichester Psalms)(1965)*
 Hashkiveinu(ハシュキヴェイヌ)(1945)
 (カントル(テノール)、混声合唱とオルガンのための)
伝承曲(ジェームズ・アーブ(1926–2014)編曲)
 シェナンドー(Shenandoah)
サミュエル・バーバー(1910–1981)
 2つの合唱曲(Two Choruses) Op.42(1968)
  十二夜(Twelfth Night) 水の上で歌う(To be Sung on the Water)
ハーバート・ハウエルズ(1892–1983)
 Take him, earth, for cherishing(大地よ、彼を抱き、慈しんでください)(1961)
ジェニファー・ヒグドン(1962–)
 おお大いなる神秘よ(O Magnum Mysterium)(2002)
 (2つのフルート、打楽器と混声合唱のための)
キャロライン・ショー(1982–)
 and the swallow(そして、つばめは)(2017)
デイヴィッド・ラング(1957–)
 protect yourself from infection(感染から身を守れ)(2019)
ニコ・ミューリー(1981–)
 A Great Stone(大きな石)(2018)
 A Good Understanding(良き理解)(2005)
エリック・ウィテカー(1970–)
 Leonardo Dreams of His Flying Machine
 (レオナルドは飛行機を作る夢を見る)(2001)
  ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団
  グレアム・ロス(指揮)
  イェスティン・デイヴィス(カウンターテナー)*
  タニヤ・ヒュートン(ハープ)* オーウェン・ガンネル(打楽器)
  レベッカ・ラーセン(フルート) ジェーン・ミッチェル(フルート)
  ジョージ・ギロウ(オルガン) サミュエル・ジョーンズ(オルガン)
 
録音 2022年6月  オール・ハロウズ教会(ゴスペル・オーク、ロンドン、イングランド)、2022年7月 トンブリッジ・スクール(ケント、イングランド)
芸術監督、録音 ジョン・ラター
マスタリング ブラッド・マイケル

 
『氷の国(Ice Land)』(Harmonia Mundi HMM 905330)をリリースしたケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団とグレアム・ロス Graham Ross の新しいアルバム。第二次世界大戦後の時代から今日まで、驚くほどのヴァイタリティにあふれるアメリカの合唱音楽を眺望する企画です。
 
レナード・バーンスタイン Leonard Bernstein の《チチェスター詩篇》は、イングランドのウェスト・サセックス州、チチェスター大聖堂のフェスティヴァルのための委嘱による作品。〈序奏(Introduction)〉(『詩篇108番』(第2節)「目覚めよ、竪琴よ、琴よ」)、〈第1章(First movement)〉(『詩篇100番』「全地よ、主に向かって喜びの声をあげよ」)、〈第2章(Second movement)〉(『詩篇23番』「主は羊飼い、わたしには何もかけることがない」)、〈第3章(Third movement)〉(『詩篇131番』「主よ、わたしの心は驕っていません」)、〈終曲(Finale)〉(『詩篇133番』(第1節)「見よ、兄弟が共に座っている」)が、ヘブライ語で歌われます。《Hashkiveinu》は、ニューヨーク・シティのパーク・アヴェニュー・シナゴグのプロジェクトのための作品。
 
アルバム・タイトルの「Rolling River(流れゆく川)」を歌詞にもつ伝承曲《シェナンドー》は、ジェームズ・アーブ James Erb の編曲による演奏。サミュエル・バーバー Samuel Barber の代表的な作品に挙げられている《2つの合唱曲》。ハーバート・ハウエルズ Herbert Howells の《Take him, earth, for cherishing》は、暗殺されたケネディ大統領のために委嘱され、1964年11月22日にワシントンDCで初演された作品です。
 
ジェニファー・ヒグドン Jennifer Higdon の《おお大いなる神秘よ》。『詩篇84番』をテクストにしたキャロライン・ショー Caroline Shaw の《and the swallow》(そして、つばめは巣をかけて)。フィラデルフィアの医科大学の博物館から委嘱されたデイヴィッド・ラング David Lang の《protect yourself from infection》。ニコ・ミューリー Nico Muhly が2曲。『マタイによる福音書』第27節による《A Great Stone》は、初録音の作品。『詩篇99番』『詩篇111番』による《A Good Understanding》は、ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団とティム・ブラウンのための作品。エリック・ウィテカー Eric Whitacre の《Leonardo Dreams of His Flying Machine》は、レオナルド・ダ・ヴィンチのノートに残る文章を交え、レオナルドの空を飛ぶ夢を3節の詩にまとめたテクストに作曲されました。スコラ・カントールム(2L 61SACD)をはじめとする合唱団によって歌われている、彼の代表作のひとつです。
 
『氷の国』と同じ、ジョン・ラター John Rutter が芸術監督と録音エンジニアリングを担当して作られました。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『シーグル・リ 歌曲集 第1集』
LAWO Classics LWC 1256 classical

 
シーグル・リ(1871–1904)
 雪(Sne)(1899)
 ヴィルヘルム・クラーグの詩による6つの歌
 (Seks sange til tekster av Vilhelm Krag) Op.1(1892)
  ただお泣き、青ざめ悲しい子よ(Græd kun, du blege)
  ヴァルプルギスの夜(Valborgsnat)
  鳥が甲高く鳴いた(Der skreg en fugl)
  世界がみんな歌う(Alverden skal synge)
  私は鞍をつけ(Jeg vilde sadle)
  フィドルよ私を癒してくれ(Hel mig mine streng)
 クラーグとカスパリの詩による4つの歌
 (Fire sange til tekster av Krag og Caspari) Op.2(1893)
  私の五月の日の花嫁(Min majdags brud)
  賄賂(Bestikkelse)
  私は愛するひとを埋葬した(Jeg havde begravet)
  夏の夕べ(Sommerkveld)
 6つの歌(Seks sange)(1895)
  新しい生(Nyt liv) 彼は傷つき(Han saar)
  十二月(December) 母の子守歌(Moderens vuggesang)
  わたしは甘い夢を隠し(Jeg gjemmer en undersød drøm)
  金色ちどり(Heiloen)
 ペール・シヴレの詩による5つの歌(Fem sange til tekster av Per Sivle)(1898)
  日蝕(Solkverv) 光(Ljos) 春-願い(Vaar-Von)
  秋(Haust) 故郷(Heim)
 中声のための歌(Sange for mellomstemme)(1901)
  心はやさしさと若さにあふれ(Sindet sødmefyldt og ungt)
  日の光の歌(Solskinnsvise)
 ヘリェ・ローゼの詩による低声のための8つの歌
 (8 sange for en dyb stemme til tekster av Helge Rode)
  平原(Sletten) 夜(Nat) 歌(Sang)
  わたしの希望はどこに(Hvor er mit haab)
  黄色と白のボートは(Gule og hvide Baade)
  木(Træet) メヌエット(Menuettino) 秋(Høst)
 ヘリェ・ローゼの『王の息子たち』による3つの歌
 (Tre sange af “Kongesønner” af Helge Rode)
  子守歌(Vuggesang) 夏至の日の歌(Midsommer-sang)
  明るく輝く日だった(Det var en dag saa let og lys)
 イーダル・ハンダガールの詩による7つの歌
 (Syv sanger til tekster av Idar Handagard)(1902)
  春だ(Det er vaar)
  地球を照らす黄金色の太陽よ(Du solguld over jorden ind)
  あなたの肌は薄く(Skjær er din hud) 海と山(Hav og fjeld)
  ふりそそぐ日の光(Solskins-dus)
  それは鼻歌に似て(Det er, som de nynnede sange)
  夏の朝(Sommermorgen)
  マリアンネ・ベアーテ・シェラン(メゾソプラノ)
  ニルス・アンデシュ・モッテンセン(ピアノ)
 
録音 2022年6月7日–10日、11月8日 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン

 
シーグル・リ Sigurd Lie は、1871年、ドランメンで生まれ、クリスチャニア(現オスロ)で育ちました。ピアノとヴァイオリンと音楽理論を学び、リンデマン音楽オルガニスト学校の学生だった時、自身の楽器としてヴァイオリンを選びました。作曲をイーヴェル・ホルテルに学び、音楽の道を志す当時のノルウェー青年たちと同じようにライプツィヒに留学。1891年から1893年にかけてカール・ライネッケに教わり、1894年から1895年までベルリンでハインリヒ・ウルバンに師事しました。帰国後、1895年から1898年までベルゲンの「ハルモニエン」オーケストラ(ベルゲン・フィルハーモニック管弦楽団)のコンサートマスターを務め、1898年にクリスチャニアに移り中央劇場のカペルマイスターに就任しました。1902年に男声合唱団「ハンデルスタンデン合唱クラブ」の指揮者に任命され、ノルウェー音楽シーンでの活躍を期待されたものの、1904年、結核のため33歳で没しました。後期ロマンティシズムのスタイルによる《交響曲 イ短調》と合唱曲《雪》が知られています。
 
シーグル・リは、70を超す数の歌曲を手がけました。多くは生前に出版され、未出版だった15曲は、テリエ・マティセンとハンス・マグネ・グレースヴォルが改訂を加え、1999年に『Sanger(歌)』として出版されました。メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・シェラン Marianne Beate Kielland がニルス・アンデシュ・モッテンセン Nils Anders Mortensen と共演してシーグル・レの全歌曲を2枚のアルバムに録音する最初のアルバムでは「スーパーヒット」の《雪》を含む、生前に出版された作品が歌われます。デンマークの詩人ヘリェ・ローゼ Helge Rode(1870–1937)、クリスチャニアで同じ学校に通っていたヴィルヘルム・クラーグ Vilhelm Krag(1871–1933)、テオドル・カスパリ Theodor Caspari(1853–1948)、ニルス・コレット・ヴォークト Nils Collett Vogt(1864–1937)、シーグビョルン・オプストフェルデル Sigbjørn Obstfelder(1866–1900)、ペール・シヴレ Per Sivle(1857–1904)、マグヌス・ブローストルプ・ランドスタ Magnus Brostrup Landstad(1802–1880)、ニーノシュクの推進にも務めた医師のイーダル・ハンダガール Idar Handagard(1874–1959)の詩がテクストの作品です。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『ノルウェー放送管弦楽団+モーツァルト』
LAWO Classics LWC 1258 classical

 
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756–1791)
 交響曲第39番 変ホ長調 K.543
 交響曲第40番 ト短調 K.550
  ノルウェー放送管弦楽団 ペトル・ポペルカ(指揮)
 
録音 2022年1月24日–28日、8月22日 NRK(ノルウェー放送)コンサートホール(オスロ) 

 
『シベリウス 管弦楽共演の歌曲』(LWC 1239)でマリアンネ・ベアーテ・シェランと共演したノルウェー放送管弦楽団(KORK)と020/21年のシーズンから首席指揮者を務める、プラハ生まれのペトル・ポペルカ Petr Popelka(1986–)のモーツァルト。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『Borrowed, not Stolen(盗んだんじゃなく、借りただけ)』
LAWO Classics LWC 1261 classical

 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 フーガの技法(Die Kunst der Fuge) BWV 1080
  コントラプンクトゥス I(Contrapunctus I)
  コントラプンクトゥス VII(Contrapunctus VII)
スウェーデン民謡(ヨーラン・モンソン(1967–) 編曲)
 ハーヴェローのショッティーシュ(Schottis från Haverö)
スウェーデン民謡(フレードリク・オステルリング(1966–) 編曲)
 ヴェルムランドの歌(Värmlandsvisan)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 フーガの技法(Die Kunst der Fuge) BWV 1080
  コントラプンクトゥス IX(Contrapunctus IX)
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
 協奏曲 変ロ長調 RV 363《ポストホルン(Il Corneto da Posta)》
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681–1767)
(アンドレア・ボルンシュタイン 編曲)
 協奏曲 ト長調 TWV 40:210
ノルウェー民謡(ウッドペッカー・リコーダー四重奏団)
 老グロ(Gamle Guro)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685–1750)
 フーガの技法(Die Kunst der Fuge) BWV 1080
  3つの主題によるフーガ(Fuga a 3 soggetti)
ターロック・オキャロラン(トゥールロホ・オ・カロラン)(1670–1738)
 ターロホ・オグ・マクダナ(Turlough Óg McDonough)
ルーリ・ダル・オ・カヘン(ローリ・ダル・オカハン)(1580–1653)
(フレードリク・オステルリング(1966–) 編曲)
 手を貸してください(Tabhair dom do Lámh)
スコットランド民謡(ケイト・ハーン 編曲)
 コックスタウン(Coxetown)
デンマーク民謡(ペアニレ・ペータセン(1983–) 編曲)
 クリュシリス、わが世界の黄金よ(Chrysillis, du  mit Verdens Guld)
ペアニレ・ペータセン(1983–)
 ミケルの旅(Mikkel’s Journey)(《いとこミケル》の変奏曲による幻想曲)
デンマーク民謡(ペアニレ・ペータセン(1983–) 編曲)
 Hønsefødder og Gulerødder(Chicken Feet and Car-rots)
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678–1741)
(ベルト・ドリーヴァー(1953–) 編曲)
 協奏曲 ハ長調 RV 443
  ウッドペッカー・リコーダー四重奏団
   カロリーネ・アイステン・ダール(リコーダー)
   ケイト・ハーン(リコーダー)
   ペアニレ・ペータセン(リコーダー)
   カタリーナ・ヴィーデル(リコーダー)
 
録音 2022年3月29日–31日 ヤール教会(バールム、ノルウェー)
制作・編集 ヴェーガル・ランドース
録音エンジニア・マスタリング トマス・ヴォルデン

 
「キツツキ」の名を冠した「ウッドペッカー・リコーダー四重奏団 Woodpeckers Recorder Quartet」は、「バロック音楽をリコーダーで演奏することをこよなく愛する」プレーヤーがそろってストックホルムに住んでいた17年前に結成されたアンサンブルです。『ブラックバード』(LWC 1069)などのソロ・アルバムで親しまれているノルウェーのカロリーネ・アイステン・ダール Caroline Eidsten Dahl、アイルランド出身のケイト・ハーン Kate Hearne、デンマークのペアニレ・ペータセン Pernille Petersen、韓国で生まれスウェーデンで育ったカタリーナ・ヴィーデル Katarina Widell。彼らのレパートリーに欠かせないバッハの《フーガの技法》をプログラムに組んだ最初のコンサートの後、「盗んだんじゃなく、借りただけ」という「編曲」作品を少しずつレパートリーに加えながら演奏活動を行なってきました。バッハ、ヴィヴァルティとテレマンの曲、北欧の民謡、スコットランドとアイルランドの民謡と人気曲と、彼らのコンサートを思わせる多彩なプログラムによるアルバムです。
 
価格 2,530円(税込価格)(本体価格 2,300円)

『救世主(Salvator Mundi)』
Mirare MIR 668 early music/classical

 
ディートリク・ブクステフーデ(c1637-1707) 受難と復活のカンタータ
 イエスはわが生涯の命(Jesu, meines Lebens Leben) BuxWV 62
 まことに彼はわれらの病いを担いたもう
 (Fürwahr, er trug unsere Krankheit) BuxWV 31
 われは蘇りなり、命なり(Ich bin die Auferstehung) BuxWV 44
 主の僕らよ、主を賛美せよ(子らよ、主をたたえよ)
 (Laudate pueri Dominum) BuxWV 69
 来たれと天使に告げよ(Befiel dem Engel, daß er komm) BuxWV 10
 涸れた谷に鹿が水を求めるように(Quemadmodum desiderat cervus) BuxWV 92
 主よ、われ汝を離れず(Herr, ich lasse dich nicht) BuxWV 36
 おお主よ、心よりわれ汝を愛す(Herzlich lieb hab ich dich, o Herr) BuxWV 41
  リチェルカール・コンソート
  フィリップ・ピエルロ(指揮、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
  アナ・バヨディ=イルト(ソプラノ)
  イェッサベル・アリアス(ソプラノ)
  ダヴィド・サガストゥメ(カウンターテナー)
  ヒューゴ・ハイマス(テノール)
  マティアス・フィーヴェク(バス)
 
録音 2022年10月10日–15日 ラ・リュセルヌ三位一体修道院(L'abbaye Sainte-Trinité de La Lucerne)(ラ・リュセム=ドゥトゥルメール、オート=ノルマンディー、フランス)

 
受難の主日に始まる2週間の受難節は、教会暦における年のもっとも重要な季節のひとつです。十字架上のキリストの苦悩と死は、マルティン・ルターの「十字架の神学」の中心とされ、16世紀後期から18世紀末の音楽にかけて多くの受難の音楽が作られました。デンマークに生まれ、ドイツのリューベックでオルガニストを務めたディートリク・ブクステフーデ  Dietrich (Diderik) Buxtehude もプロテスタント教会のために受難のカンタータを作曲し、現在も教会音楽の重要なレパートリーとして演奏されています。
 
ベルギーのアンサンブル、1980年創設の「リチェルカール・コンソート Ricercar Consort」の新しいアルバムでは、ブクステフーデの「受難と復活のカンタータ」の8曲が演奏されます。エルンスト・クリストフ・ホンブルクの書いた受難節の讃美歌による《イエスはわが生涯の命》、『旧約聖書』の『イザヤ書』(第53章4節–5節)による《まことに彼はわれらの病いを担いたもう》、『詩篇113番』による《主の僕(しもべ)らよ、主を賛美せよ》と『詩篇42番』による《涸れた谷に鹿が水を求めるように(鹿の谷川を慕いあえぐがごとく)》など。フランスのアナ・バヨディ=イルト Hanna Bayodi-Hirt、キューバ出身のイェッサベル・アリアス Yetzabel Arias、スペインのダヴィド・サガストゥメ David Sagastume、イギリスのヒューゴ・ハイマス Hugo Hymas、ドイツのマティアス・フィーヴェク Matthias Vieweg の歌唱。リチェルカール・コンソートの創設メンバーのひとり、ヴィオラ・ダ・ガンバも担当しているフィリップ・ピエルロ Philippe Pierlot(1958–)の指揮による録音です。
 
価格 2,970円(税込価格)(本体価格 2,700円)

『ハイドン 後期交響曲集 第1集』
Naxos 8.574516 classical

 
ヨーゼフ・ハイドン(1732–1809)
 交響曲第93番 ニ長調 Hob.I:93(1791)
 交響曲第94番 ト長調《驚愕(Surprise)》 Hob.I:94(1791)
 交響曲第95番 ハ短調 Hob.I:95(1791)
  デンマーク室内管弦楽団
  アダム・フィッシャー(指揮)
 
録音 2022年9月2日、9月5日、11月14日 王立デンマーク音楽アカデミー コンサートホール(コペンハーゲン)

 
デンマーク室内管弦楽団と1998年に首席指揮者に任命されたハンガリーのアダム・フィッシャー Ádám Fischer(1949–)による新シリーズはハイドンの後期交響曲。フィッシャーは、1987年にオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団を組織、オーストリアのアイゼンシュタットでハイドン・フェスティヴァルをスタートさせるとともに、Nimbus レーベルのためのハイドン交響曲のデジタル録音による最初の全集に取りかかりました。その後、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲の録音も完成させました。フィッシャーにとって2度目、デンマーク室内管弦楽団にとって初めてのハイドン交響曲は、「ピリオド楽器演奏」後のスタイルと考え方を反映して行われ、最初のアルバムとして、『ロンドン交響曲(ザロモン交響曲)』の最初の3曲がリリースされます。
 
価格 1,540円(税込価格)(本体価格 1,400円)

『6つの弦楽四重奏曲』
nosag CD 2246 2CD’s contemporary/classical

 
ステラン・サーグヴィーク(1952–)
[Disc 1]
 弦楽四重奏曲第1番 Op.20(1971)*
 弦楽四重奏曲第2番 Op.23(1972)*
  Koncentrationssvårghter-Natt
  koncentrationssvårigheter
  natt
 弦楽四重奏曲第3番 Op.41(1974)*
 弦楽四重奏曲第4番 Op.156《ESEMBE》
 (ワルシャワの主題による変奏曲)(1990)**
[Disc 2]
 弦楽四重奏曲第5番 Op.180《Ylanin Logoty》(1994)**
 弦楽四重奏曲第6番《mo’olelo》(1993/2021)***
  ‘ono” la’au lapa’au make hau’oli
  ストックホルム四重奏団 *
   ユルヴァ・ラーション(第1ヴァイオリン)
   ニナ・バラビナ(第2ヴァイオリン)
   オレク・バラビネ(ヴィオラ) トミ・スヴァンストレム(チェロ)
  フロッシュ四重奏団 **
   ネギーナ・ストヤノヴァ(第1ヴァイオリン)
   ペトヤ・ディミトローヴァ(第2ヴァイオリン)
   マリア・ヴァハノヴァ(ヴィオラ)
   テオドラ・アタナソヴァ(チェロ)
  ジェンティーレ四重奏団 ***
   ジェンティリア・ポップ(第1ヴァイオリン)
   ファリーダ・サイフェーヴァ(第2ヴァイオリン)
   ウルフ・ラーション(ヴィオラ)
   ペール=ウーラ・クラーソン(チェロ)

 
ステラン・サーグヴィーク Stellan Sagvik(1952–)は、スウェーデン、オレブルー生まれの作曲家、指揮者、音楽家、歌手。自身のレコードレーベル「nosag」と「GASON」を主宰、プロデューサーとしても活動しています。王立ストックホルム音楽大学でグンナル・ブクト、アルネ・メルネス、ラーシュ=グンナル・ブーディーン、ラーシュ=エーリク・ロセルに作曲を学び、200曲近い作品を発表してきました。このアルバムには、彼が1971年から2021年までに作曲した6つの弦楽四重奏曲が、3つの四重奏団の演奏で収められています。抒情的な作品、ロマンティックとさえいえる作品、瞑想的な作品、力強くエネルギッシュな作品と、幅広い音楽言語とスタイルによる作品群です。
 
価格 4,950円(税込価格)(本体価格 4,500円)

『最後の戦士(Den siste kämpen)』
Ondine ODE 1424-2 classical

 
ベルンハード・ヘンリク・クルーセル(1775–1838)
 歌劇《小さな奴隷娘(Den lilla slavinnan)》(1824)- 序曲
 ファゴット小協奏曲 変ロ長調(1829)*
 最後の戦士(Den siste kämpen)(1834)
 (朗読、合唱と管弦楽のためのデクラマトリウム)**
  ヘルシンキ・バロック管弦楽団 アーポ・ハッキネン(指揮)
  ヤニ・スンナルボリ(ファゴット)*
  フランク・スコーグ(朗読)** アウディ青少年合唱アカデミー **   
 
録音 2022年10月16日–17日 ミュージックセンター(ヘルシンキ)(ライヴ録音)

 
ヘルシンキ・バロック管弦楽団とアーポ・ハッキネン Aapo Häkkinen(1976–)によるクルーセルの初録音を含む管弦楽作品。
 
スウェーデン=フィンランドのクラリネット奏者で作曲家のベルンハード・ヘンリク・クルーセル Bernhard Henrik Crussell(1775–1838)は、1793年にストックホルムの王立宮廷管弦楽団の首席クラリネット奏者に就任、ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(アベ・フォーグラー)に作曲を学び、数ヶ月のベルリン滞在中にクラリネット奏者のフランツ・タウシュに師事しました。3曲の《クラリネット協奏曲》と3曲の《クラリネット四重奏曲》は、クラリネット奏者の重要なレパートリーになり、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための《協奏交響曲》やクラリネットと管弦楽のための《序奏とスウェーデンの旋律》といった作品も演奏され、録音されています。
 
歌劇《小さな奴隷娘(Den lilla slavinnan)》は、ルネ・シャルル・ギベール・ド・ピクセレクール René Charles Guibert de Pixérécourt(1773–1844)のフランス語の戯曲をウルリク・エマヌエル・マンネルイェータたちがスウェーデン語に翻訳した台本による3幕のジングシュピールです。1824年2月18日に王立劇場で初演されました。このディスクで演奏される《序曲》と、娘ゼテュルベが第3幕で歌うクラリネットの序奏とオブリガートのついたアリア「Gudinnan för sin ära」が知られています。
 
《ファゴット小協奏曲》は、王立管弦楽団でファゴットを演奏するプロイマイア三兄弟の最年少、1811年から1835年まで首席奏者を務め、クルーセルの娘と結婚したフランス・プロイマイア Frans Preumayr のために作曲されました。「アレグロ・ブリランテ」、ボワエルデューの歌劇《村の新しい領主(Le nouveau Seigneur de village)》の旋律が主題に引用された「アレグド・モデラート」、「ポラッカ」の3楽章の作品。1829年9月24日にストックホルムで初演されました。
 
《最後の戦士》は、作家、歴史家、詩人、批評家、哲学者、作曲家として多面的に活躍したエーリク・グスタフ・イェイエル Erik Gustaf Geijer(1783–1847)の北欧神話を題材にした詩による「朗読、合唱と管弦楽のためのデクラマトリウム(Declamatorium)」として作られました。〈Introduzione(序奏)〉〈Declamation: I natten tindra blixtarnas sken(朗読:夜、稲妻が光り)〉〈Ur klostret steg fjärran klockornas klang(修道院から遠い鐘の響きが立ち昇り)〉〈Dock, Du lever!(だが、あなたは生きている)〉〈Valhalla älskling, upphöj röst!(愛するヴァルハラよ、声を挙げよ)〉〈Gångne är stallbröder mina(ゴングネ、わが馬屋の兄弟たち)〉〈I natten tindra blixtarnas sken(夜、稲妻が光り)〉〈Från branta fjället han trotsig ser(険しい山から彼は挑む眼差しで)〉〈Kom att röna Valhalls öden(来い、ヴァルハラの運命を受けよ)〉〈Valhalla son, träd fram i Odens sal!(ヴァルハラの子よ、オーディンの広間に出よ)〉。1837年12月9日、王立劇場で初演され、評価が分かれたと言われます。世界初録音の作品です。
 
価格 2,585円(税込価格)(本体価格 2,350円)

『ガーシュウィン』
Vox VOXNX 3018CD classical

 
ジョージ・ガーシュウィン(1898–1937)
 ピアノ協奏曲 へ調(Concerto in F)(1925)
 セカンド・ラプソディ(Second Rhapsody)(1931)
 (ピアノと管弦楽のための)
 アイ・ガット・リズム変奏曲(Variations on ”I Got Rhythm”)(1934)
 (ピアノと管弦楽のための)
 ラプソディ・イン・ブルー(Rhapsody in Blue)(1924)
  ジェフリー・シーゲル(ピアノ)
  セントルイス交響楽団 レナード・スラトキン(指揮)
 
録音 1974年6月18日–19日 

 
マーク・オーボートとジョアナ・ニクレンツの「Elite Recordings」が Vox Records のために制作した優秀録音のディスクをマイク・クレメンツによる「24bit/192kHz」デジタル・リマスタリングでリリースする「Vox Audiophile Edition」のガーシュウィン第2作。『George Gershwin Works for Orchestra & for Piano & Orchestra』(CBX/QSVBX 5132)から、レナード・スラトキンとセントルイス交響楽団がシカゴ生まれのジェフリー・シーゲル Jeffrey Siegel(1942–)と共演した「ピアノと管弦楽」の作品が収録されています。
 
価格 2,255円(税込価格)(本体価格 2,050円)

『Bouncin’ with Dex』
SteepleChase G 1060 Vinyl LP jazz

 
『Bouncin’ with Dex』
[Side 1]
 Billie’s Bounce Easy Living Benji’s Bouncd
[Side 2]
 Catalonian Nights Four
  デクスター・ゴードン(テナーサックス)
  テテ・モントリュー(ピアノ)
  ニルス=ヘニング・アアステズ・ペーザセン(ベース)
  ビリー・ヒギンズ(ドラム)
 
録音 1975年9月14日 コペンハーゲン

 
1940年代のビバップ時代を支えたデクスター・ゴードン Dexter Gordon(1923–1990)は、1960年代初期から1976年にかけてパリとコペンハーゲンを拠点に活動しました。『Bouncin’ with Dex』は、アメリカに戻る前年、1975年9月にセッション録音されたアルバムです。テテ・モントリュー Tete Montoliu のピアノ、ニルス=ヘニング・アアステズ・ペーザセン Niles-Henning Ørsted Pedersen のベース、ビリー・ヒギンズ Billy Higgins のドラム。「180g Vinyl LP」による復刻。
 
価格 5,115円(税込価格)(本体価格 4,650円)

『Resonance』
SteepleChase SCCD 31948 jazz

 
『Resonance』
 Resonance Sun King Spring Is Here Act Riot
 For All We Know Things Pinocchio I’ll Get By Petegrine
  ジョン・ハート(ギター)
  リッチ・ペリー(テナーサックス)
  ブライアン・シャレット(B3 ハモンド・オルガン)
  スティーヴ・ジョンズ(ドラム)
 
録音 2022年10月

 
ニューヨークを拠点に活動するジャズ・ギタリスト、ジョン・ハート John Hart(1961–)の SteepleChase 第5作。ハートは、ヴァージニア州に生まれ、1983年にマイアミ大学を卒業。ニューヨーク・シティで日野皓正、ラリー・ゴールディングズ、ジャック・マクダフと共演、ツアーにも同行しました。その後、ダイアン・ハブカ、クリス・ポッター、マーク・コープランド、ジェイ・アンダーソン、ジェフ・ハーシュフィールドたちと共演、サイドマンとしてレコード録音に参加しました。ウェス・モンゴメリーとジム・ホールの伝統に沿ったスタイルのギターと言われています。このアルバムは、2022年10月のセッション録音。リッチ・ペリー Rich Perry のテナーサックス、ブライアン・シャレット Brian Charette のB3ハモンド・オルガン、スティーヴ・ジョンズ Steve Johns のドラムというカルテットによるセッション。メインストリームのジャズからフリー・インプロヴィゼーション、さらにファンクと、さまざまな要素によるジャズです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『Count Basie & His Orchestra in Concert』
SteepleChase SCCD 36508 jazz

 
『Count Basie & His Orchestra in Concert』
 Why Not Easy Money Jumpin’ at the Woodside Segue in C
 A Little Tempo, Please There Will Never Be Another You
 Young and Foolish Alright, Okay, You Win Easin’ It
 April in Paris Cute You’re Too Beautiful The Song Is You
 Li’l Darling I Needs to Be Bee’d With I Got Rhythm
 The Blues Alexander’s Ragtime Band Ol’ Man River
  カウント・ベイシー・オーケストラ
 
録音 1962年4月28日 ファルコナー・センター(Falkoner Centret)(コペンハーゲン)(ライヴ録音)

 
カウント・ベイシーは、「アトミック・ピリオド」と呼ばれる1950年代後半から60年代前半にかけて、1951年以降に再結成した「カウント・ベイシー・オーケストラ Count Basie & His Orchestra」(通称「ニュー・ベイシー」)によるヨーロッパツアーをたびたび行いました。SteepleChase レーベルがリリースする『Count Basie & His Orchestra in Concert』は、コペンハーゲンのフレゼリクスベア地区にあるホテル・カンファレンス・コンプレックス「ファルコナー・センター」での1962年4月28日のライヴ録音。クリス・シェリダンの『Count Basie: A Bio-Discography』にも掲載されていないという未発表音源のリリースです。
 
価格 2,915円(税込価格)(本体価格 2,650円)

『A Tribute to Paco de Lucia』
Storyville 101 4352 flamenco/jazz

 
『A Tribute to Paco de Lucia』
 Candela Navegando en al sire #2 Gambas al ajillo Palenque 
 Camelia Sale el Sol
  フラメンコ・パッション
   ポウル・ヤチェク・クヌセン(ギター、ハンドクラップ)
   ニコライ・ラン(ベース)
   アナス・ペーザセン(カホン、パーカッション)
   フアン・ムルベ(ハレオ、ハンドクラップ)
  ミケル・ノアスー(ギター)
  ビャーケ・ファルグレーン(ヴァイオリン)
  マティアス・ハイセ(クロマティック・ハーモニカ)
  
録音 2022年 Soundscape Studio(フレゼリクスベア、デンマーク)

 
デンマークを拠点とするアンサンブル「フラメンコ・パッション Flamenco Passion」が、ギターのミケル・ノアスー Mikkel Nordsø、ヴァイオリンのビャーケ・ファルグレーン Bjarke Falgren、ハーモニカのマティアス・ハイセ Mathias Heise と共演して作った、パコ・デ・ルシア Paco de Lucia へのトリビュート・アルバム。フラメンコ・ギターのアイコンと呼ばれるデ・ルシアは、フラメンコのアーティストばかりか、チック・コリアやジョージ・ベンソンといったジャズ・ミュージシャンにも影響を与えたと言われます。フラメンコ・パッションのオリジナル・テーマ、デ・ルシアの曲が1曲、ノアスーの曲が2曲、収録されています。
 
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)

『Danish Rain』
Storyville 101 8532 jazz

 
『Danish Rain』
 Danish Rain(Thomas Fonnesbæk) Everything I Love(Cole Porter)
 Windows(Chick Corea) Falling Grace(Steve Swallow)
 You Must Believe in Spring(Michel Legrand)
 Cake Walk(Oscar Peterson) Imagine(John Lennon)
 Country Fried(Justin Kauflin) Driftin’(Herbie Hancock)
  ジャスティン・カウフリン(ピアノ)
  トマス・フォネスベク(ベース)
 
録音 2022年3月28日–29日 Village Recording Studio(コペンハーゲン )

 
トマス・クラウセン・トリオのベーシスト、トマス・フォネスベクとアメリカのピアニスト、ジャスティン・カウフリンのデュオ・アルバム。
 
ジャスティン・カウフリン Justin Kauflin は、1986年、メリランド州シルヴァー・スプリング生まれ。ヴァージニア州のヴァージニア・ビーチに移り、6歳でクラシカル音楽のピアノとヴァイオリンを習い始めました。高等学校を卒業後、ニュージャージーのウィリアム・パタソン大学に進み、クラーク・テリーのクラスで学ぶとともに彼のアンサンブルでもプレーしました。2008年からニューヨーク・シティに移り、ジャズ・ピアニスト、バンド・リーダー、プロデューサー、作曲家として活動。最初のアルバム『Introducing Justin Kauflin』をリリースしました。2011年に自身のトリオを結成、ジェイ・シネット・トリオ Jae Sinnet Trio にも加わりました。この年からクインシー・ジョーンズのバンドでも演奏を始め、ワールド・ツアーにも参加しました。
 
トマス・フォネスベク Thomas Fonnesbæk(1977–)は、ニルス=ヘニング・オアステズ・ペーザセンやオーレ・コク・ハンセンに学び、デンマークのジャズ・シーンに欠かせないプレーヤーのひとりとして活動しています。トマス・クラウセン・トリオの『Back 2 Basics』(Stunt Records STUCD 21042)をはじめとするアルバムに彼のテクニックと優れた感覚が示され、セーアン・クリスチャンセンとの『The Touch』(Storyville 101 4347)やエンリコ・ピエラヌンツィとの『Something Tomorrow』(Storyville 101 8498)といった、ピアニストとのデュオ・アルバムも高く評価されています。
 
『Danish Rain』と題した新しいアルバムは、オスカー・ピーターソン、コール・ポーター、チック・コリア、スティーヴ・スワロウ、ミシェル・ルグランたちのスタンダード曲と、フォネスベクとカウフリンのオリジナル曲を1曲ずつ加えたプログラムで演奏されます。
      
価格 2,420円(税込価格)(本体価格 2,200円)

『Alex Riel in New York』
Stunt Records STUCD 23062 2CD’s jazz

 
『Alex Riel in New York』
[Disc 1: STUCD 19077『Unriel!』(1997)]
 Gecko Plex He’s Dead Too On Again off Again Amethyst
 Bruze Moments Notice Channeling Invisible Light Unriel
[Disc 2: STUCD 190918『Rielatin’』(2000)]
 Did You Call Her Today Bessie’s Blues Committed
 In My Own “Sweets” Way I Fall in Love Too Easily The Bat
 High Tops Lille Empum
  アレクス・リール(ドラム)
  マイケル・ブレッカー(テナーサックス)
  ジェリー・バーガンジー(テナーサックス)
  マイク・スターン(ギター)
  ニルス・ラン・ドーキ(ピアノ)
  ケニー・ワーナー(ピアノ)
  エディ・ゴメス(ベース)
  クリス・ミン・ドーキ(ベース)
 
録音 1997年3月23日–24日(Disc 1)、1999年10月9日–10日(Disc 2) サウンド・オン・サウンド(Sound on Sound Studios)(ニューヨーク・シティ)
制作 ニルス・ラン・ドーキ、クリス・ミン・ドーキ

 
デンマークのジャズとロックのドラマー、アレクス・リール Alex Riel(1940–)は、最初のグループ「アレクス・リール/パレ・ミケルボー・クインテット」で1968年のモントルー・ジャズフェスティヴァルに出演、「モントルー・グランプリ・アウォード」を獲得。デンマークのジャズクラブ「カフェ・モンマルトル」に継続して出演しこのクラブの活動を支えました。ケニー・ワーナー、トマス・クラウセン、ビル・エヴァンズ、ジャッキー・マクリーン、デクスター・ゴードン、レイ・ブラウンといった国際的なミュージシャント録音やセッションで共演、ベーシストのニルス=ヘニング・アアステズ・ペーザセンとピアニストのケニー・ドルーと組んだアンサンブルも高く評価されました。『Alex Riel in New York』は、彼がニルス・ランとクリス・ミンのドーキ兄弟のプロデュースで1997年と1999年に録音した『Unriel!』と『Rielatin’』の2つのアルバムのセット化です。
 
価格 3,740円(税込価格)(本体価格 3,400円)

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